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サービスを考える

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コールセンターで学習資料として作成したものです。新人に読んでもらい、読書感想文を提出してもらっている会社が複数あります。サービスの「質」を上げるヒントにどうぞ。
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記事一覧

サービス・マネジメント <サービスを考える vol.1>

世界で初めて企業を研究の対象とし、マネジメントの方法について多くの研究と本を発表して有名になったP・F・ドラッカーという人がいる。
(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が、2009年に発売から半年で100万部発行され有名になった)

 ドラッカーはモチベーションとリーダーシップの関係を説明するため、「三人の石切り工」の昔話を例としてよく使った。
石切

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リッツ・カールトンと帝国ホテル <サービスを考える vol.2>

今回は有名な二大ホテルを取り上げたい。

帝国ホテルは1890年に「日本の迎賓館」として誕生し、以来120年余り同じ名称、同じ場所、同じ業態で営業を続けるなかで革新を成し遂げてきた。
リッツ・カールトンも最初期の「ホテル・リッツ」開業は1898年であり、それ以来超高級ラグジュアリーホテルとして歩みを続け、ミシュランガイドの五つ星を獲得するまでになっている。

※帝国ホテルから始まった日本初のサービ

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サービスの分析 <サービスを考える vol.3>

今回は「顧客はサービスを買っている(諏訪 良武 著)」を紹介する。
著者はオムロンフィールドエンジニアリング社でカスタマーサポートの運営を大幅に改善し、第一回「コンタクトセンターアワード」マネジメント部門金賞を受賞するなど取り組みが高く評価されている人だ。

同社ではATMや鉄道の自動改札、交通管制システムなどの保守サービスを行っている。その進捗度を「見える化」して顧客自身が確認できるようにしたほ

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レストラン・オペレーション <サービスを考える vol.4>

今回は、レストランのサービスから、接客について大切なことを考えてみたい。
紹介する新川義弘は、2002年の小泉・ブッシュ会談で両首脳に接客しサービスの神様と呼ばれるようになった。彼はサービスの基礎としてまず「オペレーション」の確かさを徹底する。お皿をきちんと持って、運び、オーダーを間違えず、お客様をお待たせすることなく料理を提供する。金曜の夜の満席時でも、月曜のガラガラの夜でも変わらずに、生ビール

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感情と看護 <サービスを考える vol.5>

コールセンターは離職率が高いと言われている。改善のヒントが無いかと色々調べていると、看護師の職場もコールセンターと似た悩みを抱えていることに気づいた。

看護学校での長期の教育から実践の場に出たときの現実とのギャップから受けるショックを「リアリティショック」と表現することがある。

 それはつまり「最初、新人は患者に何がなされるべきかを全部わからないし、患者の期待に見合うだけの能力もないと思ってい

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自分の「強み」を仕事に活かす <サービスを考える vol.6>

 ネブラスカ大学の学生を前に著名な投資家であるウォーレン・バフェットは「私はきみたちとなんら変わりません」という言葉で講義を始めた。

学生はみな忍び笑いをもらした。バフェットは世界長者番付にその名を連ねる一人だ。「もしきみたちと私になんらかの違いがあるとすれば、私は毎日朝から晩までこの世で一番好きなことをしている。ただそれだけのことではないでしょうか。きみたちに向けて何かアドバイスめいたことが私

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