森保JAPAN、オリックス、仙台育英、明治大・・・今の日本におけるマネジメント。

W杯サッカー日本代表の活躍ぶりが凄まじい。
ドイツ、スペインといったW杯優勝国に勝利しての決勝トーナメント進出は価値が高い。大会前は不安視された森保監督の手腕でしたが、蓋を開けてみると、なんとも斬新なマネジメントをするではないですか。

・ひとつ、ターンオーバー制
・ふたつ、選手交代

ドイツ戦からコスタリカ戦において、5人の先発選手を入れ替え。そこから、また5人変更(うち4人はドイツ戦のスタメン)しています。

特に、追い回す運動量が必要な前線の選手はほとんど途中交代するか、途中から入るかの役を担っています。

3試合を戦ってグループを突破するのに、全ての試合を同じメンバーにしていたら、勝てる試合も勝てなくなる。同じメンバーにしていたら本気で勝ちに行っているように見えるけど、実は、選手のパフォーマンスを保てず、勝てる試合が少なくなってしまう。

そんな考えでもあったんでしょう。

相手のボール保持時間が長くなってしまうことは仕方がない。その中で、どの対明で勝負をかけるのか、味方の守備のあみにかけて攻撃を仕掛ける。そのタイミングのために守るには、どうしても、前線の選手の運動量がいる。

運動量のある選手を選べばいいって話ではない。前線で勝負できる選手でないといけないわけだから、その選手たちをなるべく多く選んで、ベストな力を出せる分、力を出し尽くしてもらおうという算段だ。

それも、今大会前だけにやればできることではない。

4年間、多くの選手を使いながら、馴染ませてきた。
それが森保監督のマネジメントですよね。

そして、それを達成するのに欠かせなかったのが選手交代です。

今大会はコロナの影響もあり、選手交代が最大で5人を使えるレギュレーションになっています。

これを森保監督はフルに使っています。

ドイツ戦は戦術変更で一人交代。

そこから4人は攻撃的にするための積極策です。

2戦目、3戦目は攻撃的、守備的とうまく使い分けた選手交代を行いました。

1戦目に走り回った、前田大然や久保建英は2戦目は出場せず、3戦目に先発。
1戦目の途中出場で活躍した堂安律は2戦目はスタメンも途中交代。3戦目は途中出場し、1戦目に続いて同点ゴールを決めました。

浅野拓磨、三笘薫は交代出場ばかりですが、常に怖い存在として君臨しています。

グループリーグを2勝1敗で1位通過という結果は森保監督のマネジメントに他なりません。

世の中にはこのターンオーバー制を「うまく休ませている」と表現すると思います。そうではなく「うまく100%の力を出させている」といった方がいいかもしれません。

見栄えは同じスタメンの方が「勝ちに行っている」ように見えますが、実はこちらの方が「勝ちにいっている」と言えるのではないでしょうか。

そんな森保監督のマネジメントを見ていると、野球界の今年の優勝チームのそれは似通ったものでした。

例えば、今年の日本シリーズ。
1分2敗から4戦目に初勝利を挙げたオリックスは、5戦目のベンチに前の試合の勝利の立役者になったリリーフの二人をベンチから外しました。あと3勝が必要だったオリックスベンチは6、7戦でベストパフォーマンスが出せる環境に切り替えたのです。

あるいは、今年夏の甲子園。
東北勢初の優勝を果たした仙台育英は、決勝戦の先発マウンドに、なんと、中3日の投手を先発させました。そして、7回で交代すると、8回からは準決勝戦を先発しながら3回未満で降板してこの日に備えていた高橋が登板。試合を締めたのだった。

また、神宮大会を制した明治大学も。。

初戦の2回戦で先発した村田は完封勝利。準決勝は4人の投手で戦い、決勝戦は村田が先発して完封。結果的には村田の大活躍に見えるが、実は、イニングによって準備する投手がいて、それも担当が決まっていた。

常にバックアップ体制をとっていた。

「誰が投げても完封できていたと思う」

それくらいのチームを作り上げていたのだ。

能力が高い選手がいるのだから、その選手の最大限の力が発揮できるような起用を選択していく。疲弊した選手を多く作るのではなく、少なじ時間でも相手の脅威となれる選手を適材適所で抜擢していく。

今の日本における勝ち切るチーム、組織は似たようなことになっているのじゃないか、そんなことを思いました。

日本の社会もそういうふうに変わっていくのかなぁ。


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