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「スキ」を伝えやすくなった僕たちの話

主が僕たちパーツの存在に気づいてから、ポジティブに変わったことはいろいろある。

軽く例示しておくなら、
・趣味の方向性がバラけていても自己嫌悪しなくなったこと
・自力で抑うつと虚脱状態から回復するスキルが身につきつつあること
・暮らしの中で得意を分け合えるようになったこと
などだろうか。

他にもいろいろあって、今日はポジティブな変化の中の「人と気楽に連絡が取れるようになったこと」について話してみたいと思う。

リプライにかかるプレッシャー

Twitterやnoteを見ていると、心を動かされる話や、激しく共感する話題が取り上げられていることがある。

感動した気持ちを筆者に伝えたくて、コメント画面を開く主。

しかしかつての僕たちは、なかなかコメントの文章をまとめることも、さらに「送信」ボタンを押すこともできなかった。

理由はパーツたちの散らばったガヤによる。

僕が「こんな感じで伝わるだろうか」と大枠をまとめると、
たたかうパーツが「でも、こんなの送ったって相手にとっちゃ返事の手間が増えるだけだよ」と批判し、
「パニック少年」は「この表現で嫌われないかな?」と心配し、
たたかうパーツが「じゃあ送るのやめろよ」とまた批判する……。

これがひとつの脳内で行われているわけだ。

主の感じ方としては、だんだん感想を相手に伝えることが恐ろしくなってきて、こんなにストレスを感じるのであれば送るのをやめてしまおう……と、打ち込んだ文章を消して画面を閉じるのだった。

せっかく感じたポジティブな気持ちは、伝えればきっと作者さんが喜んでくれただろう。Jessieなら作り手として狂喜乱舞する。

Jessieは「喜んでくれるだろう」と分かっていても、僕たちの中にはそれが分かれない者もいた。だから混乱していたのだ。

送りたい人が送ればいい

パーツたちの存在を知り、どのパーツがどんな思いを持っているかを知ったことで、僕たちのコメント送る・送らない戦争は平和的な解決を見た。

現在、僕たちの意識内では棲み分けが行われている。

感想を送りたい!と思ったパーツが、「送信」ボタンを押すところまで全部やるのだ。

批判する「たたかうパーツ」は相変わらず批判的な見方をすることもあるし、「パニック少年」は嫌われたくないあまり表現に非常に気を遣う。

だが、それは「感想を送りたい!」と思ったパーツの気持ちではない。

最近、主に誰かに感動を伝えたいと思いリプライを送っているのは「翔」「繊細」「Jessie」であって、「パニック少年」やたたかうパーツとは別の人格なのだ。

だから良い意味で、批判や恐れに耳を貸す必要はない。彼らを落ち着かせるのは僕の役目だ。

感想を送りたい人は、自分の感じたことに集中して送ればいい。


そうして平和的な棲み分けをしたことで、「送信」ボタンを押す時のプレッシャーは驚くほど少なくなった。

おかげであたたかいお返事がもらえたり、自分の感動を周りに伝えることができたりして、毎日に少し楽しみが増えている。

僕たちにとってうれしかったことのひとつだ。



直也


こぼれ話1:パーツたちの興味関心

これは余談だが、それぞれのパーツたちはどんなツイートや記事に興味があるのだろうか。

少し書き記しておこうと思う。

翔:TRPGやゲームの話。
卓の連絡に返信したり、大好きな同卓者さんのツイートに思い切って返事を書いているのは彼である。
TRPGの、ロールプレイによってなんにでもなれる感じが好きらしい。

繊細:暮らしやミニマリストのこと。
やわらかい暮らし方をしている人の動画や記事を見るのが好きで、特に「いい!」と思ったものにはたくさん「いいね」と「スキ」を押す。キャッキャしたテンションでコメントを送ることもある。語尾に「!」をたくさんつけることが多い。

Jessie:「繊細」と感性が似ているが、ちょっと方向性が違う。
読書のこと、文章を書くこと、素敵なショートショートや小説など。
前述の通り、作り手のひとりであることと、「自分がされて嬉しいことは人にする」のモットーにより、良いと思った作品には比較的気軽にコメントさせてもらっているし、引用リツイートもよくする。
もし自分の小説にコメントがついたり、リツイートされたら嬉しいからだ。

こぼれ話2:参考になった本のこと

僕が使う「パーツ」という概念について、もとになっている本を参考文献として挙げておく。

ジェニーナ・フィッシャー先生著『トラウマによる解離からの回復』だ。

専門書だが役に立つこと請け合い。

僕たちはこの本のおかげで存在を認知されたのだし、認知のお陰でPMDD、フラッシュバック、拒食症的症状から距離をとることができた。(これはあくまで僕たちの所感であって、効果を保証するものではない)

詳しい感想は他記事にまとめているので、ここでは割愛するが、過去に起因する悩みを抱えている人にはぜひとも一読してほしい一冊だ。

https://note.com/noel_story/n/ne8cbede8b51b

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