見出し画像

イノセンツ

鑑賞:2023年8月@新宿ピカデリー

能力者は子供。

「わたしは最悪。」の脚本家が監督・脚本を手がける本作。「念力」「気」みたいなものが使える子供たちのイザコザで、映画の作り手には評価が高そうな作品。

子供たちは、不思議な能力が使えるのですが、そのパワーを発揮するシーンの描き方がウリになっていると思いました。ビームが出るというようなビジュアル加工に頼らず、カット運びや顔の表情などでパワーを現します。この表現手法が高く評価されるのは納得です。一方で、パワー使う時に白目剥くのだけは萎えました。そうじゃないと思うんですよ。

映画の作り手に評価が高そうと思う、その理由のひとつは、身近で普遍的な現象や音を上手く使っていること。鍋ブタを回転させたり、蛇口から出る水を屈折させたり、岩やボールをバウンドさせたり。なかなか、身近だけど取り入れないでいたような部分に目を見張りました。鍋ブタは音がとっても効果的で、音だけで何してるかわかるんです。これは参りました。流石です。

良いところが多いのですが、どうしても評価を下げさせてしまっているところも多いです。まず、虫や小動物を虐待しますが、見たくない表現を見させられる割には効果的ではないように思えます。次に、白目を剥く能力者。コントじゃないんですから…。ものすごく萎えました。そのほかにも、なぜケガとかしても医者に見てもらわないのか、とか。嘘のつき方としては、あまり上手くいってないと感じます。

上手い表現が多いだけに、もったいないのでは?
ラストの無言バトルも含めて、興味が持てなくなるところがとても惜しいです。

▲「わたしは最悪。」この脚本は見事でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?