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花見前、突然陰部を触られた話

華々しいnote初投稿が、こんな話で申し訳ない。

ただし、桜散りかけるこの季節
僕はある一人のおっさんを思い出す。

▶▶▶

5年前の4月8日の夕方
僕は、家から駅へと全力疾走で
三宮へ出かけていた。

当時つきあっていた彼女と
西ノ宮は夙川の、夜桜を見に行く約束を
していたからだ。

脳内BGM

"桜ひらひら舞い降りて落ちて。
ゆれる想いのたけを抱きしめた。"


すこし早い時間に三宮についたため
お茶でもしようと、カフェに入ったのだが
おなかが、とても痛くなってきた。


全力疾走で、JR三宮のトイレまで着くと
そこに見えたのは
洋式トイレの前にたたずむ群集・・・


どうしようかと困っていると


「お兄ちゃん、ここめっちゃ混んでるやろ。
 いいトイレ案内したるわ!」


人の良さそうな
吉本新喜劇の、中條健一似のおじさんが
僕に突然、話しかけてきた。


もうね・・あなたがトイレの神様かと・・


二つ返事で返し、案内される中で

かつてモーセに従って
出エジプトを試みるヘブライ人と

僕の心は、完全にシンクロしていた。

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脳内BGM

"僕がそばにいるよ。君を笑わせるから。
 桜舞う季節数え、君と歩いていこう。"


道中は、おっさんと自分で
白熱した意見が交わされていた。


トイレットペーパーを備え付けず
自動販売機で、紙を100円で販売する
JRの方針について

「どうしてだろう、人は人を傷つけ・・・」

的なことを、三宮のトイレの神様と
しゃべっているうち
案内された場所に到着。


それは駅北側にある雑居ビルの
1Fの小さなトイレだった。


僕「ありがとうございます。
 本当に助かりました」


おじさん「全然ええよ。お礼代わりに
 兄ちゃんの下半身さわらせてな」


僕「はっ!!??」


そう言いながら
僕のアナログスティックに
手を伸ばしてきて、3秒くらい
ズボンの上からさわってきた。


そして、スリスリした後
満面の笑みで、脱兎のごとく
去っていった・・・


脳内BGM

"ヒュルリーラ  × 3"



触られた瞬間

(゜∀゜;ノ)ノ


フリーズしてしまった・・・
抵抗することも…できず…



アーーーーーーッッ

的なことはなく

読者のご期待には副えなくて
申し訳ない。

ただし、完全に腹痛がおさまり
代わりに、心が痛くなった。


突然の巨人襲来に、何もできなかった
幼少期のエレン・イェーガーと
同様の悔しさを覚えた。


また、痴漢にあった人の話を聞いた時
「大声をだしたら、大丈夫だろ」と
思っていた自分を殴りたい。


「腹痛・・・何それ?
 おじさんは、大事なものを
 盗んでいきました・・・

 タロスの・・・貞操です」


的なテンションになり
トイレは使わず、カフェのほうへと
ひとり帰っていくしかなかった。


悔しさで、泣きそうになってきたが
脳内では、直太朗がささやきかけてきた。

脳内BGM

"泣くな、友よ、今~。惜別の時~
 変わらない、その笑顔で、さぁ。"

あれから、約5年の月日が流れたが
おっさんは今どこで、何をしていますか。


この空の続く場所に、いますか?


僕の方は、今でもこの季節
神戸三宮に立つと、蘇る。
こみ上げる記憶読み返す。


会えない時に、いつも会えない時の寂しさ。
分け合う二人、太陽と月のようで

等、思ったことは、一度たりともない。


みなさんも、神戸三宮のトイレの神様には
くれぐれも、気を付けてくれ。


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