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「手触り感がほしい!」29歳ではじめての経理、その3年後ー

経理の挑戦メディア『デンタツ』!6回目を迎えました。

経理の挑戦メディアなので、経理に関わる方々にご覧いただいているかとは思うのですが、改めて「どうして経理?」という部分に触れたいと思います。

今回お話を伺ったのは、元々は営業→人事という経歴をもつ山根さん。

どうして経理に?どういうキャリア選択をしたの?という部分を詳しくお話いただきました!


キャリアの先輩をご紹介

株式会社スペースマーケット
山根 亜友美 氏

新卒で総合人材サービス企業に入社。営業として活躍後に人事部門へ異動し、新卒・中途採用、人事制度改革プロジェクトを推進。その後、「経営に近い、手触り感」を求めて株式会社スペースマーケットへジョイン。29歳で初めて簿記の勉強を開始し、たった3年の間に決算業務・監査対応・開示資料作成などフルに活躍。経理として東証マザーズ上場を経験。


1社目、経理に触れてもいない件

こんにちは、スペースマーケットの山根と申します。
私の少し変わった経歴に注目していただき、今回インタビュー記事を掲載いただけることになりました。少しでも何かのご参考に、きっかけになれば幸いです。

今でこそ「経理の山根」ですが、私は元々会計を勉強していたり、資格を持っていたわけではありません。

大学を卒業後、総合人材サービス会社に入社し営業職として働きはじめました。3年ほど営業経験を積んだ後、経理…ではなく、かねてより希望していた人事部門への異動が叶いました。新卒・中途と採用業務の他に、タイミング良く人事制度改革プロジェクトにも携わることになりました。

新卒で入社した会社は数千人の社員がいて、組織体制やルールも古くからあるような、いわゆる大企業でした。人事制度改革プロジェクトによって、これまでの慣習や定着した組織・ルールをガラッと変えることは大命題であり、課題があまりにも大きすぎて一体何から手を付ければ良いのか、そもそも変えるって何を?本質的な課題って何?と分からないことが多くとても悩みました。漠然とした大きな山に、どうアプローチすれば良いのか分からなかったのです。

この経験から、本質的課題へのアプローチの仕方や考え方を身に付けたいと思い、一年間ビジネススクールに通いました。経営・ビジネスについて深く学んでいくと、ビジネスの根幹・本質的な考え方・経営戦略といったものが上手く嚙み合ってビジネスは成り立っている、ということが分かってきました。同時に、今の会社は規模が大きいがゆえに、自分がどんな風に、どのくらいビジネスに貢献できているか分かりづらい、もっともっと、ビジネスをしていると感じたい!と思うようになりました。


「手触り感」を求めて、小さな会社へ

こうして、ビジネス・経営への「手触り感」を求めてベンチャー・スタートアップへの転職を決意したわけですが、意気揚々と転職活動を進めていたわけではなく、正直なところ不安もありました。
様々なことが整っている大企業から、福利厚生や社内環境が十分に整っているとは言えない、待遇面もあまり期待できない小さな会社に行って大丈夫なのだろうか、さらには少数精鋭の組織、優れた人たちの中で本当に自分が活躍できるのか。

ベンチャー・スタートアップという未知の世界に、期待と不安が入り混じっていました。

この時点では、経理業務をするとは全く考えていませんでした。
人事制度改革プロジェクトでの、どうしていいか分からなかった悔しさもあり、人事職での転職に向けて動いていました。

結果として当時30名くらいだったスペースマーケットへの入社を決めたのですが、もう少し人数の多い企業や上場間近の企業も選択肢にはありました。

どの道に進むべきかを考えるときには、「そもそも私が転職するのはどうしてだっけ?」と自分に問い直すようにしていました。

「手触り感」を軸として慎重に選択しないと、次の会社でも手触り感が足りない…という同じような悩みを生んでしまうと思ったのです。

ちなみに、私は恥ずかしながら上場準備というものを知っていたわけではありません。
転職活動を通じて、上場という目標に向かって突き進むとても魅力的な世界があると知り、ベンチャー・スタートアップに挑戦するという考えから、上場準備ベンチャー・スタートアップへの挑戦に変わりました。

そうしてご縁があったのが、現職のスペースマーケットです。
数社から内定をいただいていたのですが、その中で最も上場が遠く(準備経験がしっかりできる)、規模も一番小さかったことを決め手にスペースマーケットへの入社を決意しました。


全く自信がありません。だから何でもやります!

少数精鋭、優秀なプレイヤーが集まるベンチャー・スタートアップ。
人事という軸はありましたが、自分がどれだけ貢献できるか不安もあったので、戦力になれるなら何でもやるというスタンスで入社しました。

採用と営業アシスタントの兼務からスタートし経験を積んだ後、将来的には管理部門の立場から経営に近いポジションにいきたいという思いを持っていました。

日頃の会話や1on1の機会で、管理部門や経営に近いポジションへチャレンジしたい気持ちは口にしていました。

熱意を汲み取っていただけたのか、入社3ヶ月後に正式にコーポレート部へ異動することになり、管理部門のキャリアを築く一歩を踏み出す機会をいただけました。

とはいえ全くの未経験。
今まで以上に、求められるなら何でもやります!というスタンスで挑みました。

自分なら上手くこなしていけるという自信があったからではありません。
むしろ、貢献できるのか不安で仕方がありませんでした。
自信がないからこそ、人一倍オーナーシップを持って取り組むこと、期待されることには結果を出せるよう努力することを常に大事にしていました。

異動後は、採用をはじめとして、総務・法務・財務・経理と幅広く経験しました。

未経験でできるものなの?と思われるかもしれませんが、弁護士や会計士のチームメイト、上司であるCFOと経験豊富なスペシャリストが周りにいて下さったおかげで、何でも聞くことができ、プロフェッショナルな意見やアドバイスを身近でもらうことができました。

今思っても、未経験の私にとっては本当にありがたい環境だったと思います。

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「経理の山根」が生まれました

幅広く業務を経験していく中で、分かったことがありました。

私自身の思考として、専門的な答えがあるもの、根拠が明確であるものが合っているということです。

法律や会計基準という絶対的なものがある法務・経理業務はとても魅力に感じました。あるべき状態に近づけていくという考え方が、自分にとても合っていました。

スペースマーケットに入社をしてから(当時29歳!)簿記2級の勉強を始めたのですが、勉強したことがすぐ実務に出てきて、自分の勉強がこんなにすぐに役立つとは!と驚きました。成長を感じることができましたし、専門知識がこんなに活かせられるのだと、実務とのつながりが強くとても興味を惹かれ、より深く追求したいと思いました。

こうして、「経理の山根」が誕生しました。

それまでは、私は人事として活躍するんだという思いで動いていましたから、全く別の選択をすること自体、転職する前には想像もできなかったことです。

これをやりたい!という思いとは別に、自分の思考や性格に合っているのかという視点で職種を考えてみると、思わぬ選択肢が現れるのかもしれません。

そしてそれは、様々なことを経験してはじめて見えてくるようにも思います。


経理4年目になりました

簿記2級の勉強をはじめた当初に比べると、経理として成長できていると実感します。

現在は、決算(月次・四半期・年次)業務を中心に、監査対応や税理士対応をしています。また今年からは、開示業務をメインで担当しており、決算短信や四半期報告書等の開示資料の作成もしています。もちろん、税務申告やJ-SOXとどんどんスキルアップしたいです。

「手触り感」を求めて転職をして、現在こうして会社の経営状況を常に把握することができる経理に従事できていること、加えて、上場準備~達成経験を積めたことは本当にありがたいことだと思っています。

もちろん、ベンチャー経理ならではの大変な部分もあります。

会社の変化、プロダクトの変化が多く、その分会計処理の見直しが頻繁にあったり、少数精鋭で1人あたりの貢献度が高い分、1人の力量が試される環境であったり。経理以外の業務も経験できるということは、裏を返せば、職種にこだわらず色々なことをやっていかないといけないということでもあります。

捉え方次第ですが、やらなければいけない、しかも教科書通りに進められないことを何としてでもやっていく、クリアしていくことは、大きな成長のチャンスであると思っています。

何でもやっていく、とにかく自分なりに考えて動いていくことで、気づいたときには出来ることが増えていて、これからの選択肢も広がっている。

経理の仕事をするまで、経理が何をする仕事なのか、いまいち良く分かっていませんでした。決められたことを決められた手順でひたすらに入力していく仕事なのかな…?と思っていたくらいです。

ベンチャーでの話になりますが、今は経理とはとてもアグレッシブな仕事だと思っています。前例がない中でルールをつくる必要があって、しかも自分でつくっていくなんて。決まり事やルールって、すでにそこにあるもの、従うべきものだと思っていましたが、誰かがつくるものでもあるのですよね。

他部門の方とやり取りすることも多いですし、コミュニケーションも活発です。
地味な仕事というイメージが強いと思いますが、全くそんなことはないです。地味というイメージをどうにか打破できないかな~と考えたりもしています(笑)

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3年で大きく変わることができる

自分自身がチャレンジをし続けられるところであり、世の中に対しチャレンジをしている集団がベンチャーなのかなと思っています。

同じビジョンを持つ仲間が集まり、
同じ目標に突き進んでいく、
まさに、「大人の青春」です。

色々なことを経験できて、その分失敗もして、学んで、自分でやり方を模索して…と、自由度が高く、個人の裁量が大きいからこそ叶うことがあるのだと思います。

その分、やりっぱなしにせず、結果を残さないといけませんし、会社や事業に対する影響も大きいので、中途半端なことはできません。

思い通りには進まないことも、これも一つの経験だと何でもやってみるという積極性も求められます。

大企業では自分の仕事が事業や会社にどう影響しているのか分かりづらい、直接的に貢献できていると感じたいという思いでベンチャーに転職し、当初の考えにはなかった経理という道に進んでいる私ですが、目指していた環境に身を置くことができていると実感しています。

3年というキャリアで考えると決して長くはない期間で、環境も私自身も大きく変わりましたし、これからも前に突き進んでいくつもりです。

「手触り感」も、もっともっと感じたいと思っています。

どこまでも終わりなく走り続けて、また3年後、5年後、10年後、どんな自分になっているのか、自分で自分を見続けたいと思います。


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山根さん、ありがとうございました!

株式会社スペースマーケット
あらゆるスペースを簡単に貸し借りできるWebプラットフォーム「スペースマーケット」・「スペースマーケットWORK」の運営
法人向けにイベントプロデュース・プロモーション支援
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