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領域が異なるチームでの目線合わせと行動を支えるためにしたこと

🎉この記事は🗓i-plug AdventCalendar2019【9日目】の記事です🎁🎅

こんにちは、i-plug(アイプラグ )のムラジです。実は、社名付きでお話するのは今回がはじめて。またアドベントカレンダーもはじめてなんですが、障子に突っ込む勢いで、この機会にやってみます。

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こちらは7ヶ月頃のわたしです👶

上記から35年あまり👨‍💼現在わたしは、就活サービスを運営するi-plugで、新規事業チームのUX/UIデザイナーとして働いています。

「チームで働いています」と言ったものの、メンバーが集い、新サービスの成功に向けて走り出したのはごく最近。当初はどこからどこまでがチームなのかもわからない状態だったのです🚧

i-plugの開発部では、スクラムという開発手法を取り入れています。その中でチームづくりに積極的な方が何人もいて、実践的に教えてもらうことができました📝今日はそんな、できたてホヤホヤのチームが取り組んでいる<チームづくり>について紹介します。

もし興味があれば、ぜひあなたのチームでも挑戦してみてください💪

「わからなさ」からチームをはじめる

自分が所属する新規事業チームはできて間もないチームです。加入時には左も右もわからない。そのはじまりに、“チームでの目線合わせ” をしたことで、良い意味で緊張やバリアが溶け、お互いに忖度せず、意気揚々と動き始めました。

ところで、“目線合わせ” ってなんでしょうか?
はじめからしっかり目線が合ってる人はいない、と思います。そして、同じ目的を共有した仲間でも、目線は気付かないうちに離れてしまいます。その都度、問いかけながらこの目線を合わせます。こんなことは、世の中にはありふれている話かもしれません。

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「自分たちはこれから何をやるんだろう・・・?」
「自分たちはいま誰と闘ってるんだろう・・・?」

自論ですが、こんなような「わからなさ」を感じたところから、チームが始まるものだと思います。なぜでしょうか。もう少し具体的に、どんな人たち(チームって誰?)と何をしてる(目線合わせってどうやって?)のか。言葉にして反証してみます。

“違う誰か”と目線を合わせる必要

自分の参加する新規事業チームのコアメンバーは現在6人。大きく営業と開発の2ユニットが、社内外のステークホルダと共に動いています。6人とも役割も性格も、得意・不得意、思考態度、経験や背景、喋っている言葉、すべてに違いがある。話せば話すほど、わからない違いがわかる。

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世の中の大小ある“プロジェクト”と言われるものも然り、大きく職能の違う人、趣向から文化・風習まで異なる人とチームを組み、試行錯誤することは現実にあります。お互いの違いに頭を悩ませたり、仲違いになる必要はなく、その違いを無くす必要もない。必要なのは話を交わし、チームとしての目線を合わせること。

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自分たちもまた1つのチームとして、事業を作っていくために “チームの目線を合わせる” ことを必要としていました。必要だからやる。とても単純な話ながら、なぜ、その必要をわざわざ集まって時間をとってまで確かめようとしているか。確かめないと分からない部分もありました。ここからの取り組みを読んで「目線が離れてる」と思った人は、チームメンバーと話したり試してみるのもいいかもしれません。

チームメンバーとの“関わりかた”を捉える

ほぼ初対面の人と「目線合わせだ!」なんて言われても、大概の人には難しいことです。よく知らなかったり、慣れない人とどんなふうに話をすればいいのでしょう。

相手は、おそらく得体のしれないミュータントや暗殺者ではないものの、そこは人と人。歓迎会、呑み会をするだけじゃ分かりきらない深みがあります。相手のことを知らないと、会話も薄いまま終わりそう。

そこでやったのが..

\\デデン❗//

「ドラッカー風エクササイズ」です(通販っぽく言うとダイエット製品に思えてくるけど違います。痩せるためのエクササイズではない。あとちょっと恥ずかしい。)

■期待値をあわせて、思いやりを備える「ドラッカー風エクササイズ」

ドラッカー風エクササイズはチームビルディングの手法のひとつです。検索すると企業さんの実施例が出てきます。

このワークでは、チームメンバーのことを知れるようです。今回は開発ユニットの3人で実施しました。

で結果です。このワークを通して、メンバーとお互いのこと、チームでの期待値を知ることができました。やり方を簡単にご紹介しますが、とても単純ながら、追求するほど難しそうです。

まず、以下の質問を付箋に書き出します。

【ドラッカー風エクササイズ 4つの質問】
Q1.何が得意ですか?
Q2.どういうふうに仕事しますか?
Q3.大切に思う価値はなんですか?
Q4.どんな成果を期待されていますか?
Q5.他のメンバーに期待することは?

詳しい方にファシリテートしてもらい、一人ずつQ1〜Q4まで壁に貼りながら各々のことを話して、最後にQ5を他のメンバーから出したら一人終わり。これを人数分やりました。

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例えば、相手のことを知るなら、たとえば前述した“呑み会”のような場も大事なんですが、こと仕事となると、もう少し個人の持っているスキル・マインド・思想・成果など意識して、うまく関わろうとします。

数値をみるのが得意な人にはデータ分析をお願いするでしょうし、その人が生真面目であれば、冗談もほどほどにします。「トリセツ」のようなものでしょうか。人が暗にやっているソレを、横並びで明らかにしたことで、お互いやチームへの期待が高まったと言えます。

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やったあとポーズしてくれた同僚さん✌
あぁ、こういうテンション好きです。

また、このエクササイズにはB面があります。これはまだやっていませんが、チームメンバーの不得意や地雷原、痛点、事故など、辛く感じたり危うい部分を共有します。とても難しそうですが、うまく知れたら、ちょっとした思いやりにつながってくるんじゃないかと期待します。

エクササイズはそれなりに疲れるので、痩せる気がしてきました。

チームで“共通の認識”を持つ

それぞれの関わりは分かったとして。「チーム、チーム」と言いながら、集まってきた “私たち” は何なのか?

事業やプロジェクトの大きな目的だけでなく、それを担う私たちの存在理由や狙い、役割、誰に何をするか、といった共通の認識が欲しくなります。

これを定めるのが..

\\デデン❗//

「インセプションデッキ」です(つまらんネタを2回やると飽きますよね。分かります。デッキ…こちらは掃除用具のように聞こえなくもない。あと、やっぱり恥ずかしい。)

■チームを明文化する「インセプションデッキ」

インセプションデッキは前述したチームの目的や役割など、共通するものをまとめて定義する手法です。こちらも検索すると実例が出てきます。

私たちはチームが集まれるタイミングを見計らってこのインセプションデッキづくりを実施。社内でファシリテートをお願いしながら、チームで意見を出して、ひとつにまとめていきました。いろんな質問のフレームがあると思いますが、私たちはこんな内容を定義しました。

1.どんなチーム?(何を?なぜ?目標は?)
2.誰がどんな役割でやってる?
3.どんなことをする?(ターゲット、課題、TO-BE、提供価値)
4.チームの優先順位は?
5.チームの関係者は?
6.このチームでやらないことは?
7.ここまでを踏まえて何を目指す?

こちらもなかなか疲れます。
まず、一つひとつの意見を理解していくことに頭を使います。また、領域の違う人たちが自分たちの視点で考えて真面目に出した意見なので、どれも間違いなかったんです。そのため、一番時間がかかったのは「優先順位づけ」(わかりやすい笑)

ワーク中にパワポ上でまとめてもらった内容がこちら。箇条書きからなんとなくグルーピングや優先を決めていきました。

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それをオンラインコラボレーションツール miro 上にまとめたものがこちら。情報を整理して、目標や体制(Why)からやること(How)に並べてわかりやすい。あとで見返しもしやすくなりました。

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まとめたデッキを眺めると [ 意見をたくさん出した→まとめた ] という発散と収束のプロセスを感じました。とにかく意見を出して、そのあとまとめたり優先をつける。

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発散は話していると自然と出てきました。一方で特に収束させるとき、チームとしての判断が求められ、意見の相違も生じます。その相違をチームでいかに捉えて判断していくか。ここで、はじめてチームが試されたような気もします。

私たちは何なのか?私たちはこういうチームです。ここで、ようやく “チームの目線” に近づいたような感覚がありました。

なんとなくキレイになる気がしてきました。

たしかめながら行動する

お互いのことを知った!がんばってチームのことをまとめた!けどこの感じ、まとめたことで満足してしまいそうです。

チームに浸透して、それが成果につながってなんぼ、ですよね。そこでいくつか試行していることがあります。

私たちが私たちであるために「マニュフェストbot」

インセプションデッキの中で、みんなでマニュフェストとして宣言したことを、先日Slackbotにしました。チームで普段会話するSlack上で呼び出すと、みんなで決めた数々のありがたいお言葉をランダム出力します。

たとえばこんな感じ
(※事業内容に関係ない内容に絞ってます)

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そうそう、「不健康(暴飲暴食)」はしません
(しちゃいますけどね..!ボソッ)

で、さらにこれをデイリーで自動出力するよう準備中です。
これに関しては始めたばかりなので、効果のほどは分かりませんが…以下みたいに、燃えるようなリアクションがあると、みてるほうもテンション上がります!

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「うおおお」アイコンは自作自演じゃないです。

違和感が生じてきた場合は、インセプションデッキの見直しも必要。決めたことは正しいのか?迷いながら確かめるきっかけを自分たちで作ります。

■離れても隣で働いてる感が(ほんの少し)ある「チーム分報」

もう一つ、やっていることがあります。
現在の私たちのチームは、コミュニケーション手段としてチャット(Slack)を利用しています。営業と開発で勤務地が離れているため、“1つの場所”という感覚で利用しています。もはやリモート可能なチームであれば、自然な感覚だと思います。

あるとき「(Slackを場所とするならば、打ち合わせの場だけだと窮屈かも..)」と思いました。当初チャンネルは↓ぐらいしか無かったのです。

チャンネル名 : 用途
・XXX : メイン
・XXX_{ユニット名} : 開発ユニットもしくは営業ユニット用
・XXX_idea : アイデアメモ用

※“XXX”にチーム名が入ります。

そこで、この窮屈の原因を考えたところ、普段の会話がないことに気付きました。場所とか言っちゃってるのに。普段、自分がチャットではない対面の場で、どんなコミュニケーションをしてるか想像してみました。

「ここ進めときますね」
「この部分わかりづらいですよね」
「ランチいってきます」
「コンビニいってきます」

想像するも大したことのない話ばかり。でも、普段の会話って、こんなもんじゃないですか?小さくてラフな会話をたくさんしている。実は、これが求めているものだ。ということで、このチームのSlackで、通常の目的別のチャンネルとは別に “チームの分報チャンネル” を用意しました。

チャンネル名 : 用途
・XXX_times : チームでの分報用

分報は今やっていること、始めたこと、終わったことをただ書くだけ。前職でもやってましたが、個人では続きませんでした。個人用のチャンネルではなく、普段の会話のように、何気なしに聞いている環境を求めて、チーム分報の運用をはじめてみました。

ある日のお昼頃の分報

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これで何が変わったか?というと、そのまんまですが、“いま誰がどんなことを考えて、何をやっているのか” が分かりました。

過去に遠隔でのコミュニケーションに悪戦苦闘したこともありますが、その経験則からしても、チーム分報によって、気軽に言える&(完全ではないものの)状況が分かることは大きい。その気はなくとも、心理的安全性にも寄与してるように思いました。

リモートチームで日頃コミュニケーションに試行錯誤されている方もいると思いますが、そんな方のアイデアも取り入れてみたいところです。

総論「チームづくりは信じて続ける」

今日紹介した取り組みはチームづくりの一端ですが、まだまだチームとしては未成熟な段階。自分自身も、チームも走り出したばかり、毎日が試行錯誤の連続です。目線合わせも何でも、とても一昼夜ではできる気がしません。

ただし、たくさん転がっている「わからなさ」をたしかめて、チームのものとしていく。これはとても甲斐のあることだと感じます。そして、ゆくゆくビジネスを成功させるものになる。今のところ地味な意見にはなりますが、「そう信じて続ける以外にないな」と思います。

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雑文も織り交ぜてお送りしましたが、ここまでご高覧いただきありがとうございました🙇気に入った部分があれば、ぜひスキ(♡)を、よろしければお気軽にコメントください。

それでは皆さま、よいチームづくりを👍

もし、サポートいただけるほどの何かが与えられるなら、近い分野で思索にふけり、また違う何かを書いてみたいと思います。