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車椅子ユーザーへの道

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ある日突然始まった車椅子ユーザーへの道。 セカンドライフの始まりです。平凡な人生を送ると思っていた私に、こんなドラマが待っていました。
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#リハビリ

19.別れの日はやってくる

19.別れの日はやってくる

無事に治療も終わり陽子線の効果は今後数ヶ月を掛けて診ていくことになる。しかし、この治療とともに私の体は胸から下の機能を完全に失った。

これからはこの身体で生きていくすべを身に付けなければならない。リハビリ病院はたくさんあるが、できれば脊髄損傷に詳しい病院をと〝国立障害者リハビリテーションセンター病院〟通称 国リハを夫が探してきてくれた。

国リハと言えば、脊損、頸損の人の中ではそれなりに知られた

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21.まさかの坂発見!〜皆さまお気をつけくださいませ〜

21.まさかの坂発見!〜皆さまお気をつけくださいませ〜

私の体は胸から下が全く動かないし、暑い、寒い、痛い、くすぐったい…などなど感覚というものは全てない。そんな中、リハビリはベッドから車椅子への乗り移りから始まった。

車椅子での移動とは言え、自由に動けるのは嬉しいもの。しかし、理学療法士さんからOKがでるまでは、夕方4時になるとベッドへ強制連行‼ ︎と決まっていた。

それが嫌で時間が近づくと、見つからないようにささやかな抵抗を試みていた。面倒くさ

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23.車椅子の脱走犯〜夜に繰り広げられる密約〜

23.車椅子の脱走犯〜夜に繰り広げられる密約〜

毎日メンタルの不調と戦いながらもリハビリは続いた。そんな中でもちょっと癒しの時間があった。

晩ご飯が終わり薄暗くなった7時頃、車椅子に乗った4,5人の集団がゾロゾロと移動を始める。夜の病院は静まり返り、明かりも常夜灯のように落とされ、昼間の騒々しい病院とは全く別の場所のようだ。

そーっと病院を抜け出し向かう所は病院前にある駐車場。玄関の警備員さんはいつもの集団だといった感じで「お疲れ様ー」と敬

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25.立っている者は親でも…

25.立っている者は親でも…

リハビリも終盤を迎えていた。
その頃、自宅を車椅子での生活に合わせて、バリアフリーに改修をしていた。改修が終われば退院になる。

車椅子の移乗から始まり、トイレ、お風呂、着替え、食事の支度などなど、生活の一通りを教わった。まだまだ荒削りだが、これから先は自宅に戻って実践を繰り返していく。

それから忘れてはならないのが車椅子。自分の足代わりになるので、こだわって作る人もいる。最近の車椅子はカラフル

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