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『リゼロ』45話「聖域の終わりと崩壊の始まり」感想!(ネタバレ!)

さあ今日は『リゼロ』の日!
配信がどんどん遅れてしまっていますが、『聖域』の秘密が明かされ始め、物語は佳境に入っています。

『試練』を乗り越えたエミリア。その裏でチーム・スバルは、ロズワールの元へ。突きつけた「降伏勧告」。
果たして、ロズワールの答えとは?明らかになる、400年前に起こった「破綻」と、『聖域』が作られた真の目的
物語の重要な秘密が明かされた今回となりました。

今回は、リューズ・メイエルが過ごした四百年前にあった、暖かくも切ない話に、涙を禁じえませんでした。感動の45話を、どうぞ!


ロズワールとエキドナの出会い

舞台は400年前。初代ロズワールは、理由もわからない苦しみに悶えていた。そこに現れた魔女、エキドナ。ロズワールは、一目見て頰を赤く染める。

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「溜まったマナの発散の仕方も知らないとは」と、エキドナは突然、ロズワールに濃厚な口づけを交わす。

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頰を染めながら、ロズワール少年は「女性がこんな・・・」と言うが、エキドナの行動は、直接マナを吸い出した行為だった。ロズワールが苦しみは、病気ではなく「発魔期」によるものだった。

「私はその苦しみがわかる。同じ思いを味わったものとしてね」

と言うエキドナの言葉に、ロズワールは涙を流してうずくまり、エキドナはロズワールを抱きしめる。「私は魔女だ。たまに善行もする、悪い魔女だよ」と。

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原作補完
400年前には、魔法というものがあまり認知されておらず、ロズワールの苦しみを理解できる人は一人もいませんでした。病弱と言われ、メイザースという名家にあって、肩身が狭かったそうです。そこに、自分を理解してくれる美貌の持ち主が現れれば、惚れてしまうのも頷けます。しかも、ディープなキッスをかまされたら、16歳のおそらく童貞ロズワールなら、イチコロですね(^^;
「直接マナを吸い出した」とエキドナは言いましたが、実際、別の方法でもよかったのでしょうけど、口づけするあたりが、魔女ですね。
「発魔期」というのは、『Memory Snow』でパックがなっていましたが、マナが溜まった状態なので、吐き出さなければならない。パックの場合は、大雪を降らせましたが、ロズワールはエキドナと出会ったことで、魔法を覚えることになります。実際には、相当なマナの持ち主がいるということで、エキドナが会いに来たのだそうですが・・・。


三人の幸せな時間

という、エキドナとの馴れ初めを話すロズワール。いつものように、ベアトリスをおちょくるロズワール。それを冷たく返すベアトリス。そんな二人を微笑ましく見て、ベアトリスをたしなめるリューズ・メイエル。三人の幸せな時間が流れていた。

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ここにいる三人はそれぞれ、エキドナに救われていた。
リューズは、ハーフエルフであることに蔑まれてきて、この地に呼ばれたことで、幸せな時間を過ごすことができている。ベアトリスにとっては、生きる意味の全て。ロズワールは、「発魔期」で苦しみどうしようもなかった所を救われた。出会っていなければ、早まったことをしたかもしれないと。

ロズワールとベアトリスはいつも口喧嘩。リューズは、ベアトリスに軽い口答えをするほどの関係にもなれた。リューズとベアトリスのやり取りを見たロズワールが、生暖かい視線を送り、気持ち悪がったベアトリスが文句を言うと、「僕は、君を愛しているよ」と本気のような、茶化すような感じで言うと、また怒り出すベアトリス。

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そこに帰ってきたエキドナ。「ケンカせず仲良くしていたかな?」という問いかけに、何事もなかったかのように、取り繕うロズワールとベアトリス。クスクスと笑うリューズ。

それは、とても幸せな時間だった。

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物語は、『聖域』が誕生した日に移る。

川辺で、ベアトリスとリューズは二人の時間を過ごしている。ロズワールへの不満を垂れながら。

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リューズが「それはベアトリス様が私にイタズラしたから、敵討ちをなさってくれた」と弁明する。陰魔法を応用した、「扉渡り」だった。「イタズラじゃなくもっと高尚な・・・」と言い訳をすると、そこにまたロズワールが現れ、「反魔法で仕返した僕にも、目くじらを立てない訳だ」と言いくるめられる。「ぬがっ」と言い返せない悔しそうな表情を見て、「先生顔の次に好きなんだ」とまた、本気のような、茶化したように言う。

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べアトリスは、「お前なんかちょっと才能と家柄に恵まれて、世界最高の師を得た幸運なだけの奴かしら!調子に乗るんじゃないのよ!」と言い返すが、褒め言葉にしかなっていない。
ロズワールは、「何かあったらいつでも言っておいで」と言い、リューズも素直に受け入れる。ベアトリスだけ除け者だが、リューズと二人の関係が、とても深いものだということがわかる。

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ベアトリスの「扉渡り」は、400年前には既にあったのですね。スバルが初めて屋敷に来た時、ベアトリスはスバルに「扉渡り」を仕掛けましたが、そのイタズラ心は、400年経っても変わっていないということを表しているのですね・・・。
また、リューズと二人の関係が、とても深くなっているのがわかります。ベアトリスも、エキドナがいないときはリューズといる時間が多かったようで、リューズの仕事を手伝うこともしばしば。リューズもただ従うだけではなく、ベアトリスのことをよくわかったように接しています。ベアトリスって、生粋のいじられキャラだったんですね(笑)


リューズは手に本を持っていた。読書の邪魔をして悪かったとロズワールが謝るが、リューズは読み書きが得意ではない。そこで、読書好きのベアトリスに先生になるように勧めると、ベアトリスは「別にやってやってもいいかしら」といつものようにツンデレに答え、リューズも喜んでいた。

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訪れる異変

「お母様が読んでるかしら」

ベアトリスは突然真面目な顔をして家に戻る。ロズワールもも真剣な顔をして、「どうやら奴がきた」と、異変を感じ取っていた。

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忍び寄る、暗いオーラを纏った謎の男。

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「今すぐここから逃げるべきです!」と、ロズワールはエキドナに進言する。奴が現れれば、計画は破綻し、立て直すことも不可能になると。
焦るロズワールに、「手段がない訳じゃない。ある程度、『聖域』の目算は立っている」と重い口を開くエキドナ。しかし、結界を発動する核が不十分。時間が足りない。時間をかけてやってきたのに。

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そんな重苦しい空気に、手を上げるリューズ。

「その足りてない結界の核として、私はお役に立てませんか?」

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リューズは以前から、結界のことはベアトリスから聞いていた。核の条件にも合うと。それでも、まだ条件が足りていない。しかし、今何もしなければ、どうにもならない。それでもリューズは、

「私は、エキドナ様やロズワール様に救われました。誰に蔑まれることも、疎まれることもない生活を送ることができて、幸せでした。その時間の恩返しができるなら、私の生きた意味は、そこにあると思うのです」

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その言葉にエキドナは、リューズのオドを核にして結界を作ることを決意する。それで、今の脅威は払えると。その術式の構築の時間稼ぎはロズワールが命を賭けて担うことに。そして、リューズに謝る。「先生を助けるには、僕だけでは力不足だ」と。多くのことを与えられたことに、「感謝することはあっても、恨むことは何もありません」と、リューズの心は決まっていた。

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時間稼ぎに出る前に、ベアトリスを呼び戻すように言うと、親しい二人の関係を知っていたエキドナは、知らせない方がいいと思っていたが、ロズワールが「呼ばなかったら、一生あの子に恨まれますよ」と諌言し、リューズを惜しむように部屋を出る。

このやり取りは、今回の重要なポイントになると思っています。あとで詳しく言及しますが、予想外の脅威によって、予定が大きく狂いました。順調に進んでいれば、リューズが犠牲になることはなかったでしょう。詳しいことはわからなくても、その空気に、リューズが申し出てのは当然かもしれません。しかしですよ、この場所にリューズがいる必要って、ないはずなんですよ。それなのにこの場所にいたのは、原作によると、呼び込んだのはロズワールだそうですが、つまりは、そういうことなのだろうなと。おそらく、何らかの目算があって、呼び込んだのではないかと。そうしなければ、リューズが申し出ることはないですからね。リューズに頼んで犠牲になってもらうのと、自ら申し出るのでは、全く意味が違います。「知らせなくても知らせても、ベアトリスに恨まれますよ」とは言っていましたが、リューズに強制していたら、ベアトリスは絶対に許さないでしょうね。
それと、「ベアトリスには知らせないほうがいいんじゃない?」というエキドナのセリフは、彼女の人間らしさの欠如を感じさせます。スバルも、「エキドナは人の心がわからない」と言っていましたが、善行が多めな回想のエキドナでしたが、「やはり魔女」と思わせるセリフでしたね。まぁ、そこまで外道とは思いませんでしたが、どこか後ろめたさもあったのでしょうね。


侵略の魔人

足止めに向かったロズワールが、血を吐き出しながら吹き飛ぶ。

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見下ろす不気味なオーラを纏った魔人。

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「うるさい。やかましい。鬱陶しい。煩わしい。萎える。滅入る」
そう口にするだけで、ロズワールの体は跳ね回る。

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ロズワールは、ベアトリスも認める、六属性の魔法を高度に極めた間違いなく天才。その天才を持ってしても、手も足も出ない。それでも立ち上がるロズワールに、

「最悪の最悪の最悪ー憂鬱だ」

という暗鬱な言霊の前に、ロズワールの胴体は地面にめり込み潰れる。

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そのやりとりを小屋の中から覗いていたリューズの存在に気付く魔人。「憂鬱だ」と手を伸ばす魔人に、ロズワールの渾身の魔法が放たれる。しかし、焼き尽くす炎が魔人に届く前に消し去られてしまう。

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「汗が滲むと鬱陶しい」ロズワールの魔法も、魔人の前にはその程度のものでしかなかった。

「憂鬱の、魔人め・・・」

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血の海の中にいるロズワールのその言葉に、「嫌な呼び名だ」と答える魔人に、ロズワールは言い返す。

「何に、どう生き方を曲げられようと、限られた選択肢から、今の自分を選んだのはお前だ!被害者ぶった顔をするな・・・『憂鬱の魔人』ヘクトール!」

この男は、『憂鬱の魔人』であり、ヘクトールという名前が明かされました。
長月先生曰く、「魔女因子」の入った女性が『魔女』。男の場合、現代では『大罪司教』と呼ばれていて、400年前では『魔人』と呼ばれていたそうです。しかも、ヘクトール以外には『魔人』が確認されていないそうです。エキドナは『強欲』の魔女ですが、同じく「魔女因子」を取り込んだ存在だということですね。
つまり、ロズワールへの攻撃は、何らかの権能を持っているということですね。


ヘクトールの攻撃の前に、為す術もないないロズワール。ヘクトールが再び小屋を見ると、エキドナが立ちはだかる。

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術式の構築には間に合ったものの、瀕死のロズワールの前に、間に合ったとは言えない状況。時間稼ぎをわかっていたヘクトールも、「いいや、間に合ったとも。健気に時間稼ぎを果たしたさーぁ」と、気になる口癖で話す。

二人は、昔からの顔見知りで、「決別した」というエキドナの言葉から、近しい存在だったことが伺えます。
ちなみに、魔人の顔が映し出された瞬間、「三木眞一郎さんがCVなのでは!?」と思いましたが、『呪術回線』の両面宿儺でお馴染みの諏訪部順一さんでした(^^;
こういう気だるい感じの役は三木眞さんがはまり役のように感じましたが、諏訪部さんも、合ってますね。個人的には、三木眞さんで観てみたかったです(笑)
そして、何より気になるのは、ヘクトールの口癖が、現代のロズワールに似ていると言うことです。ピエロっぽい格好も、ヘクトールに似ています。エミリアは、愛するお母様の口癖を真似していますが、ロズワールは、そうだとは思えません。長月先生は、「強い感情がそうしたことを引き起こす」と言っていますが、ロズワールにとっては、愛情と逆の感情である「憎しみ」によるものなのかもしれません。ヘクトールへの憎しみを忘れないように、その口癖や格好を引き継いでいるのだろうと。もしくは、自分に足りなかったものを、ヘクトールから感じ、戒めているのかもしれませんね。


リューズとベアトリスの最期の会話

あまりの恐怖に伏せっているリューズの前に、「準備は整った」と、ベアトリスがやってくる。その言葉に覚悟を決めたリューズは、「行きましょう、ベアトリス様」と悲しげに言うのだった。

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このリューズの心境は、とても辛いですね。ベアトリスは、事情を知らないことで、簡単に言いますが、リューズにとっては、ベアトリスとの永遠の別れになることをわかっているのです。
おそらく、エキドナは、ベアトリスにリューズが犠牲になることは伝えていなかったのでしょう。その辺りが、エキドナの『魔女』らしいところだと感じますが、エキドナに関しては、後でじっくりと取り上げたいと思います。


『扉渡り』の魔法で移動した場所には、大きな魔水晶が目に前にあった。その美しさに「結晶の一部にされたくなかったら、うっかり魅入られるんじゃないのよ」と注意する。

「お母様には、お前をここに連れて来いとしか言われてないのよ」

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「ベティーにとってお母様は絶対」だと、ベアトリスは理由を知らずとも従う。「無事にこれが片付いた後、せいぜい働きで報いるかしら」と、冷たくも、後の約束をするベアトリスそのわかりにくい優しさを知るリューズは、感傷を滲ませて笑う。

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「お前、なんだか嫌な顔で笑っているのよ」と、何かを感じ取るベアトリスは、エキドナの言いつけを守らず、自分が加勢に行くと言い出す。また、リューズのいる楽しい明日を迎えるために。
しかし

「ベアトリス様、大変長い間、お世話になりました。ここでお別れです」

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と、リューズは目に涙をためながら、意を決して言う。

「お別れって、どういう・・・」

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結界の時間が足りなくなってしまったと。あの忌々しい魔人を退ければ・・・。しかし、ただ戦っても勝てない。その結論が『聖域』なのだと、リューズは諭す。

「結界さえできれば、この場所は守られる。私はそのために、この身を捧げます」

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「お前に何ができるっていうのよ!」と言うと、ベアトリスは気付く。魔水晶を用意したことも、リューズが適合者であることを確認したことも、自分だったのだと。 

エキドナに直談判する、加勢して魔人を倒す。扉渡りによって、みんなで逃げる。どれだけ打開策を挙げても、意味はない。それほど『憂鬱の魔人』の力は強大だった。逃げても、また魔人に怯えて生きることになる。

リューズはこの場所が好きだった。やっと手に入れた安寧の場所をまた作るには、どれだけの時間がかかるのか。好きな場所を守りたい、とリューズは言う。

「この場所の本当の意味は、お前たちのためなんかじゃなくて・・・っ」と、『聖域』の本当の目的を言いかけるが、「はい。わかっています」と、受け入れているリューズの覚悟に、ベアトリスの言葉は届かない。

『聖域』が、表向きの理由ではないことを知っていても、リューズが過ごした日々は嘘ではなく、エキドナの恩も偽りではない。リューズは、この場所で過ごした日々を思い出す。

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「ここで過ごせて幸せでした。だから私は、その時間を守るために、行きます」

そう、リューズがベアトリスンに決意と感謝の思いを伝えると、戦いの余波で、地面が揺れる。受け入れられないベアトリスだったが、もう、時間がない。

「ベアトリス様」

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一瞬、希望を感じたベアトリスだったが、

「甘いもの、食べ過ぎないようにしてくださいね」

続いた言葉は、笑顔で言う、別れの言葉だった。

それでも諦めきれないベアトリス。咄嗟に、リューズの服を掴む。

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「ほ、本を・・・読み書きを教える約束が・・・」

リューズは手を振りほどき、魔水晶に手を触れる。

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「さようなら、ベティー」

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リューズは光を放ちながら消えていった。

リューズとベアトリスの友情。とても切ないですね。エキドナの指示に背こうとしててまで、リューズを助けたかったのは、ベアトリスにとって、エキドナと同じくらい大事な存在だったということでしょう。リューズにとって、同じように大事な相手。大切な人と場所を守るためには、選択肢は一つしかない。そして、最期の最期に、自分への思いを実感したリューズは、とても幸せだったのではないでしょうか。ずっと「ベアトリス様」と呼んでいましたが、最期に「ベティー」と、親しい人しか呼ぶことが許されない呼び名を言いました。リューズとベアトリスが、本当の意味で親友になれた瞬間でした。
原作補完
原作では、もっと引き下がるベアトリスが描かれていて、それがまた切ないです。ベアトリスにとってリューズは特別な存在ということですね。
そして、原作の流れでは、44話で描かれた、墓所の前で話が聞き終わったシーンに繋がるわけですが、そこで「リューズが生まれた意味」について話し合います。スバルが見聞きした『聖域』の意味とリューズの役割が、過去の話とは食い違う。リューズ・シーマが、管理者の役割を離れたのは、リューズ・メイエルの記憶を見たことで、生まれた時から植え付けられていた役目と違ったからでした。
『聖域』に関しては、後半に特集していきます。
また、話に出てきた『憂鬱の魔人』についても語られています。現代では、『憂鬱』の存在を聞いた者はここにはいない。しかし、スバルには心当たりがありました。『魔女』が司る罪は七つですが、この七つに統合された大罪があったと話します。それが、『憂鬱』と『虚飾』の二つです。そんな『憂鬱』の存在を誰も知らないということは、意図的に『憂鬱』の存在が消されているのではないか、とラムは推測します。
リューズとエミリアの過去にそれぞれ関わりを持つ『憂鬱』と『虚飾』ですが、七つの大罪とは別に、この世界に災厄をもたらす存在であり、物語にも関わる重要な存在のようですね。
もう一つ、ベアトリスについてスバルが話します。ベアトリスは友達を失ったんだと。今のリューズはベアトリスにはあっておらず、ベアトリスも四百年間『聖域』に来ていないため、リューズたちの存在を知りません。そして、リューズたちも「会うべきではない」と思っているそうですが、果たして、ベアトリスがリューズたちの存在を知ったら、会いたくはないのでしょうか?
ベアトリス救出の鍵になりそうです。


スバル対ロズワール、再び

シーマから聞いた話を、ロズワールに突きつけたスバル。しかし、ロズワールは動じない。スバルは、「もう流れは変わったから、屋敷への襲撃を止めれば、手打ちにできる」と提案するが、ロズワールは受け入れない。「この程度の変化に折れるほど、私の400年は軽くない」と。そして、依然、ロズワールの優位は変わらない。例え、仲間を増やし、番外からの駒を引き入れようとも。

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ガーフィールはロズワールに言う。

「お前の言葉は軽ィなぁ、ロズワール」

流石に癪に障ったロズワールは、ガーフィールの10年間を責める。「愛する母、家族への思いは、そんなに簡単に変わってしまうものなのか?それとも母を、愛していなかったのか」と。

ガーフィールがスバルについた理由は、『試練』に挑み、「弱ェままでいろと言われるより、強いから必要だと言われた方につきたくなるのが当然」だと言い返す。

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スバルは、過去を見たガーフィールの、10年思いやった気持ちが弱くなるわけではないと言う。思いの強さは変わっていないと。

「変わらないまま、あいつは変わったんだよ」

それは、ロズワールも同じこと。400年前のことがあっても、変わることで過去を否定するのではない。同じ方向を向くこともできるはず。

しかし、ロズワールは受け入れない。

「只人である君に何ができる?何もできはしない!人並以下のお前に何ができる?月日が刻み込んだ想いは、誰に侵されざる聖域だ!誰にも!何人たりとも、それは変えられない!私の四百年が、只人のお前に覆されることなど、あってたまるか!」

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怒気を孕んだ言葉を、スバルに投げかける。「想いは変わらないもの」そうロズワールは考える。

「どうしてお前は、弱いところばっかり見ようとするんだよ!」

想う強さを知りながら、変わる強さではなく、変われない弱さを見ているんだと。

「お前が誰かの強さを信じて期待するように、私は誰もが弱いままだと信じているからだ!
弱くて、脆くて、たった一つの大事なものに縋る以外、思いを遂げることなどできないちっぽけな存在だと、そう信じているからだ!」

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ロズワールはスバルの胸ぐらを掴み、射殺さんと睨みつけながら言う。
ロズワールは四百年、エキドナを思い続けている。「あの別れの日に心は粉々に砕かれたまま、私は、何も変わっていない!!」と。

「肝心要の一人が残り続ける限り、勝負は終わらない」と、ロズワールは「降伏勧告」を受け入れることはない。

「エミリアを、見くびるなよ、ロズワール」

エミリアを信じるスバルがそう言うと、ロズワールは「越えられるものか。『変わる』なんて大望を抱いたことを悔やみ、泣きじゃくって君に縋る。それがお似合いだ」と侮辱する。すると、スバルに火が付く。

「泣き顔が似合う女なんかいるもんかよ!あんな下手くそな泣き方する女、俺は一片も見たこたねえよ!」

なおもエミリアを蔑むロズワール。『嫉妬の魔女』と同じ出自。『魔女』と蔑まれる必然だと。

「ふざけるな!あの子のどこが魔女だ!お前らが寄ってたかってあの子を『魔女』にするんだろうがぁ!」

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今度はスバルがロズワールに詰め寄る。

「想いが、呪いが、変わる余地のないもだって信じてるお前に、俺たちが叩きつけてやらぁ!」

スバルは再び宣言する。

「俺の名前はナツキ・スバル!銀色のハーフエルフ、エミリアの騎士!」

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今度は、見栄も虚勢でもなく、堂々と宣言するスバル。
エミリアは来ると信じるスバル。
エミリアは、乗り越えられないと信じるロズワール。

「君と私は似た者同士」だと言うロズワールの言葉。信じ方は違えど、エミリアを信じると言う一点については、二人は同じだと言える。

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「想い人に理想を強要する」という意味において。スバルも「エミリアを信じる」という点において、「似た者同士だと」認め、「バッカ野郎が」と言い残し、部屋を後にする。

ロズワールとの舌戦。未だにスバルは勝てませんね。スバルに対して話している時も、「君」と呼んでいたのが「お前」と変わる辺りが、ロズワールの本気さを感じます。ヘクトールのような話ぶりでもなく、素のロズワールであることを感じます。
ガーフィールを攻略し、『聖域』の過去を知った。しかし、ガーフィールの十年やエミリアの百年。そして、ロズワールの四百年と言う、思い続けたことは、そう簡単に変えられるものではありません。そして、長月先生も、「ロズワールは既に、過去を飲み込んでいる」と言っています。「ロズワールは何も変わらない。何も変わらないのがロズワール」なのだと。
エキドナが、否定も肯定も、「過去」に対して「答え」を出すのが『試練』だと言っていましたが、ロズワールは既に、過去への答えを見出していると言うことですね。それが、「変わらないこと」なのかもしれません。


一方、『試練』を乗り越え、泣き終わったエミリアは、『墓所』を出る。

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外で待っていたのは、ラムだった。

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物語は、動き出す。


美しすぎるED

前回のOPに続いて、ついに初出しのED!!
とにかく、「美しい」というしかないような、素敵なエンディングでした。ED自体、四章でのエミリアの思いを歌っているような曲で、とても素敵ですが、映像もまた素敵ですね!
「Re:ゼロから始めるラジオ生活」では、エンディングに隠された秘密について言及うされています。

太陽が照らせれて、湖のような場所にいる。水玉が浮いていくような演出。これにも意味があるそうです。オープニングのようなネタバレはないように思いますが、スバルとエミリアが、これからどのように進んでいくのかが描かれているように思います。

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『聖域』を作る本当の目的

表向きの理由は、虐げられている亜人を匿い、生きやすい場所を用意すること。
しかし、裏にある本当の目的とは?
スバルは、以前のループで、「不老不死の実験場」だと知りました。ところが、シーマの回想でわかったのは、『聖域』の役割は、『憂鬱』の魔人ヘクトールの脅威を取り払うこと。エキドナ自身が、ヘクトールから逃れるために、『聖域』と称して「結界」が必要だった。(つまり、ヘクトールも亜人ということ?)

元々、『聖域』の結界は、亜人のマナを使って完成させようとしていました。ところが、魔人ヘクトールが現れてしまったことで、準備が間に合わず、リューズ・メイエルがその身を捧げることで、時間を短縮し、結界が作られました。その結果、招かれた亜人は助かった結果となるのでしょうけど、そうでなければ、リューズを始め、多くの亜人は、結界を創るためにマナを吸い取られていたことになります。

「たまに善行をする、悪い魔女」と言いましたが、回想を見る限りエキドナは、悪い魔女には見えません。ベアトリスを可愛がり、ロズワールを育て、リューズを思いやる。匿っている亜人には感謝され、スバルのイメージとは全く違うエキドナがそこにはいます。

ただ、裏を返せば、魔人ヘクトールから逃れる為に、亜人を招き入れて『聖域』と称して結界を張り、自身はその安全の中で「不老不死の実験」をしようとしていたのかもしれません。ただ、招かれた亜人たちは、誰一人その真実を知ることなありません。

角度によって、見え方は変わりますが、スバルにとってエキドナは、己の強欲な知識欲を満たすだけの魔女にも見えるし、リューズにとっては、虐げられた過去から救ってくれた大恩人。ベアトリスにとっては、生きる意味の全てとも言える母親。ロズワールにとっては、誰も理解しれくれなかった苦しみを、唯一理解してくれる存在にして、魔法を教えてくれた師匠、そして思いを寄せる相手。
それもエキドナであり、一言では言い表すことはできません。

また、ロズワールが「四百年想い続けたことが『聖域』」と言っていましたが、それこそが、『聖域』の本当の意味なのかもしれませんね。


たまに善行をする、悪い魔女
コンフィデンス魔女・エキドナ

このエキドナに見える表と裏というのは、実際の世界でも見られる、注意すべき存在だと思うんですよ。
平たく言えば「詐欺師」です。もっと言えば「コンフィデンスマン(信用詐欺師)」です。
表面では、良い事をしたり、聴き心地の良い言葉を並べて、「良い人」だと思われ信用を築く。『コンフィデンスマンJP』を見たことがある方ならわかると思いますが、表面的な目的と、本当の狙いは、別の所にあるものです。

実際リューズ・メイエルも、エキドナの恩に報いるために、自らの命を捧げています。これはまさに、頼まずとも自ら申し出るように仕向けたとも見えます。リューズも最期、エキドナの目的に気付いたようですが、それでも進んで身を捧げました。つまり、気付いた時にはもう遅いのです。それが、エキドナの恐ろしい「ジョーカーゲーム」ということですね。この辺りは、ロズワールと似ているところでもありますが、ロズワールがエキドナから得た能力と言えるかもしれないですね。
真意に気付かずに受け取ってしまった恩というのは、気付いた時には命を捧げてしまうほどのものになっているのかもしれません。たとえそれが、悪意によるものだったとしても。
リューズが、エキドナに「騙された」とは思ってはいないでしょうけど、そう思わせるのが「恩」であり、「コンフィデンス(信用詐欺)」というものです。

スバルに対してもそうでした。『聖域』に来て、何度もスバルを助けました。嫉妬の魔女からも、第二の『試練』で壊れそうになった精神も、大兎に喰われたショックからも。その上で、「契約」を持ちかけ、スバルもその手を取りかけたわけですが、それ以上に大切な存在であるエミリアのことや、自分を想ってくれる友人のおかげで、騙されずに済みました。

エキドナは、スバルに対しても、まず恩を売り、信用を築いてから、「契約」を持ち掛けました。結果的にスバルは断りましたが、いきなり「契約」を持ちかけるのではなく、「恩」を売って、「信用」させる。それが、コンフィデンスマンであり、エキドナのやり方ということですね。

リューズは、決して恨んではいないし、感謝していると思いますが、もし、エキドナが初めから全てを知って、仕組んでいたとしたら?それこそ『魔女』であり、恐ろしい存在です。その可能性の方が、高いと見ていますが(^^;

少なくとも、作中で描かれている中でエキドナは、善行に対する「対価」を受け取ってはいません。なのに、匿われた亜人は、エキドナの真の目的を知ることも知ろうとすることもありません。「裏」が垣間見える私たちにとっては、亜人たちはどこか愚かしく見えてしまいます。この亜人たちが、言うなれば、何も知ろうとしない私たちを描いているのかもしれませんね。

エキドナの姿を見て、「見返りのない善意ほど、怖いものはない」ということを学び取りたいですね。


画像出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』/長月達平 WHITE FOX


巻末

『Re:ゼロから始める休憩時間』2nd#20は、裏稼業姉妹が出てきます!ロズワールとエルザの関係。エルザが垣間見るロズワールの本性とスバルの共通点。最近の「ブレイクタイム」は、原作補完や必要な情報ばかりで目が離せませんね!


今回の「アフレコアフタートーク」はベアトリス役の新井里美さんと、リューズ役の田中あいみさんがお送りしています!
今回メインとなったベアトリスとリューズの裏話は、必見です!台本にしか書かれていな秘密などもあるので、お見逃しなく!


神アニメ研究家として運営している「神アニメランキング!虹見式」では、神アニメに選定した作品を紹介しています。ぜひそちらもチェックしてくださいね!

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