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自分が変わりたい時に思い出してほしい「公認会計士」という職業

こんにちは。
「公認会計士」についてわかりやすく伝える活動をしている、通称「ゆる広報部」です。

今回は、学生さんからよくいただく質問を現役公認会計士の先輩たちにぶつけてみるシリーズの第3回です。

第1回は子育てと仕事を両立するママに、女性の働き方についてお聞きしました。

第2回は学生さんたちの少し先輩に、将来の選択肢のお話をお聞きしました。

そして第3回目の今回は、うーーーんとベテランの大先輩に、「公認会計士って本当に今の若い人にオススメの職業なの?」というお話をお聞きしました。「今の若い人にはもっと自由な仕事のほうが合ってるのでは?」と疑問に思われる方も多いのではないかと思います。

若い方に寄り添う回答をたくさんいただきましたので、ぜひ参考にしてみてください!


個性は可能性。
学生の心に語りかける大先輩公認会計士


学生向け講演会でお話をされる機会も多い、この方にお話をうかがいます。

近畿実務補習所所長 高濱さん、よろしくお願いします。

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高濱 滋 56歳
PwCあらた有限責任監査法人パートナー
一般財団法人会計教育研修機構 近畿実務補習所所長
日本公認会計士協会近畿会 元会長


僕たちの頃は、サラリーマンの枠に収まらないタイプが選ぶ職業だった


ーー それでは高濱さん、簡単に経歴をお願いします

はい。
30数年前に監査法人に就職、現在はPwCあらた有限責任監査法人のパートナーをしています。

日本公認会計士協会副会長を6年、日本公認会計士協会近畿会の会長を3年務め、現在は一般財団法人会計教育研修機構近畿実務補習所所長に就任しています。

ーー 高濱さんが公認会計士という職業を選んだ理由はなんですか

祖父が公認会計士として事務所を持って仕事をしていたため、「事務所を構える」という働き方に興味を持ったことをきっかけに公認会計士を目指しました。
祖父は中学生の時に他界してしまったので直接アドバイスを受けることはなかったのですが、サラリーマンではなく自分の事務所を構えて働く姿はとても印象に残っています。

ーー 高濱さんの受験の頃は、どういう人が公認会計士を目指したのでしょうか

最近では公認会計士は「安定したい人」の選択肢と思われていますが、僕たちの頃はどちらかというと、サラリーマンの枠に収まらないタイプが多かったですね。安定よりも、働き方を強制されたくないとか、営業せずに仕事をしたいとか。

なので今よりも遥かに個性豊かな人が多かったです(笑)

ーー 今とは少し雰囲気が違ったのですね。
さっそくですが、「公認会計士って本当に今の若い人にオススメの職業なの?」という質問。高濱さんは時代の流れを見て来られて、どう思われますか?

今の時代の若い人にこそ、オススメだと思っています。
一番の理由は働き方の選択肢の多さです。

今の若い人は自分に合った働き方への関心が高い。公認会計士なら、監査法人で働くだけでなく、大企業の仕事もできる。海外で働く選択肢もある。独立もできるし、女性もライフスタイルに合わせて働き方が選べる。これからの時代に合っていると思います。

あと、仕事内容を自分で選択できる点も、若い人にオススメですね。

というのも、就職する時には多くの選択肢から選ぶわけですが、どれだけ吟味しても、どれだけ成績が良くても、「やりたいことを本当にできるか」はまた別です。

希望した会社に入れても、どういう部署でどういう仕事をすることになるかわからない。入社した時にイメージしていた仕事とは別のことをしている人も多いですよね。それが良い悪いではないですが、公認会計士など専門職の場合はその点、ある程度イメージした通りの仕事ができます。

職業を選ぶ時点から、「どういう仕事をするか」を自分で決めることになり、かつその仕事をずっと続けられる、というのは専門職の魅力です。


おじさんたちのしがらみにもまれることなく正義を貫ける仕事


ーー 「今の若い人にはもっと自由な仕事のほうが合ってるのでは?」と思う人も多いですよね。学生向けのイベントではそのあたり、どのようなお話をされていますか?

公認会計士の仕事内容はどうしても専門的で難しく聞こえてしまうので、なるべく働き方をイメージしてもらえるようにお話しています。

学生さんからすると、公認会計士って暗い事務所にこもって数字とにらめっこしているんでしょ?というイメージがあるようですが、実は海外で働くチャンスが多いということはよく伝えています。

上場企業の監査に関わると全世界に工場などがあってお邪魔することも多いですし、2~3年の海外赴任などもあります。監査・会計のルールは国際的に統一されているので、海外の人とも仕事がやりやすい。こういうことを伝えると、結構イメージと違うようで反応があります。

ーー 女性からと男性からと、質問の傾向が違ったりしますか?

女性はやはり、ライフスタイルの変化に対応できるかに関心が集まります。子どもを産んだらどんな働き方になるのか、職業を選択する上で重要なポイントになります。なので女性には「一般企業だとライフイベントに応じて自分の好きなタイミングで自分の好きな仕事に戻る、ということがなかなか難しいけれど、公認会計士は好きな時に好きなように社会復帰して働ける仕事ですよ」ということをよく伝えています。

男性からは、「儲かるか」という質問が多いです。

ーー シンプルですね(笑)どう答えてらっしゃるのですか?

「普通に企業に就職するよりは稼げるよ」と伝えています。

世の中には、一生懸命働くことと収入が必ずしも一致しない仕事もありますが、公認会計士は頑張っても稼げないということはまずない。
平たく言えば「頑張れば結構儲かるで」と(笑)

ーー 学生さんに伝わりやすいですね(笑)ほかにも反応が良い話題はありますか?

男女ともに反応が良いのが、「公認会計士の独占業務である監査という仕事は、おじさんのしがらみにもまれることなく、正義を正義として貫ける仕事ですよ」というお話ですね。

監査という仕事は『正義を追求する仕事』です。これは一般企業に比べると少し特殊で、公認会計士や裁判官などごく限られた職業のみの特徴だといえます。

時代は変化しているとはいえ、女性にとっては特におじさんのしがらみにもまれずに自分の正義が貫ける職業は、世の中にまだまだ少ないのではないかと思います。


公認会計士としてのやりがい、喜び


ーー 高濱さんが一番嬉しいこと、やりがいを感じることはなんですか?

それはもう、公認会計士としての自分の判断で、会社が良い方向へ向かうことです。
時には会社が思っていることと食い違うケースも当然あります。専門家として正しさを貫いた先に会社が大きく成長する瞬間に立ち会えた時なんかは、心からやりがいを感じます。

ただ・・・
我々には守秘義務というものがあるため、どれだけ大きな仕事に関わっても、家族にも言えないというのが少し寂しいですね(笑)墓場まで持って行くエピソードはたくさんあります。

あと、広報活動でいえば、「高濱さんの話を聞いて公認会計士になった」という方と出会うことがあり、これはなんとも言えない大きな喜びです。

ーー 実は今回のインタビューも、若手に公認会計士になったきっかけを聞いた時に高濱さんの講演会だったと判明して、お願いしたのですよね

同じ講演を聞いてくれた学生さんが4人も公認会計士になっていると聞いて、すごく驚きました。本当に嬉しいですね。

公認会計士協会の広報活動は基本的にみんな、ボランティアですので、「公認会計士に興味を持ってくれたら」という思いと、「迷える若者の心になにかを語りかけられたら」という気持ちでおこなっています。

真剣に耳を傾け、メッセージを受け取ってもらえたことは、大きな喜びです。

その方に、よろしくお伝えくださいね。

ーー はい!もちろんです!



組織人を極めなくていい。好奇心をもってどんどん挑戦を


ーー これからの今の若い公認会計士に求めることはなんですか?

好奇心をもって、いろいろなことに挑戦してほしいということです。

公認会計士の働き方は無限大です。将来的に組織に属してもいいし、個人でもいいし、世界中どこにいても仕事ができるし、子どもを何人産んでも望んだタイミングで社会復帰できる。自分の得意と掛け合わせて様々な業界で活躍している人がいます。せっかくこんなに選択肢の多い職業なので、自分の可能性を狭めないでほしい。

組織に属する僕が言うのも変ですが、自分が見えている組織の上の人たちの姿だけがゴールというのはあまりにもったいない。若い人にはもっともっと挑戦をして、世界を広げてほしいと思います。

ーー お行儀よく組織の上の人を目指して、というのではないのですね。

僕たちの時代は本当に個性豊かでしたからね。

積極的に外の世界に触れて、視野を広げてほしい。
一番大事なのは、常識や世間を知っていることです。
世の中のお金がどんな風に流れていて、どんな職業の人はどんなお金の使い方をしているのか、身近な人だけを見ていては偏ってしまいますからね。
おかしいことをおかしいと思える感覚を養うためにも、自分で色んなところに足を運んで体験するといいと思っています。コロナ禍が落ち着けば、飲みに行ったり旅行に行ったり、お金を使って様々な体験をし、知見を広げてほしいです。僕も世の中の調査として飲みに行ける日を心待ちにしています(笑)

ーー 調査ですね(笑)

調査で。


ーー それでは公認会計士を目指す方に向けて、メッセージをお願いします

色々言いましたが、「今」じゃなくてもいいんです。
学生さんも、今すぐじゃなくていい。

ただ、こういう仕事があったな、と、ぜひ覚えておいてほしい。

学生さんでも、社会人でも、自分が変わりたい時に思い出してほしいです。公認会計士は広くひらかれた資格試験であり、可能性が無限に広がる職業です。

自分が変わりたいと思ったその時に、ぜひチャレンジしてください。

ーー 高濱さんありがとうございました!

ありがとうございました!


おわりに

日本公認会計士協会近畿会の元会長を務められた高濱さんにお話をお聞きするということで、ゆる広報少し緊張していたのですが・・・
温かく若者に寄り添うお話が多く、お話を聞きながらじーんとしてしまいました。

組織の上の方がこんなふうに多様性を認め、若い人の個性を存分に伸ばしてほしいと願っているということは、新しく入って来る若い方にとってとても希望になるのではないでしょうか。


今後も、公認会計士というお仕事についてわかりやすくお伝えしていけたらと思います。個性豊かな方々の具体的なお話もまたお届けいたしますね。

どうぞよろしくお願いいたします。

ではまた!

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