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テレワークで、体やメンタル不調の人が増加中。きちんと自分をケアする方法は?

 「在宅ワークだと、満員電車に乗らなくていいし家にいられるので楽」。多くの人がそう思っていたかもしれないしかし現実は逆だ。慣れてない人が急に在宅勤務になり、期せずそれが長引くと、知らないうちにまずは精神の疲れが蓄積してくる。そしてその精神の変調が体にも影響を及ぼし、体調まで崩してしまうのだ。多くの事例が報告され始めている。


なぜこんなにも疲れてしまうのか?

 理由はいくつかある。まずは、状況の変化があまりにも急すぎたこと。人間は、周囲に大きな変動があると、それに適応するために大きなエネルギーを消費する。いくら頭では冷静に対応しているつもりであってもだ。「今週から在宅で勤務ということね、オッケー、準備して万全にするぞ」、と。

 しかし自分では順調に適応しているつもりでも、これまでとはあまりに違う環境に、実際には頭と体が付いてきてないことがままある。そして急激な変化に対応するため、無意識のうちにかなり余分なパワーを消費しているのだ。だから、「通勤もないし、そんなに動いてないのに、なんでこんなに疲れるんだ?」ということになる。


 さらに、「先が見通せない」という不安もとても大きい。リモート環境で仕事をするという状況がいついつまでと決まっていたら、もっと精神的には楽かもしれない。人間、先を見通せるというのは大きな安心材料だ。

 しかし、今回のウイルス対応のケースについては先を見通すことが困難だ。自分自身の働き方もどうなっていくかわからないし、何より、社会自体もずっと大きく揺れ動き続けている。自分で環境をコントロールできず、先が見えないままというのは、精神に大きな負担をかけるものだ

 かつ今こういう状況において、ニュースやSNSなどから、人々がお互いに非難しあい、疑心暗鬼になっている空気がダイレクトに伝わってくる。そのネガティブな社会的雰囲気が、知らないうちに自分の精神を疲弊させてしまうのだ。


コミュニケーションのあり方が変わることの心理的負担

 また、これまでとは「人との接し方」が大きく変わってしまったため、新たに起こっている問題もある。

 先日別の記事でも書いたが、仕事などで人と話をするときのインターフェースが大きく変わった。リアルに対面で人と話をする世界から、モニターの「画面ごし」での対話という世界に様変わりしたのだ。

 zoomをはじめとする各種のテクノロジーのおかげで何とかコミュニケーションは継続できているが、様々な要素から、それはとても人を疲れさせるのだ。そのことを以下に書いている。



 また、物理的に人と離れてしまったことにより、知らないうちに心理的な不安が増している。会社の同僚や友人たちとは確かにオンラインではつながっているのだが、人間の本能が、「実際に場を共有していない」ことでさまざまな不安を呼び起こすのだ。そのことについては、こちらの記事に書いた。



「いつか慣れる」と安易に考えず、自分をケアすること

 このように、いまの急激な社会的な変化、および身の回りの環境の変化により、自分が思っている以上に、精神、および体へのストレスが蓄積されているはずだ。自分だけがなぜか疲れているということではない。筆者が広範囲に観測した結果、かなりの人が同じように疲れている

 大きな問題は、この環境の変化を、自分ではコントロールできないということだ。状況の変化や流れに身を任せる他なく、自分がとしてはなすすべもない。このことが自分の精神にとても大きな負担をかけているのだが、それを自覚することが自分ではなかなか難しい、というところに注意しておきたい。


 だからこそいま、自分自身の疲れを少しでも軽減し、精神と体へのストレスを解消することはとても重要だ。精神や体調の変調を軽視せず、しっかりとそのシグナルに向き合い、心と体をいたわるための自分なりの方法を見出すことが大切。


この環境下で、自分でできる自分へのケアとは

まずは、とにかく体を動かすこと。いま、自分が思っているよりもはるかに日々の運動量が落ちている人が多い。通勤による移動、日中にオフィスを歩き回ることはかなりの運動量になっていたはずだ。

 それがすっぽりと抜け落ちてしまった今、別の方法で運動量を補う必要がある。精神的な健康を維持するためにも、運動はとても大切だ。


 そして、日々の「リズム」を自分から作り出すこと。これまでは、リズムを外部環境が作ってくれていた。しかしそれがなくなってしまっている現状では、自分からリズムを生み出していく意識が必要だ。

 時間を決めてもいいし、定期的な気分転換を挟んでもいい。とにかく、ダラダラした仕事や生活を続けるのではなく、フレッシュな気分とメリハリを取り戻すことが重要。


 また、人との「良いつながり」をいつも以上に意識することも大切。普段よりも他者とのコミュニケーションの量が減ると、自分ひとりで考え込んでしまう時間が増え、それが精神に悪影響を及ぼす場合がある。

 思索の時間が増えるというメリットもあるかもしれないが、やはり人間にとって、人との交流はとても重要だ。オンラインやSNSをうまく使い、「人との良い関係」を意識的に作っていきたいもの。


 そして、何かを「積み重ねる」ことによる、自分で成果が見えるものを継続することも効果的。好きなことでも、あるいは趣味でもなんでもいい。

 変化していく環境に振り回されて疲弊するだけじゃなく、「自分がコントロールできるもの」を持っておくことは精神の安定にとても大きい。急激な変化で不便なことも多い状況ではあるが、この不便な環境(時間は多く使える)を逆に活かすという発想。

 今だからこそじっくり取り組めて、それが自分にとっての成長につながる、そういうものを探す。そして継続させる。そんな拠り所を持てることは、自分に対する大きな自信と安心感を生み出し、精神の安定に大きく寄与する。


 いま、多くの人が経験してこなかった未曾有の事態に直面している。心や体への負担が大きいのは、あたり前だと思ったほうがよい。だからこそ、自分自身を、しっかりケアしていくことが大切。


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