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12/14 ニュースなスペイン語 Referéndum:住民投票

ウリオル・ジュンケラス(Oriol Junqueras)が久々に吠えた。しかも、この、絶妙なタイミングで。

ジュンケラスはカタルーニャ共和主義左翼(ERC)の現在の党首を務める。そして、2017年10月1日、カタルーニャ州の独立を問う住民投票を違法に実施した独立派たちの先鋒でもある。

そのジュンケラスは12日、あるインタビューで次のように語った。

市民が投票によって、人権と基本的自由を尊重しながら、自らの未来を決めることができる全ての方法は、民主的であることは明らかだ(Todas las vías que permitan que la ciudadanía pueda decidir sobre su futuro, votando, respetando los derechos humanos y las libertades fundamentales, es evidente que es una vía democrática)

そして、あの10月1日の住民投票は「犯罪(delito)」ではなかったと指摘した。なぜなら、住民投票を実施すること(organizar un referéndum) は刑法(Código Penal)に規定がないからで、その違法性を否定した。

ジュンケラスはインタビュー中、住民投票を再び敢行するとは、さすがに、一言も明言はしていない。

しかし、不気味なのは、国民が投票によって自らの未来を決める「全ての方法」が民主的であり、「一方的なやり方(vía unilateral)」もまた、民主的との立場を、ジュンケラスが崩さない点だ。

このインタビューが行われたのが、時まさしく、スペイン社会労働党(PSOE)とERCが、「横領罪(malversación)」の改正で、合意に達した日の翌日(詳しくは11日の記事を参照)。

話は、当然、横領罪の改正にも及ぶ。

前政権の国民党(PP)が独立派の議員たちを罰するために刑法を改正したとし、これを、この度、再改正したことを評価した。

そして、横領罪の改正によって、5年前の騒動の当事者たちが減刑される公算であることは、数歩前進(algunos pasos)としながらも、この恩赦(indulto)相当の減刑を「寛大(generosidad)」な処置などとは毛頭思ってない。

むしろ、これは刑法の不備を「修正(reparación)」したまでのことであり、「正当(justicia)」な結果であるとの見解だ。ジュンケラスは、同志たちが刑法で禁じられていない住民投票を画策したことで起訴されているのだから、そもそも、起訴そのものが不当である、と考えている。

むむむ、確かに・・・! と、つい、賛同しそうになる論法だ。

写真はインタビューに答えるジュンケラス。

ちなみに、大統領省(Ministerio de Presidencia)大臣のフェリス・ボラニョス(Félix Bolaños)は「いかなる場合も住民投票などありえない。交渉を通じたものであっても、一方的なものであってもだ(No va haber en ningún caso un referéndum ni por la vía pactada ni por la vía unilateral)」ときっぱりとジュンケラスの思惑を一蹴した。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221213/oriol-junqueras-organizar-referendum-no-delito-considera-democratica-via-unilateral/2411582.shtml