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トップ1.6%の富裕層の性格を調査。お金持ちになれる4つの共通点とは?

はじめまして。Jobgram公式キャラクターの「おみそ」です。

いつも脳のキグルミを着てる。中の人などいない

突然ですが、お金持ちの人に対してどんなイメージがありますか?
「心が広そう」「傲慢そう」「プライドが高そう」など色々な印象がありますが、実際のところお金持ち特有の性格特性なんてあるんでしょうか?

そんなことを調査した研究論文があります。2022年4月にドイツの研究者らが発表したものです。今回は、こちらのデータをもとに「富裕層の性格」についてお話しします。


そもそも「富裕層」の定義は?

この研究では、以下の条件を富裕層として定義しています。

  • 100万ユーロ以上の資産を所有する人

ドイツでこの条件に当てはまる人は、全体の1.6%しかいないんだそうです。ちなみに日本円に換算すると、これを書いている現在のレートでは100万ユーロ=約1億3795万円。正真正銘のお金持ちですね。

今回は、ドイツの一般人口(N=23,721)と、ドイツの富裕層(N=1,125)での分析結果とのことです。

では、富裕層に分類される人たちは、性格特性においてどのような特徴があるのか、ビッグファイブ(※)の特徴を見てみましょう。

ビッグファイブ理論とは?
現在、世界の研究者から最も信頼されているパーソナリティ理論。人間の性格を5つの因子で分類し、それぞれスコア化したもの。近年は、心理学の領域のみならず、脳神経科学、遺伝学、進化論、政治学、精神医学、犯罪学などと結びつき、新たな知見をもたらしている。

ビッグファイブ 5つの因子

では、このビッグファイブ理論をもとに、富裕層が持つ特徴について見てみましょう。

富裕層の特徴

富裕層の特徴
  • 「外向性」が高い
    刺激を求めて外の世界へ出ていこうとする、社会的に認められたい気持ちが強い

  • 「開放性」が高い
    好奇心が強く、新しい概念や曖昧なものを受け入れやすい

  • 「誠実性」が高い
    すぐに結果が出ないことでもコツコツ頑張れる、完璧主義、組織のために我慢ができる、先の約束を守るのが得意

  • 「神経質傾向」が低い
    先の見えないことで不安にならない、楽観的、リスクに気付きにくい

まとめると、「不確かなことに臆することなくチャレンジができて、新しい視点で考えられる」「リスクを取った行動ができる」「新しい人との出会いに積極的であり、社会的に認められることへのモチベーションが高い」「それらを長期的に続けられる」「約束を守る」、そんな人が多いということみたいです。

もちろん、この性格傾向の人が全員必ずお金持ちになるわけではありませんが、そこまで意図せずとも社会から評価されやすい言動ができるという点が富裕層たるゆえんなのかもしれません。

後天的なお金持ちの性格はどうなる?

富裕層の中にも生まれながらのお金持ちと、努力して一代で富を得たお金持ちがいますよね。この研究では、これらの違いについても触れられています。

成り上がりの富裕層には、以下のような性格傾向が見られました。

成り上がりの富裕層の特徴

成り上がりの富裕層の特徴
  • 「外向性」がとても高い

  • 「開放性」がとても高い

  • 「誠実性」がとても高い

  • 「神経質傾向」とても低い

生まれながらの富裕層を含めた全体の特徴と比較してみると、傾向は同じなのですが、より極端なようですね。

自分自身で成り上がったことへの自信が性格をより極端にするのか、性格が極端だから成り上がることができたのかは気になるところです。


誰でも富裕層の性格になれる?

では、今からでも努力すればこの「富裕層によくいる性格」になれるのでしょうか?

残念ながら、このビッグファイブというのは“脳のクセ”のようなもので、約半分は先天的に決まっているとされており、大人になってから、短期間で劇的に変化することはほとんどありません。

ただ、自分の性格と富裕層の性格を照らし合わせて、差異のあるところを行動で補うことは可能かもしれません。

例えば、「外向性」が低い内向的な人でも、意識的に外に出て新しい出会いを増やすことはできますよね。「誠実性」が高くない人も、物事を習慣化し継続できるような仕組みを考えたり、自動化システムを導入するなど、ギャップを埋める方法はあります。

しかし、斬新な発想をしたり、新しい視点で物事を捉えられる「開放性」の高さを行動で補うのは難しそう。既存のルールや常識・伝統を大事にしたい「開放性が低い」人が、常識や前例を破壊したい「開放性が高い」人の思考をインストールするのは非常にストレスがかかりそうですね。

以下の記事によると、ホリエモンさんは実は「神経質傾向」が高くストレスを抱えやすいそうです。自身の特性を認識して、適切な対策を取ることが重要と言えそうです。

以前、脳科学者の茂木健一郎さんに指摘されたのだが、ぼくはこの5因子のうち、神経症的傾向の占める割合が高いらしい。

ぼくはストレスが人一倍苦手だし、油断すると些細なことが不安の種になる。自分自身のパーソナリティをそうとらえているからこそ、ぼくはストレスや不安を寄せつけないためのメソッドを、決め事をつくっている。

堀江貴文「ストレスを寄せ付けない」2つのルール


【富裕層の性格に近づくには】
まずは自分の性格傾向を理解し、「富裕層の性格」を真似できるところ・できないところをきちんと分けて考えることが重要です。

自分のビッグファイブをベースに、性格に合った働き方ができる役割を見つけ、その中で社会からのニーズが高いポジションを選ぶことが高年収へ繋がるはずです。無理は禁物。


日本における「年収の高い人」の特徴は異なる?

参考にした研究はドイツでの話。日本ではどうなっているのか、Jobgramに蓄積されているデータをもとに見てみましょう。

Jobgramは、主にスタートアップ〜メガベンチャーで導入されているサービスのため、「日本平均」の結果とは異なるかもしれないことを前置きしておきます。


Jobgram的「年収の高い人」の特徴

Jobgram的「年収の高い人」のビッグファイブの特徴

ビッグファイブの各因子と年収が相関しているかを見ながら、おみそなりに考察してみます。ここについては、研究論文ではなくあくまで勝手な考察なのであしからず。

n=5,790  スタートアップ〜メガベンチャーの30〜44歳
  • 「外向性」と年収は少しプラスの関連
    おみその考察:思ったよりも外向性の関連は小さめでした。スタートアップ界隈では、エンジニアやクリエイティブ職の割合が多めなので、外向性が低くてもスキルさえあれば活躍できるパターンが多かったのかもしれません。IT業界は内向的な人に優しいのです。

  • 「開放性」と年収はプラスの関連
    おみその考察:スタートアップは新しいものに対して抵抗のない人が活躍しやすい傾向にありそうです。「よくわからないもの」を面白がれる特性は、スタートアップに向いていて成果が出やすく、年収が上がりやすいのかも。

  • 「誠実性」と年収は少しプラスの関連
    おみその考察:世界での研究でも、日本での研究でも、「誠実性が年収と相関する」という結果はよく見かけます。特に日本では、「組織のために我慢して長く勤める」ことが美徳とされていました(まだあるのかな?)。一方スタートアップでは、新しいプロジェクトを短期かつ複数同時に動かしたり、事業の立ち上げフェーズだけをひたすら担当するポジションがあるなど、誠実性の低い人も活躍しやすい環境なのかもしれません。スタートアップ界隈は、同じ事業だけで10年続くような企業はほとんどないですしね。

  • 「神経質傾向」と年収はマイナスの関連
    基本的にスタートアップはリスクが高く先が見えないため、細かいところを気にしすぎず突き進む人が活躍しやすい傾向です。ただ、エンジニアやデザイナーなどクリエイティブ職では神経質傾向が高い人が多く活躍しているため、スタートアップ界隈では、年収と神経質傾向との相関が弱くなっているとおみそは睨んでいます。

  • 「協調性」と年収は関連がない
    先に紹介したドイツの研究結果と同じく、Jobgramのデータから見ても協調性と年収には全く関連がありませんでした。日本の組織では協調性がないことは大きな欠点だとされがちですが、収入面には影響しないんですね。協調性の低い皆さんに朗報。

【結論】
日本のスタートアップ界隈では「外向性」「誠実性」は、あまり年収と相関しない

※そもそも、先述の研究は年収ではなく「資産」を対象にしていました。お金持ちほど税金対策で資産形成をしているため、資産を対象とするのが適切ですね。Jobgramは所属企業から得られる年収データしか保有していないため、より 年収 ≒ 仕事でのパフォーマンス に近い状態になっているかもしれません。
ざっくりした切り口の割にはそれっぽい結果になったなというのが正直なところです(いつかちゃんと研究したい)。

その他の指標で見る「年収の高い人」の特徴

Jobgramでは、ビッグファイブ以外にも色々な指標を用いて人間の性格傾向を診断しているので、そちらの傾向も見てみましょう。

思考パターン:仕事をする上での思考を「リーダー適性」「アナリスト適性」「サポーター適性」「エネルギッシュ適性」の4つの因子に分類しています。各因子のバランスによって17パターンの診断結果に別れます。

行動パターン:アクションを起こすときに何を重視するかを「効率重視」「友好重視」「知識重視」「体裁重視」「挑戦重視」に分類しています。思考パターンと組み合わせればより理解の解像度が上がります。

  • 「リーダー適性」と年収はプラスの関連
    おみその考察:Jobgramの《リーダー適性》は「合理的な意思決定を、リスクを取ってでも自分でするか」を数値化しています。
    最も年収に関連するのはこの「リーダー適性」でした。決断することはリスクを伴いますが、そのリスクを取って合理的な決断をできる人がリーダーです。高年収のためには生殺与奪権を他人に握らせないことが大事みたいです。

  • 「サポーター適性」と年収はマイナスの関連
    おみその考察:Jobgramの《サポーター適性》は「自分の意思決定よりも他人の意思決定を優先するか」を数値化しています。リーダー適性の対極とも言えますね。自分で決断するよりも他人の決断に従いたいので、自ずとレイヤーが上がりにくく、年収も上がりにくいところがあるようです。

  • 「挑戦重視」と年収は少しプラスの関連
    おみその考察:Jobgramの《挑戦重視》は、「アクションを起こす際は、考えるよりまず走り出す」「やってから考える」「勝つまでやる」という性質を数値化しています。このタイプの中には、考えなしに動く当てずっぽうの人も含まれるので一概には言えないのですが、それでも手数が多い人は、少ない人に比べると年収が上がりやすいようです。
    「とにかく打席に立ってバットを振り続けろ」 とはよく言いますが、間違いではなさそうですね。

Jobgram的「年収の高さ」に関係ないもの

  • 協調性
    おみその考察:先述の通り、協調性は年収の高さに関連が見られませんでした。日本の学校教育ではとかく協調性が重視されるイメージがありますが、年収の高低にはどうやら関係がなさそうです。

  • アナリスト適性
    おみその考察:Jobgramの《アナリスト適性》は、「専門性の追求・探究心の強さ」を数値化しています。アナリスト適性が高い人は、他人と同じものを見ていても得られる情報が多かったり、批判的になります。「好きなものに執着し知識を深める」といった方向の特性です。
    物事を深く追求していくことはもちろん素晴らしい特性ですが、社会的にはなかなか評価されないため、年収には影響しにくいのかもしれません。

  • 知識重視
    おみその考察:Jobgramの《知識重視》は、「アクションを起こす際はまず調べる」「知識を活かす」「熟考してから取り組む」という性質を数値化しています。
    このタイプは行動を起こす前のリサーチを怠らず、しっかりと情報を蓄積してからでないと行動を起こしません。そのため、初めてやる仕事は初速が遅くなりがちです。

【結論】
専門知識を深堀りする特性は年収と関連しない!(=マネタイズが難しい)手数を打つ・リスクを負った意思決定が高年収に繋がりそう!


おみそのまとめ

Jobgramのデータによる「専門知識を深堀りする特性は年収と関連しない!」というデータはショッキングですね。今回はデータの母数がスタートアップ〜メガベンチャーに寄ってはいますが、一般社会でも研究者の年収低い問題などはありますよね。
もっと探求心やオタク心、「好き」という気持ちが報われる社会になるとこういう人たちも生きやすそうだなと思います。このへんの社会構造をぶっ壊すようなスタートアップが現れてほしいものです。

逆に、スタートアップ界隈は、「失敗を許容!」「やったもん勝ち!」という傾向は強そうです。アイディアを温めてる暇があったら何かしらリリースしましょう。

さて今回は、「富裕層の性格」をテーマにあれこれお話ししましたが、研究結果によると、「お金持ちならではの性格特性はありそう」という感じでしたね。
ただこれは統計的な話であり、これを読んでいるあなたがお金持ちになるか否かはまた別です。

ただ、もし「お金持ちになりたい!」という思いがある場合は、現状の自分と富裕層の性格特性を比較してみましょう。

富裕層の性格特性とは遠い因子がある人は、その乖離をいかに精神的負荷をかけずにカバーする方法を編み出せるかがポイントです。

有名経営者SNS上の大富豪が語る「成功法則」をそのまま真似する前に、その人の性格特性と自分の性格特性、どこが違うかをしっかり見つめ直すところから始めると意味がありそうです。どんな性格でも一定数のお金持ちは発生しているはずなので、自分の性格特性的ロールモデルを見つけてみましょう。


個人的には、別にお金持ちになることが人生の目的ではないと思いますけどね。ある分には助かりますが。

「性格特性によって幸福度は変わるのか」というテーマもそのうち書いてみたいところです。

自分のビッグファイブを診断したい人はこちらから。お金はかかりません。

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