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読んだ本一覧:発達障害関連

読んだ本をまとめておく。

普通という異常 評価★★★★☆

ADHDやASDを病と呼ぶのなら、「普通」も同じように病だ。そもそも、ADHDやASDは誰しもがその傾向を持っているものである。「普通」な人は周りの人から承認を受けることを競い合っていて、それこそ病ではないか。という内容を精神科医が書いている。あなたは「普通」だろうか?

女の子にとって10歳が鬼門。子供はいじわるコミュニケーションにより立ち位置を決めていく。「普通」に絶えず目配りして普通と自分との距離を測り続ける。いじわるや親切により、根回しや駆け引きで支配被支配関係に置き、承認欲求を満たそうとする。などと興味深いことが書かれている。


高機能自閉症児を育てる 評価★★★★★

「自閉症スペクトラム障害の子供たちが大きくなったときに、どういうふうに生きるのが幸せにつながるのかと考えると、まず、社会の中に自分の居場所があり、その人らしく生き、可能であれば自分で働いたお金で自分の楽しみをかなえることができれば、よりよい生き方になる」
「高機能自閉症スペクトラム障害の子供の場合には、学校では社会で生きていく方法は教えもらえないので、家庭で教えなければなりません。」
「具体的には、社会に出てリソースの使い方を学んだり、社会である程度通用する振る舞い方や、困難にぶつかった際の問題解決方法などに対して、どのような力をつけていけばよいのかを教えたりすることです。」
「ところが、子どもが小学生くらいの年齢の親は、子どもが少し学業ができると、よい学校へ行けばそこに就労のチャンスがあるのではないかと考えてしまう場合が多いようです。」
「しかし、発達障害をもっている場合の就労条件としては、気持ちよく人にあいさつができるか、困ったときに自分から人に助けを求めたり相談したりできるか、つべこべ言わずにコツコツと継続して仕事をする力があるか、人のために役に立つことを喜べる人になっているかということこそが大切なのです。」
「このような力は一朝一夕には育ちません。小さいときからそういう力を育てておかないと、社会へ出て幸せな大人にはなかなかなれないと思います。」

知的障害と発達障害の子どもたち 評価★★☆☆☆

知的障害はゆっくり、発達障害はアンバランス。大人になったときの状態から逆算する、将来から逆算して今やることを考える。1,2回教えたら定着するかどうかを目安に教える、難しいことは後回しにする。大事なのは自己決定力と相談力。

アスペルガー・ADHD発達障害シーン別解決ブック 評価★★☆☆☆

子供だけじゃなく、大人の発達障害についても対処方法が書かれている。

自閉症スペクトラムのある子を理解して育てる本 評価★★★☆☆

自閉症スペクトラム症について詳しく解説されている。特徴や対処法が参考になる。

子どもの発達障害と二次障害の予防のコツがわかる本 評価★★★★☆

発達障害の二次障害について、不安や癇癪、不登校、睡眠障害などに書かれていてとても参考になった。

「ASD特性は「不安感」につながりやすい。聴覚過敏で、騒がしいクラスにいると苦痛に感じる、会話の流れがわからず、触覚過敏で、学校などの人が多い場所で周囲を警戒しがちになる、同級生との会話で緊張してしまう、負の記憶が残りやすく、苦手な人には絶対に近づかない」

「ASDの子どもは日常生活で常に不安な状態に陥りやすく、メンタルへの負荷が大きい。ASDの子どもは、真面目な性格であることが多く、苦手ながらも周囲に合わせようと努力する。合わせるために過剰な我慢を強いられ、高いストレスと疲労が常に体につきまとい、二次障害につながりやすい。」

この本によると、高機能自閉症は44.3%が不登校らしい。ASDの併存症状も、うつ病が4〜18%、気分障害が4.4〜28.6%、強迫性障害が17.4〜24%、社交不安障害が16.6〜29%、自殺を考えたことがあるが10.9〜50%、自殺者の中のASDの割合が7.3〜15%と高い。

愛着障害への対応 ①子どもに強みを見せる ②大人から先に興味を向ける ③時間をかけて関わる(手紙を渡すなど) ④上下関係(スクールカースト)への過剰適応は不安が強いために起こるため、リーダーの価値観を変える ⑤依存性の強い子に対しては基地の拡大

ASDの子どもは社会的に交流できる友達が約20%。不登校からひきこもりに移行は10〜20%。不登校の57%はASD、24%は不安障害。感覚過敏は疲れたら休憩できるスペースを設定する、自宅からオンラインで授業参加する。視覚過敏はグリーンノートの使用、教科書にカラーフィルムを重ねる、サングラスの使用。

ASDはピラミッド構造を前提とした組織の中での振る舞いが苦手である。なぜかというと、「組織には上下関係がある」という事実を感じ取ることが苦手で、「人は皆平等」という認識であるからだ。組織は「目的に対して集まり、活動する集団」という前提があり、各々の役割を意識した行動が求められる。しかしその各々の役割を感じ取ることができず、生意気などと悪い印象を持たれる。ASDに対して「平等な提案を意識した伝え方」をするとよい。例えば、「そろそろ登校しませんか?」ではなく、「これだけ我々は準備させてもらいました。だから登校しませんか?」と学校からメリットをプレゼントする。すると、ASDも「平等な立場なのに色々してもらって悪いな。では提案に乗って登校しましょう」と誘いに乗ってくれる。

家庭で無理なく対応できる 困った行動Q&A―自閉症の子どものためのABA基本プログラム4 評価★★★★★

癇癪やこだわり、生活習慣などについてのQ&Aが詳細に載っていて、親がどうすればよいかが分かりやすい。

A:行動の前のできごと、B:行動、C:行動の結果を考えるABC分析を行い、注目、注目要求、阻止回避、自動強化を判断し、適切な行動を褒めて、効果的な約束をする。

約束について。視覚化する。何をしてはいけないのかだけでなく代わりにどうすればいいのかを具体的にする。約束の期間を定める。達成したことを確認する。ごほうびとペナルティを決める。同意を得る。

兄弟喧嘩の場合。遊ぶエリアを分ける。おもちゃを2人分用意する。「貸して」「やめて」のコミュニケーション指導をする。仲良く遊ぶための具体的な約束を紙に書いて貼る。約束を事前に決める。
→強化:「仲良く遊んでるね」とその都度褒める。約束を読ませて確認させて褒める。トークン表。
→起こってしまったときの対応:別々に引き離して落ち着ける部屋へ移動。冷静に話を聞く。約束を守れるようにゆっくり話す。視覚的に示しながらトラブル原因とどうすればよかったのかを教える。

ゲームや暴言の場合。感情的な命令口調は避け、穏やかな声かけ。選択肢を提示し選ばせる。メール。タイマー。スケジュール。約束。
→強化:褒める。トークン表。
→起きてしまったときの対応:一定時間待ち、範囲内でやめられたことを褒める。約束を守れなかったことを告げてペナルティを適用。


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