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イスラエル研修備忘録5 3日目 エルサレムを飛び出してパレスチナへ①

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11月19日、日曜日となりユダヤ教の安息日が終わってキリスト教の安息日がやってきました。
イスラエルの研修3日目です。この日はヘロディウム要塞、その後パレスチナへ移動してヘブロン、ベツレヘムを巡りました。

ヘロディウム要塞

その名の通り、ヘロデ大王が作った要塞です。
ヘロデといえば、キリストが生まれた時に、自分の身が脅かされると思い、キリストと同年代の男の子たちを手当たり次第に虐殺したという過激な王様。
子供の時、クリスマス前の宗教の授業でシスターにその話を教えてもらって「うげえ…」と思ったことを覚えています。町中をキラキラ彩っていたクリスマスの飾りが急に血生臭く思えてきたというか。

そんなやべえ印象のある王様だったのですが、そんな彼が築いたという要塞は見事としか言いようがない。
これ、人工の丘なんですか? しかも二千年前の技術で作ったんですか?
日本にいたら決してみられない壮大な光景に言葉を失いつつぽかーんと眺める我々。
こんなの作り上げるなんて、ヘロデ大王、実は仕事のできる子だったんやなあ。聖書の印象だけでやべえ奴だと思ってごめんね。

丘なので、標高は高く、風も強かったです。
そして傾斜も激しい。
聖書の解説や事前勉強会でお世話になっているW神父様は80代の半ば。心配になり「神父様、大丈夫ですか?」とお手伝いしようとしたら「だいじょうぶやでー」とニコニコ笑いながら、我々よりもしっかりした足取りで階段を上り下りされていました。
逆に我々は「きっつー、これ、登ったけど降りなきゃあかんのよね」とすでにお疲れモード。修行が足りてませんでした、申し訳ない。

下りは内部の階段。
修行が足りない我々にとっては暗くて滑りやすくてちょっと危険な階段でありました。

ヘブロンの街へ

前日、ガイドさんから「明日はヘブロンに行くから必ずパスポート持ってきてね」と言われていたヘブロンの街。
ここはパレスチナ自治区なんですね。だからパスポートがいると。
バスの中で、ユダヤとパレスチナの関係についてガイドさんから簡単にレクチャーを受けます。
印象的だったのは「日本からも『パレスチナの人がかわいそう』だからとたくさん寄付金が送られてくる。でも見て分かるように、パレスチナにも日本人以上に裕福な人はたくさんいる。日本で報道されているのは、極貧生活をしている一部を切り取っているのにすぎない。少なくとも彼らはかわいそうじゃない」といった話でした。
実際、豪邸と言えるような家も並んでおり、報道だけでは分からない部分もあるなあと思いました。

さて、兵士たちが待機している入場ゲートに向かい、通してもらいます。パスポート審査や手荷物検査される日もあるそうですが、我々の時は普通に通してもらえました。

シナゴーグへ

さて、旧約聖書でおなじみ、アブラハムやサラのお墓のあるシナゴーグの中へ。
建物の外では、ユダヤ教徒の若者たちがヨガマットみたいなもの(おそらくお祈り用)を持ってきてうろうろしていたり、何人かで集まって歌い踊っていたりしています。
日本では、ここまで信仰に熱狂する若者をあまり見かけないので中々衝撃的でした。

神殿の中はヘブライ語がびっしり。
入ると、アブラハムとサラのお墓があります。

祈りの場も撮影OK。
キリスト教の教会なら祭壇がある場所、仏教のお寺なら仏像が置かれている場所、つまり祈りの中心には、聖典を納めた箱があります。
ユダヤ教は厳しい偶像崇拝禁止なので、聖典の方を向いてお祈りするんですね。なるほどー。
聖典の箱近くの前の方が男子がお祈りするエリア、パーテーション挟んで後ろ側が女子がお祈りするエリアと、男女別々になっています。
なんで男子が前なのかというと、女子の髪やうなじを見てしまうと、男子が集中できなくなるという、「ちょっと男子~!」とツッコミを入れたくなる理由でした。いやいや、宗教上の決まりごとにツッコミは厳禁ですね。失礼、失礼。

エルサレム街中でもユダヤ教徒の人たちは多く見かけたのですが、ここで祈っているユダヤ教徒たちは特に敬虔なユダヤ教徒たち。
キッパと呼ばれる小さな帽子を頭にのせ、髭を伸ばしてもみあげはクルクルにカールさせ、上着の下には白いひらひらした紐、おでこや腕には聖句が入った小さな箱をつけていました。
因みにいわゆる在家信者が上に書いたような格好をしているユダヤ教徒で、さらに祈りの道を突き進んでいるユダヤ信徒の男子たちは、黒い上下の服に黒い帽子をかぶっているので、違いがすぐに分かります。
彼らは祈りの道を進んでいるということで、兵役も免除されているそうです(ただし、兵役免除撤廃が決まってはいるらしい)。

さて、話がそれましたが、聖典がある祈りの場の隣の部屋が騒がしいので覗きに行くと、なんと赤ちゃんの割礼式が行われていました。
割礼というのは、男性器の先っぽを少しだけ切る習慣です。ユダヤ教徒にはこの習慣が今でも残っています。
泣き叫ぶ赤ちゃん。痛いのかなあと心配していたのですが、これは痛くて泣いているのではなく、おくるみを剝がれて寒くて泣いているのだから大丈夫、とのことでした。
日本人的な感覚でいくと、自分の赤ちゃんの下半身丸出しのシーンなんて、身内以外立ち入り禁止かと思うのですが、ここのご家族は見学ウェルカム、写真撮影OKな感じでした(このnoteには載せないけど、お母さんと赤ちゃんの写真も撮らせてもらえた)。
割礼というのは彼らにとってはとてもおめでたいことなので、皆に祝福してほしいことなんだそうです。お母さんが赤ちゃんを我々に見せながら、すごく誇らしい顔をしていたのが印象的でした。おめでとう!

もし日本に割礼の習慣があったなら、病院の、きっちり滅菌処理が行われたベッドで、身内以外立ち入り禁止で、医師の立ち合いの元行われることになると思う…。そして、そこで「お義母さま、勝手に写真撮らないでください!」とか嫁姑バトルに発展することになるんだろうなあ…。うん、日本には向かない習慣だと思います。
またまた話が逸れてしまいました。

長くなったので、ベツレヘム編は次回に続くで!

入口にこの印がついている建物は、ユダヤ人の家ですよ、という目印らしい

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