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人事部長〜闘病編④〜

日本語は難しい。
自分の立場や責任の中で
この単語、この言い回しが
必ずしも相手に通じるかはわからない。
しかも短い時間では到底無理だ。
ニュアンスも含めて。

大きい病院というのは
時間がかかるものだ。
その割に診察時間は短い。

通常の待ち時間はもちろん
今日診察で
CTが再来週で
その後診察はいつで
こっちの検査が月末で。。。
治療方針を固めるにも
患者にとっては時が止まったように感じる。

最初のCTでステージ4であることが発覚する。
大腸から肝臓、肺への転移。
しかしCTで目視できる限りは一箇所ずつだと言う。

ところで知ってましたか?
ステージ4って
そもそも【転移】をしていることを指す。
がんの大小や個数、重度軽度に関わらず
それはステージ4。
ステージ4が末期で余命どれくらいで。。。
みたいなチャリティー番組のような
決めつけた描き方に
懐疑の目を向けるようになった。


もうちょっと調べて
確実に臓器に存在するがんが
一つずつであれば
『手術すれば治ります。』
『ただ、目に見えないものも含めて
他にもがんが存在したら治りません』
ステージ4であるが、『治る?』。。でも。。。

この言い回しには正直参った。
『治ります。』→完治
『治りません』→死
無知な患者はそう捉えてしまった。

後で振り返ると
外科の先生は、切れるか、切れないか。
で伝えたかったのだろう。
治らない=死
とは言ってない。
でもそう解釈できる言い回しを
診察後に確認することもできない。

その後、MRIを撮り
『がんが、肝臓にひとつ、肺に小さいのがひとつ。』
『手術すれば、治りますよ。』
あまり一喜一憂するのは好きではない。
その落差が後で効いてくるから。

しかしこの時は、この状況の中で
光が刺した初めてのこと。
嬉しかったし、健康を取り戻せることを
疑いもしなかった。

手術が終わるまでは。。。

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