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「弱さ」を見せられる人こそ強い

 自分は強いぞ、とオラついてる人には実際には小心者が多い。自分に自信がないのだ。だから、サル山のボス猿のごとく、いつもまわりを威嚇し続けないと気がすまない。自分の弱さを人にさらすことが、異常に怖いのだろうと思う。

 これまで会ってきた中で本当に強いと思える人は、自分の弱さを周囲に開示できる人々だった。ものすごく有名な経営者でも「いやあ、自分は本当に失敗が多くてねえ...」と普通に言ってしまえる。それも、冗談交じりとかではなく、真剣にそう思っているというトーンだ。

 弱さを素直に開示できるのは、実はその当人に「本当の自信」があるからだといえる。自分の弱さを認識しているのは、ポーズではなくあくまで本心から。しかしその上で、自分のその弱さは、必ず克服できるものだと信じている。より正確にいうと、「克服できる工夫ができる」と信じているのだ。

 そして、最も強力な、弱さの克服のための処方箋は、「まわりの力を借りる」ことだ。自分の弱さをきちんと開示できる人は、まわりからサポートを受けることができる。だから、弱さを開示できる人は精神的に強靭なだけではなく、まわりにうまく補完してもらえるために、「本当に強く、有能」になることが可能。ここが重要なポイント。


どれだけ、人の話を聞けるか

 そのためにまず大切なのは、きちんと「真実の姿」を受け入れようとする姿勢だ。これが非常に大事。ムダに強がる人ほど、いつも現実を歪曲して見ようとする。自分の都合のいいように。そしてそれが、自分の強さだと勘違いしてしまっている。とてもイタい人、だともいえる。

 自分には能力がなくてもあると思い込もうとするし、まちがった判断をしたとしても、それを正しいと押し通す。人の話は受けつけない。だからたくさんのミスをしてしまうし、それに対して自己反省もない。あまつさえ、自分の失敗も人のせいにしてしまう。

 だから、誰からもアドバイスをもらえなくなり、見放され、自分から勝手にどんどん悪いスパイラルへとはまっていってしまうのだ。


 この変化が早く複雑な世界において、それにうまく適応できる人は、人の話をきちんと聞いて、自分のことを客観的に見られる人だ。根拠のない自信で押し通すのではなく、自分の強みと弱みを認識し、能力の限界も知り、いつも謙虚に、オープンに。自分の強みは最大限に活かしつつも、「弱み」については周囲に率直に申告できる人。

 これができる人は、本当に仕事がうまくいく。ビジネスが高度化する環境においては、自分ひとりだけで完結できる仕事はどんどん減ってきている。たとえ職人的に高度な技術を提供できたとしても、仲間やチームと力を合わせてなんぼだ。そうじゃないと、成果なんて出せない。

 自分の弱みを開示できていると、それを誰かにサポートしてくれるように頼めるし、まわりからも積極的にヘルプしやすい。そうやって、チームメンバーがお互いに助けあい、弱さをカバーしあって、全体としてレベルが高く、クオリティも高い仕事を作っていくのだ。


 だからまず最初に、思いきって自分の「弱さ」をまわりに開示してしまうことが大切。そうすることにより、まわりから信頼を得られ、助けてもらえるようになる。

 「オレは強い」といつも上から目線で言ってるような人は、誰も助けたくないはずだ。そしてそれが、そういう人の最大の弱点になってしまう。ひとりよがりで、チームで仕事ができないなんて、強いどころか、現代のビジネス環境においては「弱い」ことこの上ない


 自分の弱さを見せられる人こそ、本当に強い。この考えを胸に、いつも謙虚に、そしてオープンでありたい。


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