読書感想文「ケーキの切れない非行少年たち」

読んでみました。


率直な感想としては、難しい本でした。

まさに現場のリアルな難しさが、ひしひしと伝わって来るような。

私自身も以前に、自分にもいわゆる発達障害に該当する様な特性が確認できたことから色々と調べてみたことがあって。

結局は当時の職場の後輩であり、社会福祉士を目指していた人の助言もあって、まぁ恐らく違うんだろうな、という結論に至った。

そういう文脈で発せられる障害者手帳という言葉には重みがあったし、この本にも書かれていた様な、当事者やその保護者が気付かない、もしくは医療や福祉を頼りたがらない、という事については実体験を振り返っても、改めて理解出来ると思った。


約10年間、接客業に従事していたので、様々な人と関わった。

内にも外にも、多種多様な人がいて、この本を読んだことで、もしかしたら彼や彼女は、と思う顔はいくつか浮かんだ。

分かっていれば、もう少し違った接し方が出来たのだろうか。

こういう難しさを抱えた人が日々を営んでいくためには、社会による受容は不可欠であろうが、その求められる程度はどのぐらいなのだろうか。雇用主に、共通したマニュアルが必要なのか、個別の事例に適切な対処が出来る様な周知徹底が求められるのか。


難しい問題に対して、シンプルに捉えて解決策を探すという方法論は、一定の度合いを超えると役に立たないのかもしれないな、と考えさせられた。


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