ロシアウクライナ戦争の和平案は潰されていた!

イスラエルの仲介話から見る戦争屋の実態!

及川幸久氏のチャンネル

この話は、イスラエルがロシアウクライナ戦争を止めるために仲介しようとしたが、西側が合意案を潰したという話です。
(2023/2/6投稿動画)

では、及川幸久氏の話を切り抜いていきます。


ウクライナ和平が潰された

2022/2月にロシアのウクライナ侵攻がありました。

そのわずか2週間後にイスラエルが和平の仲介に入っていた。
ロシア、ウクライナ、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領は双方の合意を取り付けたにも関わらず、それを潰したのが何と西側だった。


事の経緯

2/24 ウクライナ侵攻があった。

そのわずか1週間後ぐらいにモスクワのプーチン大統領に会いに行って仲介をしたのが、ナタリフ・ベネット氏(当時の首相)。

ベネット首相は1年間しか首相をやっていなかったが、2021/6-2022/6までの、つまりはウクライナ侵攻が勃発したときのイスラエル首相だった。

ナタリフ・ベネット(イスラエルの元首相、現副首相)


モスクワで首脳会談

モスクワでプーチン大統領と会って、3時間の話をしています。
2/24侵攻のあと3/4に会談。

なぜ、イスラエル首相がロシアとウクライナの間に入ったのか。
なぜ、やれたのか。

第一に、ロシアもウクライナもユダヤ人が多いということ。ユダヤ人の国と言っても良いほど。
民族的に彼らは関係が深いし、どちらにも偏らない。中立的な立場にイスラエルはあった。

イスラエルはロシアに対して中立だった

イスラエルと言ったら、アメリカの同盟国です。
普通はアメリカ側についてウクライナ側に着くはずだったが、そうならなかった理由は、イスラエルにとってロシアは非常に重要なんですね。
それは国家安全保障上の重要な存在。

国同士の位置関係

イスラエルの隣はシリア。
イスラエルとシリアとロシアの微妙な関係というのがあります。

シリアとイスラエルは長年敵対してるわけなんですが、シリアに影響力を持っているのはイランです。

イスラエルとイランは中東における最大の敵対関係で、彼らの間でいつ戦争になるか分からないと言われていたわけです。

そのシリアを軍事的に抑えているのがロシアです。

ロシアがシリアを抑えてくれているおかげで、イスラエルとシリアは何となく争いが収まっている。

特にシリアの領空権というのは、ロシアが押さえているのです。

イスラエルにとって、ロシアがシリアを止めてくれている事というのは国家安全保障上絶対に必要なことなわけです。

そこで、彼らはロシアとは良い関係に出ないといけないわけです。


会談の成果(2つの譲歩)

プーチン大統領の2つの大きな譲歩。

ゼレンスキーは殺さない

ゼレンスキーを殺さない。

「非ナチ化=ゼレンスキー排除」ではなかった?
この段階ですぐに譲歩をプーチン大統領は出している。
逆に言うと、ベネット首相がプーチン大統領から譲歩を引き出すことに成功したわけです。

プーチン大統領がウクライナ侵攻の目的の一つとして「ウクライナの非ナチ化」というのを考えていた。

非ナチ化は、「ゼレンスキーそのものを排除する」という風にベネットは理解していた。
世界中の多くはそう理解していたわけですけど、でも(プーチン大統領は)そうではなかった。

ベネットがプーチンに対して、「あなたはゼレンスキーを殺すつもりですか?」と聞いて、プーチンは「そのつもりはない」と。
ベネットが再び、「ゼレンスキーを殺さないと約束しますか?」と聞いて、「私はゼレンスキーを殺さない」と。

こんなやり取りがあったということで、これを本人が言っている。

彼がどこで言ったかというと、ベネット元首相のYouTubeチャンネルで彼が自分で言っているんです。

プーチンは、「私はウクライナのゼレンスキー大統領が塹壕(隠れ家)に隠れていることを知っていた」と言った。

プーチンと話が終わった後すぐにベネットはゼレンスキーに連絡を取った。
携帯電話ではなく、WhatsAppかTelegramだと言っているんですけど、とにかく連絡を取った。

ベネット首相がゼレンスキー大統領に「プーチンはあなたは殺さないって言ってるよ」と伝えた。
ゼレンスキーは、「それは確かか?」と聞いて、
ベネットが「100%だ」と言ったら、ゼレンスキーは安心したのか、彼はすぐ塹壕から出てきて自分のオフィスに入ってビデオ収録を始めたと。
彼は「私は何も怖いものはないんだ」という風に収録したという。
ゼレンスキーさんは分かりやすい人だなという風に思います。

ウクライナ武装解除要求も取り下げ(2つ目)

プーチンはウクライナに対して非武装化を要求していた。
非ナチ化とともに非武装化ということです。

武装解除要求を取り下げ、(ゼレンスキーは生かす)この2つの条件が大きかったわけですね。

ゼレンスキーの対応

今度は、ゼレンスキーに「あなたを殺す気はないんだから」と安心させた上で、ゼレンスキーから彼が引き出した譲歩は、「NATO加盟を諦める」ということだったんですね。

ベネット首相が真相話をYouTubeで発信

ベネットは「これ(NATO加盟)こそがロシア侵攻の理由だ」というふうに言っていたわけです。

ですから、ここさえ譲歩を引き出せば和平が成立するというように彼は考えた。
その様子がYouTubeで公開されています。

こういう両方からの譲歩をベネット首相は引き出した。

2:19付近以降
(日本語字幕に変更すれば、聴けるようになります)

(ロシア同行者 エルキン、シムリット・メイア、国家安全保障顧問フラタ。)


メディアは報じていた

その様子は、実は昨年の3月当時、一部のマスコミに出ていたわけです。

アメリカのアクシオスというメディアに3/9にイスラエル側の発表として出ています。
「イスラエルの政府高官がロシアとウクライナのシーズファイア(停戦)を呼びかけた」
これの重要なポイントはこういうことだったんだということで、今みたいな話が一部出ていたわけです。(動画の話)

(記事の内容)
この中で「プーチンの譲歩案はゼレンスキーにとって受け入れがたいものだが、予想したほど極端ではなかった」という言い方をこの記事はしていました。

この提案にはウクライナの政権交代が含まれておらず、プーチンはウクライナの主権維持を認めているということで、どうやらこの時点でゼレンスキーにとって、これが一番重要だったみたいなんですね。
つまり、自分の政権が追い出されなくて済む、自分が殺されなくて済むというところが、ゼレンスキーにとって非常に重要だったと。

ベネット首相の交渉の報道

イスラエル、ロシアとウクライナの仲介継続=ベネット首相

Twitterの投稿(東野篤子氏)



和平合意に成功していた

ベネット首相を通じて、当事者両方が譲歩して合意しているわけですから。

ベネット首相が次にやらなければいけなかったのは、西側の指導者たちの説得だった。
(マクロン、ショルツ、ジョンソンら)

「西側の指導者たちもそれぞれ何らかの譲歩をするという努力をみんながしなければ、この戦争が停戦にはならない」と、彼は言っています。

西側の指導者たちが重要だったということで、ベネット首相はこの人たちのところを回ったわけです。

譲歩する者、しない者

ボリス・ジョンソン(イギリス元首相)
そんな中で、当時のイギリス首相だったボリス・ジョンソンは全然譲歩せず、むしろより過激なことをやろうとしていたので、合意しなかった。

ただ、マクロン(フランス大統領)とショルツ(ドイツ首相)は現実的だったので、たぶん戦争をやめたかったのでしょう。だからこそ合意しようとしていた節があります。

もう一方のアメリカでは、ブリンケン国務長官、国家安全保障担当大統領補佐官のジェイクサリバンの二人が中心だった。

どちらかと言えばサリバンが中心だったみたいですが、ベネット首相の言い方(動画内の話)ではアメリカは両方の意見を取っていた。
イギリスとフランス、ドイツの違いがあったけれども、両方の意見を支持していたと言うのですが、最終的にダメになっているわけですね。


ジェイク・サリバン(民主党)バイデン政権の国家安全保障担当大統領補佐官


ベネット首相の説明

彼らはそれぞれ独自の考えを持っていた。
「プーチンに報復すべきだ」と主張する者もいれば、「どんな戦争でも敗者がいるので、ここで和平を」と主張する者もいた。

しかし、交渉は破綻という結果になり、これに関してベネット氏は「私には間違った判断に見えた。今でも和平のチャンスだったと確信してる。」というふうに言っています。

ここまでが、イスラエルの1年前の首相が和平の努力をされたというお話です。


もう一つの仲介国、トルコ

トルコのエルドアン政権。

(先の話の1ヵ月後)
2022/4月に、ヨーロッパのNATOの外相会議があったんですが、それに関係する記事ですね。(トルコの英字新聞を紹介しています)

トルコのメブリュト・チャブシオール外相の発言。
「NATOに戦争を長引かせたい国がある。」
「戦争を継続させて、ロシアを弱体化させたい人々がいるという印象があった。彼らはウクライナ情勢を気にしていない。」と言っています。

AFP通信(フランスの通信社)のニュース。関連記事。


それはアメリカのことです。
数日後の4/25 アメリカのオースティン国防長官の発言。
「アメリカのウクライナ支援の目標は、実はロシアの弱体化なんだ」という本音を言ってしまったんです。これは失言だと思います。
アメリカの本音をついにポロッと言ってしまったんですね。

とても重要な発言なんですよ。

4/25にオースティン国防長官がブリンケンと一緒にポーランドあたりに行ったとき、これを言っちゃった。

ニューヨークタイムズでもこの言葉自体が記事になっています。
「オースティンのロシア弱体化のこの言葉の意味は一体何なんだ。」という記事になっています。

関連記事。CNN。


書籍、「いま世界を動かしている『黒いシナリオ』」の紹介

(グローバリズムについてまとめた本)
第1章が「ウクライナ侵攻最大の謎に迫る」という題で、ウクライナ侵攻について1章分取りました。
ここで著者として何を出したかったのかというと、そもそもなぜ今、ウクライナ侵攻が起きたのかというこの一点です。

というのは、どう考えても、このタイミングでウクライナ侵攻はロシアにとって合理的な判断ではないわけです。

いろいろ理由はあるのですが、やってしまったら、とてつもない経済制裁をバイデン政権にやられて、もしかしたらロシアが国家存亡の危機になるかもしれない。

そんなリスクを負ってまでなぜウクライナ侵攻なんだろう。

これは世界中で多くの人が疑問に思っているんです。

第1章でこう書きました。


「ウクライナ侵攻は確かに武力による強硬手段であり、絶対あってはならない行為。だが、米国に何か意図があったとしたら、別の見方がありうる。」

つまり、アメリカがロシアに何かしらの脅威を抱かせ、ウクライナへ侵攻させたという視点。

例えば、NATOの東方拡大によってプーチンにウクライナ侵攻をやらせたのはアメリカなんだという見方もあります。

それだけでもない。
ロシアに何かしらのもっと大きな脅威をアメリカが与えた。
それはこの本の中で入れました。

「米国の対ロシア長期戦略」
それはロシアの占領です。

アメリカがロシアを占領する、とてつもない話ですよ。

これを長期戦略としてアメリカが持っているという、実は私もロシア側の方から聞いたんですね。




アメリカの対ロシア長期戦略

ロシアにある世界最大のエネルギー資源をアメリカが狙っている。
これが最大の目的なんでしょうけど。

(ロシア分割案なる地図)
以前、このチャンネルでもこの地図を紹介したことがあるんですが、ロシアが色別になって分割されているんです。

ロシアを分割する、誰が? アメリカです。

アメリカがこうやってロシアを分割して小さな国に分けてアメリカの支配下に置くと。
これが実は対ロシア長期戦略なんだということで、これをやるために戦略的な思想が地政学のハートランド理論ですね。

ハートランドという地域がある。(ロシア領)

天然資源にも恵まれたハートランドを制する者が世界を制するんだというのが地政学の言葉となっているわけですね。

アメリカがハートランドを制するためには、ロシアを倒すため、支配するためにはどうしたら良いのか?

そこにあるのがこの周辺地域、リムランドですね。

及川幸久氏が以前に投稿した動画
(オリバーストーン監督の話です。)

ハートランド理論

難攻不落の地、ハートランドを制するものが世界を制するという理論。

これがアメリカ国防総省の中で注目されているわけです。

当時のソ連の外輪のことをリムといって、ここをアメリカの影響下におくという話です。

これがソ連封じ込めになっていくんですけどね。

この地政学的な理論を実践してソ連邦は無くなった。

ロシアとアメリカとの冷戦というのは、もう無いことになっていたんですが、実は無くなってはいなかった。

アメリカは一方的に、このロシアこそ滅ぼして支配したいと。
それがネオコンの目的だっていうのが、この本の中に出てきます。

ネオコンの目的はまさにロシアの弱体化。
その後に、ロシアの占領と分割だと。
そういう長期戦略を持っているんだということです。

これをロシア側から聞きました。

なので、このネオコンはこの和平の交渉のテーブルにはつかないわけです。
それどころか遠ざかるというのが前提にあったんですね。

だから、せっかくイスラエルのベネット首相が苦労して合意案を作られたのに、それに全然乗ってこなかったのが、実はアメリカと連んでいるイギリスだったわけです。
(ハートランド論はイギリス人。和平案を蹴ったのがイギリスのボリスジョンソン首相)

ロシアとフランスとドイツはどちらかというとロシアよりなので、本当はここで止めたかったわけです。


今頃になって公開された動画

という複雑な関係性があったんですが、この話が1年経って今出てきた。(2023/2月)

そして、一年前と状況は随分変わっています。

ここから、改めて和平の道が開けて、一日も早く終わることを強く願いたいと思っております。


個人的感想

以前、伊藤貫氏の動画で聞いていた話が、「アメリカのロシア分割論」

及川幸久氏がその一端を教えてくれました。

ネオコン。
恐ろしい連中です。

大東亜戦争を始めたかつての日本も、アメリカの戦略で戦争へ向かいました。
当時は、開戦前からアメリカは「日本と戦争になる」と考えており、アメリカの長期戦略の凄さに驚きました。

アメリカは、日本との戦争中に「次の戦争」に備え、準備をしていると聞きました。

北方領土問題

日本人は「ソ連が略奪した」と思っていますが、それを仕向けたのはアメリカだということを知っていますか?

これはまだ投稿していませんが、アメリカがソ連に上陸のための戦力を提供したのです。ソ連は離島に上陸する戦力を持たなかったので。

多くの日本人が全く知らされていない史実です。

なぜでしょうか?

おそらく、日本を占領して「社会主義」を敵視させるため。
問題をわざわざ作りだし、長期的には日本に軍備を買わせる狙い。

日本に周辺国と敵対させている限り、アメリカの言うことを聞くようになる。

それが核の傘であり、ミサイル配備システム。

極東からロシアを狙っているのでしょう。

ロシアが北方領土を返さない理由の一つに、アメリカ軍の北方領土常駐を懸念しています。

見えてきたネオコンの狙い


だいぶ見えてきましたね。
アメリカのネオコンが暗躍する真の理由が。

まだ他人事に思っているあなた。
「日本人には直接関係ない」

このような印象を持っているなら大間違いです。
戦争で物価上昇。
無駄に余計な武器をアメリカに買わせられて、国債発行しまくっての増税。

全部関わるんですよ。

目を覚ませ。気づきましょう。
終わりの始まりがやってきていることに。

バイデン政権が何を日本にやらせようとしているか。
これまた恐ろしいことにつながっていく話です。


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