読書感想文

『フランス革命小史』という本を読んだ。

かなり長い時間をかけて読んだので、理解度は今ひとつだと思う。


きっかけとしては、Twitterのハッシュタグ運動を目にした事だ。

関わる人のうち、少なくない人々が苛烈な言葉を発していて、これはいわゆる革命的な動きを志した人が主導しているのかな、と思ったからだ。

高校世界史でチラッと学んだ程度ではあるが、フランス革命というものが革命史上大きなものであった事だけは知っていたので、今一度触れてみようと思った。


ざっくりと大雑把な構図だけを見れば、近いところもあるのかもしれない。

フランス革命の始まりは、ブルジョワ勢力対絶対王政だったようだ。

今般の状況においても、声を挙げている人々の多くが、為政者を独裁者であるとしている様子は見受けられる。(個人的にはそうは思わないが)

また、民衆の階層というのは細かく分かれていて、そのそれぞれが国に求める事が大なり小なり異なるという事。その結果、(同地域・同時期の)革命は一度で終わらず、連鎖していく事。

これについては兼ねてから考えていた事で、私の考えはある程度当たっていた、という確認が出来た。

そして、当然大きな革命は自国ばかりでなく他国も巻き込んで、政治の形に大きな影響を与える。

革命もまた、政治の形に応じて変化・進化をしていき、その傾向として共産主義革命へ移っていく。

また、革命の中では反動も起こるもので、その闘争において軍事力へ傾倒すると、当然、軍人が力を強める。

ざっくりとした流れはこんな感じであった。


私は共産主義に詳しくはない。

しかし、私有財産の否定、これが関わる動きは避けるべきだと考えている。

今の世の中でそれが起こると、計り知れないパラダイムシフトであろうし、それこそ現状の日本が、それに耐えられるとは到底思えない。


また、フランス革命を学ぶ際にビビるのは、踊り続ける処刑の文字だ。

革命の性質上、付き物なんでしょうけど、まぁ望む世の中ではないな、という感じでした。


この時代に比べれば、今の日本の状況はまだまだ平和だ。

政治の不正は法の下で裁かれるべきだし、国民が行政を監視すべきだというのも私は賛成だ。


しかし。

革命は一度起って仕舞えば、しばらくの間止まらない。

怒りを覚えている対象が、本当に「革命的な」打倒が必要な存在であるのか、またどうすれば穏健な手段を以って世の中を良くしていけるのか。

そういった事を考えるための、とても良い機会になりました。


岩波新書から刊行されています。

元書店員ですが、新品を紙の書籍で手に入れるのは、少し難しいかもしれません。

電子書籍か、中古での購入が無難でしょう。

万が一、新品を書店で注文した際は、絶対にキャンセルをしないであげてください。

これは、元書店員からの切なるお願いです。


ここまで読んでくれてありがとう!


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