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治療家の就活解体新書 ~治療家の就活の基本と優良治療院を見分けるポイント

株式会社じんじあいであ 代表の塩田です。私は2010年から毎年100人以上の治療家さんの就職・転職を支援してきました。今回はその経験をもとに、これから治療家を目指す方や転職を考えている方に向けて、これだけは知っておくべき業界の実情と良い職場と出会うためのポイントについてまとめました。

【この記事を書いた人】
塩田 宗一郎(しおた そういちろう)

1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。大学卒業後、治療家業界の先駆け求人サイト「なび院」を運営する株式会社プラスウェイに就職。 その後接骨院グループの人事を2社経験し独立。2018年(株)じんじあいであを設立。 接骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども多面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のサポートも行う。モットーは「目の前の人を幸せに」。

はじめに

「もう業界を離れました」

年間で何回、この言葉を聞くか分かりません。
ある治療家歴10年目の女性治療家さん曰く、
「クラス40人いた子たちでまだ治療家を続けているのは私を含めて2人だけです」
なんて例も実際にあります。これは決して珍しい事ではありません。
きっとあなたのクラスで前後左右に座っている子たちも10年後には治療家を続けていません。統計としてそうなっているんです。

ではなぜ業界を離れてしまうのか?それは1つだけの理由ではありません。勤務時間、給与、休日、やりがい、将来への不安など多岐に渡りますが確実に言える事が1つだけあります。それは「業界離れてる人は共通して就活をサボった」という事です。
「サボった」なんて言われ方はしたくないとは思いますが、世の中でこんなに「資格を持っていれば良い」という状況、かつ超売り手市場の業界はそうそうありません。
結果的に、ほぼ内定が決まっていてアルバイト面接のようになってしまうことが多いです。
会社側は「あなたがほしい」ですが、「あなたである必要はない」のです。
つまり、10年後に業界を離れずに治療家としてのキャリアを築くための知識や、就活のための環境や文化がない故に、決定的に就活にかける時間が足りていない業界なのです。

「業界の本質を知り、ミスマッチのない会社に入社する。」
それだけであなたの治療家人生は激変します。
断言しますが、劇的に良くなります

ちなみに私は、この業界の求人だけを約15年間仕事として扱っている少し変わった経歴です。でも専門中の専門で尖り続けた結果、誰よりもこの業界に精通しているという圧倒的自信を持つようになりました。これまで就活支援をしてきた方で開業をされた方は30人、院長になった方は100人以上、幹部になった方も10人以上います。

そして、ミスマッチのない就活をするために、私が導き出したのが「就活サポートシステム」です。

①【就活の道標】ポジションシート
【あなたはどのポジションがあってる?】適性検査システム

この2つを用いてあなたがより良い職場に入り、素晴らしい治療家として社会に貢献していってもらえる事が何よりの幸せです。

治療家になるのはとても簡単な時代になってしまいました。
しかし、続けるのは非常に難しい時代にもなってしまいました。

私が退職金がない業界で治療家として勝つ方法を伝授します。

少し長いですがこれを読んで少しでも治療家人生の役に立ったと言ってもらえたら幸いです。

▼この記事を動画で観たい方はコチラ

優良治療院を見分けるには

この記事を読んでほしい方

新卒の方

・就職活動の文化がなくどのように就職先を決めればよいのか分からない方
・学校開催のイベントなどで、大手グループ院の話しか聞けない方
・ガイダンスを聞いても、技術をしっかり学べる治療院か判断ができない方
・将来的には、自分で開業できるくらいの力をつけたい方
・相談する人を見つけたい方

中途の方

・現職でミスマッチを感じている方
・実際に働いてみて、業界に対してネガティブなイメージが強くなった方
・一度業界を離れてしまい、またこの業界に就職するか悩んでいる方



Chapter1. 治療院業界を知る

接骨院と鍼灸院とは


接骨院とは、厚生労働省が定める施術所のうち、柔道整復師日本の伝統医学の1つである柔道整復術を行う施設です。各種法令では「柔道整復の施術所」と表現され、主に骨折・打撲・捻挫・脱臼・挫傷の5症状に対して保険診療を行います。

鍼灸院とは、身体に鍼や灸を用いた刺激を与えることで、多様な疾病への治療的な介入や健康増進を目的とする民間療法を行う施設です。中国医学伝統医学で用いられる治療法の一つで、補完・代替医療とみなされることもあります。

日本の多くの接骨院では、鍼灸師と柔道整復師が協力して(もしくは両方の免許を個人で取得し)患者の健康をサポートしており、伝統的な医療療法と現代の医療的アプローチを組み合わせて提供しています。それが鍼灸整骨院です。

業界で必要とされる資格には大きく「柔道整復師」「鍼灸師」「あん摩・マッサージ・指圧師」があり、それぞれ業務内容や勤務先に次のような違いがあります。

接骨院・鍼灸院業界での職種・各業務内容・必要な資格一覧


【接骨院・鍼灸院業界での職種・各業務内容・必要な資格一覧】

これらの資格には、それぞれ次のような違いがあります。

【柔道整復師】
主に接骨療法と柔道整復療法を提供する国家資格を持つ専門家。主に、筋骨格系の問題を鑑別し、手技療法、物療、運動療法を用いて治療を行う。この国家資格を持つ者は、日本国内で合法的な医療従事者であり、脱臼や骨折などの急性疾患だけでなく、自由診療では様々な痛みまで幅広い医療ニーズに対応する。

【鍼灸師】
鍼と灸を用いて治療を行う専門家。鍼は細い針を特定の部位に刺し、体のエネルギーを整えたり、痛みを軽減する役割がある。灸は温熱療法で、特定の経絡やツボに熱を加えて疾患を治療する。伝統的な東洋医学の原則に基づき患者の症状を診断し、痛みや不調の軽減、身体の調和を目指す。

【あん摩マッサージ指圧師】
マッサージ療法を提供する専門家。手技療法を用いて筋肉や経絡に圧をかけ、血流やエネルギーの流れを改善し、痛みや不調を緩和、同時に指圧やマッサージによってリラックスやストレスの軽減も促進する。

接骨院業界の売上は減少傾向


治療院における売上というのは「単価×人数×来院頻度」で表すことができ、この3要素のどこが減少しても売上は下がっていくことになります。現在の業界全体の売上は減少傾向にあり、次の3つの理由が関係しています。

【理由①:単価の減少→療養費の削減】
一昔前は、一度の治療で4部位以上を請求できる時代がありました。今は規制が強まり、最高で3部位までしか請求できない上に、3部位目は6割しか請求できない規定となっています。さらには、レセプトに不審な点があればすぐに差し戻しをされてしまうなどがあります。売上が厳しくなる要因の1つです。

【理由②:人数の減少→接骨院の数は25年で2倍に増加】

接骨院の数はここ25年で2倍以上に増加しており、それに伴って競争も激化している現状があります。
そして整形外科では手技を取り入れ、高齢者にはデイサービスで患者さんの送迎サービス、要介護の患者さんには訪問マッサージ、リラクゼーションは低価格を売りにし、これまで接骨院に通っていた患者さん達が他サービスに流れています。すなわち、患者様にとって接骨院の数自体の増加ならびに、接骨院以外の選択肢の増加により、競争が激化し、以前より顧客数が減少しております。

【理由③:頻度の減少→保険請求の厳格化】
以前は特定の条件に当てはまる高齢者は、窓口で何度治療を受けたとしても自己負担ゼロの時代がありました。「明日も来てね〜!」が合言葉だった時代です。現在は自己負担額の増加とともに、「頻回理由」という項目をいれないと一定通院回数以上の通院患者さんはレセプトが通らなくなっています。結果的に、訪問頻度が下がっており、売上を圧迫する要因となります。

Chapter2. しっかり理解しておくべき保険請求のこと

簡単に保険請求を通す会社は要注意


健康保険は、骨折、捻挫、打撲、脱傷、脱臼の5つの急性の外傷、症状に対して適用されます。しかし、慢性の肩こりや腰痛であっても、肩や腰の捻挫として、保険請求が通ってしまうことが多いのが現状です。

当然ですが、これは不正請求にあたります。実態として、保険を使ったマッサージ屋さんのようなサービスを提供しているところは沢山あります。でも、それは本来の治療家としてのあり方とは異なるものです。そういった不正な保険請求をしている職場に決して長くいるべきではありません。

これまでずっと“マッサージ屋さん”としてやってきたのに、ある日突然「今日からは自費です。」と患者さんに言うのは難しいです。そのため、簡単に保険請求を通している職場には気をつけた方が良いです。不正な保険請求をやっているところは、給料の上昇率も悪ければ、拘束時間も長いというデータもあります。そのような業界だからこそ、保険の部分は、自分で理解しておくことがとても大事です。

「保険診療のみ」の会社は就職先にオススメしない


あなたが就職先に求めるものは何でしょう。
技術?経営?トレーナー?お金?

前述した通り、接骨院業界は売上が下がっている業界です。
しかしそれは自費治療を含まなかった場合です。保険のみを取り扱っている治療院は軒並み売上は減少傾向です。

「売上が下がる→給与が下がる→勤務時間は伸びる→休日も減る→疲労がたまる→有意義な休日を過ごせない→勉強をする時間がとれない→・・・」

という負のスパイラルに突入しているのが保険中心の接骨院の特徴です。

悲しいですが、こういった接骨院も同じ様に求人が出ています。
もちろん求人票では把握できません。だから入社後に離職がおきます。

ただもちろん例外はあります。
今年出会った学生ですがこの子は「何が何でも臨床経験を積みたいです」という希望条件のみで、他には給与や休日、勤務時間など何1つ条件を出してきませんでした。

今では1日に20人以上の患者さんに入り、院長に直接勉強させてもらえる環境で同期の誰よりもスピード感をもって成長しています。

このように目的があれば例外もあります

「自費治療」の知っておきたい解釈


このような逆境の中、多くの接骨院で導入されているのが「自費治療」です。これは、健康保険でカバーされていない施術・治療のことで、全て患者さんの自己負担(10割)となります。結果的に接骨院では保険外診療なので

「慢性疾患に対しての治療は自費で行ってるから広告の規制にひっかからない」
「自費治療だから国家資格がなくても大丈夫だろう」
「いやいや接骨院の看板をしょってるなら自費だろうと国家資格取得者でないとダメだ」

などなど実はグレーな状態にも関わらず会社ごとの根拠のないマイナールールで解釈されていたりします。

「あなたが就職する会社の当たり前は、将来、あなたの当たり前になる」
だからこそ、
ルールをきちんと理解し、正当性を主張できる会社に入社することをおすすめします。

Chapter3. 接骨院のビジネスモデル

治療院は労働集約型ビジネス


治療院は「労働集約型ビジネス」にあたります。これは個人の売上増加が、そのまま会社全社の売上増加に直結する仕組みのことです。

労働集約型ビジネスの特徴で覚えておくべき重要なことは
自分の給与の源泉は自分の売上という事です。
これが社会人になって最もギャップを感じる部分と言っても過言ではありません。

労働集約とは、例えば塩田接骨院を開業したとします。下記の表は施術者数ごとの店舗手取りのシミュレーションとなります。

塩田接骨院が塩田院長一人が施術者の場合、100万円の売上を作れます。たくさん稼いでいて羨ましいと思うかもしれません。しかし実際は、受付スタッフ(15万円)と固定費(経費)で毎月65万円が取られており、残るお金は35万円となります。さらにここに税金が掛かります。そのようにして、売上がどんどん削られていくので、最後に手元に残る手取りは、大体20万円から30万円程度にまで減額されてしまいます。

手取りを増やすための手段は、

①単価を上げる
②人を増やす

という答えに行き着きます。

上の表の施術者が2人の場合、5人の場合をご覧ください。人件費は増加しますが、その他の経費が比例するわけではないため、店舗手取りは増加します。理論上はどんどん利益率が上がっていき、「分院展開」となるわけです。
これが、接骨院の「労働集約型ビジネス」です。

前段が長くなりましたが、何が言いたいかというと接骨院は拡大するほどトップが儲かる仕組みなのです。だから、中には私腹を肥やす(いや、肥やしまくる)タイプの社長も出てきます。

就職先で必ず社長をみてください。

・社長だけが年収3,000万円、スタッフは年収300万円。
・社長だけがBMW、スタッフは軽自動車。
・社長だけがいつも良いものを食べに行き、スタッフは弁当。
・しかも技術が学べない。

なんて事もあるのがこの治療院業界です。
そんな職場に就職するなんて時間の無駄ですよね。

同時に売上をつくらなければ自分の給与は上がらないということも覚えておいてください。たいして売上をつくれないのに「給与がほしい、休みがほしいは成り立ちません。

給与と等価値のもの


給与が高い低いで職場をはかるのは分かりますが、同時に覚えておいて欲しいのは時間も給与と当価値ということ。そして、裁量も。

整骨院の現場からスタートし、10年経っても給与も仕事も変わらない人がいます。
しかし例えば
①結婚をして17時までの勤務に切り替えた人
②現場の若手を育てる側にいった人
がいた場合、給与が変わらなくても①の人は勤務時間が短縮され(時間を手に入れ)②の人は意思決定ができるように(裁量を手に入れ)なりました。

①勤続10年:給与28万円/勤務時間9時〜21時
②勤続10年:給与28万円/勤務時間9時〜17時(時間を得た人)
③勤続10年:給与28万円/現場を離れスタッフ教育に専念(裁量を得た人)

これが給与と等価値という意味で、
何も会社からの評価はお金だけではないという事です。
そしてお金以上に価値のある時間と裁量をとれた人はより会社にとってなくてはならない存在になるためここから給与もガンガン上がっていく傾向にあります。

仕事が楽しい=意思決定ができる


裁量というのは意思決定を自分でできるということ。
治療院業界は退職金もなければ拘束時間も長い職業です。
でも「幸せになれる仕事」だと私は思っています。

・目の前の人に感謝される
人とのコミュニケーションを医療面からしっかりはかれる
自分次第で給与はどんどん上がっていく

この仕事につくなら
「絶対に楽しく仕事をしなければいけない」
とすら私は思っているくらいですし、この点において何て羨ましい仕事だろうとすら思います。

ある程度治療ができ、会社で結果をだしてくれば次により人生を豊かにするためにももっと仕事が楽しくならないといけません。
それが意思決定です。

・院長として今後の方向性を決めていく
治療をより深掘りするために新しい技術を自分で選んでメニュー化する
会社の規模を上げるために人事となり採用人数にコミットする

自分でやり方を決められると結果がより求められますが、
それが仕事をより楽しくし、よりキャリアをあげていくことにつながっていきます。

【余談】業界のコンサル・セミナーについての筆者偏見


接骨院業界のコンサルは100人以上います。

「個人売上200万円達成した方法を全て公開します」
「半年先まで予約が埋まる新患対応とは」
「自費に完全移行する方法」
など、一度は見たことがあるのではないでしょうか?

普通に考えると「そんなにすごいなら自分でやれば?」と思いませんか?
コンサルをしたい方の思惑はこうです。
労働集約には限界があるので他にお金を稼ぐ方法を探したい」です。

私の知り合いの社長が言っていた言葉をみなさんに送りたいと思います。
今は治療家が治療家を食う時代」です。

正直な話、どの治療院もそんなに儲かってないため売上をあげる「やり方」に固執してしまう人がとても多い実情を目の当たりにしてきました。

しかし、『本物』だと私が思う治療院で、広告をみてコンサルを依頼したなんてケースは今まで1度も聞いた事がありません。売上を伸ばすには、「人材採用」「技術教育」「組織文化」「ホスピタリティ」「会計」「マーケティング」の全ての変数を社長自らが意志を持って全力で取り組まないといけません。最強だなと思う治療院組織は社長の圧倒的な背中があるものです。これが「あり方」です。

Chapter4. 治療院業界の職場の決め方

治療院業界には、学校で教わること現場でやることにかなりギャップがあることが多いです。学校では、医師と同じ教科書を使って、骨折の整復の仕方や解剖、生理学などの基礎医学を学びます。でもいざ就職して現場に出てみると、実際にやることは、保険を使ったマッサージ屋さんのような仕事であることが多いです。

保険適用外の疾患に対しても、首の捻挫だ、肩の捻挫だといって、保険診療を得るために理由をつけていくことに抵抗やギャップを感じて辞めてしまう方も数多くいます。
その一方で、整形外科で治らない慢性的な不調を抱えている方が行き着く場所でもあり、需要は大きいため、拡大傾向にあります。
志を持ってこの業界を目指したのならば、将来自分がどうなりたいか、自己分析をしっかり行って、働く場所を自分の目で選んでいくことが大切です。


就職先を選ぶ2つの基準と3つの条件


鍼灸接骨院での就職を考える際に大切なのが、次に紹介する「2つの基準」「3つの条件」です。それぞれ解説していくので、就職・転職活動の参考にしてください。

基準①労働条件


まずは、あなたの価値観を元にこれは譲れないという労働条件を3つ洗い出しましょう。この時に挙げる労働条件は目に見えるものにしてください。他者に助言を求めるのはナンセンスです。じっくりと自分に問いかけてみましょう

【目に見える条件の例】
日曜休み、給与は25万円以上、週休2日、有給休暇は年10日自由に消化したい…など

ここでよく聞かれるのは、何が普通か?という学生ならではのシンプルな疑問。
一般的な基準と考え方は、下記のとおりです。

A. 給与:24〜26万円(首都圏の平均)

一般的な給与は上記程度になります。但しみなさんも月給28万円以上の求人をみた事はありますよね。ここで注意は3点。
①昇給があるか(5年目の先輩に給与を聞くのが一番早い)
②年間休日との比較(夏休みと冬休みの確認。有給休暇が年間休日に含まれているケース多数)
③何が学べるか(年収50万円増をとるか、年収500万円増をとるか)

B.年間休日:105日

週休2日などをみるのではなく年間休日で計算をしましょう。
◎完全週休2日制=年間104日(土日が全部休日)
◎月8休み=年間96日(月に8回好きなところを選択)
◎祝日休み=年間休日+16日(GWがある)
◎長期休暇=夏期休暇3日(8月13日〜15日)/冬季休暇5日(12月30日〜1月3日)

【重要】
①有給休暇は年間休日に含まれない
②計画的有給休暇の有無(有給休暇の半数を会社側が指定できる)
∟夏期休暇と冬季休暇が有給休暇として消化されている可能性がある。

C.勤務時間:8時30分出勤〜13時30分/14時45分〜20時45分

上記のような勤務時間が実際の現場ですが、求人票には
【9時〜12時30分/15時〜20時(休憩2時間30分)】と表記されています。

【重要】
必ず実際の出社時間と帰宅時間を確認しましょう。

基準②理想の治療家像


次に「治療家を目指した純粋な志望動機」について、もう一度確認しておきましょう。

【志望動機の例】

・自分が過去に怪我をして治してもらった経験から治療家を目指した
・不定愁訴を鍼灸で治療したら改善した経験から治療家を目指した
・サラリーマンの時に腰痛がひどく接骨院で治療をしてもらった経験から治療家を目指した
・スポーツに関わる仕事を探していた

その治療院を選んだ理由と、理想の治療家像が極端に離れていると理想の職場に近づくことはできません。気づいた時には「なんで私、この仕事をやっているんだろう」と数年後に泣きをみることに。これまで1万人近い治療家のみなさんの相談に乗っていますが、そこを間違えてしまったせいで引き返せなくなっている方を何人も見てきました。

就活をしているとついつい「目に見えるもの」に注目しがちですが、私は基準②の「目に見えないもの」を優先して就職活動していくことが大切だと考えています。
それはなぜか。大切なのは今ではなく10年後だからです。

断言します。今は何もできなくてもそれで良いです。しかし10年後には何者かになっていなければ治療家を続けるのが難しくなります。それどころか「もう治療家はいいや」とあなたは自ら業界を去ることになります。長い目で見ると、基準②の目に見えないものを重視して、どれだけ質の高い経験をつめるかを見極めることが重要なのです。

基準①②が設定できたら、さらに「3つの条件」を設定します。
次の条件①~③の項目を元にあなたの理想の治療院を思い描いて見てください。

条件①:治療方針について


【条件②社長について見るポイント】

・尊敬できる人間性があるか
・どのような経歴を積んできたか
・共感できる考え方を持っているか
・仕事への向き合い方はどうか

条件②:社長について


【条件③会社について見るポイント】

・売上への意識の高さはどのくらいか
・治療の方向性は合致しているか
・キャリアアップを望むなら、それに応えられる土壌があるか

これらの条件は、実際に職場見学面接での質問などでクリアにしていきましょう。
自分がどの条件を優先度の高いものとしていくかにより、職場選びも変わってきます。

条件③:会社について


【条件③会社について見るポイント】

・売上への意識の高さはどのくらいか
・治療の方向性は合致しているか
・キャリアアップを望むなら、それに応えられる土壌があるか

これらの条件は、実際に職場見学面接での質問などでクリアにしていきましょう。
自分がどの条件を優先度の高いものとしていくかにより、職場選びも変わってきます。

担当制について


近年接骨院は担当制への移行と、決して担当制にはしないという二極化が進んでいます。
最初の就職・転職先に求める条件として、

・担当制
・高単価(完全自費)
・拘束時間が短い

などはよくありますが、こういった条件を満たす治療院では結果が非常に求められます。
記念日にちょっと高級な料理を食べに行って美味しくなかったりサービスが悪ければ、当然高いお金を払ってわざわざ行かないですよね。
結果を出せるようになるまでは臨床経験が不可欠です。臨床経験を積ませてあげるために集客を行いコストを割いていきます。ここで最も大きな会社側のリスクが「患者さんをもって近くで開業される」という事です。なのでこんなリスクを背負いたくない治療院は担当制にはしません。

" 患者さんがこの日に来たいって言ってるのに、あなたが休みだったら治療に来れないでしょ?出勤するわけにもいかないでしょ?だからうちは担当制じゃないんだよ。ちゃんと休んでほしいからね。"

このように言う院は、よくあります。
しかし、高単価を達成するためにはある程度「属人的」な要素もまた不可欠です。
「あなたに治療してもらいたい」
こんな言葉を患者さんにいただけたら、嬉しいですよね。

「今日はデニーズで奮発しちゃうか」
「あの大将の寿司を食べにいくか」

こんな違いが治療院にもあるという事ですね。


2023年4月入社組に聞いた「ブラック治療院1位は?」


その会社の求人票に書かれている勤務時間はこうです。

平 日:9:30~20:30

ただ実際にはなんと【7時出社〜夜の2時帰宅】なんて事が続いたとのこと。
なぜこのような事が起きるのか?それは治療以外の事に時間をとても使うからです。

【治療以外に行う業務例】

・カルテ記入
・システム入力
・新患獲得の準備(無料体験会ラッシュ)
・離反対策

このような業務は、求人票に記載されていないことがほとんどです。しかし多くの会社で勤務時間が求人票とは異なる事が起きています。良いか悪いかを判断するのはあなたですが、こんな理由で転職するのは少しもったいないですよね。就活時に治療以外の業務について確認し、ある程度予想すればこのあたりの判断もしやすくなります。

会社が取り組むリファラル採用


「人を採用する」には本当にお金がかかります。一番良い採用手法は、スタッフの紹介(=リファラル採用)で、友達や後輩を連れてきてくれる事だったりします。
本当に良い治療院なら友達や後輩に自信を持って自分の治療院を薦められますよね。

でもこの業界で行われているリファラル採用は少しシステマチックです。具体的には、

・何人の子に声をかけるか
・何人を見学に連れてこれるか
・内定を出したら報奨金(10〜30万円)

などの仕組みを導入しているところも少なくありません。
そしてこれも、会社から与えられるノルマになっていたりするケースもあります。
だからこんなあるあるがあります。
「友達に誘われて入社したけど、その友達はもうとっくに辞めました。」

学校とグループ院


なぜ治療家を目指す50%以上の学生は大手グループ院にいくのでしょうか?
出会う治療院が大手ばかりであり、学校の先生からも大手を勧められるケースをよく耳にします。そもそも学校の先生は就職に対してどのような態度でしょうか?
就職課を設置していない学校もあるくらい、正直なところ「興味がない」のではと個人的に感じています。

学校側は、卒業生<入学生が大事で、毎年学生の確保が大変です。
そのため、重要視しているのは、

・国家試験合格率
・就職率

です。合格率を上げるために今では卒業試験が国家試験よりも難しくなった学校が多数あります。そして就職率は放っておいても100%を達成できる売り手業界です。
だから外部の人間に任せて就職ガイダンスを行ったりする学校も多いです。

学校の先生は、業界の求人をそこまで深く把握できていない事が、正直とても多いです。
その結果、「とりあえず大手に入社しておけば安心」などと生徒に伝えたり、嫌だったら辞めればいい、もしくはその反対の大手批判をしているように見受けます。

自分のケツは自分しか持ってくれません。
悔いのない就活をするために、学校や先生が教えてくれることを鵜呑みにするだけでなく、自分の足で動く事がとても大切です。

Chapter5. 【独占】「グループ院?個人院?」自分にあった治療院の見分け方

就職先は「大手か個人か」で判断するのはNO!


治療院は全国に10万件以上ありますが就職先候補として出てくるのは多くても10社程度だと思います。しかしその10社の見分けがつかない・・・なんて事ありませんか?

もしかしたらそれはポジションB 【THE グループ院】 の中だけで比較しているのかも。

「個人院は悪いイメージがある」というのはよく聞く言葉ですが、あなたがこれから入社する会社の社長は恐らくこの個人院で修行してきた人だと思います。
最悪な治療院も、最高の治療院もこのポジションC THE 個人院 の中にあります。

いえ、もっと言います。
「大手か個人か」で判断する必要はありません。全ての治療院はこの4つのポジションに分かれています

「どのポジションが自分にあってるか分からない」と思った方。
安心してください。職場適性検査も用意していますよ。これを行う事で自分の理想のポジション判定を行えます。

ポジションシートの見方


①縦軸に「規模感」
②横軸に「スキル」
を置いた時に下記の4つのポジションに区分けが可能です。

今まで「個人院は〜、大手は〜」って言っていませんでしたか?
そこに横軸を追加してあげてください。

職人+グループ院 ⇒ 【ポジションA】
マニュアル+グループ院 ⇒ 【ポジションB】
職人+個人院 ⇒ 【ポジションC】
マニュアル+個人院 ⇒ 【ポジションD】

が出てきます。ここから、それぞれのポジション別に長所と短所をみていきましょう。

治療院はその特徴から、大きく4種類に分類できます。業界を知るためにまずはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。

優良治療院【ポジションA】(職人+グループ院)


優良治療院には下記の特徴があります。

<GOOD POINT>

・会社愛の強い先輩多数
・平均勤続年数がかなり長い
・技術力中心の運営バランス
・ノルマなどはない
・社長がコテコテの治療家
・勉強会は99%治療系
・トレーナー業務がきちっと整備されている(もしくはトレーナー業務がない)

<BAD POINT>

・スタッフの中間層(3年目〜7年目)に離職が目立つ
・採用倍率が高い(年間採用人数が規模感に比べ少ない)
・勉強会で帰宅時間が遅くなりがち(「早く帰れる様に取り組みしている」「昔はもっと遅かった」と言いがち)
・休日出勤がたまにある。
・治療以外の事に疎いので、人が足りていなかったりWEB関連・集客関連に少し弱い傾向

>>>「適性診断で自分にあった院タイプを知る」

グループ院【ポジションB】(マニュアル+グループ院)


グループ院には下記の特徴があります。

<GOOD POINT>

・数値管理ができるようになる
・教育コストが非常に高いので研修は楽しくできる
・利益がしっかり出ている。(しかし、その利益をどう分配しているかで会社の傾向がよく分かる)

<BAD POINT>

・上手くいっているグループ院のやり方をまるパクリしてオリジナリティのないグループ院がある。(オリジナルの方に就職すべき)
・運営スタイルの傾向をしっかり把握する必要があるが、ほとんどの人は見抜けない。会社も隠す傾向あり。
・トレーナー業務が自腹だったり休日参加だったりするので入社後に意欲がなくなってしまう子が多い。
・質の低いグループ院ほど保険を使ったマッサージ屋さんの傾向。
・治療家を目指していたはずが、気づいたら素晴らしい営業マンになっていることも

>>>「適性診断で自分にあった院タイプを知る」

個人院【ポジションC】(職人+個人院)


個人院には下記の特徴があります。

<GOOD POINT>

・院によって天と地ほど「質」の差がある
・質の高い個人院で働けば成功は目の前
・個人の意見を取り入れてもらいやすい
・大手の接骨院が目の前に出されても怖くないメンタルが手に入る

<BAD POINT>

・副院長までしか役職がないため給与の天井は決まっている
・質の低い個人院でも求人は出しているので質を非常に見抜きにくい
・有休は非常に使いにくい
・人が必要だが足りない状況なので、求人票には条件を上振れして記載していることが多く、トラブルになりがち
・治療の質が見抜けないので3年後の自分が井の中の蛙になっている状態に絶望する事がある

若手社長院【ポジションD】(マニュアル+個人院)


若手社長院には下記の特徴があります。

<GOOD POINT>

・大手グループ院から独立した先生がほとんどのため、当時のマイナス面(勤務時間や給与)はグループ院より良いことがほとんど
・働きやすい環境の可能性が高い
・全体的に条件が良い
・良い子良い子しながら育ててくれる

<BAD POINT>

・仕組みがアップデートされない
・分院展開を積極的に仕掛けないのであれば給与は決して上がらない
・勉強会などが少ない(残業が少ない)
・言われた通りにすれば良い環境
・成長のチャンスが少なめ


ポジションシートについて


このポジションシートはどの治療院の先生に伝えても絶賛してくれます。
ただあまり良い顔をしない先生もいるのが事実です。「余計な事を言ってくれるな」といったところでしょうか。

ただ重要なのは「優良治療院」という言葉ができたのはこのシートがうまれる前からでした。

技術をこんなにも大事にしているのに組織として展開してるのが凄い。だってあの5年目のスタッフはスキルも随分とついてきてそろそろ院長にしてあげないといけないだろ。給与もあげないといけないんだから。それをうけてスタッフも院長への挑戦をとても嬉しく思う様子。そんな会社に限って夜は終電だったり休みも少ないんだよね。なのにスタッフが辞めない。むしろ会社、社長との絆がめちゃくちゃ熱い。

個人的に大好きな治療院群です。

【超重要】「効果提供」の仕組み化と個人スキル


では自費治療に取り組んでいればいいのか。答えはNO。絶対にはずしてはいけない考え方を教えます。

治療院業界での「自費治療」というのは「効果提供」と「使役提供」という2つの考え方に大きく分かれます。まず「効果提供」というのは症状改善を目的とし短時間で治療を行うものを指します。一方で「使役提供」というのは、例えば「60分」という時間を決めて、もみほぐしなどのサービスを提供する形のことをいいます。

最初に伝えておくと、必ず「効果提供」をしている職場に入職してください
なぜなら使役提供の代表は「60分2980円」という大阪でうまれ、その後全国に展開された資格不要のリラクゼーション領域がライバルになります。安いという理由で来院される患者さんが多いのは臨床を積むには悪くありませんが、将来的にみるといつかは「短時間、高単価」に変化せざるを得ませんので最初によりレベルの高い(習得が難しい)職場に挑戦しておいた方が10年後に圧倒的に楽です。

「効果提供」は、職人のようなスキルが必要なことが多く、個人の能力によってサービスの質に差が出やすい傾向があります。治療家を目指すのであれば適切な「効果提供」ができるか否かが大きな分かれ道です。

この効果提供に取り組む治療院は大きく2つに分かれます。
それが【再現性がある】か【ない】か、です。
これは習得に時間がかかる、かからないとも置き換えられます。

再現性とは、いつ・誰が・どのように提供しても同じ効果がでるという事です。でもこれって難しいですよね。だから【機械】を使います。代表的なものは

・ハイボルテージ
・トムソンベッド
・EMS(高周波治療器)

などが非常に有名です。
機械を利用することで誰が治療をしても一定の効果を得ることができるので、治療家は治療以外の事に注力する事ができます。それが「しゃべる練習」というやつだったりしますね。

再現性の低い治療というのは
「あそこの院長はゴッドハンドよ」
などの口コミがでるような、院長にしかできない治療だったりします。

ただ実は「何をしているか」(治療方法)は重要ですが「どこを治療しているか」(鑑別)「誰がしているか」(患者さんとの関係性)も非常に重要です。ただ、いずれも再現性は低くなります。

つまり当社が最も重要だと考える就職先に求める条件は以下の2つになります。

①自費治療への取り組み
②習得に時間が掛かるものが学べる

治療家を料理人に例える:デニーズへの就職


治療家を料理人に例えてみると専門性の違いが分かりやすいと思います。料理人になりたい多くの人は「一流の料理人になってオリジナリティのある料理で多くの人を喜ばせたい」と言います。

治療家を目指す若者も同じで「自分の経験と理論による施術で多くの人を元気にしたい」と思っているはずです。でも実際にそうなれる人はほとんどいません。
なぜなら、学生を対象とした就職ガイダンスに来るのは、全国に展開をして均一的なサービスを提供している大手のグループ院ばかりだからです。

ここに就職するのは、料理人としての腕を磨き、一流の料理人になりたかったはずなのに、いきなりデニーズに就職してセントラルキッチンで働くのとほぼ同義です。

デニーズと個人店の一番の違いは「セントラルキッチン」で作られているか否かにあります。セントラルキッチンで作ったものが冷凍され、各店舗に運ばれるシステムがあるからこそ、どこでも同じおいしさと品質の商品を提供することができるようになります。
しかしそれは、素材を1から吟味して、お客様の好みやニーズに合わせてオリジナリティのあるものを提供する「道」とは異なります。なぜなら、冷凍食品の調理は誰でもできるからです。できるでしょ?

治療家さんに話を戻すと、それぞれの患者さんにはそれぞれ違った症状があるわけです。治療家は、患者さんの状態を見極めて、適切な治療を施さなくてはならない「なんでここに痛みがあるのかな」というのを一度自分の理論に落とし込んで、ああでもない、こうでもないと確かめながら、可能性を探っていくことが必要なんです。この鑑別という考え方が治療家としての成長にはすごく大切なのです。

では、大手グループ院はそこをどうしているの?という話になりますが、答えは単純です。すべての人に対して「体に歪みがあります。」という売り文句を使って営業をしているのです。そして、患者さんを機器などを使った再現性のある治療へ案内する。これでは個人的スキルが伸びるはずがありません。

新卒が1人vs新卒が100人入社する治療院


これからあなたが入社しようとしている治療院には、何人の同期がいるかご存知ですか?
1人ですか?
10人ですか?
100人ですか?

まず知っておいてほしいのは、就職先の治療院で
【1人×約40万円】の人件費がコストとして増えるという事です。

これは例えると、10人採用する会社は月に400万円程度の人件費が上乗せされるという事です。これだけの人件費は、個人院(2店舗以下)であれば絶対に不可能な数字です。

「治療家になる!」と皆さんは意気込みますが、資格取得後どれくらいで一人前になれると思いますか?「目の前の患者さんの治療を1から10までを1人で対応する=一人前」が前提です。

何となく3年程度は掛かりそうなイメージを持ちませんか?

そんな一人前になる前の人材を100人も採用するグループ院は、なぜそんな人件費を捻出できるのか?
それは1年も掛からずに1から10まで1人でできるようになるからです。早いところでは2ヶ月目にはできるようになっていることもあります。

それはなぜか。
センターキッチン再現性が関係しています。
痛みの原因は骨盤。痛み自体にはハイボルテージ。回数券売って通院指導。

私の会社がだした統計では、95%以上の人が職人的な治療家になりたいと言っています。しかし、なぜか「一流の料理人になる」と言っているにも関わらず「デニーズに入社している」のがこの業界の謎であり、闇だと思っています。

地域に愛される個人のフレンチ店は100人採用しないですよね?

知らないでは済まされない不都合な真実


なぜ理想の治療家像をもたなければいけないのか。
それは就職先で想像もしていない事態に直面するからです。

一昔前のエステ業界は、
「駅前で声を掛けるなどでお客さんを引っ張る」
「その後アンケートなどを書いてもらうなどで個人情報を引っ張る」
「クレジットカードの上限金額を調べて買うまで返さない」
などのような事があり、社会問題にもなった事があります。

2021年3月、ある接骨院グループが経営破綻しました。
前代未聞の年間100店舗出店など、テレビCMをはじめ今までにない取り組みをして業界の注目を集めていた企業です。その会社は柔道整復師しか採用しませんでしたが、採用基準は「柔道整復師」免許しか問われませんでした。
この企業がおこなっていたのが【痛みの原因は骨盤の歪み】理論です。

【痛みの原因は骨盤の歪み】理論とは

全ての痛みの原因は「骨盤の歪み」です
 ↓
症状は「歪み」から神経を圧迫しているから
 ↓
歪みをとる根本治療をしましょう
 ↓
整えた骨盤が再度歪まないようにインナーマッスルを鍛えましょう
 ↓
お得な回数券がありますよ(約15万円/3ヶ月)※営業

スタッフ不足、返金過多で資金繰りがうまくいかなかったのが破綻の大きな理由でしたが、ここからいくつか学ばなければいけない事がありました。

①患者さんは高い金額を出しても治したいと思っている
②仕組みがあれば「あなた」である必要はない
③今でもこの仕組みを利用している治療院は多数ある

という事です。
そしてこれは求人には出てきません。
また、就職ガイダンスに参加している企業でもあったりします。

そのため何度も言いますが、
どんな治療家になりたいかをたくさんイメージして、
現場を見学して、先輩と話して、社長と話して、比較して、決めなければいけないのです。

「あなたが就職する会社の当たり前は、将来、あなたの当たり前になる」のです。
気づいたときには、"優秀な営業マン" になっているかもしれませんね。


Chapter6. 約95%の企業(治療院)は合同就職ガイダンスに参加していない現実

合同就職ガイダンス


企業が全国の学校を周る「合同就職ガイダンス」が全国で行われていますが、そのガイダンスに参加している企業の顔ぶれは、毎回ほぼ同じ “いつもの50社” です。どのガイダンスにもこの50社は必ず参加しています。

接骨院業界の求人は、新卒採用したい治療院は1,000件以上ありますが、この50社以外はガイダンスに来てさえいません。ガイダンスに来るのは、全体の5%以下程度。つまり、ガイダンスだけで就職先を決めてしまう学生は、他の95%を見ていません。

95%の接骨院が就職のガイダンスに参加しない理由は単純で、時間的、人的リソースがないからです。就職ガイダンスが行われるのは、平日の昼間なことが多いので、中小個人院の社長は現場に出ており、参加が難しいためです。

また大手グループ院は、お金と時間をかけて何十人、何百人と新人を採用していきますので専属の人事が会社のPR方法を上手に行い、また動画PRや綺麗な会社案内を徹底準備しています。これは、資金力のない中小の治療院ではなに1つ真似できないことです。
しかし、先ほども触れましたが、そのような現場は、売上至上主義傾向が強く、センターキッチン方式で運営されています。そう言った場所に長くいては、技術力を育成する面での弊害は避けられないと覚えておいてください。

紹介会社


もうひとつの就職手段として挙げられるのが、紹介会社を通した斡旋です。こうした会社は「あなたの希望を聞いて、いいところを紹介するよ。」というスタンスですが、彼らにとっての顧客は、あくまで求職者個人ではなく、企業側です。こうした紹介会社は、あなたを紹介し、採用されるだけで、あなたの年収の30%を手に入れることができます。

逆に考えれば、企業側は1人採用するだけで100万円(年収300万円と仮定した場合)を紹介会社に払わなければいけないのです。小さな接骨院は、このような負担の大きさから、紹介会社を使えないことが多いのが現状です。(利用した方は分かると思いますが、極端に大手ばかり紹介され、大手の良い点ばかりを聞かされたりします。)

自分の足で就活する事は贔屓目にみても業界にとって非常に善な行為です。
不用意な紹介会社の利用はやめましょう。

《紹介会社を使ってもいい人の特徴》※当社の基準です

・就活を過去に失敗してもう絶対に失敗したくない
・相談にのってくれる人が誰もいない
・比較ができない
・一流の治療家になりたい
・中小個人院に就職したい
・ブラック治療院を排除したい
・プロに相談したい

求人サイト


求人サイト経由で採用が決まった場合も同じように、成果報酬型で1人に対して、数十万から100万円単位のお金が、接骨院から大手広告代理店などに支払われています。
とはいえ採用するにあたっての必要経費なのでサイトを通さないと意固地になる必要はないので悪しからず。

採用予定人数と新卒人数


2023年の柔道整復師の合格率は49.5%で、約2,200名の柔道整復師が新たに誕生したことになります。しかしながら、就職ガイダンスに出てくるような大手50社の求人だけでも3,000名を超えている状況です。つまり、この業界はもうすでに深刻な人手不足になっているのです。

採用に関するコストは個人院では0円の治療院もあります。
逆に1億円以上かける治療院(グループ院)もあります。

ここで大切なヒントですが

「店舗数」 対 「採用人数」

を見てみてください。

比率が1:1なら大きな問題はないと考えられます。
また状況(出店計画など)にもよりますが
店舗が10に対して20人採用しているとなると相当多いと感じます。
離職が先行しているケースがあるので、事業計画(条件③会社のこと)を必ず聞いてみるようにしましょう。

Chapter7. よい治療家になるための心構え

お金を払う立場から、もらう立場に


今まで学生の皆さんは、お金を払って教えてもらう立場でしたが、これからは、お金をもらう立場に変わります。就活ではよく言われることですが、この言葉はこれから治療家になろうとする皆さんの「覚悟」を問うています。

その覚悟とは「やり抜く覚悟」です。「あなたは、これからの未来を通じて、患者さんの利益にしっかりと貢献していくことができますか?期待をしてもいいですか?」と問われているのです。

経営者は「今は未熟な存在だけれども、これから誰よりも頼られる治療家になります。それまで少し待っていてください。」という覚悟をあなたの口から聞きたいです。
将来のビジョンを聞かれた際には、しっかりと覚悟を持って思いを伝えてください。そうすることで、同期の中でも頭ひとつ分抜けた存在になる=華麗なスタートダッシュを決めることができます。

発信は自分から


業界に入ったら、分からないことは自分から積極的に聞きに行きましょう。例えば「明日から新人研修があるよ。」と言われたとしたら「いつどこでやるのか」と言う具体的な情報を引き出すようにしましょう。

新人研修の連絡をしてくれる部署がある治療院なんてほとんどありませんし、先生たちは忙しい中で研修スケジュールをあけてくれている方がほとんどです。分からないと思ったら、ちゃんと自分で確認したり、分かるまで質問するなど、自ら発信する癖をつけましょう。自分が他の研修生を引っ張ると思う気持ちが、治療家としての主体性を育てる第一歩になります。

LINEはすぐに返信しよう


LINEは返事をすることが基本です。
これはグループLINEでも同じことで、既読がついたからOKではなく、必ず返事をしましょう。未読スルーは特に心象がよくありません。急ぐ必要はありません。すぐに返せない場合は、「今、〇〇で手が離せないため、◯時ごろにお返しいたします。」「すみません、〇〇なので返信が遅くなりました。」ときちんと理由を説明すればよいのです。堂々と既読をしてもいいので、その日のうちに返信することが大事です。細かなことですが、こういうルールを持っておくことは信頼構築のためにはとても大切です。

1番最初に出社しよう


私は、一番最初に出社することは戦略的なメリットがあると考えています。何も、1時間前に到着しろという訳ではなく、ギリギリではなくて、今より5分早く来るだけで、あなたに対する周りの印象が変わります。

先輩たちよりも遅く来ると言うのは、やはり心象が良いものではありません。上は、やる気があると思う人間にチャンスを与える、逆にいえば、チャンスは自分から作り出せると言うことなんです。早く来なくても、時間内であれば、誰も何も言いません。けれど、みんな思うところがある。これが重なることで、マイナス10かプラス10くらい違います。

できない事を放っておかないようにしよう


「分からないことある?」ときかれても何も出てこない人は、要は「分からないことが分からない」状態です。この業界は、マニュアルも教科書もないことが多いですが、でもそのときそのときで、やるべきこと、やれることはちゃんとあります。あなたがそれを見つける努力を怠っているだけです。

指示待ちの状態もよくありません。業界内では「手が空いた時には、まずは受付に立って、患者さんの名前を覚えて、声かけをしていこう!」というような明文化されていない接遇やルールがたくさんあります。社長や先輩のやっている接遇をまずは見て、分からないことがあれば、質問しながら身につけていきましょう。

年長者、とくに社長さんの多くは、若い人から質問を受けることが得意です。例えば「私は、患者さんの名前も覚えてきたので、何かもう1個やりたいんですけど、何がいいですかね?」など先輩に相談してみるのもよいでしょう。特に、10店舗以下ぐらいの中小や個人院に入るのであれば、このぐらいの積極的なスタンスで実行していくことが将来大きな差になって現れます。

掃除は誰よりも綺麗にやろう


せっかく仕事ができても掃除ができない人は、無駄に評価を下げてしまうことになります。「一時が万事」という言葉がありますが、仕事だけできても、掃除がすごく雑な人は「せっかく仕事ができるのに、残念」とマイナス評価をされやすいのです。逆に、すごく掃除が丁寧で隅々まで綺麗にしている人は「あの子はこれから、すごく成長する!」と実力よりもプラス評価をされることが多くあります。

「神は細部に宿る」という言葉が示すように、仕事も細部に宿ります。細かなところに気づける人は、仕事もやっぱり丁寧なのです。ルールではなく、モラルで動く。ゴミが落ちていたら拾う、邪魔な 荷物が通路に置いてあったら移動させる。こういう気遣いのできる人は、重要な判断を任せられる人に成長していくんです。

仕事だからと一線を引きすぎて、傍観者に徹していても、自分が損をするだけです。新人が完璧にできるのは掃除くらいなもの。だからこそ、そこを徹底的に綺麗にしてやろうという気概は間違いなく見ている人に伝わります。

他責ではなく自責思考が大切


転職の時の面接などで、よく退職理由を聞かれます。「なんで辞めたんですか?」と言われた時に、「先輩がどうとか、社長がどうとか、取り組みの仕方が、給料が〜」などいろんな理由を並べる方がいらっしゃいますが、まず大前提として、その職場を決めたのは間違いなくあなたです。自分に責任がないかって言われたら、決してそうではないことを心得ましょう。

辞めた理由を、自分以外の「外」に向ける人はどんな理由であれ、あまり良くは見られません。なぜなら、企業側は相手(退職した会社)の意見を聞くことができないからです。僕自身、みなさんの転職理由をシンプルに受け止めることはしません。転職者が言うことが全てであることはありえないからです。

だからこそ、あなたは中立的な存在でいるべきです。そのためには他責はよくありません。少なくとも自責であれば、 どんなに自分が悪かったと言っていても、それも全てではないと判断します。失敗を謙虚に受け止め、まずは内省することで必ず己の成長に繋がっていきます。全ては自分のためです。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を体現できる存在になってください。

就職に失敗したら辞めれば良い。はホント?


就職して1年以内に辞めるのはどんな理由であれネガティブな印象を与えます
なぜなら、納得してその会社に入る事を決めたのはあなた自身だからです。

なぜ1年以内に辞める事になったのか、説明はできますか?
そこにあなたの責任はありませんか?

退職理由を自責で考え、次に活かす覚悟をもつ事ができるのであれば、個人的には辞めたって全く問題ないです。

しかし、就職活動をサボって失敗してるのであれば、
同じ失敗をしないためにあらゆる方法を探して失敗しないようにしましょう。
「自信」とは「自己信頼」という四字熟語から成っており、自分への信頼を最もなくす行為が自分との約束を破る事です。
履歴書が汚れてしまうのはあなたにとって良い事ではありません。

Chapter8. 学生必見!転職理由あるある

入社したら院長が激変した


これは“超あるある”です。多くの院長は、患者さんに対しての外面が良いです。患者さんへの対応とスタッフへの対応が全く同じ院長のは珍しいと言っても過言ではありません。

しかし、相手により態度を変える院長に社員・部下は付いていかないものです。そのような院長が経営している院は、いずれも離職率が高い傾向にあります。社長自身が気づいて直さなければいけない部分ですが、なかなか直らず社員がが離職していくというループに入ってしまうのです。このような院長の元に就職してしまった方の多くは、人間関係で悩んでいたり、得たい技術力がいつまで経っても身につかないと悩んでいたり、残業時間が長くワークライフバランスが保ちづらいと悩む傾向が多いため、早めの離職、転職をすることが得策です。

売上しか見ていない自己中スタッフがいる


さまざまな考え方がありますが、ビジネスとして治療をする以上、治療の他にサプリなどの物販に力を入れている院ももちろんあります。
例えば、ある治療院ではサプリを売ったら1個あたり5,000円がもらえるインセンティブ制度があります。あるスタッフが、患者さんに見境なくサプリメント営業していることに対して、自分はそれは良くないと注意すると「売り上げと自分の歩合給を上げていくことしか考えてないから邪魔しないでくれ」と無視されたという話を聞いたことがあります。

この軋轢を引き起こしているのは、個人ではなく仕組みです。歩合という仕組みを取り入れる以上、それが患者さんのためにならないことであっても、売った人が得をする。それがどうしても割り切れないと感じるのであれば、やはり退職の道を選ぶことが必要だと思います。

みんな洗脳されているように感じる


会社のみんなが、朝7〜8時に出社して、夜23〜24時まで働いてる。それが本当に毎日で休日出社も当たり前なのに、なぜかみんな生き生きしていて「患者さんのために」と言っていて怖いと。これは、新卒の方がよく経験しやすい環境です。

他の業界を見たことがないから、これが当たり前だと思ってしまうんですよね。会社が言っているんだから間違いないと。そういうケースって実はすごく多いです。「患者さんのために!患者さんのために!」と言い続けていると、だんだんと感覚が麻痺して、それが当たり前になってくる。だからそうしない人間が逆に腫れ物扱いされます。

これは、僕の1つの考え方なのですが、集団の中の異物は、良くも悪くも結局は辞めます。 悪い人の集団の中に善い人は入れず、善い人の集団に悪い人も入れない。今あなたが「私は洗脳されてない!されたくない!」と思うのであれば、そこはあなたの居場所じゃない可能性が非常に高いです。

10年前の先輩が同じ給料


初任給は高いけれど、昇給や、賞与がないということはザラにあります。だから月給が28万円だ!30万円だ!と言われても安易に飛びついてはいけません。

確認できるのならば、先輩たちの給与も確認するべきです。もちろんこれ、オープンにはなってないので、なかなか調べようがないと思うのですが僕に聞いてもらえれば大体分かります。本当に入社から10年経っているのに、給料が変わっていない院はたくさんあるんです。

なぜ新卒の給与を高めに設定しているかというと、リクルートを優位に進めるためです。いい人材を採用したいから、競合他社よりもいい数字で気を引く。でもそのあとは、売上が伸びていかない、昇給制度が機能していないなどの理由で賃上げが行われないケースが多いのです。院長になれないなら、いつまでたっても、給与は360万のまま据え置きというように。

社会の基本原則としては、 役職が上がれば、給与が上がるという構造があるはずで、その会社で上を目指すことがお給料に比例していなくてはいけません。まずは売上をちゃんと立てる人間になることが大切です。継続率が80〜90%ある人間を会社は放ってはおきません。逆に言えば、そのような実力がある人は、ちゃんと給与が上がっているはずなんです。まずは、売上、そして、徐々に役職をあげていく、それが治療家として給与を上げていくための最低限の条件です。

唯一の希望「決算賞与」がない


残念なことに、決算賞与というものは本来、業績に応じて出さなくてもいいものです。でも多くは、求人票に「決算賞与あり」と記載があります。

「利益が出たら、その何%を決算賞与として支給する」決算賞与の規定がある院は良いです。けれど、殆どの院ではそこまでは明記していない。だから、今季はあまりよくなかったから支給なしと言われても言い返せないパターンが多いです。

決算賞与なしの裏側では、社長が高級車に乗り換えているケースもあります。そのような体制の経営者の元にあなたがいるのならば、早めに離れることをおすすめします。そんな社長のところにいても、いいことはありません。少ない利益の中からでも可能な限り、賞与を捻出しよう、そうやって社員のことを考えている社長のところに、入社すべきです。それを見極めるためにも、決算賞与の支給実績は入社前に絶対に確認しておくべきです。

トレーナーは休日返上で仕事をしている


この業界の1つの闇とされてるのが、スポーツトレーナーという分野です。なぜ闇かというと、スポーツトレーナーになりたい夢を持つ人はたくさんいても、実際にスポーツトレーナーになれるのはほんの一握りだからです。

さらに言えば、憧れのスポーツトレーナーになれたとしても、10年仕事を続けられる人間は1人いるかいないかです。スポーツトレーナーはそのくらい難しい道なんです。

大手グループ院などでは人を集めるために、トレーナーになれると謳っているケースもたくさんあります。みんなそれを信じて、大手に入っていく構図があるのですが、ビジネスモデルが確立していない職種なのに、みんなどうやってご飯を食べているのという話です。

よく耳にするのが、週末に中学校などでトレーナーを募集しているから休日返上で参加したけれど、実態はただのマッサージでテーピングすらさせてもらえなかったというもの。交通費も自腹です。それでもあなたは続けますかと聞かれたら悩みます。

だから、会社に入る前にその謳い文句に信憑性があるのか、否かを判断することが大切です。希望する院のトレーナー業務というのが何を指しているのか。具体的には、いつどこで、何を、どのようにやるのかまでちゃんと把握しておくべきです。

研修がない


接骨院って、絶対に人が必要なビジネスモデルと言われ続けています。だから、常にそれなりの求人募集がある。でもその接骨院のサービスの実態が、保険を使ったマッサージ屋さんだったりすると、研修も一切なしで「とりあえず患者さんに入ってみて」という流れになることも。

患者さんたちの自己負担額が、500円以下ぐらいで、15分から20分ぐらいマッサージしてくれる整体は、正直まだまだあります。どれだけ患者さんの回転率を上げるか、たくさんの患者さんをみれるかが売上に関わることなので。このような現場では、技術よりもコミュニケーション能力が重宝されることが多いです。 

例えば、「あのおばあちゃんは10年も通っているから大丈夫、行ってこい!」といった「習うより慣れろ」の世界がまだまだあるんです。でもその環境にずっと身をおいていると結局、マッサージしかやれなくなってしまうんです。マッサージをしてコミュニケーションをとって、というのを主な業務にしていたら、5年もすれば技術者としての転職のハードルはかなり高くなります。「今まで何やってたの?」と言われてからでは遅いです。だから、最初が肝心。ちゃんと質の高い治療を提供しているところを目指して下さい。

質の高い治療をやっている治療院は、どうやって探せばいいの?>>>

いつのまにかトレーナーへの熱がなくなった


そもそも、この業界に入ってくる方は、スポーツに携わりたい、その1つの手段として、スポーツトレーナーをやりたいと思っている方が非常に多いです。 ここまでは、すごく綺麗なストーリーなのですが、問題はここから先。蓋開けてみたら、 現場はただただ忙しくてノルマや売上を求められるという声をよく聞きます

さらに、拘束時間が長い業界なので、お昼休みも含めたら、平気で12時間、13時間の拘束が当たり前。加えて、休みの日にはわざわざトレーナーをしに行く。それも、ただのマッサージ要員だったりするんです。

そんな理想と現実のギャップのあまりの大きさに、トレーナーの道を諦めてしまう人は多く、業界からも離れてしまいます。
だから結果的には本当にスポーツトレーナーをやりたい、過酷な状況でもやり抜きたいという強固な意志を持った1%ぐらいの人たちがやり続けてる、それがスポーツトレーナーの現状なんです。

トレーナーを本当にやりたいのであれば、いつ、どこで、誰が、どのようにやるのかまで確認することが就活で道を間違えない絶対条件です。

詐欺?聞いていた話と違う


入社をしてみたら聞いていた話と違ったという話も山ほど聞いてきました。多くの方が気にする労働条件として「給与」「勤務時間」「お休み」の3つがまずあると思うのですが、給料が聞いていた話と違うというのは、正直あまりないです。

しかし、お給料に関わる昇給やキャリアアップの話になると、途端に多くなる。一般のスタッフ〜主任~副院長とステップアップがあり、それとともにお給料ベースもアップしていくと言うのが一般的な感覚です。しかし、キャリアアップが機能事態がしていない職場が驚くほど多いです。

単純に役職の枠もなければ、キャリアアップの審査もないから、いつまでたっても上にいけないし、お給料も上がらないそんな状態が続きます。逆もあります。肩書きだけは順調にアップして、院長になったのに、新人時代とお給料が変わらないケースです。

また、勤務時間に関してよく聞くのが、思っていたよりも拘束時間が長いケースです。多くの求人票にはその治療院の「診療時間」が書いてあるんですけれど、これが8時間なんですよね。午前は9時から12時、午後は15時から20時みたいな形です。でも実際には、開院準備もあれば、練習の時間もある、さらに、診療後のカルテ整理やお金の確認なども含めたら、ぜんぜん8時間では収まらないのです。

治療が「学べる」と聞いていたのに


人材不足の現代、どこの会社も人を集めるために「治療がしっかり学べる」とか「業界をよくする」みたいな売り文句を使ってきます。あとは「アットホームな職場です」みたいな表現も多いですね。でもこれらは全て他と比較ができない相対的な情報です。そういった根拠のない情報は、基本的に信じない方がいいです。

「じゃあ入る前には全く分からないの?」と言ったらそんなことはありません。私はその治療院で実際に患者さんとして治療を受けてみることをおすすめしています。自分で体験することで、先輩になるかもしれない方がどのように患者さんと接しているか、何を考えて、どんな提案をして来るのかを確認することができます。ちゃんと自分の体で感じて「この先輩がいるなら大丈夫だ」と感じられるところを職場候補にしてください。

気づいたら営業マンになっていた


一部の治療院には、とにかく売上目標を達成するためには回数券を売ってなんぼという考え方があります。最初に入った会社がそうだと、先輩たちも当然のように回数券を売っているので、自分もやらなくては、と営業に力を入れすぎてしまいがちに。

さらに「売上=患者さんの満足度」という考え方も背中を押して、自分は正しいことをしているんだ、頑張っているんだと錯覚します。でも治療家として大成したいなら、努力する方向はそっちではないのです。とくに若いうちは技術を学ぶ時期です。いつの間にか営業マンになってた…とならないように気をつけて下さい。

【余談:塩田が聞いた悲しい話】
以前、ある若い方の転職をお手伝いした際の事例です。その方は僕自身があまりお勧めしない治療院に転職することになったのですが、ご本人が前向きだったので様子を見ることにしました。

そしたらその後、彼は、1年も経たないうちに辞めてしまいました。「あんなに頑張っていたのにどうしたんだろう。」と思い電話をしたところ、あるおばあちゃんの話が出てきました。

おばあちゃんは、その接骨院に割と長く来られている方で、新人の彼のことも気に入って、信用して任せてもらっていたそうです。ところがある日、先輩に「あのおばあちゃんは、お前のことを信用しているから20万円の回数券を売ってこい」と言われたと。彼は「あの方には(回数券は)必要ないですよ。」と断りました。

しかし、後日、自分がお休みの日に先輩がおばあちゃんに20万円の回数券を売っていたことが分かり、落胆の末、退職を決意したとのことでした。自分の親だとか、おばあちゃんがこのような目にあってたらと思うと、すごく心が痛いお話でした。でもこういう現実があることを知らぬまま、就職する方は本当に多いです。

Chapter9. 筆者に寄せられるよくある愚痴や質問

ここからは、筆者に多く寄せられる疑問や質問、愚痴にお応えしていきますいこうと思います。

「理学療法士を取ればよかった。」


この2つは比較されやすい資格です。理学療法士(PT)と柔道整復師の間で、初任給に10万円ほど差があったりします。年収でいうとPTの方が120万円ほど高いです。

ただしこれは整形外科内での話しです。
ここだけを見て「私は理学療法士を取ればよかった。」と後悔している先生をたくさん見てきました。でも私はここで「そうじゃないよ。」ということを伝えたいです。たしかに、整形外科領域では、柔道整復師は理学療法士に給与面で勝てません。でも、整形外科領域で働く、理学療法士の方達の年収は400万円程度、たとえすごく頑張ったとしても500万円くらいが上限だと言われています。

一方、接骨院領域であれば、柔道整復師は年収面でも、立場面でも上限がなく圧倒的に有利です。理学療法士の先生方が給料を上げるために整体業界に参入してる例もたくさんあります。

「鶏口牛後」という言葉があります。
牛の尻尾ではなく、小さくてもいいから脳みそを司る頭になれ、という意味です。これは言い換えると「意思決定ができる状態」という意味です。
小さな意思決定から大きな意思決定まで、自分の裁量で行えるというのは仕事を楽しむために欠かせない要素と言えます。またそこを超えた先に大きな報酬が待っています。

理学療法士の方々が整体業界に入るのは意思決定を自分で行い、より大きな報酬を求めているからです。つまり、この領域のライバルはまさに接骨院・鍼灸院と言えます。
ここから先は資格なんて一切関係のない、実力が試される環境ですね。だから資格は関係ないと私は断言します。

「完治がない」


辞めたい、独立したい人がよく言うのが「完治がない」です。要するに、あえて完治目標を作らずに、長く継続して来てもらう方針に疑問があって、自分の理想の治療をしたいという思いがあります。保険治療をやっている接骨院さんはよくこの完治がない手法を使っているのですが、僕たちはそれがいいか、悪いかという判断はあまりしないようにしています。
それには理由があって、患者さんが継続して来院し続けている状況は、間違いなく臨床の経験を詰めるチャンスだと思うからです。

例えば、1日20人対応を20日間やったとする。それだけで20人×20日=400人のカラダに触れていることになります。これが1年ならだったら400人×12ヶ月=4,800人、10年ならだったら、48,000人。圧倒的な経験値を積めることになります。まずひとつは目の前のことをしっかり着実に実行していくこと、そして、継続率というチャンスが与えられているのであればだったら全力でそれに応え続けるべきです。

まずは、与えられた環境で目標を100%達成した上で、本当に変えていきたいところがあるのであれば、社長に相談すればいい。勉強しながら、会社のシステムごと変えていくことができる柔軟性があるのが中小の接骨院のいいところなんです。安易に職場を変えれば完治ができる、自費診療で取り組めると思っているのなら、私は賛成はできません。

「技術を教えてくれない」


いつまで経っても技術を教えてくれないという話もよく聞きます。まず前提を確認すると、2000年に柔道整復師の養成学校の規制が緩和されて、それまで14校しかなかった養成学校が一気に108校にまで増えました。14校時代の柔道整復師というのは、なりたくてもなれない仕事でした。だからそれまでの柔道整復師の方は本当に苦労して、たくさんの投資をしてその資格を取った。

修行があって、丁稚奉公をして、整形外科に安月給で勤めて、やっと開業して今がある。そのように自力で開拓してきた方々が、一から丁寧に教えてくれるのが当たり前と思っている人に対して、懇切丁寧に教えてくれるはずがありません。

でも従業員の成長は、会社の利益に直結するものでもあるから、教えていきたいという本音もある。だから空き時間を利用して指導してくれるなら、その時間を意味のあるものにするかは、こちらの問題だと思いませんか?
もし、まったく教えてくれない職場であるならば、古臭い考え方かもしれないが「見て盗む」ことも必要です。先人が苦労して手に入れた技術を、教えてくれるのが当たり前と思うのはちょっと違う。そういう前提には立たない方がいいです。

例えば、自分の患者さんと同じような症状を抱える患者さんの治療に社長が入っているのであれば、それをちゃんと見ておくことが大事です。どういう識別をして、どんな考えで 施術に入っていくのか、分からないことがあれば、もちろん質問しても構いません。教えてもらえないと嘆くより、より建設的です。

「会社は売上を上げることしか考えていない」


治療の回数券を販売している会社の方からこう言う愚痴をもらうことがあります。でもこれって、事業の拡大であったり、スタッフの給与を上げたい、そう言う思いが根底にあり、経営者自身がお金を稼がなくてはいけないことをよく分かっている証拠ではないでしょうか。

逆に、会社が売り上げを上げることを考えてない職場は、本当に給料が上がりません。もう 5年くらい勤めているけれど、給与が上がらず辞めるしか選択肢がないという、先生たちもたくさん見てきました。だから「回数券を売れ」と言われて「それは自分の仕事じゃない」と思っている方は、考えを少し広げてみてください。それは、ある意味、あなたのお給料の源泉です。そこをもう少し認識すべきです。

僕が個人的に、この業界のすごくいいなと思ってることの1つに「自分の給与の源泉は、自分の売り上げ」という大原則があります。楽したらその分だけ自分に跳ね返ってくるんです。だから、若いうちはこのフィールドで戦い続けた方がいいです。 もちろんそれが、売り上げノルマとか、そういうことに現れてくるかもしれませんが、少なくとも目の前の患者さんを治療するのはあなた自身で、どういう風に向き合うかを決めているのも結局はあなた自身なんです。

自分が理想に近づけない事を会社の方針のせいにしていないかもう一度考えてみてください。あなたは、自分の人件費に見合う売り上げを作れていますか?まずは、自分が決めた職場で与えられたものをやりきることが重要でとても大事だと思います。お金を作ることは、開業したら絶対に必要になることだから、今それを学んでいる。そう考えてみてはいかがでしょう。

「嫌いなスタッフがいる」


やっぱり人間が5人も集まったら1人くらい嫌いだなとか、苦手だなと思う人間は出てきます。でも接骨院はチームだからこそ成り立つ仕事ということを忘れてはいけません。

人を増やすことによって売り上げが上がっていくビジネスモデルの中にいる以上は、チームで取り組むことはとても大切です。個人的にその人のことを好きになれと言っているわけではありません。治療院としての目標があって、その目標を同じくする仲間がいるのだから、その仲間人が会社の理念やだったり、目標を達成しているのであれば、それは彼の個性として認めるべきです。

運命共同体である以上、お互い歩み寄るような努力は絶対に必要になります。仕事仲間ということをもっと意識して、付き合いを続けたら、1、2年後にはすごくいい関係性になっていることだって十分あり得えます。会社として同じ目標を持っているのだから、その人のことは嫌いだとしても、素晴らしいチームメイトです。そう割り切ることが大切です。

「将来が不安」


将来が不安になる理由は2つあります。「時間」「お金」です。
まず、時間の不安についてですが、治療家は拘束時間が長い傾向があるため、ワークライフバランスが保ちにくい傾向にあります。毎朝8時に出勤し、夜は21時や22時に帰宅することが当たり前という院が多く、年間休日は100日程度という院も多いです。

次に、お金の不安についてです。給料は院長クラスでも平均年収が360万円から400万円程度です。 年収500万円以上稼ぎたいという場合は、マネージャークラスになる必要があります。しかし、治療院によってはマネージャーというポストがなく、そもそも役職という概念すらない院もあります。

ただ、間違いなく言えることは、あなたが今学んでいるスキルや知識を必要としてる方は日本に沢山いるということです。さらには、肩や腰の痛みで苦しんでる方達や、整形外科に10年以上通ってる人も大勢いっぱいいる。あなたが築いている技術は、そういう数多くの方たちのファーストチョイスになる可能性がある貴重なものです。

何かあったらまず相談したいと思える、そんな存在になるために、今はあなたは学びの途中にいる。現在が不安なのは、あなたが資産を形成している途中だからです。自分が欲しいものが現れたときに、それと等価交換できるような知識や技術があれば、色々な働き方が実現できることを覚えておいてください。

実際に、1日6時間しか働かずに、月に100万稼いでる治療家はたくさんいます。院長で2000万稼いでる人だって山ほどいるのです。今はそこに近づいていくための道の途中です。情報がなくて不安であれば、自分から情報を取りましょう。正しい見識を持つことで、行動がブレなくなります。悲観的になるより、何ごともポジティブにとらえることができる人間は強いです。

「保険請求が悪質すぎる」


レセプト業務に関わるようになった方から、保険請求が酷いという話はよく聞きます。ここに関しては、保険制度の取り扱いについて、まずは自分自身がしっかりまず調べることが大切です。これは本当に通らないのか、ただの悪なのかを判断できるくらいには知識を得ておきましょう。
保険請求に関しては詳しい先生たちが多くいらっしゃるため、勉強会などを通じて、ぜひたくさん勉強してください。まずは自分で知識を持った上で、それでもやっぱり本当に使い方が悪いと思うのなら転職しましょう。

例えば、来院日数の水増しはNGです。これをやるのは非常に簡単で、この日来院しましたということにしてレセプトに丸を1個増やすだけでいい。 不正請求と言うのは、そのぐらい簡単にできてしまうものなので、慣れてしまうと本当に犯罪の意識が薄れていくんです。不正か不正じゃないか、自分で見極められるようになってください。この業界ではとても大事なことです。
でも、保険請求に関する詳しい情報も、自分で学びに行かないと誰も教えてくれないです。社長が、先輩が、こういうふうにすれば保険が通るよというからとそれを鵜呑みにしないこと。自分で考えて、ちゃんと正しい情報を取りにいくことが何よりも重要なことです。

「そろそろ独立しようかと」


また、独立すると最初にぶつかる壁は「集客」です。現代は、WEBマーケティングが集客の要になることが多いのですが、この部分は知識やナレッジがないと正直厳しいと言えます。自分で初めてみたけれど、時間と独立は良いことです。ただ、それにあたってこれだけは守ってほしいことがあります。それは「やったことのないことをやらない」ことです。独立をすると、業務の他にもやらなくてはいけないことがたくさん出てきます。そのときにこれまでと違う方法や新しいサービス形態を開始すると、混乱の元になり、治療の質に影響が出やすく、評判に関わる事態にもなりかねません。

まずは、小さくはじめて、それが軌道に乗ってきたら徐々に大きくして自分の理想に近づけていきましょう。それまでは、今までやってきたことと同じことをやるべきです。

労力だけが掛かって結局、成果ゼロと言う事もザラにあります。だから私は、この部分は「餅は餅屋」の考え方でキッパリ専門会社に外注するのが得策だと思っています。まずは、目の前の来てくれた患者さんの治療に集中できる環境を準備してください。

「副業をしようかと思っている」


基本的に副業をしても自分で言わない限りバレることはありません。ただ、利益相反になるようなことはやらない方が賢明です。例えば、勤めている患者さんと個人的に繋がって、自宅に訪問し治療をする、これは限りなくNGに近いです。やはりそこは、筋を通して勤め先の接骨院に呼ぶべきです。

自分のお客さんを増やしたい気持ちはすごく分かりますが、そのパワーは将来のために取っておいてください。今は、チームの一員として治療院に貢献していくこと。それが技術を教えてくれている人たちへの義理です。

Chapter10. 治療家の本質

生産性を極める


治療院業界で生産性の高い人間になるにはどうすればいいの?という話ですが、まずは自分のお給料がどこから生まれているのか、その源泉を知ることが大切です。よく使われる指標に「月に90万円稼げたら1人前」というものがあります。これは、自分の額面の給与のおよそ3倍に当たる額を示しています。逆に考えれば、売上の3分の1(30万円)があなたの正当な取り分といえます。

自分の分の売上を上げられていないのに、給料を上げてくれとか、拘束時間が長いとか文句を言ってしまうと、そこには正当性がないから上は動かないです。だから、まずは売上をちゃんとつくること、その努力をした上で、正しい方法で主張をすることを忘れないでください。

生産性を意識するには「売上=単価×人数×頻度」の公式をいつも頭に入れておくことです。この要素のどれかにフォーカスしてもいいし、全体をバランスよく底上げする意識でもいいです。
治療以外に無駄な時間を使っていないか、真似されにくく単価の高い技術の習得が進んでいるか、いつでもこの公式を意識しながら毎日を送ってみてくださいね。

目の前の人に「ありがとう」といわれる尊い仕事


世の中にはいろんな仕事がありますが、治療家のいいところは、目の前の人が良くなっていく過程に携わることができて直接、お礼の気持ちを伝えてもらえるところではないでしょうか。仕事を楽しくできるか否かが自分の腕一本にかかっている、これほど素敵な仕事はなかなかないのではないでしょうか。

もちろん、治療院業界で頭ひとつ出る存在になるためには、今回お話ししたような苦労もたくさんあります。でも将来的にどんな治療家になりたいかというヴィジョンだけは忘れずに持ち続けてほしいです。だからこそ、年齢が若い時、とくに20代は、売上を上げるテクニックではなく、本質的な技術を基礎から身につける時間にしてほしい。そうやって積み上げたものは、必ずあなたの将来を明るく照らす道標になります。

自分の治療院に大切な人を呼べるか?


治療家になりたいと思ったきっかけは、人それぞれだと思いますが「自分が怪我をしたときに治してもらって」とか「仲間の怪我を見て助けたいと思った」のような純粋な気持ちを持っている方がすごく多いんです。だからこそ、現実と理想の間で葛藤を抱えてしまうケースがあとを絶ちません。

その職場を続けるべきかどうかの判断をどうするかは難しい問題ですが、そんなとき、私は求職者の方に「自分の治療院に大切な家族や仲間を呼べますか?」と聞くことにしています。当たり前に呼べるなら、それでいい。でも中には必ず「呼べません。」という方もいます。
呼べない理由で一番多いのは、「回数券を売らされるから」です。

そんなとき、私の場合は、その職場は辞めたほうがいいとお伝えしています。自分自身が納得して、胸を張って大切な人を呼べる環境で働くことは当然の権利だからです。辞めたいけれど、次の職場がいいか分からず決めかねているのなら、ぜひ僕に相談してください。圧倒的な情報量から、あなたが治療家としての人生を賭けたいと思える場所を提案します。

Chapter11. 最後に

退職金のない業界だから


この業界には退職金がほぼありません。

しかし、それと等価値のものが手に入ります。それが人を手で治す技術です。
この技術は世の中から貨幣という概念がなくなっても、目の前の人を治す事で感謝され、お米や大根をお礼にもらえるような、誰にも奪う事のできないあなたの財産です。

この技術は20代で得る事ができなければ、30代ではもう得られないかもしません。

なぜならあなたに無償で教えてくれる人は減り、
「そんな事も知らないのか」
と先輩や院長は思ってしまうからです。

治療家業界は楽ではなく、なる事は簡単で続ける事は非常に難しい業界です。
続けていくために必要なのは仕事が楽しいと感じ、目の前の人に誠実に対応し、治療を通して感謝される必要があります。
同時に売上をつくる事も避けては通れません。なぜなら労働集約の業界だからです。

この両輪を楽しみ、達成する事ができれば治療家人生は最高に充実したものになると断言します。その充実感はあらゆる仕事の中でも頂点に近しいほど強烈なものです。
その1歩目が就職です。

良い会社に勤め、治療家人生を楽しんでいかれてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

じんじあいであ代表  塩田




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