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イスラエル研修備忘録6 3日目 エルサレムを飛び出してパレスチナへ②

イスラエル研修備忘録5 3日目 エルサレムを飛び出してパレスチナへ① はこちら

バスの中で聖歌の練習

ヘブロンを後にし、我々はバスでベツレヘムに向かいます。
さて、これは研修初日から思っていたことなんですが、イスラエルの人って運転が荒っぽい!
どう考えても侵入禁止だろ、というような狭い道を、ありえないようなスピードで走る車を何度見たことか。
どう見ても一通だろ、というような狭い道で車が鉢合わせしてクラクションバトルをしている姿を何回みたことか。
そして、何回車にひかれそうになったことか……。
さらに我々のバスを運転してくれていた運転手さん、彼は目つきは悪いけど気のいい親切なおじさんだったのですが、その例に漏れず、それなりに運転が荒っぽかったのです。

さて、この日は日曜日。日曜日は主日ミサの日。
日本から我々を連れて来てくださった添乗員さんは、敬虔なクリスチャンなので、御ミサへの気合の入れ方も違います。
「さあ、今日の御ミサの聖歌の練習をしましょう!」
事前に配られていた聖歌集を開く我々。彼女の指揮で歌の練習をします。
知らない聖歌もあったりして、真面目に楽譜を読んでいるうちに、結構バスに酔ってしまいました…。
他の人もやっぱりバスに酔ったという人がいて、酔いどめ代わりに持ってたミントガムを分けてあげたら喜ばれました。うんうん、車酔いにはミントが効くよね。
まあそういう訳で、不真面目な私はそれ以降、バスで聖歌の練習をする時には、知っている曲の時はなんとか記憶をたどりつつ歌い、知らない曲の時は口パクしていたのでした(笑)

ベツレヘム 聖誕教会へ

少しバスに酔いつつも、なんとかベツレヘムにたどり着き、少し遅めのお昼をいただきました。
この時はまだ11月の後半なのに、すでにクリスマスツリーが立ってた。
これは、クリスマス一ヶ月前だったからなのか、キリストご降誕の地だったから年中クリスマスツリーが立っていたのか…、せっかくだからガイドさんに教えてもらえば良かった。


さて、キリストが人としてお生まれになった地、聖誕教会に到着。
中は一部工事中だったので、えらく荘厳でもあり、殺風景でもあり、不思議な雰囲気。

しかしゆっくり見学している時間もなく、御ミサの時間が迫っている我々は、急いで御ミサを予定しているヒエロニムスの聖堂へ。
因みに司教様曰く、「ご聖体拝領の一時間前には食事を済ませておかなくてはならないんですよ」とのこと、その日の昼食が1時半くらいで、御ミサ開始が3時頃。本当に分刻みのスケジュールでした。
(ご聖体いただかないノンクリスチャンの私ですらヒヤヒヤした)

ヒエロニムス聖堂で御ミサ

はい、到着しましたヒエロニムスの聖堂。
駆け足で洞窟を見学し、なんとか時間通りに聖堂に到着。


かなり狭いお御堂で、みんなでぎゅうぎゅう詰めで座ったことを覚えています。

司教様によると、このお御堂で御ミサを上げるときは、基本クリスマスミサ仕様で司式するとのことで、我々も一足早いクリスマスミサに預かることができました。

ここも巡礼者がいっぱいだったので、御ミサの最中はお御堂の扉は締めていたのですが、後ろにあるガラスのない窓から巡礼者のざわめきが聞こえたり、窓越しに写真を撮られたり、他では味わえない雰囲気の御ミサでした。

イエス誕生の地へ

聖誕教会のメインスポットと言えば、なんといってもイエス誕生の地。
ガイドさんからあらかじめ「あそこは2時間は並ぶことを覚悟しておいてください」と言われていました。
この時すでに御ミサ終えて午後の4時ごろ。そこから2時間並び、お参りして、そしてまた遠路はるばるとエルサレムに帰るということになります。ひゃー、大変!
会社の某先輩が小声でぼそっと「もうこのまま帰るって訳にはいかないんかなあ」と言っていたのに、私も心の中でこっそりと全力で頷きつつ、お参りの待機列に並びます。
ガイド氏「お、今日は空いてる! ラッキーだよ、1時間半くらいでいけるよ!」
私「ははは、超ラッキー…(棒読み)」

とは言え、待っている間も、柱に描かれたイコンとか、正教のお御堂とか、見るものがいっぱいあったので、退屈はしませんでした。

同じ巡礼団のマダムとおしゃべりしたり。
マダム「私ね、以前もイスラエルの巡礼に来たことがあって、この聖誕教会にも来たの」
私「へえ、そうなんですね!」
マダム「でも、時間がなくって、このイエス様がお生まれになったところへはお参りできなかったの。それがもう、残念で残念で…。だからリベンジしようと思って今回の巡礼に参加したのよ」
はい、「もう帰ろう」なんて思ってすみませんでした。ええ、ぜひともお参りして帰りましょう!

そうこうしているうちに、我々の順番が回ってきました。
横入りされないように、みんなで固まって進みます。

入り口は狭いので、一人ずつゆっくり降りていきます。

なんだろう、待ってた時間が長かったせいか、お参りした時の記憶はあまりなくてちょっともったいないけれど、でも中に入った時は「おお、ようやくたどり着いたぞ」というような達成感は得られました。

教会を出ると、すでに外は真っ暗。
バスへ向かう道すがら、テンションが上がって添乗員さんと一緒に「きよしこの夜」を熱唱して歩いたのも懐かしい思い出です。

再びエルサレムへ

途中、オリーブ細工のお土産物やさんに寄ってから、バスでエルサレムへ向かいます。

バンクシーの絵?

途中でガイドさんが「はい、ここの右側の壁に描かれているのは本物のバンクシーですよー」と急に教えてくれました。
たしかに、暗くてよく分かりませんが、壁にモノトーンで人影やら翼っぽい模様が描かれています。え、ちょっと待って、もっと早く言ってよ、写真撮りそびれたやん!
慌てて窓を凝視する我々。
正直、私にはそこらに書かれている壁のイタズラ描きと違いが分からないのですが、鑑定の結果正真正銘のバンクシーの作品だと証明されたとのこと。
あー、もっと明るいところで見たかった!
因みに、地元の方の情報によると、バンクシーはおそらく五人組とのこと。おおー、なんか怪盗団とか白波五人男とかみたいでかっこいい(いやバンクシーは泥棒じゃないけど)。

検問を抜けて

バスは進み、検問までやってきました。
中に兵士の若い男性二人が乗り込んできます。
あらかじめパスポートを準備していた我々は、写真の面を彼らに見せました。
彼らはじっくりパスポートを見終わると、「OK、良い旅を!」とにこっとしてくれました。
十五年前、学生時代にイスラエルを訪れたときは、兵士の方たちはもっと表情が怖かったのですが、今回の旅で出会った兵士の皆さんはフレンドリーな人が多かったです。
2000年代に比べて、少し平和になったのかもしれませんね。

やっとこさエルサレムに到着後、晩御飯をモリモリ食べた我々は次の日も早いので大急ぎで眠りについたのでした…。

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