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②子宮をとった日〜化学物質過敏症の入院記録〜

毎日数時間おきに来る
せわしない尿意に付き合いながら数日後。
予約していた大きな病院へ行ってMRI撮影。

膀胱が子宮筋腫で押され頻尿になっていて
生活に支障が出ていたことや、
多発性なので一個とってもまた出来るから
子宮ごと全部取る手術をあっさりすすめられた。

(やったー!!!)
っとなると思っていた。
いたのだが、
いざ本当に取るとなると一瞬
(おお、そうか…)
とちょっとたじろいだ自分に驚いた。
たまたま子宮が備わった身体に生まれたけれど
それに付いてきた本能的な
子宮の意志を感じた気がした。

それでも今の状況からして選択肢は
子宮全摘出しかなかったので
その場で手術を決めた。
方法はお腹に開けた数カ所の小さな穴から
内視鏡や器具を入れて行う腹腔鏡手術になった。

その後、
手術に向け看護師さん
(優しくて無香料で助かった!)の
流れるような段取りでいろいろと検査をした。
検尿、採血(7本!)、肺活量、心電図、レントゲン。
最後に女性ホルモンを抑える注射を打って帰った。
ちなみにこの日のトータルは保険証を使って
1万7千円。
ちょっとびびった。
カード払いできる病院で良かった。

それから数日後、人生最後の生理は
まるで血の池地獄みたいな大量の血と
ドス黒い血の塊がたくさん出てきた。

いざ手術が決まると不安で怖くて
友達に連絡を取りまくった。

この頃すでに化学物質過敏症だったので
医療関係者の方々の洗剤柔軟剤の匂いや
全身麻酔やそのほか薬品が体内に入ったときの
自分の体の反応など心配事は尽きなかった。
実家の母には
子宮を取ることをなかなか言えずにいた。

手術の説明で再び病院へ。
ついでにホルモン注射と言うものを打たれた。
そのせいで生理は20日間ほどちろちろと続いた。
ホルモン注射の副作用として
ホットフラッシュなどがあると説明されていた。
たしかに夜中に急に顔が暑くなって
大量の汗をかくなどした。地味に嫌だった。
あと生理の血から
今まで嗅いだことが無いような独特な匂い…
例えるなら魚介類を腐らせたみたいな
生臭い匂いがした。
でもこれらも、
のたうち回るような痛くて辛い生理も
あとわずか。


つづく

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