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25歳、決意の退職(後編)

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帰路、ずっと考えていた。

「私が君なら、辞める。君にとって、その方がいい。」

その意味は。その意図は。行間に何かあるのか。
考えたけれど、あの方の瞳はまっすぐに私を見つめていた。
歩きながら、家族に電話をかけるころには、「辞める」という決意が揺るぎないものになっていた。

大阪の母親は1コールで出た。先ほどあった出来事を話し、
「いろいろ悩んだけど、やっぱ辞めるわ」と伝えた。
両親の反応は意外というか、「お前が決めたのならそれでええ。好きに生きろ」とのことだった。

電話を終えて家に着いてからも、あの方の言葉が反芻する。人の本音って、こんなに心に響くんだと思った。
ただ、辞めると決めたがその先どうするのかは全く決めていない。転職活動もしていないし、何かスキルがあるわけでもない。
でも、「辞める」という決意が心のもやもやを取り払い、目指すべき方向性を示してくれたような、晴れやかな気持ちになった。

(辞めて、なにしようかな。)

少し前まで抑うつ状態で、今も薬を服用している自分だが、本当に久方ぶりに、たぶん社会人になりたて以来のような清々しい心持ちで、思案にふける。それほど、職場や現状に対して不満を持っていて、視野が狭くなっていたのかな、と思って一人苦笑する。

今の仕事を辞める先には、いくつか選択肢があるな、と思った。

①在職中に転職先を探し、転職する
②離職後転職活動をし、転職する
③離職後、個人事業主になる
④地元大阪へ帰る

現実的には①だろう。②③はリスクが大きい。④は頭を過ったし、両親もいいと言ってくれているが、これ以上迷惑をかけるわけにいかないなとも思う。
ということですっと①に落ちついた。
...
わけではなかった。

晴れやかな気持ちで自分の心と向き合うと、これまで見えてこなかったやりたいことが見えてきた気がする。
それは、③、自分で事業をしたい、ということだった。
何かアイデアがあるわけでもない。何か人脈が合ってそれがかなうわけでもない。ただ、自分がやりたいことを通じて世の中に貢献し、周囲の人々の幸せにつながれば本望じゃないかな?と澄んだ自分の心がいうのだ。

思案していると無性に体と頭を動かしたくなって、今noteに記しているところだ。現状、辞めると決めて、軽くなった心からはああだこうだといろんな思いが堰を切ったように出てくるのだ。
まだ退職してないし、環境は何も変わらないのだけれど、心の持ちようだけが結構変わって、びっくりしている。

これからどうするのかはわからない。辞めること以外は。でもまずは、コロナ禍だろうがなんだろうが、他の環境を探してみようかなと思っている。理想は、副業/兼業が可能な会社に転職して、週末起業みたいなところから思い思いのことを始められたらいいかな。
ふたを開けてみれば、無謀にも早速個人事業主になっていたりして。
‘辞める‘と決めたてほやほやなので、この先はゆっくり考えようと思う。

抑うつ状態真っ盛りの時は思いもよらなかった将来について、少しばかり考えられるようになった。これからの人生どう生きるかも自分次第、と思えるようにもなっている。ただ、これからは自分がやりたいことや好きなことを人生のベースに置きたいな、と強く思う。そして、それができる環境への感謝を忘れてはいけない。

最後に、私の好きなamazarasiさんの一曲を置いておく。
今もそうだが、苦しいときは毎分聴いていた。
今後どんな人生を自分が送るのかの期待も込めて。

長い駄文をつらつらと書いてしまったが、どこかのだれかに何かが届けばいいな。
また動きがあれば、ぽつぽつと。

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