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『リゼロ』31話「少女の福音」感想!(ネタバレ!)

ついに死に戻りが発動して始まる31話。今回も、画像を引用し原作者の長月達平先生のツイートを参考にしながら、感想や考察をしていきます!


死に戻り発動

30話の最後、ロズワール邸にて、スバルはエルザに殺された。
死に戻りから始まった31話。
ウェーへーという魔女BGM無しで死に戻ったその場所は、試練を終えたばかりの墓所だった。腹を切られた痛みや恐怖が蘇る。

セーブポイントは、試練直後に変更となり、リューズとの出会いや話し合いもまた行われることになる。

死に戻りスバル

そう言われればそうだったって感じですね。スバルの中には、すべての経験が残る「リーディングシュタイナー」状態ですから、乗り越えた過去の試練を再び受ける必要は、物語的には無いってことになります。その前に戻ったとしても、30話が繰り返されるだけなのかもしれません(笑)。そうなったら、感動も薄れてしまいますよね・・・。
それにしても、毎度都合よくセーブポイントが更新されます。作者の都合次第と言ってしまえばそれまでですが、何か法則があるのでしょうか?
個人的には、一定のルールがあるように思います。それが原作で明かされているかはわかりませんが、私が思うに、スバルには課せられた役割があり、実は正解ルートのシナリオが決まっていて、そのルート(中継点)を通過した時に、セーブされるのではないかと。そのルートを知っているのが、魔女サテラであり、ロズワールも関わっているのではないか、と見ています。


問題児ガーフィール

前回のループとは違い、回復が早いエミリアが、ミーティングに参加。そこでスバルは、前回のループでは隠していた、試練を受ける資格があり、クリアしたことを明かす。
その言葉に事実を確かめるラムは、ガーフに結界が解けたかを確認する。しかし、結界は解けていないと知ると、

「嘘をついたわね、死になさい」

ラム辛辣

辛辣な言葉をかけるが、そんなラム姉様の伝わりにくい優しさに、どんどん惹かれていくのは私だけではないでしょう(笑)

試練は三つあることを伝えると、エミリアは「あと、二つも・・・」と呟き、表情は曇る。そこでスバルは、前回のループで「エミリア様の代わりにお前が受けろ」とガーフに言われたこともあり、エミリアに変わって自分が試練を受けると提案する。

長月先生曰く、1stループでは、試練を受けてクリアもしたことを打ち明けませんでしたが、今回は、エキドナからの情報を打ち明けました。それは、前回とは違う流れを実現させるため、とのことです。


しかし、エミリアは、自分の無力感を感じ、提案したはずのガーフは「エミリア様以外が試練を受けるのは反対だぁ。少なくっとも、お前にだけは絶対に結界を解いてもらいたいとは思わねぇ」と反対する。その反応にスバルは驚きを隠せない。

エミリアも、「私には任せられないって思うの?」と、嫌なことでも向き合わなければならないと、震えながら反対する。

長月先生曰く、スバルが庇っても、「スバルがやってくれるなら、お願いしていい?」とはならないのがエミリアの性格。適材適所と言われれば聞こえはいいですが、じゃあ、自分の適所は?となりますよね。ことがことなだけに、役割を譲るのも難しい話です。
それに、「守ってもらうだけではなく、私がスバルを守る」と言ったエミリアの思いとは逆になってしまいますよね。


会議の後、なぜ反対したのかガーフに詰め寄ると、それは「ロズワールの望み」だということを知る。エミリアの手で聖域が解放されるべきだと考えている、と。ロズワールが管理する土地なので、逆らうことは己の立場を悪くする。スバルにとっては、ロズワールへの不信が募る。

長月先生曰く、ロズワールは嫌いだが、不興を買うのも面白くない、と言うのがガーフィールの置かれた難しい立場、とのことです。


スバルは、屋敷を守ることを優先する。エルザの存在と、フレデリカとの繋がりを疑っていたからだ。そして、自らロズワールに話しに行き、ガーフィールにアーラム村の人を解放してもらうよう説得してもらうことを頼む。

「今回はどうも、俺だと折り合いが悪くなりそうだ」というスバルの言葉に、

「今回?ふーむ。それはどうして?」と意味深に聞き返すロズワール。

ロズ意味深

「あの気分屋を説得する時間が惜しい」と答えるスバル。

長月先生曰く、「あの気分屋」と言いましたが、未来の確定情報が一番の武器のスバルにとっては、天敵と言えます。行動が変わることは、唯一の武器を殺してしまう、とのこと。

「今回」
というスバルの発言を聞き逃さないロズワール。明らかに、死に戻りを知っているかのような言い振りですね。ループしてきたことを分かった上で、わざわざ追求することなく、話しているように見えますね。

そして、アーラム村に人たちが無事であることを伝える為に、フレデリカが何か企んでいる屋敷に、自分だけで村に戻ると。スバルは、フレデリカがエミリアに輝石を持たせたことに疑念を抱いていた。ロズワールは否定するが、仮にフレデリカと敵対してもスバルでは歯が立たないと諌める。エミリアは結界、ロズワールは大怪我、オットーは戦力外で詰んだ状態だが、ロズワールは元気な一人を付けることで、スバルを屋敷に戻すことにする。

翌朝、愛竜パトラッシュと共にいたのはラム。

パトスバラム

ラムは、ロズワールが怪我をしているのに、側を離れることに納得がいかない。
それなのに、ロズワールに包帯を巻いたのはガーフィールでなぜラムがやらなかったかと聞くと、

「馬鹿馬鹿しい。ラムがやって、ロズワール様のお怪我が悪化したらどうするの?」

それが、ラムの思い方なのでしょう・・・。

そこに見送りに来たガーフィール。勝手な判断に納得はしてないが、反対はしていないと。スバルは、「邪魔されるなら、ラムを投げて囮にするしかなかった」と冗談を言うと、表情が曇るラム。

第2章で、鬼と化したレムを助ける為に、スバルに投げられた姉様。レムの記憶が無くなってはいたが、違和感を覚える。

ラム

出立しようとする時、「俺に渡すものはないのか?」と聞くが、応じないガーフィール。そこに、ラムが、「なら、ラムに何か気遣いは?」と口を出す。

長月先生曰く、前回は別れ際に輝石を渡されたはずが、そのイベントが発生しなかったので、図々しく要求したスバル。それを察して、横から口出しするラムは、お気遣いの達人、とのこと。


ガーフィールは渋々ラムに輝石を渡し、二人を見送る。


ラムとレムの再会

屋敷に向かう道中、浮かない顔のラムを気にかけると、「ラムを囮にして投げる」ことが引っかかっていたと言う。本当にそんなことがあったみたいに、と。

ラムダイブ

この姉様が綺麗に手を揃えている所とか、可愛すぎですよねw

そこでスバルは、ラムに「世界で一番大事な話がある」と、レムのことを話すのだった。

長月先生曰く、今回のループでは、屋敷への帰路で、レムのことをラムに伝えました。思慮深いラムは口を挟まなかったし、真剣に受け止めてはくれたでしょう、とのこと。


そろそろ屋敷に着くと言う時、スバルは不安を拭えない。前回よりも二日早く屋敷に帰るが、それでダメなら目覚めた時にはすぐ戻らないと間に合わない。フレデリカのことも頭を悩ませていたが、悩んでいるうちに屋敷についており、待ち受けていたのは、ペトラだった。

ペトラ出迎え

「お帰りなさいませスバル様!」

笑顔で出迎えてくれて、無事でいたことに安心したスバルは、思わず抱きしめる。

その姿はあらかた、八九寺真宵を見つけた阿良々木暦のよう(化物語)

放って置かれていたラムはご機嫌斜め。ペトラが礼儀正しく挨拶をすると、ラムはペトラを気に入り「合格にしてあげる」とラムなりに褒める。「ちなみにバルスは不合格よ」と余計な一言を言う姉様が素敵すぎる。

フレデリカは不在だった為、レムの元に向かう。無事に眠っていたレムに、ラムは寄り添う。「バルス、少しだけ二人にしてもらえる?」とスバルは部屋を出る。

ラムレムスバル

長月先生曰く、屋敷への道中でレムの話を聞かされたラムは、レムと会って、似た顔立ちの少女が妹であることを認識しつつ、その実感を得るために部屋に居残った。その心境を知ろうとするのは、作者ですら無粋、とのことです。


そこに、フレデリカが戻ってくると、スバルは核心に迫る。
まず、ガーフィールの輝石を見せ、フレデリカはガーフの石だとすぐ気付く。そして、フレデリカはガーフの姉だと話す。スバルは、

「何の為にお前は輝石を使って、転移の罠を仕組んだ?」

と問いただす。
スバルがフレデリカを疑っていたのは、輝石に転移の罠を仕掛けていたと思ったからだった。しかし、心当たりのないフレデリカ。「聖域の解放に反対している保守派に協力してるはずだろ!」と問い詰めるが、フレデリカは何も知らないと困惑していた。スバルにとっては大勝負に挑んだつもりだったが、肩透かしだった。

「バルスは命がいらないと見えるわね」

と言いながら、ラムが戻ってきて、疑っているはずのフレデリカが入れたお茶を躊躇なく飲む。


「お茶の腕は上がってないわね」と皮肉を言うと、「可愛げの無い娘ですわね」と返す。ラムは、「ラムはもう十分可愛いもの。これ以上は世界が危険よ」と和む。スバルの代わりに、ラムは「転移のことを知らないなら、なぜ輝石を持たせたの?」と質問するが、誓約によって答えられないフレデリカ。裏切りだと捉えたラムは、拘束して聖域に連れて行くと告げると、「聖域へ連行するというのなら、抵抗は致しません」と受け入れる。誓約を破る訳にはいかないから、力づくで仕方なく、という言い訳が必要だった。

「誓約」とは、強制力のあるものではないそうです。信義の問題なのだそう。

スバルの予想とは裏腹に丸く収まり、早く屋敷を出ようとした時、

「あら、そんなつれないこと言わないで欲しいのだけれど」

エルザ登場

ペトラを人質に取ったエルザが現れた。捕まったペトラは、「逃げてー!」と叫ぶ。

長月先生曰く、人質にされたペトラが、「助けて!」ではなく、「逃げて!」と言うのが、その高潔さの表れ、とのこと。
ペトラが12歳にしてメイドとして屋敷に仕えることができるのも、その高潔さがあるからかもしれませんね。


瞬時に臨戦態勢に入るフレデリカとラム。ラムは風の魔法を、フレデリカは部分獣化して攻撃をして、左腕に傷を負わせるが、依然余裕を持ったエルザ。そこで、スバルはシャマクを使い、目をくらまして窓から飛び出して逃げる。外には飛べ出たものの、エルザの投げた鉄串が、スバルとフレデリカに刺さっていた。

スバル刺さり

屋敷にいるレムとベアトリスを助けに行こうとするスバルに、ラムは二人を置いて屋敷を脱出すると言う。それがこの場の最善だからと。レムは大事な妹なのに、見捨てられるわけがないと説得するも、ラムは意見を変えない。

長月先生曰く、ラムにとってレムは、どういう存在かはスバルから聞いて、それが「大事だったもの」と理性的に判断できても、覚えていた頃の、「世界一大事な半身」とは思えない。ここに、レムの記憶がある者とない者との齟齬が生まれている、とのこと。


引き下がれないスバルに、フレデリカも同調し、ペトラも賛成する。依然ラムは反対しているが、フレデリカが、「私が敵を抑える」と言いだし、突然服を破って裸になると、輝石が光だし、獣化する。

裸デリカ

獣デリカ

「損な役割を自ら進んで選ぶのは、ガーフそっくり」とラムは言いますが、ガーフもああ見えて、体を張るタイプなんですね。

獣デリカは、元いた部屋へと向かい、スバルたちも屋敷に入りレムの元へ向かう。そこに、前回のループではいることのなかった、新たな魔獣ギルティラウが現れた。部屋に逃げ込み、ラムは魔獣を引き解けて外へと飛び出す。

レムの元へ向かおうとするが、スバルは傷が痛み、よろけて倒れてしまう。ペトラは鉄串を引き抜くが、その際に手を怪我してしまう。

スバルは、ペトラを守る為にも、気合を入れ直し、ペトラの手を握り立ち上がる。

ペトラ手

その時、天井が崩れてきて、意識が朦朧とするスバル。
薄っすらと、ラムの姿やパトラッシュの姿が見えるが、見える景色はどんどん変わり、気付くと屋敷の中に投げ入れられて、意識が戻る。

長月先生の解説によると、崩壊に巻き込まれるラムが発見するパトラッシュに託されるパトラッシュが逃げる途中、魔獣に追いつかれ、逃がすために屋敷に投げ込むペトラ、腕だけ。という流れだそうです。


血が目に入り、視界は赤い。そして、ペトラの手を握っていた左手を見ると、そこには握った手だけがあった。そこでEDが・・・。

手だけ

パトラッシュは血まみれで倒れ、ラムのリボンが血の滲む溝を流れる。ペトラは瓦礫の下敷きになっていた。絶望してレムの元に向かうスバルの前に、「ようやく見つかってくれたわね」とエルザが現れる。フレデリカもやられてしまった。

エルザ背後

「誰の依頼で俺たちを狙った?」

スバルの問いに答えるエルザ。

「依頼主については話さない。あなたの帰りが予定よりも早いから、少し依頼と違った形になってしまったけどね」
「メイドが二人と引きこもりが一人。あなたの帰りに合わせるつもりだったの」

それを聞き、「もう十分だ」と死を覚悟するスバル。「これ以上メィリィに取られてしまうのも癪だしね」と言い、止めを刺壮とするエルザ。スバルはせめて、レムだけは傷つけさせまいと、エルザの攻撃をギリギリかわし部屋へと入る。目の前にいたのは、眠っているレムではなく、ベアトリスだった。

ベアトリス

ペトラを、パトラッシュを、ラムを、フレデリカを失ったスバル。殺されて死に戻りするはずだった。それなのに、助けられたことに、

「どうして助けた!ベアトリスぅー!!」

と怒り叫ぶのだった。

長月先生曰く、前回の件を踏まえて、一手早く屋敷に帰ってきたのに、相手も一手早く動いてきた。万事休す時、スバルを助けたベアトリス。さぁ、どうする!とのこと。


1stループとの違い

ガーフィールの心変わり

「死に戻り」の能力を持ったスバルのアドバンテージは、未来確定の情報です。しかし、未来を知っているからこそ違う行動をとることによって、起こることは変化する。エミリアは早く元気になり、会議に参加していたり、ガーフィールの発言が、180°違う。それがスバルが戸惑いにもなりました。

そして、エルザ襲撃を防ぐ為に、ロズワールに頼みに行くわけですが、ロズワールの怪しさが余計に目立ちました。


ラムの記憶

ラムには、レムのことを言うタイミングが変わりました。そして、「ラムを投げて囮にする」ということは、今の世界線で起こったことです。ただ、レムの記憶が抜けてしまっているから、その事実が曖昧なものになってしまっていますが、失われてしまった記憶を引き戻すきっかけのようにも感じます。ここに、「眠り姫」を思い出すヒントがあるのかもしれません。


エルザの依頼主

前回は、出会い頭の事故のように、気付いたら腹を切られていました。今回は、エルザの目的や依頼主について尋ねることができました。明確な答えはわからないものの、エルザには気になる発言がありました。

「あなたの帰りが予定より早いから」

というものです。つまり、「スバルが帰ってくる日時」「メイドが二人、引きこもりが一人いること」を知っていたのです。そして、「メィリィ」という名前を口にしましたが、それが果たして誰なのか?どうやらそれは、あの人のことのようです・・・。


スバルを助けたベアトリス

自分以外の皆が殺された。自分も満身創痍。エルザから、聞きだせる情報を聞き出した上で、殺される覚悟を決めたスバルでしたが、ベアトリスに助けられてしまいました。

もう死ぬはずだった。死ななければ、取り戻せない命。レムよりも先に殺されようとしただけなのに、死にたかったのに助けられてしまった。

死んだ方がマシとはこのことです。

それなのに、今回のタイトルは、ベアトリスを意味した「少女の福音」というもの。死ななければ、失った仲間を取り戻すことはできないのに、ベアトリスが助けたことがなぜ「福音」なのか?それは、次回わかることでしょうけど、聖域に向かう出発する前、ベア子はスバルに対して怒り、本気で姿を消しました。それなのに、スバルを助けました。おそらく、スバルは死に戻りますが、ベア子に助けられたことで重要な情報を得る。それが「福音」なのではないかと思います。

第2部で、ベア子はスバルを本気で匿ったことがありました。代わりにレムが死んでしまい、ラムに殺されかけた所、崖型の死に戻りダイブによって初めての自殺をしました。その記憶は、スバルの中にしかありませんが、ベア子の中にも、スバルを守ろうとする思いがあるのは確かです。


次回の注目ポイント

今回は、間違いなく死ぬだろうと思ったところで死なせないのがリゼロですね。長月先生のドSっぷりが伺える回となりました(笑)

ロズワール邸に向かうスバルが、「これで間に合わなかったら、すぐに出ないと間に合わねぇ」と言いました。今回のループでは、前回よりも二日早く戻りました。しかし、既にエルザは屋敷に現れた。なぜか魔獣も一緒に・・・。スバルが屋敷に着いた時、フレデリカは結界の見回りに出ていました。それなのに、魔獣が現れた、ということは・・・?

未だ、フレデリカへの疑惑は晴れず、新たな謎も生まれました。スバルが死に戻るにしても、ベアトリスに助けられたことで、スバルはどうなるのか。

今回のループでは、二日早く帰ってもアウトだということがわかりましたが、エルザの襲撃があることは確定事項で、そこに魔獣も追加されました。戻らないなら戻らないで、レム達は殺されてしまうのでしょう・・・。
唯一、目安になるのは、「あなたの帰りに合わせて・・・」というエルザの発言です。少なくとも、予定より少し早く帰れば、攻略の糸口がありそうです。それまでに、対抗できる戦力を整えることが、焦点になりそうですね!

というわけで、救いようのない状態で助けられたスバルがどうするのか。どのような形で死に戻りが発動するのか。どのように攻略していくのか。毎回目が離せません!!

画像出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』/長月達平 WHITE FOX


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