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「全員が活躍できるチーム」の真の意味とは?

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日紹介する書籍はこちら!


本書の冒頭で、シェアド・リーダーシップとは「全員活躍チーム」であると本書は定義します。
増大する業務と責任をリーダー一人の重責とするのではなく、その分野が得意なスタッフが局所的なリーダーシップを発揮し遂行する。その組織運用体制を「シェアド・リーダーシップ」と本書は説きます。
以下の引用が、本書のねらいを示しているといえます。

もう「マネジャーたった1人のリーダーシップ」だけに頼るのは困難なのだから、マネジャー1人に頼るのは止めにしよう、ということです。本書では、世の中に長年根付いていたリーダーシップにまつわる固定観念を「ひっくり返し」ます。

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本書の目次はこちら。


■目次
序章  マネジャーを取り巻く変化
第1章   シェアド・リーダーシップとは
第2章 STEP1 イメトレしてはじめる
第3章 STEP2 安心安全をつくる
第4章 STEP3 ともに方針を描く
第5章 STEP4 全員を主役化する
第6章 STEP5 境界を揺さぶる 
第7章 シェアド・リーダーシップを組織の力に


本書の特長のひとつは、徹底したデータ主義であることです。本書は、日本の大手企業に所属する課長層548名に対して実施された「日本企業の課長層に関する定量調査」結果に基づいています。

13P

では、早速各章を見ていきましょう。

第1章 シェアド・リーダーシップとは

本書は、現代におけるリーダーシップの困難さを「複雑化」「少数化」「多様化」「分散化」「多忙化」という5大要因に起因すると前提します。
その上で、1章では改めて「リーダーシップ」を再認します。
Googleをはじめとする企業の実例を、豊富な図表やデータとともに紐解いていきます。

68P

章末でまとめられているシェアド・リーダーシップ5STEPは、ここからの本書の流れを作る重要な概念です。

101P

チームメンバーをリーダー化させるための意識・行動の変化(=シフト)を、どのように促すか。第2章は「イメトレ」から始まります。

第2章 STEP1 イメトレしてはじめる

AS-IS/TO-BEモデルのように「ありたい」状態と「現状」を俯瞰することは組織・個人の伸長に不可欠な視点です。
STEP1の「イメトレ」とはそうした視座を指しており、この章の要は次の「イメトレシート」です。


127P

このブランクを、


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このように埋めていき、棚卸と未来設計を行うのですね。
その記入のための具体的な方法が本章では解説されています。

第3章 STEP2 安心安全をつくる

この章はリーダーシップ・シフトにおいて「心理的安全性」が必須であることを説明します。
もはや現代のキータームともいえる「心理的安全性」。適切な課題設定とその共有は、チームメンバーが各人の能力を発揮するうえでの必須事項とも言えます。
この章にも、とても実用的なワーク素材が掲載されています。それが「Roll the Talk!」シートです。

172P


172P

同じ目標を持つチームの心理的安全性を高めるための、ぴったりのワークです。本章ではこれ以外にも、安心安全を育成するためのさまざまな方法を伝えます。

第4章 STEP3 ともに方針を描く

なりたい自分を描き、そのための場作りをし、そして次には場に集う全員が共通の方向を向く。本章ではトップダウンではなく、チームメンバーの対話を重ねることで共通の目標を生み出すための方法を解説します。
この章のポイントは、方針づくりのための「対話」の留意点です。

215P

第5章 STEP4 全員を主役化する

チームが向かうべき方向が定まったら、次はメンバーがどのようにその目標に対して「機能」するかを分析します。
本章のタイトルである「全員が主役」とは、まさに本書のタイトルである「シェアド・リーダーシップ」とイコールの概念とも言えます。
この章にも、チームメンバーの生産性・主体性を向上するためのすぐれたワークシートが掲載されています。


233P


229P

第6章 STEP5 境界を揺さぶる 

本書を読んで個人的に強く印象を受けたことのひとつに、本書全体を貫くストーリー性の明瞭さがあげられます。
STEP1~5は、メンバー個人から協同の場、場の目標、人材最適化のスキームが整然と語られます。そして最終ステップとなる本章は、Boundaryless(境界がない)の視点でさらにチームの強力化をねらいます。
その詳細はぜひ本書で確認してみてください。
最後に掲載するこのグラフは、組織の同質化がもたらす正負の両側面を見事に切り取っていると思います。

294P

「全員が活躍できるチームづくり」という言葉を、単なるお題目ではなく血肉の伴ったビジョンとして組織に浸透させたいと望むすべてのリーダーに、ぜひ読んでほしい一冊です。

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