見出し画像

『リゼロ』29話「親子」感想!(ネタバレ!)

今回も、画像を引用しながら、原作者の長月先生のツイートを参考にして、今までとは違う29話を振り返っていきたいと思います!


スバルの過去、現世界

強欲の魔女・エキドナの墓所の中に入り始まった、「己の過去と向き合う」という試練。

倒れてから目を覚ましたスバルは、現世界での自分の部屋だった。そこに現れたのは、筋肉むきむきの父親・賢一。

スクリーンショット 2020-07-30 18.07.36

ボディプレスを食らってから、腕ひしぎ十字固め。スバルも4の字固めで反撃するが、丸め込まれるスバル。そこに現れたのは、つり目の母親・菜穂子。朝ごはんに呼びに来た。

スクリーンショット 2020-07-30 18.07.16

スバルの為に腕によりをかけて作った朝食は、パンと味噌汁。そして、野菜嫌いを克服する為に用意した大量のグリンピース。しかし、グリンピース山は、ぐるぐる回される。和洋折衷な朝食に疑問を抱くスバルへの答えは、「お母さん、パンと味噌汁が好き」というもの。

スクリーンショット 2020-07-30 18.04.30

長月先生曰く、菜穂子さんは、一事が万事こういう感じなのだそうです。いわゆる天然という括りになると思いますが、だからこそ、真面目になった時のギャップを感じるものです。


スバルも中々の変わり者だが、一癖も二癖もある両親だからと納得。
朝から一家団欒な仲良し家族だが、スバルは引きこもり。賢一は、会話の流れで学校へ行こうとするが、スバルは「昼まで寝てる」と部屋に戻ろうとすると、突然変な痛みが。部屋に戻って戻って時計を見ると、もうすぐ8時。8時を過ぎたら、学校には間に合わない。「学校を休むのは仕方ない」と己に言い聞かせようとすると、また異変が。いつもなら落ち着くはずなのに。

そこに、ムーンウォークで颯爽と入ってくる賢一。わざわざ来た父は「好きな娘、いる?」と尋ねる。本題は何かと聞き返すと、天気がいいし、散歩しながら親子トークをすることに。


父との会話

桜や菜の花が咲く麗らかな春。平日の朝から親子二人で桜並木を歩く。そこで、賢一をよく知る人に声を掛けられる。

スクリーンショット 2020-07-30 20.54.20


そして、「なんでこの時間に親父さんと一緒に?」と聞かれると、スバルはまたも苦しみに襲われ、足早に立ち去る。ナイーブなことを言ってしまったと思ったおじさんは、「後で謝っておいておくれ」と頼むが、賢一は、「謝られることねぇよ。あとはあいつの問題だから」とスバルを追う。

公園のベンチで休む、苦しそうなスバル。賢一は改めて質問する。
「好きな娘とかいる?」
すると、脳裏で「スバル」とエミリアが呼ぶ声が聞こえる。スバルはまだそれが誰だかわからない。賢一はまた好きな娘はいるかを聞くが、スバルは「そんな遠回しに聞かなくても、なんで学校行かないんだ?って言えよ」と言う。

長月先生曰く、賢一にとっては、学校トークの踏み台にしている感じ、とのこと。聞きにくいことは、いきなり核心をつくことは難しいですよね。


スバルは、両親には悪いと思っていると言うが、賢一の答えは、「そんなこと気にすることねぇよ。考えあってのことだと思うし、考えてなくても、ある程度はしゃあねぇと見逃す気でいるしな。世間一般がどうか知らねぇけど、学校が全てじゃないし、いいんじゃねぇの?」と立派なもの。

特別な日でもないのに、どうして今日そんなことを聞くのか。ただのグリンピース記念日なだけなのに。賢一にとっては、今朝のスバルの面構えが、マシに見えたから、話がしたかったと言う。

スバルは、「俺は何も変わってないし、これからもそのままでいいと思ってる」と言うと、また痛みが襲う。

長月先生曰く、スバルが感じる痛みの正体は、スバルが停滞を望んだ時、というのが、深層心理を反映しているのだそう。変わることが最善ではなくても、変わらないのは変わらないで労力のいること、フォローもしています。
「過去と向き合う試練」なので、向き合わずに逃げようとすることで、痛みを引き起こすということなのでしょう。
もし、現実でこのようなサインがあったら、「ここは向き合う所なのか」とわかりやすいものですが、そうではないのが、人生の面白い所であり、時には逃げることも必要、ということなのかもしれないですね。


苦しむスバルにまた聞こえるエミリアの声。

「大変、だったね」

薄っすらと見えるエミリアの姿。スバルにはまだ誰かがわからない。

他にも、色んなエミリアの言葉が聞こえてくる。そして、姿が露わになり全てを思い出し、涙が溢れだす。落ち着きを取り戻したスバルは、さっきの質問に答える。

「好きな娘、できたよ。だから、俺はもう、大丈夫だ」

長月先生曰く、『試練』の中、ナツキ・スバルに今の己を取り戻させたのは、異世界で出会った二人の少女。「『君』を見てる、『君』が見てるーー」が原動力、とのことです。
スバルにとって、自分を変えてくれた、エミリアとレム。その時点で、スバルの居場所は、もう現実世界にはないのかもしれません。


菜月昴の過去

父親に本音を語るスバル。

「自分でも気付いていたはずなのに、見て見ぬ振りをしていた。自分だけが気付いている弱さを、父さんと母さんに叩きつけて欲しかった。自分がどうしようもなく小さくて、足りないバカで、独りよがりのクズなんだと叩きつけられて、諦めさせて欲しかった」

これは、思春期の苦しみですよね。特にスバルは、愛情深い両親に育てられているので、ダメな自分が許せなかったんでしょう。自分を愛し、期待をかけてくれることが苦しく、諦めさせて欲しかったんだと思います。
私も、似たようなことを思っていたことがあります。親は私のことを、とても良い子だと言ってくれましたが、自分はそんな良い子じゃない。こんな悪いことを考えるし、嫌なこともする。自分は最低の人間だと。そんな風に苦しんだことのある人は、多いのではないでしょうか?


スバルは昔から、勉強も運動も、人並み以上にできた。運動会で一等賞を取っても、

「やっぱり、あの人の子だな」

と言われていた。しかし、一番が減っていき、頑張らなくなった。勉強で1番になるより、友達を笑わせる方がよっぽど凄い。夜のプールに侵入したり、悪いこともするようになった。それはそれで、もっとデカいことをやらなければならなくなり、つまらないと思われたくない、と思うようになり、もっと悪いことをするようになった。バカなことをやって、俺がいないと楽しめないと思っていたが、気がついたら、自分の周りからは誰もいなくなった。

その時、自分は特別な人間じゃなかったことに気付く。中学までは、波風立てずに過ごし、高校デビューに失敗。決めポーズで目立とうとするも周りはドン引き。

スクリーンショット 2020-07-30 21.25.57

長月先生曰く、スバルの高校デビューは失敗ですが、アッパー系のコミュ障で、空気を読むことは必要な学校生活はしんどかったんだそう。異世界である程度マシに扱われているのは、周りが大人だから、とのこと。
スバルを観ていると、とても空気を読む力が強いと感じます。空気を読め過ぎて、逆に苦しんでいたり、それが故に引きこもりになったんだろうと感じていました。もしかしたら、HSPなのかもしれず、それが故に苦しんできたのかもしれないですね。

そのうち、「学校に行きたくねぇな」と思うようになり、3ヶ月後には不登校になった。
どんなにみっともなくなっても、両親は変わらずに接していた。スバルにとって、恐怖だった。

「お前なんか愛してない。大嫌いだ。お前なんか俺の子じゃない。そういって、諦めさせて欲しかった。でも」

レムの言葉が蘇る。

「諦めるのは簡単です。でも、スバルくんには似合わない。
 レムは、スバルくんを愛しています。
 ここから始めましょう。一から。いいえ、ゼロから!
 レムの英雄は、世界一です!」

スクリーンショット 2020-07-30 21.31.33

スバルの話を聞き終わった賢一は、おもむろに立ち上がり、「ファーザーヘッド(かかと落とし)」を食らわす。

スクリーンショット 2020-07-30 21.32.47

息子の決死の本音に、呆れる賢一。「俺に嫌われる為の行動が登校拒否とか、アホか!息子が引きこもったくらいで、誰が自分のガキ見捨てるかっつーの!」曲がった息子の性根を叩き直そうと思ったが、「もうその必要もないくらい、へし折られて立ち直った後みたいだな」とお見通しだった。

長月先生曰く、この台詞にはカットされた部分があり、「嫌われたきゃ、理由なく人類半分くらい虐殺しろ」と言っているそうです。つまり、できないってことです、とのこと。


それも、好きな娘ができたからだと答えるスバル。

それに、好きだと言ってくれる娘もいたんだと。

「その娘たちは、俺が菜月賢一の息子だなんて知らない。その娘たちの前でなら、俺はただのナツキスバルだ。いや、誰の前でも俺は、菜月昴だった。それがようやくわかったんだよ」

その言葉に、父は一笑に伏す。スバルは謝るが、「ゴメンって思えるなら、時間をかけて恩返しをしてくれりゃいいさ。将来、俺と母さんをしっかり養ってくれよ。長男」と決める賢一。

スクリーンショット 2020-07-30 21.43.00

その言葉にスバルは涙する。

スクリーンショット 2020-07-30 21.43.25

「ゴメンなさい・・・俺、俺、もう二人に・・・ゴメン。俺、何にも返せないままきっともう・・・会えない・・・。ゴメン、ゴメンなさい!ごめんなさい!」

長月先生曰く、この段階では詳しく説明しませんが、スバルには最初から「異世界からは帰れない」という自覚が無意識にあったそうです。その無自覚を、賢一の言葉で自覚した、とのこと。
確かに、転生モノやタイムリープモノは、死んだら異世界に転生するなり、死んだら元の世界に戻る、という設定が多いです。しかし、スバルの場合は「死に戻り」という、救いのない呪いによって、元の世界には戻れない、と思っていたのでしょう。
ならば、スバルが元の世界に戻れるとしたら、この異世界でスバルに課せられた役割を果たし、呪いが消え去った後、命を全うした時でしょうか。時間の流れがどれほどのものかはわかりませんが、それは、リゼロのエンディングにも関わることで、考えるだけ野暮なものですね。


「いつまでたっても、お前は手のかかる息子だよ」

とスバルを抱きしめる賢一。

スクリーンショット 2020-07-30 21.45.24

賢一との別れ際、息子にかけた言葉は、

「頑張れよ!期待してるぜ、息子!」

今までは、苦しみだったその期待も、乗り越えたスバルは、いつものポーズで答える。

「ああ。任せとけよ、父ちゃん!俺の名前はナツキスバル!菜月賢一の息子だ!だからなんだってやれるし、なんだってやってやる!あんたの息子、すげぇんだぜ!」

「ああ、知ってるよ。なにせ半分は俺でできてるんだからな」そう答え、二人は別れる。


制服を着た菜月昴

スクリーンショット 2020-07-30 21.51.35

帰宅したスバルは、制服に着替える。3ヶ月ぶりに投稿する。一礼して部屋を出ると、緊張気味の制服姿のスバルに、「マヨネーズ舐める?」と差し出す。

スクリーンショット 2020-07-30 21.57.28

異世界にはマヨネーズがなく、マヨネーズを作るエピソードがあります。

「今はそんな気分じゃ」と断ると、「スバル本当はそんなにマヨネーズ好きじゃないもんね〜。お父さんとお母さんが好きだから、一緒に舐めててくれただけだもんね〜」と核心をつく。

長月先生曰く、スバルがマヨネーズ好きになったのは、菜穂子の想像の通りだった。両親が好きになものを好きになりたいという、子供らしい理由だそうです。ですが、異世界でマヨネーズ食べられないことで禁断症状が出て、異世界マヨネーズを開発するくらい、マヨラーの素質があった、ということなのでしょう。


学校へ行くと言うと、「お母さんは嬉しいけど、悪目立ちするんじゃない?明日できることは明日にしたら?」と、息子のやる気の出鼻を挫く母。「ただでさえ他人に厳しく自分に甘い俺なんだから」と言うスバルの言葉に、「昴が本当にそんな子だったら、お母さんもこんなに苦労しなかったのにねぇ」と菜穂子は答える。

母親の優しさに、スバルが不登校になったのもわかりますね。でも、父親もそうですが、スバル本当の姿を知っているからこそ、見放すことも嫌うこともなかった。それが、スバルにとっては苦しみでもあったんですね。


学校へ向かうと、なぜか同行する菜穂子。「ちょっとそこのコンビニまで」と言い、久しぶりに息子と並んで歩く時間を楽しむ。

スクリーンショット 2020-07-30 23.34.35

菜穂子は、賢一と何を話したのか尋ね、昔話をして、それで登校する気になったことを知る。

「何でもかんでも、お父さんみたいにやるのはやめたってことね?」

スバルは、昔から頑張り屋でなんでも器用にできたけど、疲れるよね、と。その言葉に戸惑うスバルは「お母さんは、どこまで俺を・・・」と言うと

「あのね昴。親は子供が思ってるより、子供のことよぉく見てるの。お母さんだって昴のこと見てるんだよぉ?
 マヨネーズのことも、学校行かなくなった理由も、どうにかしてあげられるんなら、してあげるんだけどねぇ。お母さんが何をしても、きっとダメになっちゃいそうだったから。
 でも、お母さんでもお父さんでもない、誰かがなんとかしてくれたんだよね。それはとてもいいことだと思いました。その人に感謝しなきゃ」

「うん。そうなんだ。だからこうして今歩けてる」

異世界生活を知らなくても、息子の変化に気付くのは、さすが母親ですね。

自分が釣り合うかが問題じゃなく、釣り合わなくても自分のものにする。それから自分の価値を積み上げる。そう菜穂子に宣言すると、菜穂子が一言。

「やっぱり、あの人の子だね」

一瞬、呪いの言葉がフラッシュバックして、不安になる。

「俺、ちゃんとあの人の子供やれてるかな?」

「大丈夫だよ。だって、昴の半分はお母さんなんだから。お父さんの半分でも格好良くなったら、ノルマ達成じゃない!残り半分、スバルになったらいいんじゃない?
 昴は昴らしく、頑張ったらいいなじゃない?
 お父さんみたいになりたいって思いながら、昴になるんだよぉ?」

菜穂子との別れ。歩き去る菜穂子を「お母さん!」と呼び止めるスバル。

長月先生曰く、そのまま行けば別れることもできた。別れを言わなければ、母を悲しませないで済むとも。でも、黙っていられなかった。黙っていて、後悔したのがスバルだったので、とのこと。


「やらなきゃいけないことがあるんだ。だから、長いお別れになる!ちょっと遠くて、連絡とかもできそうにないんだ。でも、どんなとこにいても、二人のことを思ってるし、忘れたりしないし、もう自分が二人の子供でいたくないなんて思わないし、自分が嫌いになるようなこともしたくない」

スバルの前に戻ってきた菜穂子。

「昴、大丈夫だから。昴が何を言いたいのか、ちゃんと分かってるから。だって、お母さんは、昴のお母さんなんだから」

泣きじゃくりながら、謝るスバル。

「ゴメン・・・お母さん。俺、結局、二人に何にもできないまま・・・」

母親の愛の言葉。

スクリーンショット 2020-07-30 22.25.59

「何かして欲しいから産んだ訳じゃないんだよ?何かしてあげたいから産んだの。たくさん泣いて、最後に笑えたら、それで全部大丈夫。大事なのは、最初でも途中でもなくって、最後なんだから」

長月先生曰く、「大事なのは最後」は結構大事なワードだそうです。長く長く覚えておいてほしい、とのことです。


「それって、結果良ければオールOKってこと?」とスバルは笑うが、「そういう受け取り方とは違います。これ、お母さんからの宿題」。菜穂子がそう言うと、スバルは「じゃあ行くわ」と、学校へ向かう。今度は、菜穂子がスバルを呼び止める。

「行ってらっしゃい」

スクリーンショット 2020-07-30 22.32.54

その言葉にあの日のことがフラッシュバックする。「行ってきます」も言わずに家を出て、帰ることのなかったあの日。スバルは、「行ってらっしゃい」と言う菜穂子の見送りに、死んだような顔をして、無言で家を出る。

スクリーンショット 2020-07-30 22.34.40


今度こそスバルは、笑顔で「行ってきます!」と手を振る。

スクリーンショット 2020-07-30 22.35.12

学校に着いたスバル。「3−6」と書かれた教室の前に立ち、意を決してドアを開けると、そこには制服姿のエキドナが。

スクリーンショット 2020-07-30 22.36.29

「思っていたより、随分と早く着いたね。ようこそ。自分の過去と向き合う時間は、君に何をもたらしたかな?」

スクリーンショット 2020-07-30 22.37.07

そして、第2期4話にして、初EDが。


明らかになった菜月家

今回は、スバルの過去と向き合う話で、第1話以来の現世界が映し出されました。そして、父・賢一と母・菜穂子が登場し、スバルがいかにして自宅の守人(不登校)になったか。現世界での昴の苦しみが描かれました。

菜月家は、とても仲が良く愛情深い家族でした。そして、詳しくはわかりませんが、父・賢一は、どうやら偉大な存在のようです。どうらや、偉大な父親であったことが、スバルが苦しむ要因だったようです。


昴の苦しみの原因

異世界では、魔女の呪いで「死に戻り」のことを言おうとすると、心臓をギュッとされていました。この試練では、現世界での呪いに反応して、苦しんでいたんだと思います。

現世界での呪いの言葉は、

「やっぱり、あの人の子だな」

というものです。
スバルは、現世界でも、呪いに縛られていたんですね。愛情深い上に、偉大な父親。子供にとっては、よりプレッシャーになるでしょう。

偉大な親を持つと、子供はいらぬプレッシャーを背負うものです。偉大な親を持つ子の末路は、二世タレントがいい例でしょう。

裕福に甘んじて、努力しなくなったり、有ることが当たり前で、感謝できなかったり。豊かさ故の欠陥があるのかもしれません。だからと言って、貧しければいいというわけではありませんが、異世界に転生するまでは、スバルは親の愛に気付けなかったんですね。


人を好きになるということ

賢一が、冗談のように何度も「好きな娘いる?」と聞いたのも、あながち冗談でもないと思うんですよ。面構えがマシになったのは、異世界生活をしたからですが、エミリアを好きになり、レムが好きになってくれたおかげです。

菜穂子も、「してあげられるならしてあげたかった」と言っていますが、「それだともっとダメになる」ということもわかっていました。親が代わりにしてあげたって、子供は育ちませんからね。

現世界では、スバルは親の愛に気付けていませんでした。しかし、人を好きになったことで、親の愛を知ることができたんだと思います。
人を好きになることで、できないことができるようにもなるし、大切な存在ができます。神回である18話の名シーンも出てきましたが、スバルを好きになったレムは、どんな過去であっても、今のスバルを愛していると言いました。レムの愛は、どこか母親のようなものかもしれませんね。

人を好きになることで、人生が変わる。誰かを好きになるということは、とても大事なことなんだと改めて感じました。


親の愛

そして、今回は何と言っても、「親の愛」です。父親としての愛、母親としての愛、どちらも素晴らしいものでした。

スバルがどんなに捻くれても、嫌いになって欲しくても、嫌うわけなんてない。自分の好きなように生きさせてやりたいという、賢一の思いが伝わってきました。もしかしたら、優しすぎるのかもしれませんが、賢一も、むう化しはやんちゃしていたそうなので、スバルの気持ちがわかるのかもしれませんね。

スバルの顔は、ツリ目で母親似ですが、髪型は、父を真似ている。スバルにとって、父親というのは、目指すべき目標のような存在だったんですね。

そして、母親ですよ。
もう、素晴らし過ぎませんか?名言も出ました。

「何かして欲しいから産んだ訳じゃないんだよ?何かしてあげたいから産んだの」

これが親の愛ですよね。

子供はよく、「愛の結晶」と言われたりします。中には、親の身勝手で、望まれずに生まれてきた子供もいるかもしれません。そういう家庭では、DVがあったり、毒親になって、苦しんでいる子供もいると思います。

全ての親が、菜穂子のように思って子供を産んだとは限りません。ただ、子供を持つ親や、これから親になる人には、この名言を心に刻んでいただきたいと思います。

私は子供が好きで、保育カメラマンをしていますが、子供は本当に可愛くて愛おしいです。でも、私はその子の親ではないし、できることは限られています。必要以上にすることは、逆効果でもあると思います。
自分の子供には、自分らしく愛したいですし、子供には自分らしく育ってほしいものです。

今回の親子の話は、墓所の試練であって、スバルの中での話なのかもしれません。現世界で、どうなっているのかわかりませんが、スバルにとっては、大好きなお父さんお母さんに、それぞれ言いたいことが言えたと思います。

賢一には、「なんだってやってやる!」
菜穂子には、あの日言えなかった「行ってきます」を言いました。

あんなに泣ける「行ってきます」を、私は知りません。

長月先生曰く、「スバルは帰れないことをわかっている」そうですが、スバルにとっての今生の別れかもしれないと思うと、心臓をギュッとされる思いですね。

子供にとって、親の愛というのは、本当の意味で後から出ないとわからないのかもしれません。親の愛というのは、時間差で届くものなのかもしれませんね。子供にとっては、いつかちゃんと受け取れるように。親にとっては、いつか伝わると信じて愛していきたいですね。

親の愛と言えば、ぜひ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の第10話を観ていただきたいです。まさに、後になってわかる、時間差の愛!


ED初披露

今回も、OPなしでCMカットという、リゼロならではの放送でした。OPも、まだ一度しか放送されていませんが、ついにEDも初出し!長月先生が、「エモい」と言っていたように、EDらしい、意味深なものでした。


OPもですが、蝶々が出てきますが、蝶々を生み出しているのはエキドナです。OPもEDもメインで登場する、「出たがりな魔女」だと、長月先生も言っています(笑)


登場するのは、エミリア、ラム、ベアトリスの3人。ラムの色が変わってレムになるところは、上手い演出ですね。
蝶々がどんな意味があるのかまだわかりませんが、後から色々とわかることがあると思うので、この伏線が回収されるのが楽しみです。


少ないリゼロの聖地

今回は、現世界ということで、モデルになる場所が存在しました。


いやぁ、特定屋さん、乙です(笑)

描かれていた場所は、埼玉県幸手市だそうです。他にも、特定屋さんによって、学校などが特定されていました。

そして、第1話でスバルが異世界に転生することになったコンビニの場所は、千葉県千葉市にある「ミニストップ あすみが丘東店」だと言われています。

ん!?

ということは、スバルは、相当歩いて遠出したことになりますね。調べてみたところ、大体ですが、歩いたら18時間くらいかかるみたいです(笑)。

スクリーンショット 2020-07-31 13.59.41

もはや、家出レベルですね。買ったものは、コンポタスナックとカップラーメン。ちょっとのつもりで出かけたのか、フラフラ歩き続けていたら、千葉市まで行ってしまったのか。確かに、コンビニを出るとき、目を擦るような仕草があったので、疲れと眠気があったのかもしれません。

それと、根本的な話ですが、異世界転生したということは、現世でのスバルは死んだ可能性もあります。そうなると、18時間歩いたということで、疲れ過ぎて車に轢かれた可能性もありますね。

まぁ、それは冗談です。


さて、今回は、涙なしには観られない神回でしたね。あまりの内容の濃さに、文字数半端ないです(^^;。第1期の神回18話も出てきたり、今回も、手が抜けない全力のコラムとなりました。まだ第一の試練が終わったわけではなく、エキドナが出てきたことで、まだ何かあるかもしれません。そして、エミリアの試練も気になります。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!


画像出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』/長月達平 WHITE FOX


30話はこちら


神アニメ研究家として運営している「神アニメランキング!虹見式」では、神アニメに選定作品を紹介しています。ぜひそちらもチェックしてくださいね!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?