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【ビジネス用語】最近よく聞く「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」について調べてみた
ニュースを見ていると、「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」という言葉を見かけるようになりました。
「ダイバーシティは、よく聞くけど、”インクルージョン”ってなに?」と単純に疑問に思ったので、今回は「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」について調べた内容を共有します。
ダイバーシティ(多様性) と インクルージョンの定義
そもそも「ダイバーシティ」と「インクルージョン」の定義がよくわからなかったのでググってみると、このように定義されていました。
■多様性
・異なる性質のものが共存する
・相違を認めた上で人材を活かす
■インクルージョン
・直訳すると包括・包含という意味。企業内すべての従業員が仕事に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態。
引用:インクルージョンとは? ダイバーシティと何が違う? 企業導入の注意点
それぞれの違いは以下の通り。
・インクルージョン:個々の従業員を活かす考え方
・ダイバーシティ:人材の多様性を認める考え方
引用:インクルージョンとは? ダイバーシティと何が違う? 企業導入の注意点
人材を駒とたとえるのはあまりよくないかもしれませんが、将棋の駒とかにたとえられるとわかりやすいかもしれません。
多様性っていうのは、「国籍、年齢、性別などにとらわれず、多種多様な人材がいること」です。
王もあれば、飛車や角、金、銀、桂馬など、いろいろな駒が盤面上に存在しているのが、まさに多様性がある状態といえます。
ただし、せっかくいろいろな駒があっても、ちゃんと使わなきゃ「ないのとおなじ」で、存在する意味がありません。
そこで、飛車くん、角さん、桂馬ちゃんなど、それぞれに活躍をしてもらうべきところで活躍してもらえるようにする。
この考え方が「インクルージョン」です。
「ダイバーシティ」と「インクルージョン」は 2つでひとつみたいなところがあって、そもそもダイバーシティを前提としていないとインクルージョンという考え方は成り立ちません。
なので、「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」と掛け合わされた表現が多いわけですね。
「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」が今叫ばれている理由は、世の中が多様化しているから
インターネットの発達やテクノロジーが進化するにつれて、世の中はどんどん多様化しています。
そこで企業に求められるのは、多様化した世界にあわせた経営戦略を取ること。
その戦略を進める上で、「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」の文化が重要性を高めてきているようです。
以下は、メルカリの代表取締役をされている山田さんのおことば。
多様なお客さまに提供できるサービスがつくれないと、それ以上の成長は難しい。当然、多様な方々のニーズに対応していくためには、プロダクトをつくる我々も、より多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されなければいけない。年齢も国籍も宗教もジェンダーも、すべてにおいて多様な人たちが、多様な議論をして、それをプロダクトに落とし込んでいく必要が出てきたと思っています。
引用:メルカリが多様性のあるプロダクトになるために。CEO 山田進太郎・社外取締役 篠田真貴子が「D&I」に見ているもの
いろいろなお客様がいるので、そのお客様のニーズを正確に知る必要があって、そのニーズを満たす商品やサービスを提供する必要があるわけですね。
将棋の例でいうと、世の中には「飛車くん」や「角さん」や「桂馬ちゃん」の仲間がそれぞれたくさんいるので、会社にいるのが「飛車くん」だけだと「角さん」や「桂馬ちゃん」のニーズが正確に把握できない。
そうなると「角さん」や「桂馬ちゃん」に合わせた商品やサービスを提供するのが難しくなります。
なので、「角さん」や「桂馬ちゃん」を会社のメンバーにして、それぞれの考え方やニーズを一緒に考えて、商品 / サービスづくりに活かしていく、みたいな感じですね。
メルカリでも外国籍のメンバーが増えてきた頃に、日本企業では当たり前の慣習に対して「どうしてメルカリではこうなっているんですか?」と尋ねられて、はじめてその短所が明らかになるケースがいくつもありました。でも、日本人だけでやっているときには気づかないんですよ。
引用:「多様性」はメルカリに限らず、日本社会にとっての課題。CEO 山田進太郎・社外取締役 篠田真貴子が解く対話の重要性
これからの時代を生き抜いていくためには、多様化する社会に最適化する必要があって、企業も個人も「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」の文化を大事にしていくことが必要そうです。
日本で「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」を進めるには課題も多い?
とはいえ、日本で「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」を実現するのはかんたんじゃなさそうです。
国籍、年齢、性別にかぎらず、多様な人材をピックアップできているかとういうと、そうでもありません。
世界経済フォーラム(WEF)が発表している「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2021」によると、日本の男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)は0.656で156ヶ国中120位でした。
引用:ダイバーシティ&インクルージョン。労働生産性を高める組織になるには
インクルージョンを実現するためには、対話やフィードバックの文化が鍵を握りそうですが、積極的にフィードバックを実施する文化が根付いている企業はかなり少なそうな気がしています。
従来の縦型社会が続いている企業では、部下が上司にフィードバックするっていうのは難しいでしょうし、かといって上司が部下に積極的にフィードバックを受けにいく姿も想像しにくいです。
そもそもフィードバックの意味を履き違えて、「ただ怒っているだけ」みたいな可能性すらあります。
「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」を実現させるなら、企業内でのコミュニケーションを活発化させる取り組みが必要になると思います。
というわけで
日本のマーケットは、人口減少でどんどん小さくなっていきますし、多様化は間違いなく進んでいくので、「ダイバーシティ(多様性) × インクルージョン」をどう実践していくかはちゃんと考えた方がよさそうです。
「王さん」「飛車くん」「角さん」「桂馬ちゃん」「金さん」「銀さん」「歩くん」「香車さん」がそれぞれコミュニケーションを取り合い、企業のビジョンを実現していくことが求められているのだと思います。
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