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障がい者雇用の未来予想(来春にむけて)

今回は、障がい者雇用について。

コロナの影響もあって、雇用情勢は例年より良い状況ではありませんね。
ジョブジョイントおおさかの利用者の皆さんも、就職活動の進め方に悩まれている方も多く、企業開拓など対面で交渉する機会は減ってしまっています。

ただ、この状況が今後もずっと続くとは思えません。

勝手な未来予想ですが、ジョブジョイントおおさかとして考えていることを書きまとめておこうと思います。

 

来春はきっと良くなる

来春の障がい者雇用の状況は、今よりもきっと良くなっていると思います。
個人的には、「そう願いたい!」って気持ちも強いですが、いくつか考えられる理由もあるので、お伝えしたいと思います。

 

理由①「法定雇用率の引き上げ」

来年の2021年3月1日に、法定雇用率は0.1%の引き上げが確定しています。
43.5人以上の従業員さんがいる会社は、障がいのある人を雇用する必要性が出てきます。

*法定雇用率とは
障がいのある人の雇用を促進するために企業や国などの事業主に義務づけられた、雇用しなければならない障がいのある人の割合のこと。

つまり、法定雇用率の対象となる企業が増えるってことです。

例えば、従業員が1,000人いる大きな企業なら、現在の法定雇用率2.2%→2.3%に引き上がることで22人→23人の雇用義務に変化します。

企業は、社会的な責任(CSR)や法令遵守を意識して活動していますので、障がい者雇用をきちんと守るために「障がい者求人を出す」ってことはこれからも増えると思います。

 

理由②「春のイベント・気候の変化」

春になると、新卒採用や入社式、入学式など、明るいイベントはきっと多くなります。
また、寒い冬が終わると暖かい春が訪れ、気候も変化します。

イベントや暖かい気候は、人の動きや企業活動を今より活発にさせるでしょうし、社会・経済活動が動くことで「雇用情勢も明るくなる」って思います。

 

理由③「ロクイチ調査」

ロクイチ調査とは、障害者雇用促進法における障がい者雇用の実態調査の略称です。
毎年、6月1日現在の実数を調査するため、ロクイチ調査と呼ばれています。

企業における障がい者雇用の達成状況は、日本全体の企業のうちの約50%しか雇用率を達成していません。
つまり、残りの約50%の企業は雇用率が未達成となっていて、未達成企業の多くはあと1〜2名の雇用で達成できると言われています。

経営者や人事担当者は、このロクイチ調査のことは知っているはずですので、意識している企業は多いはず。

来年の春、もしくは6月1日までに「雇用したい」と思う企業は、少なからず増えてくると思われます。

 

理由④「障害者雇用促進法の改正」

最近の雇用率は、2013年:2.0%、2018円:2.2%(2021年3月1日より2.3%)と、障害者雇用促進法の改正により法定雇用率は5年ごとに引き上げされています。
2023年には、2.3%から更なる引き上げが予測され、2,5%とか、2.6%とかになるんじゃないかとか、業界の中では色々と噂されているところです。

障がい者雇用をする企業からすれば、来年の0.1%引き上げや2023年の引き上げ予測などを考えると、採用計画や人材獲得に向けた戦力的な動きは今よりも活発になるように思われます。

また、近年は、精神障がいの手帳(精神障害者保健福祉手帳)を所持する方の就職が一番増えていることもあり、発達障がいのある人も精神障がいの手帳を持っている人も多いことから、法定雇用率の引き上げを見据えた上で「精神の手帳保持者」を採用する動きはまだまだ広がるように思います。

 

理由⑤「ダイバーシティやSDGsなどの広がり」

最後は、理念的なことです。
ダイバーシティ(多様性)やSDGs(国連で採択された持続可能な開発目標)などは、新聞や報道で目にする機会が増えました。

企業が事業活動する上で、社会や地球の発展に寄与することは常識となっていて、避けては通れない話題になりつつあります。

ダイバーシティやSDGsなどに「障がい者雇用」は十分含まれており、共生社会のもとに成り立つ障害者雇用促進法の中においても、多様性を重んじる社会創造が大切な視点となっています。

この動きは、ウィズコロナでも、アフターコロナでも継続されるものと思われます。
そう考えると、障がいのある人を雇用したり、社会参加を後押しする動きが減速するとは思えず、むしろ加速した動きが活発になると予想しています。

 

未来予想は以上になります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

ジョブジョイントおおさかは、発達障がいのある人の強みを活かし、企業中で活躍する人が増えることを目指して、これからも就労支援を進めていきたいと思っています。

コロナ禍の状況ではありますが、来春以降が明るくなることを強く願い、今からできることをひとつずつ、利用者の方と一緒に進めていきます。

 

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