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スーパーの社員から転職。社会人経験を活かし働く「公認会計士」

こんにちは。
「公認会計士」についてわかりやすく伝える活動をしている、通称「ゆる広報部」です。

今回は、学生さんなどからよくいただく質問を現役公認会計士の先輩たちにぶつけてみるシリーズ第4回目です。

ー今までの記事はこちらー

第1回 ▶子育てをしながら社会復帰。ライフスタイルとキャリアを叶える「公認会計士」
第2回 ▶会計は社会で広くいかせる知識。やりたいことがわからない人に「公認会計士」
第3回 ▶自分が変わりたい時に思い出してほしい「公認会計士」という職業

さて。
今回は、学生さんではなく社会人の方からよく聞かれる質問
「社会人で勉強して公認会計士になれますか?」
「転職組は肩身が狭くないですか?」

にお答えしていきたいと思います。
今回もとてもリアルなお話をお聞きしたので、ぜひ参考にしてください!


激務で身体を壊し入院。
働きながら勉強に取り組んだ、転職組の先輩


実際に社会人を経験してから転職したこの方にお話をうかがいます。

加藤さん、よろしくお願いします。

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加藤さん 27歳
大学卒業後スーパーマーケットに就職
2年勤めたのち公認会計士試験の勉強に専念するため退職
2018年某大手監査法人にトレーニー制度を利用し入社
2019年同監査法人に正職員として入社
現在は「公認会計士試験合格者」という立場で、実務と並行して補習所に通っている


ーー それでは加藤さん、簡単に経歴をお願いします

はい。
大学の経済学部を卒業し、新卒でスーパーマーケットに就職しました。
職場は常に人手不足で忙しく、1年半ほど経ったある時、激務で身体を壊してしまいました。そこから一念発起し、「これにかけよう!」と公認会計士を目指しました。

現在は大手監査法人で働きながら補習所に通っています。

ーー さっそくですが、「社会人で勉強して公認会計士になれますか?」という質問。加藤さんは実際に転職した立場として、どう答えますか?

勉強は正直、かなり大変です。学生でも大変な試験勉強に仕事をしながら取り組むわけですから、私もとても苦労しました。でも、強い気持ちを持ってしっかり頑張れば、なれるよ!と答えたいです。実際、社会人を経験してから試験を受けて合格している人は多くいます。

ーー 具体的に加藤さんの転職の経緯を教えてください。まず、なぜ経済学部からスーパーマーケットだったのですか?

私はあまり、ここに行きたい!これがしたい!という強い希望がなくて、同じ学部の人がよく選ぶ「銀行」や「保険会社」などは営業があるから避けたいな、という消極的な動機から小売業であるスーパーマーケットを受けました。

ーー どのような業務をしていましたか?激務だったとお聞きしました

レジに入ったり、サービスカウンター業務をしたり、パートさんをまとめたり、というのが主な仕事でした。

激務でしたね。慢性的な人手不足のため入った時から労働時間が長かったのですが、1年半ほど過ぎて『チーフ』という役職が付いてからは更に休みが取れなくなり…そこで身体を壊してしまって。一週間ほど入院しました。

ーー その時に将来のことを考えたのですか?

このままの激務でずっと働いていけるのかという不安は常にあったので、身体を壊したことをきっかけに「このままじゃ…」と真剣に考えるようになりました。

結婚出産など将来的な女性のライフイベントに関しても、今の働き方での両立は難しいなという気持ちもあり。この先の人生を真剣に考え、公認会計士試験に挑戦することを決意しました。

ーー 他の職業は悩まなかったのですか?

悩みませんでした。学生の頃に簿記2級を取っていたため、公認会計士という職業については知っていて、「これしかない!これにかけよう!」という思いで挑みました。


社会人と試験勉強の両立について


ーー 試験勉強にはどう取り組んでいたのですか?

スーパーで働きながら勉強を開始したため、毎日同じだけ時間を確保、というのがなかなか難しかったです。どうしても帰りが遅い日は1時間しか勉強できなかったり。

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専門学校の通信コースを受講していたので、テスト範囲の勉強を自分で進めておかないといけないのですが、どうしても間に合わず遅れが出て、後日必死で追い上げる、と繰り返すようになってきてしまって。最初は仕事と両立しながらの合格を目指していたのですが、半年ぐらいで体力的にも限界を感じ、仕事を辞めて勉強に専念することにしました。

働きながら合格される方もいるのでそれぞれだと思いますが、私の労働環境での両立はとても難しかったです。

ーー 退職してからはどうでしたか?

背水の陣です!(笑)
勉強に専念と言っても貯金がそんなにあるわけではなく、実家にも少しは助けてもらいましたが大きく援助を受けられるというわけでもなかったので、バイトをせざるを得ませんでした。でも勉強優先の生活なのでたくさん働いている場合ではなくて。お給料日前はお金がなくて三食おにぎりで勉強するなんて日もありました(笑)

こんな生活はずっとは続けられないので、試験を受ける回数を決めて「ダメだったら諦めて就活するしかない!」と腹をくくって。

ーー すごい…!ガッツありますね…!

あの時は本当に、人生で一番頑張りました。
今また同じことをやれと言われても無理です(笑)


ついに憧れの監査法人に


ーー まずトレーニー制度で採用されたということですが、制度について簡単に教えてください

公認会計士試験は「短答式試験」と「論文式試験」があります。
トレーニー制度は、論文式試験にまだ受かっていない「試験合格前」の状態で監査法人に採用していただける制度です。

ただこの制度はどこでも毎年実施されているわけではありません。具体的にお考えの方は、監査法人の就職情報などをチェックしてみてください。

ーー 晴れて合格し、監査法人に正職員として入社した時はどんなお気持ちでしたか?

「本当に入っちゃったー!」という感じでした!最初は夢のようで。

仕事内容は、思ってたよりも大変だなと感じることもありましたが、でもここまで来た喜びのほうが大きくて「頑張ってやろう!」と思いました。

2年目の今もその気持ちは変わっていません。
監査法人の仕事にとてもやりがいと働きやすさを感じているので、私はこの仕事をずっと続けていきたいと思っています。


転職を考える人に「良いところだよ、おいで」と勧めたい


ーー ふたつめの質問、「転職組は肩身が狭くないですか?」こちらに関しては実際どう感じていますか?

ないです!

どうなんだろう。個人で負い目に感じている人はもしかしたらいるかもしれませんが、少なくとも私の所属する監査法人ではそのような空気は一切ありません。スタートが遅くても早くても「公認会計士」となった人は皆「〇年目」として平等です。全然心配しなくて大丈夫です。

むしろ、社会人経験が武器になる場面もあります。新卒で入る人よりビジネスマナーの基礎が身についていたり、ぐっと年齢が上のお客様ともお話ができるなど、先輩から「助かる」と言っていただくことがあって嬉しかったです。

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ーー では同じような立場で転職を考える人に勧めたいと思いますか?

「良いところだよ、おいで」と言いたいです。

監査法人は忙しくて大変、という話も聞いていましたが、実際に入ってみると私にとってはすごく働きやすい環境でした。これは別の仕事、とくに身体を壊すほどの激務を経験したからそう思うのかもしれません。社会人を経験して他を見たからこそわかる良さもあるのかなと思います。

男性も女性もプロフェッショナルとして平等というのはすごく感じますし、とても働きやすい職業です。



ーー それでは公認会計士への転職を考える方に向けて、メッセージをお願いします

大変だけど、やる覚悟さえあれば、仕事しながら勉強に取り組むことは可能です。いきなり仕事をやめる必要はなくて、まずは勉強を始めてみてもいいかもしれません。

公認会計士になれば、自分の将来の道を自分で選択できます。監査法人、コンサルティング、アドバイザリーなどもあるし、大きな企業の組織内会計士も選べるし、海外にも行ける道がある。すべて自分次第。

定期的な面談で上司と話すのですが、会社の都合ではなく、あくまで「自分は将来どうなりたいか?」という話ができる場です。本当に自分次第の職業だと感じています。

入るまでのハードルは高いけど本人の気持ちが強ければ、勧めたいです。待ってます!


ーー 加藤さんありがとうございました!

ありがとうございました!

おわりに

社会人と勉強の両立のリアルなお話や、社会人を経験したからこそ感じられる公認会計士の魅力などは、転職を考える方の参考になるのではないでしょうか。今までの経験を強みにして活き活きと働く加藤さんのお話に、私たちもエネルギーを貰いました。

公認会計士とは全く違う職業から転職した人は他にもたくさんいますので、またリアルなお話をご紹介できればと思います。

今後も、公認会計士というお仕事についてわかりやすくお伝えしていきますね。どうぞよろしくお願いいたします。

ではまた!

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