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19.別れの日はやってくる

無事に治療も終わり陽子線の効果は今後数ヶ月を掛けて診ていくことになる。しかし、この治療とともに私の体は胸から下の機能を完全に失った。

これからはこの身体で生きていくすべを身に付けなければならない。リハビリ病院はたくさんあるが、できれば脊髄損傷に詳しい病院をと〝国立障害者リハビリテーションセンター病院〟通称 国リハを夫が探してきてくれた。

国リハと言えば、脊損、頸損の人の中ではそれなりに知られた病院らしい。設備も整っていてこれ以上を探す方が難しいかもしれない。

そして、リハビリ病院への転院の日がやって来た。2ヶ月も居ると寂しさもあるが、まだまだやらなければならないことが待っている。

身の回りの片付けをしていると、次から次へと入院仲間が別れの挨拶に来てくれた。みんなの「ありがとう! お互い頑張ろうね!」の言葉に目頭が熱くなった。同じ苦しみを持つ人の言葉はとても重い。素敵な出会いに今でも感謝している。

そうして運命共同体のみなさんに別れを告げ、福島から埼玉へと向かった。

20話目へ続く…


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