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オリンピックの競技間放映格差は、感動のフードロスにつながる。

いろいろないきさつがあって、いろいろな議論があって、

ようやくなんとか実施にこぎつけたこの東京五輪。

もはや是非を問うことはやめにしまして、外出もままならぬこの環境下、

モニター越しにアスリートたちへ心よりの声援を送りたいと思います。

観ればやはり面白いわけで、

日本勢のメダルラッシュに心躍らせる毎日です。

いっぽう各テレビ局の放送編成に少なからず違和感を感じたりもしました。

私事で恐縮なのですが今回のオリンピックのチケットについては、

カヌーやボクシングなどの競技に当選しまして

現地観戦を楽しみにしていたのですが、結果無観客開催となり、

まあそれは仕方がないとして、

家でゆっくりテレビ観戦するかと気持ちを切り替えていました。

ところが、ふたを開けてみるとどこを探してもこれらの競技を

ライブでフルオンエアしてる局はないのですね。

ボクシングについては入江選手が見事に金メダルを獲得したこともあり、

結果としてハイライトなどで何度も取り上げられましたが、

カヌーについてはネット上のまとめ動画でさえ数が少なく、

なんともやるせない気持ちになりました。

かたや一部の競技は

体重別やスタイル別で連日連夜放映され続けている状況。

(もちろんそこで活躍しているアスリートたちの奮闘には心より敬意を抱くのですが)

はい、事情は十分に理解はしています。

各局が放映権に莫大な金額を投じて独占権を持っていること。

とはいえチャンネル数は限られていること。

よって日本人のメダル獲得の可能性の高い、

視聴率の取れる競技を優先的に選定して放送していること。

ビジネス上は全く正しい判断なのでしょうが、

オリンピックが各競技の振興もその目的とするならば、

もう少し柔軟なビジネススキームを

開発してもよいのではないかと思うのです。

たとえばプロ野球の選手トレード時の人的補償のように、

権利を得ている局が放送予定のない競技については、

「プロテクト外競技として」ケーブルテレビやネット動画配信会社に

安く売りに出すなどというのはどうでしょう。

もちろん現状はIOCやJOC側のルールにのっとっての話でしょうから、

そこから改正の手続きを踏まなくてはいけないとは思うのだけれど、

目の当たりにされない競技の熱気は

無為に刹那に流れ去ってしまう。

競技の観戦を渇望する人たちにとってはいわば

「感動のフードロス」

と呼べるような現象が起きている気がするのです。

57年ぶりのせっかくの日本での開催、

特に家でしか観られない状況を鑑みれば

このあたり、もう少し配慮されていると思っていた私は

見込みが甘かったと言えるでしょうね。

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「オリンピックは参加することに意義がある」は

いろんな場面で引き合いに出される言葉ですが、

ご存じの通りもともとは

「勝つかどうかではなく、良く努力しよく戦ったか、が大事」

ということです。

そういう意味では、

メダルを取れる競技以外にも

もっと取り上げられてしかるべきものがあるような気がします。

「オリンピックは放映することに意義がある」と思うのは、

巨大利権のうごめくオリンピックビジネスの詳細を知らない私の

妄想でしかないのでしょうか。

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