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#5 「After a game」

結局自宅に帰ったのは次の日を越していた。

彼女も21:32のLINEメッセージの後、連絡が来なかったので、いつもの通りの

『寝落ちしたな…」

と思った。

たった3日だが、ほぼ寝落ちされている。
毎日がよっぽど『大変』なのだなと察しがつく。

彼女にとって、今回退院してからのこの大会へのチームマネージメントは本当に初めてづくしで、大変だったのは誰が見ても明らかだった。
一瞬だったが会った感想とか聞きたかったが、ゆっくり休んで欲しかった。

私はというと、バンに積んであったテントやら運営備品やらを所定の場所に2時間かけて片付けが終え、事務所で事後処理作業をしていた。

途中いつのまにか寝てたのは俺しか知らない…秘密。(紅の豚引用)

結局終電間際で、帰宅する羽目になる。

大会が終わると一気に脱力感に襲われる。
緩むというか、
何もする気が起きなくなる。
しかし、最近のイベントシーズンは、
一年中やっている。
3〜8月は、海外リーグ(サポート)、7人制、国際戦(上期)
9〜2月は、15人制、7人制、国際戦(後期)、海外リーグ(サポート)

ここ2.3年は息つく暇がない。

ところ変わり、渋谷は山手線外回り方面後部車両のホーム

終電が遅れに遅れているらしく、15分ほど終電を待っていた。
彼女からのメッセージも微かに期待を持ちながら。
来ないと分かっていても、iPhoneが気になってしまっているのは言うまでもなく。

終電の車内は、
相変わらず花見に浮かれたカップルと…
カップルと…カップルと…
サークルグループの酔っ払いで溢れていた。
そんな中、
最近、はまっている読書を。

伊坂幸太郎さんの書籍を今更ながら読んでいる。
不思議な感覚に陥り、
最後「ストーン」って腑に落ちる内容ばかり。言い回しや容易に想像がつく比喩表現がとても斬新。そして、その表現でしかその情景はが浮かばないくらいピタッとはまる。
と言ってもまだ、数冊しか読んでいない。
今読んでいるのは、
「アイネクライネナハトムジーク」(ネタバレは致しませんので)。
色々違う話が何編かに分かれているが、
1つのストーリー毎で、ハッピーエンドのような、腑に落ちない内容になっている。
まだ、半分くらいしか読んでいないが、
どう終わるのかドキドキしているのは言うまでもない。

通勤退勤時の車内の楽しみになっていた。
それと彼女との朝夜のやりとりが、
楽しみの1つとして加えられているのはここ3日間の俺の出来事。

「次は終点池袋〜車両はこのまま車庫に向かいまーす。お忘れ物無きようにご注意くださーい」
というアナウンスが流れて、
もう着いてしまったと残念な気持ちでいっぱいだった。
1週間前とは違う心情なのはなぜなんだろう。仕事がひと段落したから?

電車を降りiPhoneをチェック。
仕事メールは大会の御礼メールを事務所にいる時に全チームに流していたので、
それ対しての返信が5件あったくらいで、
昨日までの「100件」みたいな数字は無くなった。

珍しく缶チューハイを近くのファミマで1本買って自宅に帰った。

缶チューハイを開けて、
例の如くルパンのカリオストロの城を再生して、
ソファーに座った瞬間…
落ちていたのは仕方のないこと。

翌朝、気の抜けたかわいそうな缶チューハイを、台所に流したのは言うまでもない。

to be next story...

(あとがき)
文中に紹介いたしました、伊坂幸太郎さんの本は、
本当におすすめです!
他にも「マリアビートル」もおすすめですねー
新幹線で繰り広げる『暗殺』やら事件が…!
もしよろしければお読みくださいなー

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