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あの人ひとりがこの世のすべてだった頃

昨日買ったこの本は、購入直後に駅ですぐに読み始め、30分で読了してしまった。

この本を読んで、ある文章を書いていたときに言われた
「(今書いているものは)文章の中に(読者が)自分を見出せることが大事」
というアドバイスがやっと実体験として分かった。

文章の中から自分を見出した時、
「この人と同じところがあるなら自分もこうなれる」
と錯覚するのだ。
その人が満たされた恋をしていても、運命のような出会いをしていても、幸せな生活をしていても、どんなことだっていいのだ。
少しでも共通点を見つけられたらいい。
本の中の誰かを通して自分の夢を見るのだ。

文章の中で共感や肯定から得られたときの感覚ももちろん大事なのだが、そこで止まるのではなく、「自分もこの物語のように歩めるのではないか」と思えることが重要だ。

自分にとってその行為はどこまでも虚しくて幸せなものだ。

だから私は本を読む。

私にも「あの人ひとりがこの世のすべてだった頃」があった。
あの時期を改めて思い出す機会になった。

この本を読んで救われたし、救われていたことを思い出した。

読んでいる間に、「できるだけ早く読みたいが勿体なさがあって焦らないように読む」という感覚を抱いた。
これは、今年出会った運命の本である千早茜さんの「赤い月の香り」を読んでいるときと同じだった。
2023年を後悔しないために買った韓国エッセイがこれで本当に良かった。

では、また。

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