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経済に関するメモ(11) 【株式・企業価値】

本メモは経済の基礎的な内容に関するメモです。


1. 株式 18項目

…企業がその所有権を分割して投資家に売るために発行する有価証券
→カネを回してもらうためのもの、所有権はあげます

1-1. 経済の見方
…詳しくは【経済】に記載

・為替を見る
→債券・金利を見る
→株式を見る
→コモディティを見る
→デリバティブを見る


1-2. 株主
…株式を保有する人・組織
→カネを回している人・組織


1-3. 配当 D
…企業が株主に利益を分配することで、株主が受け取るカネ
→カネを回してもらって利益が出たので一部を払います
→配当が高いから魅力的とは限らない、株価が安い可能性、配当が大幅に減少する可能性
→事業や利益の安定性を見る
→長期投資では大事、目標リターンとの兼ね合いで利回りや安定性を見る
→高配当を追いかける必要はない、分散
→配当するくらいなら事業投資するわという企業もある


1-4. 配当利回り
…株価に対して配当がどれくらいの割合であるかを表す数値
→回してくれたカネのうち〜%を払います


1-5. 株主平等の原則
…同じ内容の株式については原則平等に扱うべき


1-6. 株主の有限責任
…株主は自分の投資額以上の責任を負うことはない


1-7. 株主総会
…株主が企業に関する意思決定を行うための会議体

→株主が会社の方針に参加できる、取締役が株主総会で選任される、取締役が企業の経営を行う
→代表取締役は取締役会の業務執行などの意思決定に基づき会社の業務を具体的に行う
→代表取締役とは法人としての会社を代表している
取締役には善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)や忠実養務が課せられる


1-8. 株主の権利
❶議決権
…株主総会での投票を通じて間接的に企業経営に参加する権利
→創業者が社長であれば多数の権利を持つ、意見が一致しやすいため

❷利益配当請求権
…企業の利益を配当として受け取る権利

❸残余財産分配請求権
…企業が解散した場合に返済後に残った財産を受け取る権利
→赤字になる前に会社を解散することで残るお金があれば分配できる

・自益権
…配当を受ける権利など権利行使をした株主の利害だけに関係する権利

・共益権
…議決権など株主全体の利害に関係する権利


1-9. 決算
…企業が一定期間の経営成績・財政状態をまとめて確定させること
→カネを回してもらって出た利益とそのプロセスを表す

→損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書等で表される、それらを表す様式として決算短信などがある


1-10. 株主への配当還元
…企業の支払いから考える
→売上高、事業によって回してもらったカネ
→経費の支払い、事業によってカネを回してもらうのに使ったカネ
→金利の支払い、融資でカネを回してもらうのに払うカネ
→税金の支払い、事業を認めて法律で守ってくれる国に払うカネ
→純利益、カネを回してもらって出た利益
→株主への支払い、配当、カネを回してもらって利益が出たので一部を払います
→配当をたくさん受け取れる企業は人気となる
→株価は権利の価格、欲しい人が多くなれば高くなり、欲しい人が少なくなれば低くなる


1-11. 決算が良いとは?誰にとって良いのか?
…実際の数値が期待値より高いこと、期待値の分の伸びは当たり前だと思って買っている
→期待値通りであれば上がらないことが多い、ネガティブではないけどポジティブではない

→業績が毎年20%、今年環境が悪くて10%
→企業はめちゃくちゃ頑張ったつもりだが、マーケットに対してきちんとアナウンスしないと20%だと思っているからがっかりする
→期待値はどうやったら分かるのか?
→真理は分からないが一部をかじって推論していく

❶コンセンサス
…みんながどう思っているか、各証券会社等のアナリスト等
→投資家はコンセンサスより期待値が高いことも低いこともある、リアルとの乖離
→コンセンサスの情報がなければ会社計画を見る

❷会社計画
…短信、義務ではない、営業利益、経常利益、純利益、細かいデータがあるところも
→会社計画の情報もなければその他を見る

❸その他(SNS やサイト)
…1人2人の意見でしかないがないよりはマシ

→企業の業績予想を自分なりに考えることで意味が出てくる、財務モデルを作りKPIを作成、3年くらいの見通しで作る
→どのデータからどの数値が出てくるか、あってるかどうかは結果論


1-12. 株価の変動
…短期的には人々の行動に影響を大きく受ける
→長期的には企業の業續予想に影響を受ける、期待値が高い企業は将来多くの配当が期待できる、その会社の株主になりたい人が多くなり株価上昇
→企業の業績予想を自分なりに考えることはやはり重要


1-13. 株式はいつ売ればいいの?
…投資した理由が今でも有効か?今の株価で買いたいと思えるか?から判断
→自分しか知らないと思っていたことが出尽くした、持ってる理由がない、となれば売る
→ほったらかしは良くない、せめて事業環境や株価の位置は毎日見ていこう

→自分の考えているテーマと関係ないところで上昇すればポジションを減らす
→テーマが変わっていない時に下落すればポジションを増やす、増やせないなら売ればいい

→マーケットの動きに右往左往して売らされたり買わされたりすれば反省する、しょうがないことだけど回数を減らす
→自分の経験や人がどう考えているかから考える、高値を当てにいかない、気にするな
→テイクプロフィット・ロスカットをルール化するかどうかはスタイル次第、上昇リターン次第、縛られるだけ
→企業の業績予想を自分なりに考えることはやはり重要


1-14. 日経平均株価、日経225
…東京証券取引所市場第一部の上場企業のうち、代表的な225の企業で作られた株価指数
→日本株式の強いところ、単純平均

$$
日経平均株価 = \frac{採用された225企業の株価合計}{除数}
$$

→日本の大企業を中心とした日本経済の動向がわかる、企業は日経平均株価に採用されると海外からの注目も大きくなり海外の投資対象となる
→ベンチマークにして先物・ETF などの金融商品が生まれている
→ヘッジに使われる、みんな取引してるから取引する、流動性が高い
→企業はセクターのバランス・流動性を考慮して決められる
→指標性を維持するために毎年1回定期見直しが10月に行われ構成銘柄を入れ替える、それよりも前に情報公開されるため売買取引が行われ株価が変動する
→株価が高い企業の影響を受けやすい、
ユニクロ1%の変動(830.0 円)、MUFG1%の変動(4.7 円)
最悪MUFGの株価が1円になってもユニクロの株価の1%の変動より影響は小さい


1-15. 東証株価指数、TOPIX
…東京証券取引所市場第一部の全ての上場企業で作られた株価指数
→日本株式のイケてないところ、加重平均
→日経平均株価とのパフォーマンス差からどんな株が買われているかが分かる

$$
東証株価指数 = \frac{算出時の構成企業の時価総額合}{基準時の時価総額合計} × 100
$$

→日本経済全体の動向がわかる、日本株式全体の強さや動きを捉えるならTOPIX
→企業の時価総額の合計を 1968 年1 月4 日の時価総額を 100 として指数化したもの
→時価総額が大きい企業の影響を受けやすい


1-16. マザーズ
…日本株式の新しいところ
→日本株式の先行指標(6〜10 ヶ月くらい)


1-17.  ex)平均株価の計算

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
t & X社の株価 & Y社の株価 & Z社の株価 \\ \hline
t=1 & 300 & 400 & 600 \\ \hline
t=2 & 330 & 390 & 630 \\ \hline
t=3 & 320 & 410 & 620 \\ \hline
\end{array}
$$

・除数は 3

t=1
$${\frac{300+400+600}{3}=433.33}$$

t=2
$${\frac{330+390+630}{3}=450.00}$$

t=3
$${\frac{320+410+620}{3}=450.00}$$


→Z社が株式分割、1株→2株
→新除数 = 旧除数 × 分割後合計/分割前合計
$${3 \times \frac{320+410+310}{320+410+620}=2.31}$$

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
t & X社の株価 & Y社の株価 & Z社の株価 \\ \hline
t=4 & 330 & 420 & 320 \\ \hline
t=5 & 350 & 390 & 310 \\ \hline
\end{array}
$$

t=4
$${\frac{330+420+320}{2.31}=463.20}$$

t=5
$${\frac{350+490+310}{2.31}=454.55}$$


1-18.  ex)株式指数の計算

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
t & X社の株価(10万株) & Y社の株価(10万株) \\ \hline
t=1 & 400 (4,000万円) & 600 (6,000万円)  \\ \hline
t=2 & 420 (4,200万円) & 640 (6,400万円)  \\ \hline
t=3 & 390 (3,900万円) & 590 (5,900万円)  \\ \hline
\end{array}
$$

t=1
1億円、これが基準となる

t=2
$${\frac{1.06}{1.00} \times100=106}$$

t=3
$${\frac{0.98}{1.00} \times100=98}$$


→Z社が新規上場、400円、10万株
→新基準 = 旧基準 × 上場後時価総額合計/上場前時価総額合計
$${1.00 \times \frac{1.38}{0.98}=1.41}$$

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
t & X社の株価(10万株) & Y社の株価(10万株) & Z社の株価(10万株) \\ \hline
t=4 & 390 (3,900万円) & 590 (5,900万円) & 400(4,000万円) \\ \hline
t=5 & 410 (4,100万円) & 600 (6,000万円) & 440 (4,400万円) \\ \hline
\end{array}
$$

$${\frac{1.45}{1.41} \times100=103}$$


2. 利益による企業の評価 19項目

…利益ベースで考える

2-1. 利益率
…ある指標に対して利益がどれくらいの割合であるかを表す数値
→投資家に回してもらったカネなのか、回したカネなのか、事業によって回してもらったカネなのか


2-2. 株価を因数分解して考える
→株価 = PER・EPS
= PER・BPS・ROE
= PER・BPS・レバレッジ・ROA
= PER・BPS・レバレッジ・売上高事業利益率・使用総資本回転数


PER

2-3. PER、株価収益率
…株価が1株あたりの利益の何倍になっているかを表す数値
→時価総額を純利益で割ったもの

$$
PER =\frac{株価}{1 株あたりの純利益} =\frac{時価総額}{純利益}
$$

→株式時価総額 100 億、純利益10億、PER10倍
→今の株価は企業の利益の10年分で取引されていますよ、利回り10%(逆数をとって)
→利回りどれくらいがいいの?金融緩和ガンガンやるとPERは大きくなる
→金利が高いと株式の期待収益率は高くない、利回り0.1%
→PER1000倍でも納得できるの?未来を何年先まで織り込めるの?
→買収した企業の利益で買収額を回収するために何年かかるのかなども
→だから、企業の利益・株価・PER・期待リターン・金利を見ていく


2-4. PERの高い低いについて

・PERが高い
…割高(そこまで利益だせてない) or 将来性がある(もっと利益でるかも)

・PERが低い
…割安(利益でてるのにな) or 将来性がない(もう利益でないでしょ)

・一般的な値はセクターや企業ステージによって異なる
→同業種で比較しよう

・PER が高い銘柄
❶長期で安定、利益変動が小さい、10年分ではなく30年分でも評価できる
❷成長企業、利益が急増していくので3年後の想定利益で計算すれば高くない

・PER が低い銘柄
❶短期で不安定、利益変動が大きい、10年分ではなく5年分でないと評価できない
❷成長企業でない、利益が減少していくので3年後の想定利益で計算すれば高い


EPS

2-5. EPS、1株あたり純利益
…企業が1株に対してどれだけの利益を生めたかを表す数値

$$
EPS =\frac{純利益}{発行済株式数} = BPS・ROE
$$


2-6. EPSの高い低いについて

・EPS が高い
…収益性がある(利益でてるね) or 株式少ない(薄くなってないけど負債あり?)
→EPS成長率がプラスで一定、将来性がある(もっと利益でるかも)

・EPS が低い
…収益性がない(利益でてないね) or 株式多い(薄いけど負債なし?)


BPS

2-7. BPS、1株あたり純資産
…企業が1株に対してどれだけの資産を持っているかを表す数値

$$
BPS =\frac{純資産}{発行済株式数}
$$


2-8. BPSの高い低いについて

・BPS が高い
…安心できる(カネ支払えそう・負債少なさそう)

・BPS が低い
…安心できない(カネ支払えなさそう・負債多そう)


ROE

2-9. ROE、自己資本利益率
…株主から回してもらったカネに対して利益がどれくらいの割合であるかを表す数値
→純利益を純資産で割ったもの

$$
ROE = \frac{純利益}{純資産}
$$


2-10. ROEの分解
ROE = 純利益 / 純資産
= 売上高利益率 × 使用総資本回転数 × レバレッジ
= 純利益/売上高 × 売上高/総資産 × 総資産/純資産


2-11. レバレッジ、負債比率
…純資産に対してどれだけの割合で負債があるか

$$
レバレッジ = \frac{負債}{純資産} = \frac{D}{E}
$$


2-12. ROEの高い低いについて

・一般的な値はセクターや企業ステージによって異なる、8%が目安
→同業種で比較しよう

・ROE を向上させるには利益を増やすか純資産を減らすか
…自社株買い、無借金経営は賞賛されない


ROA

2-13. ROA、総資産利益率
…回してもらった全てのカネに対して利益がどれくらいの割合であるかを表す数値
→純利益を総資産で割ったもの

$$
ROA = \frac{純利益}{総資産} 
$$

→純利益ではなく EBIT を用いることも多い


2-14. EBITDA
…利払い前・税引き前・減価償却前の利益
→減価償却費を引いてEBITへ


2-15. EBIT
…利払い前・税引前の利益
→利払いを引いて税引前純利益へ


2-16. 税引前純利益
…税引前の利益
→税金を引いて純利益へ


2-17. ROA の分解
ROA = 純利益 / 総資産
= 売上高事業利益率・使用総資本回転数
= 純利益/売上高・売上高/総資本

→売上高事業利益率 = 事業利益/売上高 = 1−コスト/売上高 と表すことができる
→コスト/売上高が重要な意味を持つことがわかる


2-18. ROEとROAの関係
…純資産E、負債D、利子率r、法人税率tとすると
$${EBIT = (E+D)・ROA, 支払い利息 = D・r}$$
$${税引前純利益 = E(ROA) + D(ROA−r)}$$
$${純利益 = \{E(ROA) + D(ROA−r) \}(1−t)}$$

$${ROE = 純利益/純資産 =(ROA)(1−t)+ \frac{E}{D}(ROA−r)(1−t)}$$
→ROA>利子率rの場合、レバレッジが高いほどROEが高くなり、低いほどROE が低くなる
→ROA<利子率rの場合、レバレッジが高いほどROEが低くなり、低いほど ROE が高くなる
→純資産が一定の場合、 ROAが利子率rより大きいほどROEが高くなる
回してもらったカネを使って返済すべき以上の利益を上げていると考えられる

$$ROE = ROA(1−t)(1+\frac{D}{E}) − r(1−t)\frac{D}{E}$$
→負債が0である場合のROE = 税引後換算のROAである
ROE = 純利益/純資産 = EBIT(1−t)/総資産 = ROA・(1−t)
→利子率rと法人税率tは一定であるから、利益の変動で左辺のROEと右辺第 1 項が変化、右辺第2項は変化しない

$${σ[ROE] = σ[税引後 ROE]・(1+\frac{D}{E})}$$
→レバレッジが高いほどROEの変動性が高くなるため投資リスクは増加する

→ちなみに株式・負債など合わせて利子率rを考えるの?
→資本コストへ、$${r_{wacc}}$$を考えよう、株式コスト・負債コストの加重平均


PBR

2-19. PBR
…時価総額を純資産で割ったもの
→株式時価総額100億、資産100億、負債50億、PBR2倍
→会社が清算されても$${\frac{1}{2}}$$ は返ってきますよ
→純資産は現金以外も多い(不動産、在庫)、それが清算時にどれくらいの価値になるか?
→普段は見ない、暴落時に安全か見るくらい


3. ポートフォリオ 18項目

3-1. ロングとショート

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
 & リターン & リスク \\ \hline
 ロング & ∞ & 購入額 \\ \hline
 ショート & 売却額 & ∞ \\ \hline
\end {array}
$$

→価格が下落すると予想してショートするとロングとは比べ物にならない損失が出る可能性
→ロングとショートを組み合わせよう、ポートフォリオ
→下落場面を考える、同じような動きをするもの

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
A 社 & B 社 &  \\ \hline
−10億 &  & −10億 \\ \hline
−10億 & +5億 & −5億 \\ \hline
\end {array}
$$

→でも全体が上昇したらポートフォリオ組まなくてよくない?
→ポートフォリオを組むと期待リターンは下がるが本当に取りたいリスクを切り出してベットでき、結果としてリスクに対して効率的にリターンが増加
ロングするということは事業成長を期待、本当に取りたいのはA社のリスクのみ

A社<自動車業界<日本経済<世界経済

→ロングとショートの割合はどう考えるか?

・β
…ベータ、日経平均株価が 1%動くと何%動くか
→パフォーマンスが悪そうなものをリスク回避で使う

A社 β=1.5 日経平均株価10%動くと15%100億ロング
B社 β=0.5 日経平均株価10%動くと5%300億ショート
→あくまで目安、ここから自分の分析に基づくアレンジが入る


3-2. 平均分散アプローチ
…投資家の意思決定が合理的だとみなして利益を最大化させるポートフォリオの構成を考える


3-3. マーケットポートフォリオ
…あるマーケットのすべての資産を含むとされるポートフォリオ
→代表的な市場指数、ダウ平均・日経平均


3-4. ❶リスク資産を合成する
…リスクを最小にできるウェイト(保有比率)ωを考える
$${E[r]=wr_x+(1-w)r_y}$$
$${σ[r]=\sqrt{w^2σ_x^2+(1-w)^2σ_y^2+2w(1-w)σ_xσ_y}}$$

ρ=1のとき、リスクはウェイトの加重和
ρ=0のとき、$${w=\frac{σ_y^2}{σ_x^2+σ_y^2}}$$でσ=0
ρ=-1のとき、$${w=\frac{σ_y}{σ_x+σ_y}}$$でσ最小

→合成リスク資産のリターンとリスクの組み合わせから効率的なポートフォリオを考える
→効率的フロンティア
→有効フロンティア、最小リスク点まで

❷合成リスク資産に無リスク資産を合成する
…合成リスク資産の曲線と無リスク資産の直線の接点を考える


3-5. トービンの分離定理
…リスク資産をどう合成するのが最適かという問題と投資家のリスク回避度は関係ない

→投資意思決定と財務意思決定は独立して考えられる
→上の図ではVが投資家にとって最適なリスク資産と無リスク資産の合成
→有効フロンティア上の最適ポートフォリオを通る直線は、
投資家の選好を表す効用関数とは関係なく示される
→点 T は効用関数と関係なく決定され接線上で無リスク資産を効用関数に応じて追加することで、
個人の選好に合わせた運用ができる


3-6. ex)ポートフォリオのリターン・分散・リスクを求める

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
資産 & リターン & リスク & ウェイト  \\ \hline
株式X & 15.6\% & 5.5 & 20\% \\ \hline
株式Y & 7.2\% & 3.8 & 30\% \\ \hline
株式Z & 20.5\% & 2.4 & 50\% \\ \hline
\end {array}
$$

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
 & 株式X & 株式Y & 株式Z
株式X & 1.00 & 0.35 & 0.51 \\ \hline
株式Y & 0.35 & 1.00 & 0.27 \\ \hline
株式Z & 0.51 & 0.27 & 1.00 \\ \hline
\end {array}
$$

→ポートフォリオのリターンを求める
$${E[r_p]=(0.20)0.156+(0.30)0.072+(0.50)0.205=0.155}$$ 15.5%

→それぞれの資産の分散と共分散を求める
$${V[x]=5.5^2=30.25}$$
$${V[y]=3.8^2=14.44}$$
$${V[z]=2.4^2=5.76}$$
$${Cov[x,y]=0.35(5.5)(3.8)=7.315}$$
$${Cov[y,z]=0.27(3.8)(2.4)=2.462}$$
$${Cov[z,x]=0.51(5.5)(2.4)=6.732}$$

→ポートフォリオの分散・リスクを求める
$${V[r_p]=(0.20)^2(30.25)+(0.30)^2(14.44)+(0.50)^2(5.76)+2(0.20)(0.30)(7.315)+2(0.30)(0.50)(2.462)+2(0.20)(0.50)(6.732)=6.9125}$$
$${σ[r_p]=\sqrt{6.9125}=2.6292}$$


3-7. ex)ポートフォリオの最適なウェイトを求める
…株式Xのウェイトω、株式 Y のウェイト(1-ω)
株式(合成リスク資産)のウェイトh、債券(無リスク資産)のウェイト(1-h)

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
資産 & リターン & リスク   \\ \hline
株式X & E[r_x] & σ_x  \\ \hline
株式Y & E[r_y] & σ_y \\ \hline
株式Z & r_f & 0 \\ \hline
\end {array}
$$

→有リスク資産のリターンとリスクを求める
$${E[r]=wE[r_x]+(1-w)E[r_y]}$$
$${σ[r]=\sqrt{w^2σ_x^2+(1-w)^2σ_y^2+2w(1-w)σ_xσ_y}}$$

→ポートフォリオのリターンとリスクを求める
$${E[r_p]=r_f+h(E[r]-r_f)=r_f+\frac{E[r]-r_f}{σ_r}}$$
$${σ[r_p]=\sqrt{\frac{σ_x^2σ_y^2-(ρ_{x,y}σ_xσ_y)^2}{σ_x^2-2ρ_{x,y}σ_xσ_y+σ_y^2}}}$$

→株式Xの最適なウェイトを求める
$${w^*=\frac{(r_x-r_f)σ_y^2-(r_y-r_f)ρ_{x,y}σ_xσ_y}{(r_y-r_f)σ_y^2+(r_y-r_f)σ_x^2-\{(r_x-r_f)+(r_y-r_f)\}ρ_{x,y}σ_xσ_y}}$$

→株式と債券の最適なウェイトを求める
$$h^*={\frac{E[r_p]-r_f)}{E[r]-r_f}}$$
$${1-h^*={\frac{E[r]-E[r_p]}{E[r]-r_f}}}$$

→株式Xのウェイトh*w*、株式Yのウェイトh*(1-w*)、債券のウェイト(1-h*)


3-8. CAPM
…個別株式が株式市場全体に比べてどのくらい値動きしているかをもとに、
投資家がその株式にどのくらいの収益率を期待しているのかを考える理論

→株式コストを考える、株主から資金調達する際のコスト
→市場が効率的であればリターンを得ることはできない
→市場が効率的であれば投資家はマーケットポートフォリオを保有していれば良い、
投資家の得る情報やトレーディング技術の質は関係ない


3-9. ベータ β
…個別資産が資産全体を表す指数の変動にどれくらい敏感かを表す数値

$$
β_i=\frac{σ_i}{σ_M}ρ_{i,M}
$$

→ベータ1の資産、指数が変動するとそれと同じくらい変動する資産
→高ベータの資産、指数が変動するとそれに振り回されて大きく変動する資産
→低ベータの資産、指数が変動してもそれに振り回されず小さく変動する資産
→マイナスベータの資産、指数が変動するとそれと反対向きに変動する資産

【仮定】
❶投資家は市場価格で全ての証券を取引でき、無リスクで貸借される、完全市場
❷投資家は所与のリスクの下で最大のリターンを得られるポートフォリオのみを所有する
❸投資家は証券のリスクリターンについて同質的予想を持つ
→投資家が保有する各リスク資産の組み合わせはマーケットポートフォリオの構成と等しくなる
→各投資家がマーケットと同じ構成でリスク資産を持つとき、
それを合計すればマーケット全体を表す事になる、需給が一致している


3-10. 資本市場線
…全ての投資家のリスクリターンのトレードオフを表す線
→マーケットポートフォリオで表される合成リスク資産と無リスク資産を合成したもの

$$
E[r_p]=r_f+\frac{r_M-r_f}{σ_M}σ_i
$$

$$
E[r_i]=r_f+β_i(r_M-r_f)
$$


3-11. リスクプレミアム
…リスクが高い資産において、リスクがある分だけ投資家が期待する追加リターン

→市場が均衡状態にある場合、全ての資産のリターン・β が証券市場線上になければならない


3-12. 市場の効率性
…市場が効率的であればリターンを得ることはできない

→市場が効率的であれば投資家はマーケットポートフォリオを保有していれば良い、投資家の得る情報やトレーディング技術の質は関係ない
→市場を打ち負かす投資家がいるのならば情報を誤解しているか意図的に非効率的になっているか

・弱度の効率性
…過去のパターンの情報を利用してもリターンを得ることはできない
→多数が気づいて真似するとパターンが消滅するため

・準強度の効率性
…経済指標などの情報を利用してもリターンを得ることはできない
→公表情報は多数の予測に用いられるため、公表される前に予測に用いられるため

・強度の効率性
…インサイダー情報などの情報を利用してもリターンを得ることはできない
→価格に反映されリターンの機会自体が消滅するため


3-13. 投資家の非効率性
・親近性バイアス
…自分がよく知っている企業を過大評価してしまう傾向

・規模効果
…小型株はリスクが高くなるが β を考慮してもリターンが高いように見える傾向

・自信過剰バイアス
…十分な情報がない人は自分の知識の正確さを過大評価してしまう傾向

・相対的な富への関心
…他人と比較してポートフォリオのパフォーマンスが気になる傾向


3-14. CAPM の限界
❶未上場証券、不動産、人的資本を含めてポートフォリオを作成することはできない
❷同質的な予想により収益率が乖離していれば全ての投資家が一斉にポートフォリオを組み替えて
再び均衡点で同一のポートフォリオを保有すると考えられるがそれは現実的ではない


3-15. システミックリスク
…ある金融機関で決済できなくなったときに、別の金融機関・マーケットなど金融システム全体で決済できなくなってしまうリスク


3-16. システマティックリスク
…市場リスク、株式市場にまつわるリスク、金融政策など
→分散不可能


3-17. アンシステマティックリスク
…非市場リスク、個別企業にまつわるリスク、社長交代など
→分散可能
→分散効果を考える、資産1〜資産n、同じ比率で保有

$${E[r_p]=\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{n}α_i+\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{n}β_ir_M}$$
$${=\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{n}(α_i+β_ir_M)}$$

$${σ[r_p]=(\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{n}β)^2σ_M^2+\sum_{i=1}^{n}(\frac{1}{n})^2σ_ξ^2}$$

$${\sum_{i=1}^{n}(\frac{1}{n})^2σ_ξ^2}$$がアンシステマティックリスク
$${→0 (n→∞)}$$


3-18. ポートフォリオのパフォーマンス測定

・シャープ測度 S
…リターンをリスクで基準化することでパフォーマンス測定を行う

$$
S=\frac{E[r_p]-r_f}{σ_p}
$$

・トレイナー測度 T
…リターンをβで基準化することでパフォーマンス測定を行う

$$
T=\frac{E[r_p]-r_f}{β_p}
$$

・ジェンセン測度 α
…ポートフォリオの収益率と証券市場線の距離からパフォーマンス測定を行う

$$
α=E[r_p]-(r_f+β_p(r_M-r_f))
$$


4. 資本コスト 20項目

4-1. 企業価値
…企業全体が持っている経済的価値
→リターンから考える、今どれくらいカネを回してもらってる企業か、将来どれくらい回してもらえる企業か


4-2. 事業価値
…事業が持っている経済的価値
→リターンから考える、今どれくらいカネを回してもらってる事業か、将来どれくらい回してもらえる事業か


4-3. ファイナンス
…企業価値を最大化するために資金調達・事業投資をし資金調達元に返済・還元をしていくこと
→カネを回してもらう、そのカネを回して増やす、カネを返す


MM定理

4-4. MM定理、モジリアーニ・ミラー定理
…デフォルトコスト・税金を加味しない場合、
企業価値はレバレッジ・配当政策によって変化せず、
資本コストはレバレッジに関係なく一定であるという理論

→デフォルトリスクが変化する


4-5. WACC、$${r_{wacc}}$$
…資本コスト、株式コストと負債コストの加重平均

【仮定】
・取引費用・税金が存在せず情報は完全、完全市場
・投資家の裁定行動が行われる、超過リターンが得られる機会は完全に利用される


4-6. 命題Ⅰ
…企業価値はレバレッジ・配当政策によって変化しない

→資金調達手段間でコスト差がある、株式コスト>負債コスト
→$${\frac{E}{E+D}}$$%で株式、$${\frac{D}{E+D}}$$%で負債を持つポートフォリオとアンレバードなポートフォリオ(負債なし)の収益率が等しいとき

$$
r_u = \frac{E}{E+D}r_e + \frac{D}{E+D}r_d
$$

$${(E+D)r_u = Er_e + Dr_d}$$
$${(1+ \frac{D}{E})r_u = r_e + \frac{D}{E}r_d}$$

$$
r_e = r_u + \frac{D}{E}(r_u−r_d)
$$

→株式コストはアンレバードなポートフォリオの収益率にレバレッジ効果を足したもの


4-7. 命題Ⅱ
…資本コストはレバレッジに関係なく一定
→レバレッジで変化するのは株式コスト

$$
r_{wacc} = \frac{E}{E+D}r_e + \frac{D}{E+D}r_d
$$

→アンレバードなポートフォリオのとき$${r_{wacc} = r_u}$$
→企業が資本コストの低いものに手をつけると株式コストは上昇
レバレッジ上昇で株式コストと負債コストが打ち消しあい資本コストは一定
→レバレッジ上昇でデフォルト確率は上昇、リスクプレミアムが上昇

→デフォルトコスト・税金を加味しない場合、レバレッジを変化させると企業価値・資本コストは変化せずデフォルトリスクが変化
→デフォルトリスクは株式・負債が生むキャッシュフローで変化

→原資産のキャッシュフローをどうアレンジして配分するかを考えればいい
→デリバティブ


4-8. デフォルトコスト・税金を加味する場合
❶デフォルトコストを加味する場合
…負債増加
→デフォルトの危険性が高まる
→デフォルトコストが必要
→負債ありの場合、企業価値はデフォルトコストの期待値 E[Cdf]だけ小さくなる

❷税金を加味する場合、利払い後利益に税金がかかる
…負債増加
→支払う税金は少なくなる
→負債を多くした方が投資家に多くの利益を還元できる
→負債なし・負債ありで企業価値に差が出る

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
& 負債なし & 負債あり \\ \hline
営業利益 & OI & OI  \\ \hline
支払利息 & 0 & Dr_d  \\ \hline
経常利益 & OI & OI-Dr_d \\ \hline
法人税 & tOI & t(OI-Dr_d) \\ \hline
法人税 & (1-t)OI & (1-t)(OI-Dr_d) \\ \hline
\end {array}
$$

→負債ありの場合、投資家への還元は$${tDr_d}$$だけ大きくなる
→負債ありの場合、企業価値は$${\frac{tDr_d}{r_d}= tD}$$だけ大きくなる
→$${V_l = V_u+tD}$$
→倒産コストを加味すると
→$${V_l = V_u+tD−E[C_df]}$$
→レバレッジが上昇すると企業価値はtDだけ大きくなり$${E[C_df]}$$だけ小さくなる

→資本コストについて考えると
$${E_l = \frac {(1−t)(OI−Drd)}{r_l} }$$
$${E_u = \frac {(1−t)OI}{r_u} }$$
$${E_l +D = E_u+tD}$$

$$
r_e = r_u+(1−t)\frac{D}{E}(r_u−r_d)
$$

→レバレッジが上昇すると資本コストは低下する


MM定理の応用

…情報の非対称性が存在する場合を考える

4-9. 過小投資問題
…現在価値がプラスとなる投資が見送られてしまう、逆選択の1つ


4-10. ペッキング・オーダー理論
…情報の非対称性により資本コストに差が生じて資金調達に序列が生まれる
→新規投資と純資産Eの変化を考える、新規投資を行う場合、負債Dが100億円発生

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
& 景気がいい、50\% & 景気が悪い、50\% & 期待リターン \\ \hline
既存資産 & 150億円 & 50億円 & 100億円 \\ \hline
新規投資 & 20億円 & 10億円 & 15億円 \\ \hline
企業価値 & 170億円 & 60億円 & 115億円 \\ \hline
\end {array}
$$

・景気がいい場合、既存資産の価値$${V_o}$$、新規投資の価値$${V_n}$$
$${V_0= \frac{115}{115+100}270=144.72億円}$$
$${V_n= \frac{100}{115+100}270=125.58億円}$$

・景気が悪い場合、既存資産の価値$${V_o}$$、新規投資の価値$${V_n}$$
$${V_0= \frac{115}{115+100}160=85.58億円}$$
$${V_n= \frac{100}{115+100}160=74.42億円}$$

→既存株主の収益を考える、新規投資をする・しないときの既存資産の価値 $${V_o}$$

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
& 景気がいい、50\% & 景気が悪い、50\%  \\ \hline
新規投資をしない & 144.72億円 & 85.58億円  \\ \hline
新規投資をする & 150億円 & 50億円  \\ \hline
\end {array}
$$

→景気がいいときに新規投資をせず、景気が悪いときに新規投資をしないという逆選択が発生
→外部投資家がこれを予測した場合、企業価値は60億円で固定される
→企業は企業価値が50億円より60億円が望ましいと考えて新規投資をする

→企業がリスクのない社債で資金調達できれば、
景気がいいときの既存資産の価値 Vo は150+20=170 となり問題を回避できるため、資金調達の序列は、株式発行<社債
→負債を考えると社債よりも銀行借入が優先されるため、資金調達の序列は、社債<銀行借入
→デフォルトリスクを考慮すると内部留保にはデフォルトリスクが存在しないため、資金調達の序列は、社債<銀行借入<内部留保
→以上より資金調達の序列は、株式発行<社債<銀行借入<内部留保となる


4-11. エージェンシー問題
…経営の依頼人・代理人の利害対立によって企業価値減少・非効率性が発生する問題

→事前的・事後的な問題に分けて考える


4-12. エージェンシーコスト
…情報の非対称性から生まれるコスト
→専門機関・共通の報告様式を採用することでコストが削減される


4-13. ❶資産代替問題
…負債で資金調達することで不当に高いリスクを好むインセンティブを株主に与えてしまう問題

→株主は業績が高ければ受け取るカネが増える、業績が低くても投資金額以上の負担はない
債権者は業績が高くても受け取るカネは同じ、業績が低ければ一部しか受け取れない可能性
→事前的なエージェンシー問題

【仮定】
・債権者はプロジェクトの内容を知っていて投資後に企業の選択を知る
・債権者は収益率のみに関心がある、リスク中立的で収益率の変動には無関心

・全て株式で資金調達した場合、株式140億円

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
& 景気がいい、50\% & 景気が悪い、50\% & 期待リターン  \\ \hline
プロジェクト1& 200億円 & 100億円 & 150億円 \\ \hline
プロジェクト2& 230億円 & 50億円 & 140億円 \\ \hline
\end {array}
$$

→株式を差し引く、プロジェクト1のリターンは10億円、プロジェクト2のリターンは0円
→プロジェクト1を選ぶ


・一部を負債で資金調達した場合、株式60億円、負債80億円
→負債の80億円を差し引く、マイナスにはならず0

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
& 景気がいい、50\% & 景気が悪い、50\% & 期待リターン  \\ \hline
プロジェクト1& 120億円 & 20億円 & 70億円 \\ \hline
プロジェクト2& 150億円 & 0円 & 75億円 \\ \hline
\end {array}
$$

→株式を差し引く、プロジェクト1のリターンは10億円、プロジェクト2のリターンは15億円
→リスクの高いプロジェクト2を選ぶインセンティブが株主に与えられてしまう


4-14. ❷デットオーバーハング問題
…負債の名目価値が変化しないため過去の負債の影響で過小投資になってしまう問題
→事後的なエージェンシー問題

【仮定】
・既債権者は景気が悪いときには企業が倒産して受け取りが 0 になると考える
・債権者は収益率のみに関心がある、リスク中立的で収益率の変動には無関心

・100 億円の負債を調達した場合

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
t-1 & & t& t+1 \\ \hline
100億円 & 景気がいい、33.3\% & 追加で100億円  & 600億円  \\ \hline
& 景気が悪い、66.7\% & 資金調達できずデフォルト & 0円 \\ \hline
\end {array}
$$

→返済の期待値は150億円
→景気がいいとき、全部で200億の負債、負債の名目価値が変わらず既債権者から順に返済
→既債権者は150億円受け取る、新債権者は50億円しか受け取れない
→新債権者は投資しようとしない、過小投資


4-15. コーポレートガバナンス
…企業が調達したカネが適切に運用されているか監視・管理する仕組み

→自らを律するという意味合いが大きい


4-16. スクリーニング
…銀行は企業に貸出をしてもいいかを審査する


4-17. モニタリング
…銀行は貸出先の企業がきちんと経営を行っているかを監視する


4-18. 監査
…会計士は企業がデフォルトしないかを監視する


CFによる企業評価

4-19. DCF法
…将来に企業が生み出すCFから事業価値を推定し企業価値や株式価値を算出する
→企業のCFを資本コストで割引いて企業価値を算出
→企業価値から負債価値を引いて株式価値を算出
→企業価値は企業の事業・投融資が将来生み出すリターンを現在価値に割引いた総和だと考える

❶対象となる企業・事業を特定
❷BS・PL・CF計算書・投融資内容などのデータを3~5年分集める
❸将来CFを予測
…事業内容・競争環境の変化を考慮、いくつかのパターンについて予測する
→一番重要
❹資本コストWACCを計算
❺事業価値を計算し投融資の時価を加えて企業価値を計算

・将来CFの予測

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline
t & 1 & 2 & 3 & 4 \\ \hline
CF & 5億円 & 7億円 & 9億円 & … \\ \hline
\end {array}
$$

…純資産E150億円、負債D50 億円、投融資40億円
$${r_f}$$=3%、$${(1−t)r_d}$$=4%、β=1.5、$${r_M}$$=7%

→株式コスト$${r_e}$$を求める
$${r_e=r_f+β(r_M-r_f)=0.09}$$ 9.00%

→資本コストWACCを求める
$${r_{wacc}=\frac{E}{E+D}r_e+(1-t)\frac{D}{E+D}r_d=0.0775}$$ 7.75%

→事業価値を求める
$${事業価値P=\frac{5}{1.0775}+\frac{7}{(1.0775)^2}+\frac{9}{(1.0775)^3}+\frac{1}{(1.0775)^3}+\frac{(1.0775)9}{0.0775-0.0175}=139.8663億円}$$

→企業価値を求める
$${企業価値V=139.8663+40=179.8663億円}$$

→株式価値を求める
$${企業価値V_e=179.8663-50=129.8663億円}$$


4-20. 類似企業比較法
…対象企業の事業領域の類似企業を選んで企業価値を算出してから株式価値を算出する
→事業価値は類似企業の評価倍率から算出し投融資の時価を加えて企業価値を算出
→計算しやすいものの類似企業と評価倍率の選択を正しく行うことが難しい

❶対象となる企業・事業を特定
❷類似企業を選ぶ
❸類似企業の株価、株式数、売上などのデータを集める
❹類似企業の株価総額、純有利子負價、投融資、事業価値を計算
❺評価倍率を計算
❻類似企業の評価倍率に対象企業の数値を掛けることで企業価値・株式価値を計算

・類似企業

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
売上高 & 営業利益 & 税引後純利益 & 営業CF  \\ \hline
200億円 & 24億円 & 8億円 & 32億円   \\ \hline
金融資産 & 現預金 & 有利子負債 & 純資産 & 株式時価 & 株式総数  \\ \hline
55億円 & 12億円 & 130億円 & 100億円 & 22万円/株 & 6万株 \\ \hline
\end {array}
$$

→投融資55-12=43億円、純有利子負債130-12=118億円、株式価値$${V_e}$$22万*6万=132億円
→企業価値V=118+132=250億円
→事業価値P=250-43=207億円
評価倍率の計算、事業価値/売上高=207/200=1.035

・対象企業

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline
売上高 & 営業利益 & 税引後純利益 & 営業CF  \\ \hline
80億円 & 11億円 & 3億円 & 14億円   \\ \hline
金融資産 & 現預金 & 有利子負債 & 純資産  \\ \hline
30億円 & 5億円 & 60億円 & 100億円 \\ \hline
\end {array}
$$

→事業価値P=80*1.035=82.8億円
→投融資30-5=25億円、純有利子負債 60-5=55億円
→企業価値V=82.8+25=107.8億円
→株式価値$$V_e$$=107.8-55=52.8億円


5. 企業の業績予想を自分なりに考えるために 80項目

5-1. メガネ美女を見つけよう
…割安(普段は地味)、カタリスト(メガネを取る)、モメンタム+成長(実はめちゃくちゃかわいい)
→(ⅰ)スクリーニング(ⅱ)業界調査(ⅲ)業績予想(ⅳ)DDM・PER によるバリュエーション

(ⅰ)スクリーニング

…四季報と財務諸表から
→四季報は5-2から、財務諸表は2-51から
→判断基準に対して『この数字なのか?なぜこの数値・%なのか?』を常に考える

5-2. 四季報を見る
…お宝企業を見つけるための気付きを与える


5-3. 四季報を見る流れ
❶巻頭の各号のポイント・巻末の編集後記を最初に読む
…市場別決算業績集計表が特に重要

❷Aブロック、自己紹介を読む
【業種】コードに規則性
【決算】配当や株主優待の権利が確定する
【上場】いつ上場したか、上場 5 年以内かどうか確認
【特色】業界での地位、資本系列、業界首位、独自技術などの強みを確認
【事業構成】売上構成比率、営業利益率
【海外】海外売上比率、50%以上か確認

❸Bブロック、コメント欄を読む
【見出し】ポジティブか中立かネガティブかを判断、利益や配当を過去と比較

❹Dブロック、株主欄を読む
【株主】オーナー企業か確認する

❺Eブロック、財務を読む
【財務】財務諸表や指標について、他の文章を参考に
【キャッシュフロー】資金繰りについて、他の文章を参考に

❼J ブロック、増収率と営業利益率を読む
…【業績】増収率(売上高の伸び)が20%以上か、売上高営業利益率が10%以上かを確認

❽Nブロック、チャートを読む
…他の文章を参考に


5-4. 増収率(売上高の伸び)が20%以上
…売上高が 4 年で2 倍になっているか、少子高齢化でパイが増えない中で実現する方法は
❶業界内でのシェアを拡大する
→差別化できる強みがあって初めてできる、M&A で取り込んで時間をお金で買う戦略もある
❷イノベーションで既にあるマーケットを新しい商品で置き換える
→人件費という大きなマーケットは機械の売上げに変わっていく
❸グローバル化で飽和したマーケットを飛び出し新天地を求める
→海外売上比率が 50%を超えるタイミングで世界に広がる成長ストーリーが描ける


5-5. 売上高営業利益率が10%以上
…本業で稼ぐ力、全産業の平均は 7%

→実現する方法は
❶売上原価や販管費を引き下げる
…人件費をコストとして捉える

❷売上原価や販管費に利益を上乗せした価格で販売する
…人件費を財産として捉える

→社員のやる気を引き出し素晴らしい製品・サービスを生み出す循環ができれば株価につながる


5-6. オーナー企業
…【役員】にある社長や会長の名前が【株主】の上位株主かどうか
→人物像が想像できなければ投資はしない
→途中から経営に加わりビジネスのプロとして活躍する人物にも注目


5-7. 上場5年以内


5-8. 増資や株式分割を行なっている
…新株発行して資本金が増える、増えない
→成長のために行なっているかどうか、最低投資金額が下がって多くの人が手を出せる
【資本異動】設立も上場もまもない会社で株主分割を行っていれば成長を期待
→世の中や会社が大きく転換するようなコメント、突然伸び出す業績。チャ
ートの転換


5-9. テーマから派生させて考える
…テーマ関連の企業の現場で必要になるものは何か?潤うと何に消費するか?
→人々の意識や気持ちがどう変わったか?行動はどう変化したか?
→この大きな変化の恩恵を受ける企業は上昇する


5-10. 株価が何倍になるかを考える時に重要なのは時価総額
…時価総額=株価×発行済株式数
企業の市場評価、そのお金があれば会社を買い取れる
→時価総額が上昇すれば株価も上昇する
→時価総額を決めるのは事業のポテンシャル、市場規模がどれくらいまで拡大するか
→時価総額を売上高で割ると織り込まれている成長率が分かるという考え方もある
→低くても売上高の伸びや利益率の伸びがあれば市場規模が拡大する可能性も


5-11. よく使う製品・サービスかつ好きと思える企業であれば株主優待を使ってみては
…過小評価のまま放置されていれば上昇する可能性も


5-12. 何十年ぶりの最高純利益に注目
…最高純利益を更新するとしばらくは最高純利益が続き株価も最高値を更新することがある
前後 1 年で株価が最高値を更新する可能性が高い

→最高純利益更新のタイプ
❶安定的かつ着実に利益を積み上げ長期的に最高純利益を連続更新する
…業績が織り込まれ調整局面に入れば戻すのに時間がかかる、長期で保有

❷5〜10 年の景気サイクルの循環に合わせて前回ピーク純利益を更新する
…株式市場の地合いが良ければ乗っかる、業績が悪くなれば急落するリスクがある

❸長年最高純利益とは無縁だったが様々な要因で何十年ぶりかに最高純利益を更新する
…企業が生まれ変わったということ


5-13. 決算発表直後と四季報発売前のプラチナウィークにチャンスがある
…決算短信と四季報春号の業績予想を比較
→自分の予想と比べてどうか?織り込まれていなければ優位性となるか?


5-14. マーケットが大きく下落したらどうするか?
…チャンスにしよう、マーケットは悲観の中で生まれる
❶日経平均株価や TOPIX よりも下落率が大きい企業を探す
❷下落局面でも上方修正されている企業を探す、きちんと業績を出している
❸下落局面で自社株買いを発表している企業を探す、資金の置き場は自社株、中長期的な自信
→政策からマーケットの上向き転換に気づく


5-15. 財務諸表を見る
❶持続可能な競争優位性を持つ企業をどのように見分ければいいのか?
❷持続可能な競争優位性を持つ企業をどのように評価すればいのか?
を考える


5-16. カネ貸しというゲームにおいて短期的利益に目が眩む者は長期的厄災に巻き込まれやすい
…システムトレードや短期トレーダーは値動きや速度を追う、長期的成長性は無視
→過大評価(買われ過ぎ)・過小評価(売られ過ぎ)になった企業の存在
→過小評価企業を買って適正水準まで上昇すれば売って利益にしよう
→過小評価企業のうち一定割合は破産、50%以上上昇
→持続可能な競争優位性持つ企業を発見し保有し続ければいい
→どこから探せばいいか?

❶ユニークな製品を売っている会社(コカコーラ、P&G)
…顧客のニーズに応えより良い体験を提供し有効な広告活動によりストーリーを大衆に植え付ける

❷ユニークなサービスを売っている会社(アメリカンエキスプレス、サービスマスター)
…大衆がどうしても必要とする、士業と異なる点は企業が指名される、企業ブランドの経済性

❸一般大衆からの安定した需要がある製品・サービスを低コストで売っている会社(コストコ)
…薄利多売、買い手としても売り手としても低コストを実現することが成功につながる

→重要なのは持続可能であること
→一貫性を財務諸表から読み取ろう
一貫して高い利益率・低い負債水準・保っているか?一貫して収益をあげ続けているか?


5-17. 損益計算書
…特定の期間内に企業がどれだけのお金を稼いだかを教えてくれる
→利益率、収益の一貫性と方向性を見る


5-18. 利益の数字よりも利益の源がどこにあるかの方が重要
…基本要素は売上高、経費、利益
→企業をグループ分け
❶持続可能な競争優位性を持つ企業
→適正価格以下で買って十分な期間保有できれば高いリターンをもたらしてくれる

❷凡庸な企業
…毎年毎年厳しい競争市場で悪戦苦闘、投資をする意味はない


5-19. 会計は売上高から始まるがこの数字だけでビジネスを評価するべきでない
…経費を考えろ、経費を考えない限りわかることはゼロに等しい


5-20. 売上原価が低いのは良いこと、売上原価が高いのは悪いこと
…何を仕入れや労働力のコストとして計上しているか、経営者のビジネス観が反映される


5-21. 持続可能な競争優位性を持つ企業は一貫して高い売上総利益率(粗利益率)を示す傾向がある
…売上原価を遥かに上回る価格設定の自由があるため、それがなければ値下げしかできない
→売上総利益率が40%以上であれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
売上総利益率が20%以下であれば厳しい競争に巻き込まれている


5-22. 営業経費や支払利息にビジネスの持続可能な競争優位性を破壊するリスクが潜んでいる
❶製品やサービスをマーケットに出すための販管費
…一貫して低いことが望ましい、経営陣の報酬、宣伝費、出張費、弁護士費用、給与
→凡庸な企業は売上総利益に対する販管費比率が激しく上下する、損失の垂れ流し
→販管費比率が30%以下であれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
販管費比率が80%以上であれば厳しい競争に巻き込まれている
→販管費比率が低くても研究開発、設備投資、債務利払の増加で経済性が破壊されることもある

❷新製品のための研究開発費
…高い会社は競争優位性に先天的欠陥を内包している
→持続可能な競争優位性に見えるものが特許や先進技術を源とする一時的優位性であることも多い
一定期間後に特許が切れる、他社が更なる先進技術を開発する
→最終的に販管費の増加を余儀なくされる

❸工場などの有形資産のための減価償却費
…極めて現実的なコスト、消耗分は事業活動において売上高を生み出すために使われたとみなせる
→EBITDA、見かけ上増加したCFを担保に借入を行いLBOといった買収
→借金で身動きが取れない企業には償却後の調達余力は残っていない

❹支払利息
…営業利益に対する支払利息比率は企業の危機レベルを表す、財務経費
→支払利息比率が高ければ、業界の厳しい競争にさらされ競争力を保つために巨額の設備投資が必要な企業
→ビジネスとしての経済性は優れているが LBO によって買収されて多額の債務を背負わされた企業
LBOに用いられる資金はターゲット企業の資産や将来CF、負債はターゲット企業が返済
LBOで買収された後の優良企業では潤沢な現金と膨大な負債が並存、有効活用できないと標的
→支払利息比率が15%以下あれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
投資銀行は70%前後、跳ね上がった際の埋め合わせは自己資本


5-23. 資産売却益といった経常外の出来事は企業を判断する際に純利益から除外せよ
…日本では特別利益・特別損失
→本業と無関係な固定資産の売却、ライセンス契約、特許権売却は恒常的に発生しない


5-24. 税引前利益の数字を使えばさまざまな投資を同条件で比較できる
…M&A でも事業投資でも税引前利益の数字を重視する
→税込利益を税引前利益に戻して比較


5-25. 法人税は真実を語る
…企業が発表する税込利益が真実かどうか分かる
→国税当局を欺くのに忙しい企業は株主の目を欺くためにも努力を惜しまない
→持続可能な競争優位性を持つ企業は誰かを欺いたり自分をよく見せたりする必要はない


5-26. まずはじめに純利益が右肩上がりがどうかを確かめろ
…単年は関係ない、大局的に見て収益に一貫性があるのかに着目
→道徳が険しくてもいい、長期的に上向きのトレンドがあればいい
→自社株買いを行えば純利益の長期トレンドと 1 株あたり純利益の長期トレンドは一致しなくなる
→売上高に対する純利益比率が 20%以上を示し続ければ持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
売上高に対する純利益比率が 10%以下を示し続ければ厳しい競争に巻き込まれている


5-27. 1株あたり純利益の長期的トレンドから勝者と敗者を見分ける
…高いほど株価も高くなる
→10 年のスパンで一貫性と上昇トレンドを持てば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
→一貫性は企業の金のなる木やスターに改良プロセスが必要ないことを表す
上昇トレンドは広告宣伝によるシェア拡大や自社株買いに資金を注ぎ込める経済性の存在を表す
→下降トレンドと時々マイナス収益を示す企業は厳しい競争に巻き込まれている
→にわか景気に翻弄される
需要が供給を下回ると需要を満たすために生産拡大、コスト増加を招き業界全体の供給過剰
価格下落につながり次のにわか景気がやってくるまで企業は赤字を垂れ流し続ける
→バリュー投資家は絶好の買い場だという幻想を抱くがそれは泥舟に乗るようなものである


5-28. 貸借対照表
…企業の預金額と借金額を教えてくれる
→現金、長期借入金を見る


5-29. 企業が何を持ってるか何を借りてるかを差し引けば、企業の価値が算出される
…左側は資産(運用状況)、右側は負債と純資産(調達状況)、流動と長期


5-30. 資産
・流動資産(1 年以内に現金化できる)
…現金、短期投資、棚卸資産合計、売掛金、前払費用

・長期資産(1 年以内に現金化できない)
…土地、生産設備、のれん代、無形資産、長期投資

→流動資産の高い換金性や使い勝手のよさが裏目に出る場合もある、日々の運転資金の枯渇


5-31. 流動資産からお金の生み出され方が分かる
…棚卸資産が小売業者に売却されると売掛金に計上、小売業者から回収された売掛金は現金に計上
→現金⇨棚卸資産⇨売掛金⇨現金というサイクルが何度も繰り返されて利益を生む


5-32. 現金は大不況がやってきた時に最大の武器となる
…現金保有の方法は
❶運転資金より多くの現金を本業で稼ぎ出す
❷社債・株式を新規発行して大衆に売る
❸所有する事業・資産を売る
→資産に対する現金比率が高ければ、良い解釈は❶、悪い解釈は❷❸
資産に対する現金比率が低ければ貧弱
→7年間で大量の現金を保有し借入金が少なく株式発行や資産売却がなければ持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
7年間で大量の借入金が存在すれば優良ビジネスでない可能性が高い
→現金を保有しても利回りが低いので投資をしようという考えもある
事業拡大、新ビジネスの買収、株式取得を通じたビジネスの部分的所有、自社株買い、現金配当


5-33. 棚卸資産の急激な増減がある企業は要注意
…棚卸資産は使えなくなったり時代遅れになったりする
→棚卸資産と純利益が共に増加していれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
凡庸な企業は棚卸資産が急増、急落していれば厳しい競争の中でバブルの起こりと崩壊を経験


5-34. 売掛金は売上高に対する比率が一貫して他社よりも低いか
…支払いは現金で前払いか30日以内に後払いか、貸倒金を差し引いて売掛金の本当の姿が出る
→取引条件を妥協していると売掛金比率は高くなる、競争優位性があれば妥協しなくて済む


5-35. 前払費用は判断材料にはならない


 5-36. 流動比率で企業の優劣を判断できない
…持続可能な競争優位性を持つ企業は 1 を割り込むことが多い
→流動負債の返済に困るはずだが大きな収益力のおかげで簡単に返済できている
追加の現金が必要になっても CP で資金をマーケットから調達できる
→流動負債の返済をした上で配当や自社株買いに収益を振ることで流動比率が下がっている


5-37. 変更の必要がない製品・サービスを一貫して生産する一貫して収益を上げることに等しい
…持続可能な競争優位性を持つ企業は競争の参加費として設備を更新する必要がない
凡庸な企業は厳しい競争の中で脱落しないように設備が消耗していなくても更新しなければ
→同じ製品・サービスを売り続けることができれば設備を更新しなくてもよい


5-38. のれんの増加でどんな企業を買収しているか分かる
…M&Aの際に帳簿価格より高いお金を支払えば超過分はのれん代として計上される
→以前は消化薬を通じてビジネスの収益と相殺されていたが現在は償却の対象にしなくてもよい
→長期的にのれん代が増加していれば M&A に力を入れている
持続可能な競争優位性を持つ企業を M&A していれば好ましい
長期的にのれん代が変化しなければ帳簿価格以下での M&A か全く行っていないか
持続可能な競争優位性を持つ企業が帳簿価格以下での M&A されていれば絶好のチャンス


5-39. 無形資産を評価してこそ持続可能な競争優位性を持つ企業の発見につながる
…特許権、著作権、商標、フランチャイズ、ブランド名など
→持続可能な競争優位性を持つ企業は企業名と結びついているがブランド名の価値は読み取れない


5-40. ありふれた企業でも持続可能な競争優位性を持つ企業に投資をしていれば秀でた存在になる
…凡庸な企業の優秀な経営者が持続可能な競争優位性を持つ企業に投資すれば変身できる
優良企業の凡庸な経営者が大きいのはいいことというだけで凡庸な大企業に投資することもある


5-41. 1年を超えて払い戻される税金はその他長期性資産に分類され判断材料にならない


5-42. 高すぎる総資産利益率は競争優位性の脆弱さを表すことがある
…どんな業界でも資本調達は参入障壁となる
→総資産利益率が 40%以上であれば業界への参入コストが低い可能性もある、資産の大きさ


5-43. 負債
・流動負債(1年以内に返済すべき)
…買掛金、未払費用、短期借入金、長期借入金満期分

・長期負債(1年以内に返済しなくてよい)
…長期借入金、未払法人税、少数株主持分


5-44. 買掛金・未払費用・その他流動性負債の3つから企業の現状が分かる
…関連企業、従業員に支払われていない債務


5-45. 長期借入金より短期借入金が多い金融機関は投資対象から除外せよ
…短期で借りたお金を長期で貸すというビジネスモデル
→短期金利が跳ね上がれば返済用の短期資金を調達しなければならないが資金はない
→長期借入金より短期借入金が多ければ変動リスクが高い


5-46. 長期借入金満期分からトラブルを予想する
…持続可能な競争優位性を持つ企業は長期借入をする必要がない
→持続可能な競争優位性を持つが一時的トラブル(異業種子会社の赤字)に苦しむ企業は今後満期を迎える長期借入金がどれくらいあるかを確認、大量の長期借入金満期分が1年間に集中すると株価が下がり絶好の買いチャンスになる
→凡庸な企業は大量の借入金が一気に返済期限を迎えると破産する可能性がある


5-47. 長期借入金が少額もしくはゼロであるか
…事業拡大やM&Aを自己資金で賄える
→10年間でほとんどなければ持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い
→収益性が極めて高く借入金が少額もしくはゼロである企業は LBO の標的になりやすい
→LBOのターゲットにされた企業は株式よりも社債の方が投資になる


5-48. 少数株主持分は負債に計上される
…他社株式を 80%以上取得した場合は他社の貸借対照表の数字全てを加えなければならない
→取得していない分を負債計上しないとバランスが取れない


5-49. 未払法人税とその他負債は判断材料にならない


5-50. 負債比率は自己株式調整済みで算出せよ
…持続可能な競争優位性を持つ企業は事業活動を行う際に純資産を必要としない、自社株買い
→負債比率は負債合計を純資産と自己株式の合計で割ったものと考える
→負債比率が0.80以下であれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い


5-51. 純資産
…優先株、普通株、資本剰余金、内部留保、自己株式
→損益計算書の純利益と繋がっている


5-52. 優先株を発行しない傾向があるか
…優先株、議決権はないが配当を早くもらえる
→収益力が高く資金を内部調達できれば配当は控除できないので優先株発行は高くつく
→持続可能な競争優位性を持つ企業は優先株を発行しない


5-53. 内部留保が一貫して長期的に増加しているか
…純利益の使い道は配当、自社株買い、内部留保
→内部留保による投資はさらなる純利益を生み再び内部留保として蓄積される


5-54. 自己株式の存在は企業が豊富な現金を持っている証
…買い取った株式は失効させるか再発行を狙って保有するか、保有されれば自己株式に計上
→持続可能な競争優位性を持つ企業は自己株式が存在する


5-55. ROEで経営者の手腕を測る
…純資産の源は優先株や普通株の売り出し(設立時と設立後)、内部留保
→ROEは純利益を純資産と自己株式の合計で割ったもの、金融工学の効果を排除できる
→ROEが高ければビジネスの根源的価値を増大させマーケットに認識されれば株価上昇につながる
→利益の全てを株主に還元する企業も債務超過の企業も純資産がマイナスになっている


5-56. 巨大なレバレッジで利益を作り出している企業はいつか化けの皮が剥がれる
…一貫して収益の流れを確保しているように見えても金利を払い続けられるとは限らない
→持続可能な競争優位性を持つ企業は巨大なレバレッジを使って純利益を創出しようとしない


5-57. CF計算書
…企業がビジネスを行ううえでの現金の出入りを教えてくれる
→設備投資、有価証券の売買を見る


5-58. 発生主義会計はCF計算書を必要とする
…買い手からの支払いが数年先でも製品・サービスを引き渡した時点で売上を計上できる
→現金の入と出を別々に記録する必要がある
→営業 CF、純利益、減価償却費、なし崩し償却費
投資 CF、資本的支出、その他投資 CF
財務 CF、支払済み現金配当、株式の発行(償還)、社債の発行(償還)


5-59. 資本的支出が少ないか
…土地や生産設備の取得時に支払う現金
→持続可能な競争優位性を持つ企業は資本的支出が少ない
凡庸な企業は大量の借入金と社債発行、支払利息も増加
→10年間で純利益資本的支出比率が 50%以下さらに 25%以下であれば
持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い


5-60. 株式の発行(償還) で自社株買いを続けているか
…配当は税金を払わなければならないので自社株買いの方が株主を富ませる
→長期的に自社株の買い戻しと抹消を行なっていれば持続可能な競争優位性を持つ可能性が高い


5-61. どのCFのタイプの企業か
❶健全型
…営業CF+ 投資CFー 財務CFー
→本業で資金を獲得し設備投資や借入の返済を行う

❷積極型
…営業CF+ 投資CFー 財務CF+
→本業で資金を獲得し設備投資を行い足りない分を借り入れる、事業拡大フェーズ

❸改善型
…営業CF+ 投資CF+ 財務CFー
→本業と設備売却で資金を獲得し借入の返済を行う、事業縮小フェーズ

❹衰退型
…営業CFー 投資CF+ 財務CFー
→本業から資金が流出し設備売却で借入の返済を行う、事業衰退フェーズ

❺勝負型
…営業CFー 投資CFー 財務CF+
→本業で資金が流出するが借入により設備投資を行う、資金繰りが厳しい

❻救済型
…営業CFー 投資CF+ 財務CF+
→本業で資金が流出し設備売却を行い足りない分を借り入れる、かなり厳しい


5-62. 評価法
・エクイティボンドという考え方
…元本保証型の株価連動債券、倒産のリスクがないので元本保証型、企業が稼ぐ税引前利益が利子
→持続可能な競争優位性を持つ企業はやがてマーケットが再評価し利率から算出した価値まで上昇
→年を追うごとに増加する税引前利益、ビジネスをマーケットが再評価するまで時間がかかる、割引率を何にするか

・買い時はベアマーケット、地合いが悪く底をついてから、トラブルによる短期的な下落など
→ブルマーケットでは見送る

・売り時は別の企業に投資をするために資金調達する時、持続可能な競争優位性がなくなった時、株式バブルが発生した時


(ⅱ)業界調査

5-63. ❶市場規模
…市場規模が大きいか非常にニッチなのか?市場が成長しているのか成熟・衰退しているのか?


5-64. ❷市場環境
…競争が激しいか?リーディングカンパニーが存在するか?新規参入で一気にシェアを獲得できるか?
法規制や既得権益があるか?市場シェアはトップ企業を選好する


5-65. ❸参入障壁
…この企業でないとできないことは何か?


(ⅲ)業績予想

5-66. ❶ビジネスモデル
…利益源はどこか?ビジネスモデルに投資をするつもりでより詳細に、主要事業は?規模はどのくらいか?ユニークな点は何か?キーファクターはどこか?


5-67. ❷企業の歴史と業績推移
…採用ページから求める人材やカルチャーを感じる、訪問から会社にお金をかけ具合や働く社員の雰囲気を感じる
→過去の選択により現在の選択が制約を受ける、どのような転換点があったのか?
→決算短信で 10 年分の業績推移を見る、売上高、費用、利益の推移はどうか?


5-68. ❸事業セグメント
…ここの事業単位・地域単位で分解、決算短信のセグメント情報、売上高や利益の占める割合はどうか?相互関係を見る
→コアコンピタンス(中心となる技術や強み)は何か?


5-69. ❹利益構造
…価格効果(単価)、数量効果(販売数量)、変動費効果、固定費効果
変動費と固定費を分け売上高に対する比率を算出、変動要因はビジネスモデルと照らし合わせて考える


5-70. ❺将来の業界変化の予想
…景気予測よりも事業環境の構造的なトレンドを見る、新規参入や競争、ポジティブ要因とネガティブ要因は何か?


5-71. ❻売上高・純利益・配当額の予想
…付加価値につながる売上をいかに予想するか、マーケットシェアをどれくらい取得するか


(ⅳ)DDM・PER によるバリュエーション

…投資するかしないかは、株式価値と実際に取引されている時価総額を比べて決定
株式価値 < 時価総額であれば割安、買い
株式価値 > 時価総額であれば割高、買わない

5-72. DCF、ディスカウントキャッシュフロー
…将来に企業が生み出すCFから事業価値を推定し企業価値や株式価値を算出する
→詳しくは資本コストに記載


5-73. DMM、配当割引モデル
…将来に株主が受け取る配当から株式価値を算出する
→企業の配当を株式コスト(株主の期待リターン)で割引いて株式価値を算出する
→株式価値をダイレクトに出せる
→配当D、株価P、株式コスト$${r_e}$$

$${r_e=\frac{D_1+(P_1+P_0)}{P_0}}$$
より
$${P_0=\frac{D_1+P_1}{1+r_e}}$$
$${P_1=\frac{D_2+P_2}{1+r_e}}$$

よって
$${P_0=\frac{D_1}{1+r_e}+\frac{D_2+P_2}{(1+r_e)^2}}$$

これが繰り返されて

$$
P_0=\sum_{t=1}^{\infty} \frac{D_t}{(1+r_e)^t}
$$


5-74. ゼロ成長モデル、配当Dが毎期変化しない場合

$$
P_0=\frac{D}{r_e}
$$


5-75. サスティナブル成長率g
…外部から資金調達せずに、内部留保の再投資だけで得られる純資産の成長率

$$
g = \frac{内部留保}{BPS}
$$


5-76. 定率成長モデル、配当Dが毎期サスティナブル成長率gだけ増加する場合

$$
P_0=\frac{D}{r_e-g}
$$

→複数成長モデル、配当Dが企業の発展段階に応じて異なる成長率gだけ増加する場合

$${P_0=\frac{D_1}{1+r_e}+\frac{D_2}{(1+r_e)^2}+…\frac{D_t}{(1+r_e)^t}+…}$$

$${=\frac{D_1}{1+r_e}+\frac{(1+g_2)D_1}{(1+r_e)^2}+…\frac{(1+g_t)D_{t-1}}{(1+r_e)^t}+…}$$

$${=\sum_{t=1}^{T}\frac{(1+g_t)D_{t-1}}{(1+r_e)^t}  +  \frac{(1+g_t)D_T}{(1+r_e)^T}}$$


5-77. クリーンサープラス関係
…前期の純資産に今期の内部留保を足すと今期の純資産になるという関係

$$
E_t=E_{t-1}−I_t +D_t
$$

$$
D_t=I_t+E_t-E_{t-1}=(I_t-r_eE_{t-1})+(1+r_e)E_{t-1}-E_t
$$

→残余利益モデル、クリーンサープラス関係をDDMに当てはめた場合$${P_0=\sum_{t=1}^{∞}\frac{D_t}{(1+r_e)^t}}$$
$${=\sum_{t=1}^{∞}\frac{I_t+E_t-E_{t-1}}{(1+r_e)^t}}$$
$${=\sum_{t=1}^{∞}\frac{(I_t-r_eE_{t-1})+(1+r_e)E_{t-1}-E_t}{(1+r_e)^t}}$$
$${=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{I_t-r_eE_{t-1}}{(1+r_e)^t}}$$
$${=\sum_{t=1}^{∞}\frac{RI_t}{(1+r_e)^t}}$$

→サステナブル成長率gを仮定すると
$${P_0=E_0+\frac{RI_1}{r_e-g}=E_0+\frac{I_1-r_eE_0}{r_e-g}}$$

→サステナブル成長率g、ROEが一定だと仮定すると
$${P_0=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{I_t-r_eE_{t-1}}{(1+r_e)^t}}$$
$${=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{ROE・E_{t-1}-r_eE_{t-1}}{(1+r_e)^t}}$$
$${=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{(ROE-r_e)E_{t-1}}{(1+r_e)^t}}$$
$${=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{(ROE-r_e)(1+g)^{t-1}E_0}{(1+r_e)^t}}$$
$${=E_0+\sum_{t=1}^{∞}\frac{(ROE-r_e)E_0}{r_e-g}}$$


5-78. DDMによるバリュエーションを考える
❶6年目までの予想配当額を算出
…配当=純利益×配当性向

❷株主コスト$${r_e}$$を考える
…8%と決めて、リスクの大きさから 5〜12%で調整

❸5年目以降のサスティナブル成長率g
…サスティナブル成長率g=(1–配当性向)×ROE
→5年目までのPER=5年目の時価総額 / 6年目の予想純利益


5-79. なぜDDMを使うか
❶株式価値を1ステップで算出できる
…DCF は企業価値から株式価値という 2 ステップ必要

❷株主が受け取れない非事業性資産としてのCFを評価しなくて済む
…内部留保される非事業性資産

❸株主から見たCFである配当を用いることでファイナンスの基本に矛盾なく利益ベースで議論できる

❹PERをDDMの枠組みの中で解釈でき、PERを通して議論できる

❺損益計算書だけの考察で分析できる


5-80. PERの水準感
❶TOPIXのPER と比べる
…日本企業の平均成長率を5%とすると15倍あたり

❷過去のPERと比べる
…利益が安定している成熟企業には使いやすい、地合いが悪い場合を排除するか

❸業界のPERと比べる
…業界平均に回帰することを想定、利益構造や財務構造が違う場合もある

❹将来の利益成長から妥当なPERを考える
…大型企業や安定成長企業は10〜15倍、成長企業や中小企業はPEGレシオ
→PEGレシオ、PERを5年間のEPS成長率で割ったもの、1.5 倍あたり、成長率 12%×PEG1.5=PER18倍
→注意すべきは特別損益などの一時的要因による変動、地合いの影響の受けやすさ


6. 株式を考えるメモ

…普遍のものではない、その時その時のメモ、思考プロセスが大事

6-1. 上場の猶予期限、株の流通が100億ないと
→自社株買い、株価が上がる、100億くらい
→増配が多い、新NISAを睨んだ、株式分割をしている企業も多い
→個人の資金が動く、PBR1倍を減らす
→ROEが上がる
→海外の投資家も日本株式を見直す?

・鉄鋼株、元気になった、日本製鉄
…高炉、鉄鉱石から鉄を作る、巨大な設備が必要、CO2排出の9割
→電炉、鉄スクラップを再利用、CO2排出は高炉の4分の1、カーボンニュートラルが後押し
→黒鉛電極、鉄スクラップを溶かすのに必要、電極先端温度3000℃、東海カーボン、日本は強い
・東京製鉄、トヨタの競技車両にスクラップ由来の鉄が採用、強靭さと繊細さが必要
・大和工業、海外の現地でスクラップを回収でして精製
・合同製鉄、日本製鐵は電炉メーカー買えば良くない?
・レゾナック、黒鉛電極のシェアトップ


6-2. 割安な日本への投資は本格化するのか?
…植田新総裁、YCC修正・解除はタイミングが重要
→望ましいのは世界のインフレが収まって利上げも打ち止め株価が上がるようなタイミング
→YCC関連は先に織り込ませると投機が入る
→同時に量的緩和が必要、マネタリーベースを増やす、国債を買う
→今回は増えたように見えて実際は減っている、共通担保資金供給オペが減っている
→質的緩和、ETFを買う、大幅減、止めるだと株式の需給に大きく影響、売りが出るぞ
→割引価格で民間に分配する
→すぐ売られるとまずい
→ideco枠のETF

・1番のリスクは拙速な利上げ
…短期プライムレート上昇、住宅ローン金利上昇、企業の短期借入金利上昇
→マイナス金利導入時に短期プライムレートは下がっていない
→望ましいのは賃上げが持続できたというタイミング

・電気料金値上げ
→原発が稼働してない部分が値上げ
→今再稼働してる原発って本来なら動かすことができる国内の原発の4分の1ぐらいしか動いてない、全部再稼働させると円安の行き過ぎ も軽減される、貿易赤字も1兆円以上減る可能性
→政治力が必要、国民の反対

・成長すれば赤字を返せる
→増税すると成長しない
→ヨーロッパの債務危機、緊縮案を無理やりやってかえって景気が悪くなる、次は日本で起こるのか?


6-3. アメリカ株から日本株へ
…TOPIXとHEWJは一緒、アメリカの日本株ETF
→HEWJは円ベースだと最強、為替リスクと株式リスクを切り離して考える

・日本人投資家、日本株ETFの買い(ドル)+買付金額のドル買い
→運用会社、日本株の買い(円)+買付金額の円買い+買付金額の円売り・ドル買い(ドル買いヘッジ)
→日本株が上昇すれば追加のドル買い、日本株が下落すれば調整のドル売り
→カレンシーオーバーレイ、日本人投資家は2度ドルを買っていることになる、ブラジルのレアル建のアメリカ株・日本株、配当が増える
→日本の金融緩和、円安確定、日本株も上昇
→ETFで手数料が低い・流動性が高い


6-4. 景気敏感株は根こそぎやられている
…FRBとのズレ
→Amazonの後払いサービスが小売統計を歪めている
→Amazonの売上が止まり始めたら終わりの始まり

・ウォルマートは富裕層向けにカバレッジ広げた
…デフレ型からインフレ型へ、小売

・コストコは倉庫買い
…買い溜めしてそれを高値で売っていく


6-5. S&P500、ナスダック、ラッセル2000
…レシオを出す、大型株が優位かどうかをみる
→S&P500/ラッセル2000
→ナスダック/ラッセル2000、ITバブル前を抜く、ハイテク株がITバブル以上に買われている
→ナスダックの超大型/ラッセル2000、1000を超える、限界を超えてるからあとは時間の問題
→神とは時間


6-6. アメリカの決算シーズンが到来したら
…決算時の企業の動きを順番に考える
→この企業が利食いならこの企業も利食いなのかな?を考えたい
→日次の騰落率の相関を考える


6-7. 熊本県で半導体を軸としたビジネスが活発になってきた
…台湾企業の熊本進出、地銀同士のつながり


6-8. パフォーマンス
…月足を作って月間の騰落率から計測
→リターン、(1+r)^1/12
→リスク、標準偏差・12ヶ月を年率にする関数
→シャープレシオ、運用効率、リターン/リスク、打率、1.0を超えてたら確実にヒットを打ってる
→最大利益、最大損失、ホームランと三振
→リターンの時系列、上から下、順位、平均順位
→ニュースはSNS等で


おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
修正すべき点やご意見などあればXでお声をいただければと思います。
修正の際は、番号を指定して、フォーマットをなんとなく合わせていただけると助かります。

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