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『リゼロ』35話「地獄なら知っている」感想!(ネタバレ!)

長月先生曰く、今回は説明回ということで、明かされたことへの言及などで、ボリューム増でお送りします!


ついにスバルの前に現れた、嫉妬の魔女サテラ。「愛してる」を連呼し、黒い影にのみ込まれようとする時、スバルを助けるガーフィール。しかし、サテラは追ってはこない。向かう先は、屋敷だった。


嫉妬の魔女サテラ

ロズワール邸へと向かうサテラ。スバルとガーフィールの2人は、サテラを止めに行く。ガーフィールによると、ラムもリューズさんも、ガーフィールを助けて影に飲み込まれてしまった。スバルは囮になろうとするが、皆が影に飲まれた以上、スバルを見放さない。

ガーフィールは、怒りなのか恐怖なのか、震えている。そこに現れた、大量の白服を着たリューズさん。「できりゃあ見せたくなかったけどなぁ。ババァとは違ぇ。中身は空っぽだかんな」と言い、青い輝石を手に取り、サテラへの宣戦布告する。

ガーフリューズ

長月先生曰く、ガーフィールは毎回行動が変わりますが、よりヤバい存在が現れた結果、スバルとも敵対していないという不思議な状況。毎回変わるガーフィールの行動も、大量のリューズさんも、スバルにとっては切迫した状況が続く、とのこと。
3rdループでは、魔獣化して殺されかけましたが、今回は助けられるという、スバルにとっては複雑な状況ですよね。エミリアやラム達も犠牲になったのに、死に戻らないわけには行かないけど、謎が多すぎるという・・・。


スバルの匂いに誘われ、サテラが現れる。

対サテラ

躊躇なく魔獣化するガーフィール。

強敵ほど、味方になった時には頼りになるもの。だが・・・、簡単に黒い手に捕まってしまう。

捕まるガーフ

こ、これは!見えざる手!?
ペテルギウスの権能ですが、敬愛するサテラが使えても、おかしくはないですね。


捕まったガーフィールは、大量のリューズさん達に飛ぶこむよう命令し、隙を作る。しかし、あっけなくやられてしまう。

刺されるガーフ


あんなに強くて、恐怖したガーフィールだったが、サテラの前には瞬殺。これが、世界の半分を滅ぼしたとされる嫉妬の魔女・・・。

ゆらゆらと揺れながら気持ち悪く「愛してる」と言い続けるサテラは、「スバルくん」と呼び、スバルは怒り出す。
スバルにとって「愛してる」は、レムに言われた「レムは、スバルくんを、愛しています」という言葉の重さにかなうはずがない。

サテラ

「俺にとっての『愛してる』は、如何しようも無いクズヤローが英雄になってやろうってくらいパワーがあったぜ!」

と言い返す。

スバルのことを「スバルくん」と呼ぶのはレムだけです。そして、スバルのことを「愛してる」と言ってくれたのも、レムだけです。自分を救い、ゼロから立ち上がらせてくれた。その言葉をサテラに言われたことで、スバルが怒るのは当然でしょう。自分を救ってくれた言葉をかけながら、仲間を殺したわけですから。
サテラは、そんなスバルの記憶を読み取り、レムが読んでいたように、「スバルくん」と呼んだのではないでしょうか。


「お前と比べるくらいなら、同じ魔女でもエキドナ達の方がまだ愛せる!」

スバルがそういうと、サテラは動きを止め、影が大きくなり、スバルを飲み込む。
司会は真っ暗になり、目が覚めて死に戻り、していない。

「愛してる」と言い続けた言葉は、「愛して」と変え、聞こえ続ける。死ねないスバル。殺されるのではなく、影に取り込まれ、永遠に愛され続けることを理解する。

漂うスバル

ちなみに原作では、「らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー」だった前回の続きは、「らぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶみー」というタイトルで、長月先生も、かなりお気に入りのネーミングなんだそうです。そして、「らぶゆー」よりも、「らぶみー」の方が、「らぶ」が倍ということで、「愛してる」よりも「愛して」の方が、倍強いことがわかりますね・・・。やはり、嫉妬の魔女


影を漂うかのようなスバルは、様々な映像や思い出が流れ込んでくる。そこで、ペトラのハンカチを思い出すと、ハンカチが光りだす。

「エキドナの奴、こうなるってわかってやがったのかぁ!」

エキドナが対価として支払ってもらった、ペトラのハンカチ。光の刃となり、スバルは自らの喉に突き刺す。

ハンカチナイフ

サテラはショックを受けたように言葉が止まり、スバルに近づく。スバルがローブを取ると、涙を流したサテラの素顔が。

サテラエミリア

その泣き顔を見たスバルは、

「俺が、必ず、お前を救ってみせる・・・・」

そう言い、墓所へと死に戻る。

長月先生曰く、影に呑まれ、死ねずに愛される続けるという状況は、スバルにとって最悪のパターンの一つ。それを防ぐため、スバルは自害しましたが、エキドナがペトラのハンカチに仕込んだ自害用の光の刃だった、とのこと。
エキドナは、サテラが現れることをわかっていたわけですね。だから、「対価」として、忘れることがないであろう、ペトラの思いが込められたハンカチに、光の刃を仕込んだわけです。
原作によると、サテラに取り込まれたスバルは、愛されることへの安堵に溺れかけていたそうなので、エキドナの仕込みがなければ、サテラの一部となって、永遠に愛されエンドだったかもしれません。
つまり、エキドナにとっての一番の対価は、「スバルが死ぬこと」だったということですね。「死ねない」ということこそが、スバルにとっては終わりで、エキドナにとっても最も望まないこと。それはまた、後ほど判明します。


5度目のループ

死の間際、サテラのことをエミリアだと思ったようなスバルは、目が覚めた時、恐怖で震えていた。

ブルブルスバル

それは、サテラへの恐怖なのか、サテラと瓜二つの顔である、エミリアを見たからか。「俺は、まさか・・・!」自分に言い聞かせるように、エミリアを起こす。スバルが震えていたことで、エミリアは自分が怖がるよりもスバルへの心配が強くなり、心を落ち着かせ、スバルを支えるのだった。

慰めエミリア

長月先生曰く、スバルのメンタルがグズグズだと、代わりにエミリアの方がメンタル崩れない仕様。あちらを立てればこちらが立たずという2人、とのこと。
そして実は、原作ではここでとても重要なことが描かれています。前回のコラムで、サテラはおそらく、エミリアを依り代として現れたと述べましたが、それはおそらく正しい。そして、ガーフィールは、エミリアが憑依されるところを見ていたのだと。
スバルがエミリアを見て感じた恐怖は、サテラへの恐怖でもありました。嫉妬の魔女から与えられたであろう「死に戻り」という力。魔女の影の中で死んだことで、サテラも一緒に戻ってくるのではないか
アニメでは描かれませんでしたが、スバルの心情は、そんな恐怖が渦巻いていたんだそうです。


墓所を出たスバルにラムは、「助けるはずのエミリア様に助けられて、何のために生きてるの?」と突っ込まれ、エミリアにも、「すごーく残念」と言われてしまう。格好悪いところを見せたくないスバルだったが、エミリアにとっては、スバルの支えになれたことが、どこか嬉しそう。

スバルは、「エミリアの支えになりたい」というのが行動指針ですが、今や、エミリアにとっても、「スバルの力になりたい」と思っています。助けれられてばかりのエミリアにとっては、何度も「死に戻り」をしていることで、どんどんスバルが頼り強くなっていると感じているでしょうけど、スバルが弱さを見せてくれたり、力になれていると実感できる方が、ホッとできるし、嬉しいのでしょうね。
その辺は、レムになら全てを曝け出していて、レムは全てを受け入れてくれています。本当は、そういう相手と結ばれる方がいいんじゃないかと思います。スバルにとってエミリアは、追いかける存在で、アイドルのようなものなんじゃないかと。つまり、恋人にするならエミリア、結婚するならレムってことですね(笑)


情けないスバルに「ハッ」っと水をさしてくれるラム。

ハッ

そして、オットーにはもっと冷たいラム姉様が素敵です。

睨みラム


一方、正常な状態で始まった今回のループでの、ガーフィールの態度が気になるスバルだが、魔女の瘴気が濃くなっているはずなのに、笑って話すガーフィール。そこは不自然さがあった。

最善のスタートを切った5thループでのスバルの目的は、『聖域』の秘密を探ることだった。サテラの影の中で感じた情報を元に、調査に動くスバル。ラムには、ガーフィールを足止めを頼むのだが、「いやらしっ!」などと言いながら、今回も頼みを聞いてくれるラム。貸しは10個と引き換えに。

ロズワールの指令とは言え、こうもスバルに協力してくれる辺り、やはりレムとは姉妹、ということが伺えますね。四章は、ラム姉様様ですね。今回は、キツい言葉が目立ちますね(^^;
また、ラムはこの調子ですが、ラムへのスバルの視線を、「曖昧な視線」と表現する辺りは、事情を察しながら、色々と感じているということなのでしょうね。ちなみにスバルは、ラムにエキドナを重ねていたそうです。


スバルは、サテラの影に捕まった時に流れ込んできた記憶を確かめに行くと、遺跡を発見する。扉に描かれていたのは、蝶の羽のような模様。エキドナの象徴。

蝶模様とびら

輝石を型にはめると、光り輝き扉が開く。中にいたのは、大きな魔水晶の中に閉じ込められた、リューズの姿が。

画像15

そこに、黒服を着たリューズさんが現れる。白服リューズさんも引き連れて。

「よもやここに来て半日のスー坊に暴かれるとは思わなんだ」

黒白リューズ

長月先生曰く、リューズさんからしたら、本気でわからない状況なんだそう。それこそが、「死に戻り」の異常性の説明、とのことです。


「魔女に呑みこまれた誰かの記憶のおかげ」と、スバルは言う。黒リューズが連れてきた白リューズは、ここの見張りで、『聖域』に来た時にあった白リューズとは別の、「聖域の目」に過ぎないとのこと。

やはり、白リューズの存在が、「聖域の目」であり、監視役でしたね。33話での考察は、的中でしたね。


リューズから語られる真相

リューズの正体とエキドナの目的

スバルはとにかくリューズさんから情報を聞きたかった。スバルの質問に、リューズさんはこう答える。

「スー坊の言葉には逆らえん。強欲の使徒の言葉には。それが、リューズ・メイエルの複製体であるわしらに課せられた、契約じゃからな」

場所を小屋に移し、リューズは語る。

聖域とは、かの強欲の魔女・エキドナによる実験場だと。その実験とは、リューズの複製体を作ることであり、魔水晶の中にいたリューズこそ、最初に作られた存在、リューズ・メイエルだった。それ以外のリューズは全て複製体であり、紛い物だった。

リューズ会議

複製体は術式によって作られている。オド(異世界での生命エネルギー)を核として、マナ(魔法エネルギー)を纏って実体化したのが、リューズ達の招待だった。

つまり、エキドナの目的は、命を作ることそのものであり、複製体という器を作ることで、人格、記憶、知識、つまり魂を中身につぎ込む。次から次へと新しい器に中身を入れ替え続ければ、不老不死と同じ。エキドナがスバルを気に入っているのは、不老不死に近い能力「死に戻り」を持つ同類を見つけたからなのか。

しかし、エキドナの目論見は叶わなかった。リューズ・メイエルでは、強欲の魔女を受け入れる器たりえなかった。

長月先生曰く、不老不死を求めるキャラクターは、性への執着が強いことが多いが、エキドナの場合は、この世の全てを知りたくて、時間が足りないから、不老不死を欲した、とのこと生への執着よりも、知識欲の権化であるからこそでしょう。
そうなると、スバルを助けた本当の理由は、「この世の全てを知りたいほどの欲を満たすために、スバルが適任」というものかもしれません。それに、スバルが異世界から召喚されたことを知っているのかはわかりませんが、もしかしたら、「異世界の情報」が一番の目的なのかもしれません。
ただ、茶会に招く条件が厳しいので、なんとも言えませんが・・・。

そして、エキドナの象徴である「蝶」は、人の生と死のシンボルだと言われ、「魂」「不死」を意味しているんだとか。なぜエキドナが蝶の髪飾りをしていたり、扉に蝶の模様があったのか。そこが、不死のために、命を作り出す実験場であり、「この世の全てを知る」為に、不老不死になりたかったから、「蝶」だったんですね。


リューズは、マナでできた体なので、食料は必要ない。お茶を嗜むのは、長生きの間に生まれた個性だという。黒リューズは、400年前に作られた、最初に作られた4人のうちの一人だった。増え続ける複製体と、聖域の管理をするために、知識と人格を与えられた。生まれた時から記憶はないのに役割だけはある。さすがのスバルも、リューズさんの心情を慮るが、リューズさんも、与えられた役割を、意義深く感じていた。

リューズ会議2


強欲の使徒 ナツキ・スバル

スバルの次の質問は、「強欲の使徒」について。

それは、リューズ・メイエルの複製体への指揮権を持った存在。魔女の体の一部を授けられると、「強欲の使徒」となる。つまり、スバルが飲んだお茶が、それだった。

「まさかドナ茶!?」

スバルの口から、公式に「ドナ茶」が出ました(笑)
長月先生曰く、「強欲の使徒」という立場を勝手に押し付けられていたスバルですが、スバルの体内に入った『魔女因子』を安定させることと、この役目が与えられていた、とのこと。
白リューズが、スバルに懐いているのは、スバルが「強欲の使徒」だからでしょう。スバルが、「これまで通り、聖域の目で頼む」と言った瞬間、スバルから離れましたしね。


そこでスバルは、前回のループで、複製体を指揮するガーフィールを思い出す。つまりガーフィールも、試練を受けていた。これ以上、ガーフィールとの軋轢を増やさないように、リューズに口止めをする。

「身内と間男に関係があるとしれば、ガー坊も黙っておらんだろうからなぁ」と、微妙な言い方で従う。スバルには逆らえないので、ガー坊避けでも抱き枕でも好きにするとええ、と。

リューズ2

リューズさん、一体どんな400年を過ごしてきたんだろうか・・・。ガーフィールも「強欲の使徒」の資格があるということは・・・、ガーフの趣味?(笑)


リューズは、リューズ・ビルマと名乗っている。「リューズ」と名乗ることは、植えつけられた役割。複製体であるリューズにとって、個性を見出すには、趣味・嗜好、それに名前しかなかった

役割を与えられた複製体だとしても、生きている以上、アイデンティティを求めるのは、生きる性、というものでしょうか。運命に縛られて生きているにしても、それを恨むのではなく、自分らしさを見出すことができる。リューズさんの生き方から、そんなことを感じます。


そして別れ際、リューズはスバルに、「嫌でなければ、また同じ質問をしてくれんか。また、明日以降に」と笑顔で言う。

リューズ

このリューズさんの言葉の意味を、測りかねています。最初は、スバルの「死に戻り」を察しているのか。リューズ・ビルマの中身は、毎日器を入れ替わっているのか。おそらくそれはないでしょうけど、長月先生も特に触れておらず、原作にも詳細は書かれていません。果たして、この言葉の真意がわかる時がくるのか。
リューズ・ビルマは、「人格」と「知識」を与えられたと言っています。もしかしたら、新たな記憶は残らないのかもしれません。ただ、スバルが「強欲の使徒」であることはわかるので、「明日また聞いてほしい」と言ったのかもしれませんね。


(追記)

後になって気付きましたが、32話「ユージン」で、スバルが監禁されるきっかけになったリューズさんは、白い服を着ていました。

白リューズ

そして、「リューズ・シーマの名にかけて誓おう」と言い、長月先生も「覚えておいた方がいい」と述べていましたが、今回のリューズさんは、黒服で「リューズ・ビルマ」と名乗っています。
ガーフィールも、「聖域の解放には、反対する派閥もいる」と言っていましたが、今回のリューズさんは、「最初に作られた四人のうちの一人」と言っていましたが、「シーマ」という性を名乗っているということは、リューズ・シーマも、その四人の内の一人でしょう。そして、聖域の解放を反対する派閥なのかもしれませんね。


エミリアとの夜会話

なんとか、村の人達を助けたいスバルだが、脳裏には、大兎の姿があり、簡単にはいかないことをわかっていた。

長月先生曰く、村のみんなを無事に帰してあげたい。大兎の出現に巻き込まれるなんてよくないと考えるスバル。この辺りのスバルの思考に違和感を持ってもらえるといい感じ、なんだそうです。どことなく気持ち悪い感じが、今後の展開に関わってくる、ということなのでしょう。


悩みながら歩いて帰る途中、エミリアに声をかけられる。

対比

これは、魔女との対比ですね。


寝付けずに散歩をしていたエミリア。

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月明かりを浴びる姿に、「EMT」でも、「EMF」でもなく、「まるで妖精さんみたいだね。エミリアたん」と言うと、エミリアはプンスカ怒り出す。

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異世界で「妖精」は、「邪精霊」の一種なんだそう。怠惰の大罪司教・ペテルギウスも、邪精霊です。確かに、「ペテルギウスみたいだね」と言われたら、怒りたくもなるわな(笑)。文化の壁で、口説き文句が伝わらないのが辛い(笑)


試練への不安を吐露するエミリア。スバルが支えになっていても、エミリアの口からは「パックがいてくれたら」と本音が漏れる。自分はパックの代打でしかない、のか。そう思いながらも、エミリアを励ますスバル。

スバル

「エミリアなら大丈夫だ。きっとやってくれる。俺は君の味方だ」

長月先生曰く、エミリアとの夜会話は、エミリアの精神が安定している周回でしか発生しないイベントなんだとか。対して、スバルを心配して出歩くオットーは、わりと毎回起きているんだそう。宿に戻った時も、オットーは心配してましたね。と言うか、5週目にして、初めて寝床が描かれた気が(笑)。大聖堂で、村人たちやオットーと一緒に寝てたんですね。

寝床


必ず邪魔するガーフィール

翌朝の早朝。「やり直す前提」と言いながら、置き手紙を残して、単身、パトラッシュと共に屋敷に戻るスバル。大切なユージン、恩人を殺すわけにはいかない。「ロズワール邸の攻略」のため、屋敷で何が起こるかを見極めるようと、今回のループの目的にしていた。

長月先生曰く、エキドナに「死に戻り」を告白したことで、回数制限がなく、「何度でも」と言う意思が芽生えた。今までは、自殺を含めて、「死に戻り」を積極的に生かしていく選択をしてきませんでしが、ここからのスバルは、その限りではない、と言う覚悟ができたのだそう。
それでも、置き去りにする世界であっても、エミリアに悲しい顔をさせたくない、と言うのが、スバルの思いでした。


スバルは誰にも別れを告げずにこっそり抜け出すが、監視の目(白リューズ)が光っていた。

聖域の目

結界を抜ける前に、またも現れるガーフィール。
やはり、スバルから臭う、魔女の残り香に気付いていた。しかし、「死」を覚悟しているスバルは、肝が座っており、引かない「なぜ今なんだ?昨日は何も言ってこなかったじゃねぇか」都合の悪いことを聞かれたガーフィールは、スバルに掴みかかる。

死んでも構わないスバルは、ニヤリと笑いガーフィールを挑発すると、一瞬たじろぐガーフィール。

スバ目

「俺はエミリアを裏切らない。聖域も悪いようにはしない。信じろ」
「俺が諦めない限り、秘密はもう秘密じゃない」

スバルの目的は「エミリアを助けること」。ガーフィールの役割は、「聖域を守ること」。簡単にスバルの言葉を信じるわけにはいかない。

「知らないことを知っていく。俺がこうするのはそのためだと思ってるけどな」


綺麗事に聞こえるガーフィールは怒りたける。

「痛え思いも、辛え思いも知らねぇ奴に、何ができる!?」

「知ってるよ。地獄なら知ってる。もう、何度も見てきた」

スバルの気圧され、言葉を失うガーフィール。

「地獄を知ってるのは、俺だけでいい。その為に、俺がいるんだ」

スバ4

そう言って、スバルはパトラッシュと共に屋敷へと向かう。

長月先生曰く、ガーフィールのスバルへの印象。言葉をなくしていた反応など、今後のために覚えておいておくといいそうです。スバルにとっては結局、「今回はこう言う行動をするのか」という確認ができたなら、死んでも構わないという意思が、ガーフィールを引かせたのでしょう。


三度目の屋敷

三度目の屋敷。フレデリカとペトラが出迎えた。フレデリカとのわだかまりは既にない。スバルは、一時的に屋敷を空けて、村に潜むよう頼む。そして、スバルは命の恩人であるペトラにお礼を言うと、ペトラの見返りは「デート一回」だった。

屋敷

一時的に屋敷を空けて村に潜むよう二人に伝え、準備に行くペトラ。

「また、必ずこの約束をしような・・・」

既に死を覚悟しているスバルだった。

フレデリカにペトラとレム、パトラッシュを託し、「また、ベアトリス様を交え、合流できるのを心待ちにしていますわ」と、フレデリカは言う。果たして、それは今回のループか、まだまだ先の話か。

屋敷を留守にする、ということを、メイドのフレデリカがすんなり受け入れていたのは疑問でしたが、原作では、一時間ほど話し合っていたようです。「魔女教が襲ってくるかもしれない」ということを引き合いに出し、納得させたようです。魔女教に襲われたのは、わずか一週間前のこと。そう言われては断れないフレデリカでした。
そして、ペトラとの約束も、フレデリカとの約束も、おそらく今回は叶わない。スバルはそう思っているでしょう。今回の目的は、ベアトリスとの対話ですから。
スバルには、メイドの心をくすぐる才能があるとフレデリカが言いましたが、メイドにも魔女にも好かれやすいし、鬼やハーフエルフからも好かれています。その分、人間からは好かれない、のかもしれません(笑)
すんなり終わったシーンですが、原作では、ガーフィールのことについても話し合っています。フレデリカが『聖域』を離れた理由や目的。試練に挑んだガーフィールは、なぜ諦めてしまったのか。まだ先で描かれるかもしれないので、今は伏せておきます。


ベアトリスとの再会

そして、当然のように扉渡りを破って、禁書庫に訪れるスバル。

「やっと来たのかしら」

そこにいたのは、今までになく穏やかなベアトリス。スバルが来ることを知っていたようだ。福音書は、テーブルに置かれている。

禁書庫

「長い長い契約の終わり。終わりの終わりを終わらせて、ベティは今度こそ解放されるのよ。もっとも、その相手がお前になるのは、ベティにとっても皮肉すぎる結末かしら」

ベアトリス

福音書に書かれていることなのか、何かを悟り、覚悟を決めていたようだった。

おそらく次回、ロズワールから託されたあの質問をするはずです。
「ロズワールは、質問をしろと言っていた。
 そして、自分がその人だ、と」

福音書には何と書かれており、ベアトリスを縛る「契約」は一体なんのか。
ベアトリスは、ロズワールと禁書庫を守るという契約をしています。しかし、ベアトリスの台詞からすると、これからスバルと契約することになりそうです。契約したらどうなるのか。そして、スバルが死に戻りをしたら、その契約はどうなるのか。ベアトリスは、「死に戻り」のことを知っているのか?
毎回毎回、次に繋がる疑問を残してくれるのはさすがです。


スバルの変化

エキドナとの2度目の茶会で、スバルは「死に戻り」を初めて吐露することができました。そして、スバルの疑問でもあった、「死に戻りの回数制限」はおそらくない。ということで、スバルは、「無限の死」を覚悟するようになりました。それにより、5度目のループも、確定している未来を前に、死に戻り前提で臨んでいます。大兎の犠牲になる村人も、ユージンのオットーも、ペトラとの約束も、最適解を導き出すためには、それまでの全ては犠牲となり、泡となって消えてしまいます大事なものを犠牲にしない為に、死に戻ればいい。最適解を導き出す為なら何度でも死ぬ。それは、スバルだけに許された特権であり、スバルの権能と言えますが、やはり、常軌を逸した手段なので、やはりスバルの感情がどこか麻痺しているようにも感じます。

仮に、「死」に対しての耐性が強くなり、「死への恐怖」という生きる証がなくなってしまったら、それは最早人間ではなくなってしまうのかもしれません


無敵ではない「死に戻り」

ただ、サテラの影に取り込まれた時、スバルは死ぬことができませんでした。予見していたエキドナのおかげで自殺することができましたが、ガーフィールに監禁されたように、「死にたくても死ねない状況」というのが、最もスバルを苦しめることなのかもしれません。

もしも、スバルの「死に戻り」を知っている敵が現れたら、おそらく、「死なせない」ように攻略してくるでしょう。もし、ロズワールと戦うことになったら、スバルを殺すのではなく、拘束するでしょう。まぁ、ロズワールにとってスバルは味方だし、得難い拾い物なので、そんなことはしないでしょうけど。エミリアを王にしたいロズワール。エミリアを助けたいスバル。もし敵対するとするなら、エミリアが王選を辞めたくなったり、敗れた時かもしれませんね。


「死に戻り」だけに頼るのは危険

スバルにとっての「死」は、完全犯罪ならぬ、完全逃亡です。四章でのスバルは、「このルートなら死んでも構わない」というスタンスで生きているので、ガーフィールを畏怖させました。それに、未来情報を得ることで、リューズさんの正体に辿り着きましたが、リューズさんにとっては考えられないようなことだったわけです。そうなると、ガーフィールが怪しんだように、敵にも味方にもなる存在がいたら、スバルは怪しさ満点ですよね。

スバルにとって、「死に戻り」は唯一の武器と言ってもいいですが、大抵、唯一の武器だけに頼った場合、必ず痛い目を見るようになっています。「これさえあればいい」という武器を奪われてしまえば、儚くも呆気なく、崩れてしまうでしょう。

スバルにとっては、「死に戻り」しか頼れるものがないのかもしれませんが、そうならない為に、スバルには仲間がいるわけですが、長月先生も、意味深な発言をしているので、今後の展開も注視していきたいですね。


巻末

エグいシーンや緊張が続く中、久々に落ち着く回でした。まぁ、序盤にサテラの恐怖にさらされて死に戻りしましたが・・・。リューズさんから語られたことで、幾つかの伏線が回収され、エミリアとの2人の時間。ロズワールが出てこなかったことが、何か引っかかりますが・・・。毎回、激動の展開のおかげで、序盤の展開は薄れてしまうのが、『リゼロ』の凄いところです。

思えば、意外と序盤に死に戻ることって、結構あるんですよね。殺されたところで終わるパターンと、序盤に死ぬパターンが多いように思います。

突然殺されるような時は最後に死ぬことが多く、重要な情報が隠されている場合は、情報が明かされて、次回に持ち越して、序盤で死にます。

2期としては、10話放送されましたが、それまでに5回死んでいるので、2話に1回は死んでいます(笑)。特に、『聖域』についてからは、7話中4回死んでいるので、スバルも中々ハードです(^^;。
ただ、フレデリカ問題が解決したり、エキドナの協力、リューズさんの協力など、着々と攻略に向けて進んでいるのも事実です。ただ、まだまだ攻略には至りそうにありませんが・・・。


今回の重要ポイント

最後に、長月先生曰く、今回は説明回隣、怒涛の情報開示が行われました。重要なのは、
「リューズさんのコピーがたくさん!」
「『聖域』は不老不死のための施設!」
「スバルは『死に戻り』を多用する覚悟を決めた!」
「ガーフィールドン引き!」

この4点を押さえておけば大丈夫、とのことです。

次回の注目は、ベアトリスとの対話です。そして、また死に戻るのでしょうか!?新たな謎を暴けるのか?楽しみに待ちましょう!!


画像出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』/長月達平 WHITE FOX


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『Re:ゼロから始める休憩時間』 2nd SEASON 10が公開!


ー追記(9/12)

「アフレコアフタートーク」#35が公開されました!ゲストは、リューズ役の田中あいみさん。まさかの真実が発覚!?



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