『ミッドウェイ』

『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』がイマイチで、ここ10年では『ホワイトハウス・ダウン』以外元気がないローランド・エメリッヒ監督。そんなエメリッヒが久しぶりに本気を出せそうな『ミッドウェイ』は、『インデペンデンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥモロー』、『ホワイトハウス・ダウン』と同様にアメリカの危機からの壮絶な戦いを丁寧に描いてはいるが、演出の新鮮味が薄く、もう一つ頭が出て欲しかった。

 

1941年の真珠湾攻撃から、東京空襲、そしてミッドウェー海戦までの流れを丁寧に描いている。エド・スクラインが演じる無鉄砲な飛行機野郎ディック・ベストとパトリック・ウィルソンが演じるエドウィン・レイトンによる情報戦が主に展開。物凄い銃弾の中を急降下爆撃機で潜り抜ける様子はスリルがあり、その後の爆撃にエメリッヒ節とも言える破壊の美学がある。

 

大日本帝国軍も描いていて、トヨエツによる山本五十六も思ってたよりも頑張っていた。が、端役クラスになると日本語が怪しく、ややきこちなさがあった。それなら、いっそのことアメリカ側だけ描いた方がもっとストレートだったかもしれない。

 

どでかい爆発と無鉄砲なキャラがいる辺りにエメリッヒ節健在を感じはするが、それ以外に収穫はない。出来ればどちらか片方を描いた方が良かったのかもしれない。エメリッヒの作品は欠かさず見ますという人だけ付き合えばいいかな。

 

評価:★★★

 

 

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