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チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日紹介する書籍はこちら!

本書「チームレジリエンス」はレジリエンス=回復力、復元力という言葉を組織・チームで発揮するための書籍です。
その目次はこちら。


【目次】
第1章 チームの困難と不確実性の科学
チームが乗り越えるべき「困難」とは何か
不確実性の時代が生み出すわからなさの悪循環

第2章 困難を乗り越えるチームレジリエンス
チームレジリエンスとは何か?
3つのステップでチームレジリエンスを発揮する

第3章 レジリエントなチームは課題を定めて対処する
チームで困難を乗り越えるのはなぜ難しいのか?
困難を解決可能な課題に具体化する
プロジェクト化して課題解決に挑む
ストレスに負けないチームをつくる

第4章 レジリエントなチームは困難から学ぶ
同じ轍を踏まないために「困難から学ぶ」
「チームレジリエンス型」の振り返り
今後に活きる教訓をつくる

第5章 レジリエントなチームは被害を最小化する
取り返しのつかない事態を事前に最小化する
困難を早期発見する
困難に備えて事前対策する


第1章 チームの困難と不確実性の科学


第1章では、「個」では対処しきれない問題の困難さを定義します。
ポイントになるのは「外的要因」「内的要因」「急性」「慢性」の4象限。
自分が直面している問題をこの象限のどこに当てはめるかで、対処の方向性が見えてくるのではないでしょうか。

29P

4象限に当てはめた問題の実態(当事者の心の声)を、下図は上手に表現しています。

47P

1人では対処しきれない問題の姿は見えてきました。では、どうやって自分以外の誰かと協同し、問題に立ち向かえばよいのでしょうか?

第2章 困難を乗り越えるチームレジリエンス

第2章では、本書タイトルである「チームレジリエンス」を章題に冠します。ポイントなるのは図表2-7。「チームレジリエンス」を有するチーム、有しないチームの対比が分かりやすく明示されています。


81P

日々のタスクで忙殺されるリーダー層は、特に「1 課題に落として対処する」で手一杯なのではないでしょうか。
しかし、組織単位で成長するためには「困難からの学び~被害の最小化」サイクルを活発化させなければなりません。
そのために、チーム全体で問題に対する学び~対処のPDCAを共有する必要があります。本章ではチームレジリエンスの定義をチームが「困難」から回復したり、成長したりするための能力やプロセスとしています。「チームレジリエンス」は、そのサイクルを駆動させる原動力ともいえます。


第3章 レジリエントなチームは課題を定めて対処する

第3章では、「レジリエンスを有するチーム」に見られる「問題対処の型」を提示します。それが図表3-8です。

134P

チームに起こる問題は、「技術的課題」と「適応課題」が複雑に絡み合っています。そのため、困難を時間をかけて根本的に解決する「根治課題」とすばやく一時的に解決する「緩和課題」に分けることが重要です。

「根治課題」は上の象限「風船型」「柳型」でゆっくり、「緩和課題」は「こぼし型」ですばやく状況を改善させることが多いのですが、状況に応じてそれぞれの型を使いながら困難な状況に対処します。

第4章 レジリエントなチームは困難から学ぶ

では、どうすれば各課題に対する「困難からの学び」を定着できるのでしょうか。第4章でポイントとなるのは図表4-4です。

205P

ひとたび問題が発生した場合、その再発防止のためには問題へ対処した経験と知識を組織のナレッジとして共有しなければなりません。
表4-4はその方法を4つに分類しています。それぞれの問題スタイルに応じた適切な知識共有の方法を採択すること、その大切さを本章では取り上げています。
重要だと感じたフレーズは以下の一文でした。

困難から時間が経てば、その痛みは忘れ去られてしまいます。 「回復」という意味では、傷つく人がいなくなったのは良いことですが、痛みを忘れることは、教訓を活かそうというモチベーションを阻害します。教訓の重要性を認識できず、なかなか実行できなくなってしまうのです。

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第5章 レジリエントなチームは被害を最小化する


最終章となる第5章では、問題の再発防止(=被害の最小化)のための方法を説明します。
トラブルに直面した場合、当然のことながらそのトラブルの解決こそが最優先事項です。そして多忙な日々の業務サイクルの中では、「トラブル対処の振り返り」に業務リソースを割くことはなかなか難しいのではないでしょうか。本章でのポイントとなる図表5-2では、「経験学習モデル」というスキームを通して「トラブル対処の振り返り」をどう行うかを説明します。

230P

眼前に多くの課題がある、しかし自分ひとりでは対処しきれそうにない。
チームスタッフに業務を割り振ろうにも、どう問題の仕分けをしたらよいかわからない。そうした悩めるリーダー達にこそ、本書はぜひ読んでいただきたい一冊です。前掲した「リーダーシップ・シフト」との併読がおすすめです!

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