見出し画像

「やりたいことが見つからない人」に共通する、2つのよくある理由

松本 淳 アースメディア代表

　自分が本当にやりたいことを見つけるのは、簡単ではないと思う。いま、「自分自身のやりたいことはこれだ！」と、胸を張って言える人はどれくらいいるだろうか。多くの人が、答えに詰まってしまうのではないだろうか。

　本当にやりたいことが見つからないから、日々、自分を動かすためのモチベーションが足りないと感じる。他の人が毎日がんばってるのを見るととてもうらやましくなるけど、自分はというと、まだ進む方向すら見えてない。だから焦る。

　こんなふうに、自分の中に「やりたいこと」がはっきり見えてないと、毎日に生きがいを感じられずに無気力な生活になりがちだ。多くの人にとって、やりたいことは、自分の中で明確であればあるほどいいはず。進むべき方向さえ決まっていれば、集中して、もっと充実した濃い毎日を過ごせるはずだから。

　

　「やりたいこと探し」にハマってしまって迷子になるのには、いくつかの理由がある。これまで多くの人のキャリア相談に乗ってきた経験から、多くの「迷える人」に共通する、とくにありがちな2つの原因について書いてみたい。


1. 見つけるチャンスをみすみす逃している

 「やりたいこと」は、ある日、なにもないところから突然ひらめくという場合も確かにあるだろう。天啓が自分の中に舞い降りてきた、というような。しかし、そんなことは実際にはとても稀だ。

　有名人の伝記などでは、「〜してる瞬間に、自分にはこれしかない！ と雷に打たれたようにひらめいたんです」とかいう表現がよく出てくる。しかし、そのような書きかたには、多くの場合に脚色が含まれていると思ったほうがいい。そう書いた方が面白いし、ストーリー性も出るからだ。また、書いた本人に悪気はなくとも、過去の思い出が凝縮され、自分の中でよりドラマチックに美化されてしまっていることは良くある。


　やりたいこととの出会いは、そんなに衝撃的な場面ばかりではない。むしろ、そんなケースは少ないはずだ。どちらかというと、「ん？ ちょっと面白いな？」とか、「なんとなく気になるな...」くらいから始まるもの。

　だから、「やりたいこととのドラマチックな出会い」を期待しすぎてると、本当にやりたいことがせっかく身近に存在するのに、それに気づかずにスルーしてしまうという悲劇が起きる。本当にやりたいことは、密かに、地味にやってくる。そう思って行動する方がいい。


2. 「人生のミッション」でなければという思い込み

　もうひとつの原因は、「やりたい」ことは、一生それを追い続けられるものであったほうがいいし、だからこそ大きく、崇高なものであるべき。などと思い込みがちなことだ。決してそうではないと思う。

　もちろん、一生をかけて追い続けられるような「崇高なビジョン」を持っている人はすばらしいといえるだろう。これも、有名人の伝記などではよく見る。しかし、そんなすごいレベルの「やりたいこと」を一生かけて追える人なんて、全人類の中でもごく一握りだ。そんなものが見つかったら超ラッキー、というレベルだろう。

　だからわれわれ普通の人間は、まずは、「今やりたいこと」を素直に探せばいいと思う。そしてそれは、後に変わってしまってもいいのだ。おもしろいもので、本当にやりたいことは、何かに熱中してるときに他に見つかったりするものだ。だから、まずは少しでもやりたいことがあれば、まずはそれをやってみる。やってるうちに、もっと大きな「やりたいこと」に出会えるようになるのだ。


　そして、やりたいことは、一つに絞らなくてもいい。大きなことを成し遂げた人は、一つのことを追ってた人ばかりじゃない。むしろ多動な性格で、いろんな興味を追った結果たまたま一つの分野で偉業を達成した、そんな人も多い。後できれいなストーリーとしてまとめるときに、それらの細かい他のことは省略されてしまっただけだ。

　例えば、一生をかけるほどスポーツに打ち込んでいたけど、ケガをして続けられなくなり、それ以降は目標がない人生になってしまう人がいる。しかし一方で、スポーツに打ち込みながらも他の興味も追っていた人は、スポーツが続けられなくなったとしても、その別の道で再び才能が開花することもある。

　実際、元スポーツ選手で、今はまったくの違う分野で大活躍してる人は多い。そのような、「一つのことだけにこだわらない」マインドセットが功を奏したのだ。


　自分が「本当にやりたいこと」は、ごく身近に、地味に潜んでいるのかもしれない。そしてそれは、ひとつではないかもしれない。それくらいの気持ちで、ちょっと心が動いたら、まずはやってみる。

　そうしてるうちに、きっと、本当に自分が打ち込めるものが見つかるはずだ。まずはなんでもいいから、動いてみる。その姿勢が、とても大切だと思う。


///
ツイッターでも、できるだけ有益なことを毎日発信してます。ぜひフォローをよろしくお願い致します 🙇🏻‍♂️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？