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「切り拓いていく側」として挑戦したかった。 ―管理部門1人目社員としての現在地

経理の挑戦メディア『デンタツ』!7回目を迎えました!

今回は東証一部上場企業で経理財務の経験を積み、現在はスタートアップで管理部門全般の立ち上げをHiTTO株式会社の早瀬さんにスポットライトを当てました。

「管理部門の人がいない会社に入りたかった」という早瀬さんに、なぜそのような想いを抱いたのか?また、どうやって転職活動を行ったのか?そして、転職してみての想いなど、早瀬さんの現在地について詳しくお話を伺いました!

デンタツ007


キャリアの先輩をご紹介

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早瀬 友貴さん
新卒で東証一部上場のマーケティングリサーチ企業に入社。
経理部・財務部及び、子会社の経理全般を担当し、その後に管理部門担当として創業2期目の投資先企業へ出向し、スクラッチで仕組み作りから運用までを担う。後に転籍、管理部長に就任。
数年従事し培った経験を元に、もう一度ゼロから管理部門の構築にチャレンジすべく転職活動を行い、管理部門の1人目社員としてHiTTO株式会社に入社。
部門立ち上げから、半年で年次決算・監査法人対応を「フルリモート」で行えるよう整備する。当時の業務フロー構築や、コーポレート全般の効率化についてnoteや登壇を通じて積極的に発信も行なっている。


出向による社会人人生の転機

初めまして、HiTTOの早瀬と申します。
少々恥ずかしい気持ちもありますが、光栄なことに、今回インタビュー記事を掲載していただけることとなりました。
今後スタートアップ/ベンチャーへのご転職も視野に入れられている方に向けて、実際のところ小さい会社へ行くことってどうなんだろう?という疑問解消に少しでもお役立てるようなお話をしたいです。

私の経歴はご紹介いただいた通りですが、もう少し詳しくお話させてください。
実は大学院時代に一度起業・失敗をしておりまして、それがビジネスマンとしてのスタートでした。失敗した後に、まずは就職して社会に出て、社会人としての経験を積もうと考え、新人研修・教育がしっかりしていそうな会社を選びました。

入社後は会社の経営に近い場所で働きたいと考えておりましたので、最初から経理財務部を希望し、営業経理から始まり、月次決算、予算策定・予実管理・管理会計資料作成の補助及び子会社の設立・バックオフィス全般を担当しておりました。

その後、投資先のスタートアップへ出向し、6年ほど、営業経理・月次決算体制の構築から各種ワークフローの設計、中期経営計画・予実管理の仕組み作りまで携わりました。また、案件進捗管理フローを構築するため、SFAシステムの設計と導入も2度経験しました。

会社が勢いよく成長して行く中で、忙しくも充実した日々を過ごしていましたが、自らのスキルが他の企業でも通用するのかはいつも疑問に思っておりました。管理部長として働けているのも、上司・先輩方をはじめとして、たくさんの導いてくれる存在がいたからこそ、という感覚が強くありました。

転職活動をするにあたっては、「今度は0から自分の力で、前職の経験を再現してみたい」と思うようになり、支えられ・助けられてきた側から、今度は自分で「切り拓いていく側」としての経験を積みたいと考えるようになりました。

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どれだけ事業を愛せるかを考えた転職活動

0から管理部を作っていくとなると、管理部門に誰も人がいない会社に所属するということになります。必然的に、未上場の、シードからアーリーステージの企業を中心に転職先を探すことになります。

ですが、社会にどんな企業・事業があるのかわからない。そんな暗中模索で良い会社に出会えるのだろうか。そんな悩みもありました。

そこで、最初の頃は、リファラルを中心に、いろいろな会社の話を聞きにいきました。そうしているうちに、ある程度やりたいことの方向性が掴めてきたので、方向性とマッチしている企業とのタッチポイントを増やすべく転職エージェントを活用しはじめました。

大手のエージェントはあまり活用せず、ブティック系のエージェント5社くらいとやりとりをしていました。「今、御社がお持ちのある求人を全部ください!」とお願いし、合計100社くらいのリストを頂戴しまして、事業内容を精査して、興味関心軸で〇✕を付けました。そして、〇がついた企業は片っ端から話を聞きに行きました。

転職活動中は一貫して「どれだけ事業を愛せるか」を判断の軸としておりました。
転職活動をしていると、よく「この会社はIPOが見えているので、オススメです」と言われます。もちろん、それは成長している会社ということであり、大変魅力的だとは思います。ただ、IPO経験を目的で入社を決めてしまうと、もし入社した会社が方針転換等でIPOしなくなった場合、もしくはIPOタイミングを後ろ倒した際に、モチベーションが持続できるのか自信が持てないと思っていました。

そういった自分でコントロールできない事象を転職の決め手にするのはやめて、「自分が心からやりたいと思っていること」「社会をこう変えていきたい」ということを重視することで、外部要因に関係なく全力で働ける!と考えていました。


リファラルとエージェントの良いところ、気をつけるべき点

転職活動を行う上でのリファラル・エージェント活用のメリット/デメリットをお伝えもしておきます。個人的な感想なので、あくまで参考程度に聞いてください。

リファラルのメリット
・気軽に事業の話を聞きに行ける(相談ベースで入れる)
・ディスカッションが気軽にできる(面接よりは壁が低い)
・その結果、自身のスキルや希望年収に対しての、素直なフィードバックが貰える

リファラルのデメリット
・リーチできる社数(自分の知り合いの範囲にしか行けない)
・その結果、比較検討が不足すること

エージェントのメリット
・比較検討できる数
・転職市場に精通したエージェントからのアドバイスを受けられる

エージェントのデメリット
・辞退が重なると申し訳ない
(でも妥協すべきではない。理解してくれるエージェントと出会うことが大事)

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人生を費やしたとしても挑戦したいAIチャットボットの世界

面接では、「自分が心からやりたいと思っていること」「社会をこう変えていきたい」想いと、会社の方向性とがマッチしているかについての質問を多く行っておりました。

最終的に、AIを活用した、社内向けのHRチャットボットを提供するHiTTO株式会社に入社を決めました。

弊社が提供しているチャットボット「HiTTO」は、完全に「共通化されたAI」を実装するという、他社にはない全く新しい仕組みを実装している、人事/労務/総務領域に特化した社内利用のチャットボットです。
社内に分散しているナレッジをチャットボットに集約し、問合せに自動応答させたり、情報へのアクセス性を向上させることで、会社全体の生産性向上、従業員のエンゲージメント向上、中期的なコスト削減、といった様々なことに貢献できます。

実はこの7月で、上記の価値をより強く体感していただけるよう、サービスをリニューアル致しました。今まで提供していた価値はそのままに、更に多くのユーザー様へ、新しい価値を提供していくためのリニューアルです。
このリニューアル版を市場に届けたいと思い、2年前、HiTTOへの入社を決意しました。

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転職活動を通じて、私は、日夜全力で働いているビジネスマンを幸せにしたいという思いが芽生えていました。それは、会社の良くないところを探し出して解消していく対症療法ではなく、働いている人を能動的に幸せにするサービスに関わりたい思うようになっていました。

そんな時に、いかに組織を活性化させるかにフォーカスしている社内利用のHRチャットボット「HiTTO」と出会い、このサービスを日本の「社内の新しいコミュニケーション基盤」にすることが、自分の目指す方向性と一致していると気づきました。

ようやくリニューアル版をリリースできましたが、個人的には今がようやくスタートラインです。これからも、ビジネスマンの働き方を一段階押し上げることに貢献していきます。


死ぬ時に、後悔したくない

2019年9月にHiTTOにジョインしてからは、管理部門の立ち上げを行っております。入社した当初は、管理部担当の社員はおらず、各種オペレーションを業務委託の方々に回していただいておりました。各々に対して、個別で日々の対応をお願いしていたため、全体を通じたシステマティックな動きはできていませんでした。

過去の経験から、上場を目指すにはn-2期(直前前期)突入時期にコーポレートの型を一定程度のクオリティで完成させておきたいと考えていました。後々の負担を減らしたいという思いに加え、早めに体制構築することが後々ジャブのように効いてくると知っていたからです。

上場準備と並行して大慌てで管理部構築を進めると、部分最適なオペレーションに陥る可能性があります。部分最適なオペレーションを組んでしまった場合は、必ずどこかで調整コストが発生します。事前に、会社全体を通した最適なオペレーションを検討した上で、監査法人や証券会社と改善点の議論する方が効率的ですし、本質的な議論ができます。

弊社では、n-2期に突入する際には、手戻りのないレベルでの決算体制の構築と、システム的な部分の統制に目途がついている状態を目指しており、入社前から第一にここを綺麗にすると決めておりました

転職してみてのギャップは特にありません。
スタートアップは変化が激しいと言いますが、弊社も、この2年間で経営体制や社名、オフィスが変わったりしました。ですがそれは、会社としてより大きくなるための変化であり、事業の成長・成功を望む私にとっても前向きな変化です。

もし事業以外の要素で転職を選んでいたら(人とか、立地とか)、ダメージは大きかったかもしれませんね(笑)。
スタートアップは本当に色々なことが起きます。担当業務1つとっても、半年前とまるで別のミッションを与えられたりもザラです。だからこそ、事業に共感できることを最優先にするべきだと私は考えます。

この会社・この事業に携わりたい、そうでないと、いつか死ぬときに後悔する。
そういう気持ちで会社を選べたら最高だなと思います。

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これからの社会変容を乗り越えられる人材になること

東証一部の企業からスタートアップに転職した経験から、
管理部門、特に経理業務に携わる方は、早いタイミングで転職にチャレンジしても良いという確信があります。大きい会社では、良くも悪くも仕組みがしっかりしているので、業務の「その仕組みができた成り立ち」を把握しきることが難しいです。

小さい会社であれば、上場準備やその他の経験等を通じて、実際自分の経理作業が最終的にどう管理会計、財務会計、税務、開示、M&Aなどに繋がり、活用されているかのイメージが持ちやすいですし、網羅的に業務を見ることができます。

また、アーリーからミドル、ミドルからレイター、そして上場するような会社の変遷を見ることで、フェーズに応じたコーポレートの作り方が頭の中に入り、その後どんな会社でもやっていけるような知識や経験が実戦で身に付きます。

手に職をつけるという意味でも、仕訳から最終アウトプットまで一気通貫で頭に入れることができれば、今後どこにいっても活躍できるスキルが身につくのではないでしょうか。
これからの日本は、高齢化、人口減少、消費低迷、極めつけにコロナなど、見通しの不透明な激動の時代に突入していくと言われています。その中でも自分のキャリアを柔軟に選べるように、スタートアップで経験を積むことは決して悪い決断じゃないと思っています。

弊社の話になってしまうのですが、例えばHiTTOで管理部門を経験した人は、どの会社でも同じクオリティで仕事ができるようになると考えています。
それは、業務を徹底的に考え抜き、品質高く標準化することで、誰が担当しても同じアウトプットを出せるようにする、その設計図作りを最優先に考えてオペレーションを構築している為、どこでも通用する「成功の型」を身につけられるからです。


スタートアップでは、自分が会社にどう貢献するかを考え続ける人でないと何も成果を残すことはできない

スタートアップに興味がある人には、仕事の区分はグラデーションであることを意識して欲しいです。ここからここまで、という明確な区切りはありません。むしろ業務と業務の間の隙間に手を伸ばせる人材が重宝されます。
コーポレートの人は、いつもミスなくきっちりした業務を任されている分、フロントで働く人と比較すると、この隙間に手を伸ばした際に、手前側で手が伸びきってしまっている方も多い印象があります。

もちろん、テレアポでも何でもやれという意味ではないですが、
自分が何をやれるか、やりたいかではなく、会社にとって自分がいま何をやることが一番良いかを常に考えて欲しいです。
コーポレートはここまでが仕事、この先は営業がやる仕事、という考えよりは、企業価値を最大化させるために何でもやる気持ちで、その上で自分のスキルセットや、置かれた状況に応じて、担うべき業務を見直し続けて欲しいと思っていますし、
そういった人でないと、なかなか成果を残すことは難しいと思います。

最近、私が過去一緒に働いていた人たちから、「転職したら早瀬みたいな人は他にいなかった。管理部門は一緒に仕事を作っていくと思っていたけど、他の会社では思っていたより縦割りで驚いた」と言われました。
本人はたわいのない雑談だったかと思いますが、私にとっては、本当に言われて嬉しかった言葉でしたし、誇りになりました。

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属人化を排除し、誰でも同じ成果をアウトプットすることが重要

今後、IPOに向けて、採用も行っていきたいと考えております。

会社の業務をいかに属人化させないかを一緒に考えてくれる人と働いてみたいです。
属人化し、仕事を抱え込むことで、自分の価値を主張する人がいます。かつては私もそうでした(笑)。ただ、それでは会社組織としての成長がなくなってしまいます。個人単位の部分最適でしかないからです。属人化を排除し、誰でも同じ成果を出せるという考えが一致する人と働けたら良いなと思います。

これからの管理部門では、属人化を排除しつつクラウドサービスを活用することが、労働人口が減っていく社会において、会社を効率的に存続させる1つの手段になりますし、その上でアウトソースを適切に利用できるくらい業務を型化することが重要です。

HRチャットボット「HiTTO」がやろうとしているナレッジの集約と、私の考える属人化排除は近い概念ですので、これらの考えに合致する方は弊社のミッション・ビジネスに共感していただけると自負しております。

後は他部署の協力を仰ぐ時や経験者から教わる時のコミュニケーション力、キャッチアップやスタートアップの速さについていく為の柔軟性があれば良いな。とオーダーが増えていきますね。でも一番は愛嬌かなと思います。
コーポレートは誰のためにあるのか。絶対に「自分自身」でないことは確かです。

最後になりましたが、もし弊社にご興味がある方、管理部門の0→1の構築を聞いてみたい!などのご要望がある方、是非カジュアルにお話させてください!
note、Twitterも運用してますので、そちらにナレッジシェアもさせていただいております!

note:https://note.com/t_hayase/m/m49b540da4428
Twitter:https://twitter.com/tomotaak


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早瀬さん、ありがとうございました!

HiTTO株式会社
AIを用いた社内向けHRチャットボット「HiTTO」の提供

「HiTTO」は、従業員に寄り添った情報共有の仕組みを構築し、変化に強いオープンな組織を作る、市場シェアNo.1のHRチャットボットサービスです。

※写真は全てWeWork KANDA SQUAREにて撮影

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