![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142726182/rectangle_large_type_2_3acce842854dfd52c4a93298a461348a.jpeg?width=800)
【バーナム 人心操作の修辞学】1835年8月30日新聞
ジョイス・ヘスには何人かの孫がいて、何人かは奴隷から解放されているが、何人かのひ孫はいまだ奴隷の身分である。所有者は彼らを買ったときの三分の二の金を用意すれば解放することを約束しており、企画展の収入は経費控除後にただちに、この目的にあてがわれる。
『プロビデンス・デイリー・ジャーナル』一八三五年八月三十日号
ジョイス・ヘスはイカサマだ。百六十歳を超えた老女でも、そもそも人間ですらない。自動人形なのだ。自動人形は鯨の髭とインド製のゴムと無数のバネで巧妙から作られた、魔訶不思議な構造の自動人形に過ぎず、操作者が触れるだけで動くようになっている。ヘスが出す声は説明者の腹話術なのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?