読書感想文 「笑うマトリョーシカ」 著:早見和真
何が「ホンモノ」で、何が「ニセモノ」か。
物語を通して、この命題へ迫っていく。
それが、
「ホンモノ」「ニセモノ」という言葉自体に向けられたものなのか、
ホンモノの、またはニセモノの、「何か」に向けられたものなのか、
それを考えながら読み進める時間は、私に得難い悦びを与えてくれた。
久しく忘れていた、手に汗を握る、という感覚。
早く読み進めたいのに終わってほしくない、というあの感じ。
私は今まで「政治小説」を読んだ記憶はないのだが、この本も、あくまで舞台装置の一つとして政