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リーダーは、自分が思うよりもはるかに「見られて」いる

リーダーという立場にいる人は、あらためて気をつけた方が良いと思っています。リーダーは、想像しているよりもはるかに、メンバーからは注意深く見られているということです。僕も、うっかりしていて何度か失敗してしまった苦い記憶があります。


間違えてはいけないのは、「他人は自分のことをそんなに気にしていない(だから、もっと自由気ままにいこうよ)」という言説をこのケースにも当てはめてしまうことでしょう。

この言説自体は間違っていないと思います。他人は、自分のことなんか実はそんなに気にしていない。人は自分のことを考えるのに精一杯だから、ということですね。


しかしながら、「リーダー」の立場にいる人は、メンバーから見た場合には普通の「他人」ではまったくありません。これを認識しておくことはとても大切だと思うのです。

メンバーからの目線では、リーダーはつねに「最も注目すべき人」です。なぜなら、メンバーにとっては、リーダーはまさに最重要なステークホルダーだからです。大げさにいうと、自分の運命を(ある一定レベルにおいて)握っている人。それくらいの重い存在ということですね。


自分の話をします。(その後リクルートに売却することになる)ITスタートアップ会社の代表だったとき、ちょっと疲れていた日がありました。朝一番のミーティングがあったのですが、いつもどおりに元気なフリをし、なんとかこなしました。

疲れているのはバレずに済んだかな… と思っていたら、「松本さん、かなり疲れていたね、と社内でメールが回ってますよ」とあるメンバーが教えてくれたのです。

それを聞いて、ギクッとしました。ああ、めちゃくちゃ見られているなあ、と。そして、それまでの自分の振る舞いを思い出してゾッとしました。「切り抜けられた」と思った朝のmtgを見抜かれたんだから、他にもバレていることは多分たくさんあるんだろう、と。


そういうことがあって、あらためて自分の過去を振り返ってみました。そういえば起業前の会社員時代、上司である部長(GM)とか役員の振る舞いは、かなり注意深く見てたよなと。あ、今の発言、かなりごまかしたな、とか(笑)。上司はバレずにセーフみたいな顔をしているのですが、こちらから言わせればバレバレです。

起業した後、社長というポジションで数年過ごし、メンバー側の気持ちを忘れかけていましたが、あらためて気持ちを引き締めようと思い直したのを記憶しています。

どのようなリーダーであるべきか


理想を言えば、いつも強いリーダーでいることだと思います。ナポレオンが言ったとされる、「リーダーとは希望を配る人だ」という言葉。これは、シンプルでものすごく刺さります。

しかし現実には、人間はずっと元気でいられないものですよね。

大切なのは、「変にごまかさない」ということだと思うのです。人間、疲れることもあるし、失敗することもある。しかしメンバーの前では、マイナスな部分を見られたくないのでどうしてもごまかしたくなる。

でも、結局はバレていると思った方がいいですね。メンバーの、リーダーを見抜く目をあなどってはいけないと思います。自分が思っている以上に、まったくごまかしきれていない。

だから、できるだけ「正直」になることが大切だと思うのです。これは、リーダーとしてのある種の自己開示だともいえるかもしれません。


リーダーは、別に完璧を目指さなくて良いと思うのです。むしろ、ちょっとぐらい抜けてたり、ツッコミどころがある人の方がいい。思えば、会社員時代も、好きな上司はみなそういう人でした。

メンバーからすると、「ごまかされる」のが一番嫌なわけです。きちんと、正直にミスとかも教えてくれた方が、上司を助けたくなります。人間とは、そのようなものだと思います。


リーダーは、「見られている」ことを忘れないこと。だから、普段からできるだけきちんと振る舞うことは大切です。でも、もし疲れたり、失敗してしまったときは、あまりごまかさないことですね。そのときは、メンバーを信じる気持ちが大切だと思うのです。

自己開示というものは、なかなかに難しいと思います。しかしそれこそが、人間関係を築く基礎ですよね。自戒を込めて。


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