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色の学校 Z世代イメージカラー調査

大学生、専門学校生、いわゆるZ世代にイメージカラー調査を実施しました。20年ほど前から毎年実施しています。今年実施した調査結果の一部をご紹介します。

実施した調査の回答の中に"ピンク"のイメージ『中性的』という回答がありました。これは世代によっては全く驚くことでもなく、フツ〜なのかもしれません。「ピンクは女の子の色って、誰が決めたの?」と聞かれたこともあります。
私の高校生の息子も「ママ、これ、この色がカッコいい!買って!」と、言ったのがコレ(写真)です。ほう〜この色がカッコいいんだ〜と少し戸惑いました。

イメージ調査の方法

イメージ調査はビジネス系、アート系、建築系、デザイン系の専門学校、大学、短大の約200名の男女、男女比率は男性3:女性7です。色見本等はなく、文字での表記です。
「赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫、ピンク、水色、茶、黒、白、グレー、これらの色からイメージされる言葉を選んでください」*複数回答可
選ぶ語群は一般的なモノで、男性的、女性的、誠実、正義感等々…
"青"に『男性的』との回答も数年前と比較すると激減しました。

語群は100語有りますが、一部抜粋します。

① 切ない ② 可愛い ③ 自立心 ④ 社交性 ⑤ 友好的 ⑥ 母性 ⑦ 喪失
⑧ 個性的 ⑨ 誠実 ⑩ 閉鎖的 ⑪ 否定 ⑫ 好意的 ⑬ 情熱的 ⑭ 信頼 ⑮ 権威
⑯ 高級感 ⑰ 芸術的 ⑱ カリスマ性 ⑲ ムードメーカー ⑳ 従順 ㉑爽やか
㉒ 孤立㉓ 協調性 ㉔ 親近感 ㉕ リーダー的 ㉖ 恋愛感情 ㉗ 清楚 ㉘ 情熱的
㉙ 美意識 ㉚ 独自性 ㉛ 正義感 ㉜ 頑固 ㉝モヤモヤ
㉞ 安っぽい ㉟ セール ㊱ 福岡市 ㊲ 男性 ㊳ 少年 ㊴ お母さん・・・・等々。

男の子色、女の子色は死語?


5年ほど前から、その存在意義が怪しくなってきた、いやもう死語?と感じる言葉は「男らしい、女らしい」「男の子色、女の子色」です。
講義中に「先生、男の子色って、何色?」
そう質問される回数が一気に増えました。2000年イオングループが24色のランドセルの販売を開始したことで、Z世代がランドセルを購入する頃には赤と黒の二択なんかとんでもない、何色でもOKになって行きました。
アパレルブランドにおいてもメンズ、レディースという性別よりサイズ感の好き嫌いで選ぶ時代に急速に変化してきています。

青のイメージ

"男の子色"の代表選手と言われて来た"青"のイメージの回答に "社交性" "正義感"がありました。
これまでのデータでは社交性は黄色、正義感は赤、いずれも真逆の色です。
30年色のイメージの調査研究を行ってきた私のデータでは、「青」は冷静沈着、男性的、誠実、また人見知りで内向的な傾向が強いタイプであると分析しています。

戦隊ヒーロー

1975年からTVで放映が始まった戦隊ヒーローの色は今でもこの5色が主に使われていますが、ゲームやアニメの人気キャラクターはこのように特定されてはいないので、赤が正義感の強いヒーロー、リーダーと即、結びつかない場合も多いようです。


TV以外のメデイア、YouTubeやTikTok等、様々な表現で魅了していく媒体の選択肢が増え、朝、昨夜のTV番組の話でクラスの中で、わぁ〜〜と盛り上げるような光景は現在の学校では無くなりつつあるのでしょうね。
これは決して嘆くこと、悪いことではなく、互いの価値観を認め合う方向に進んでいけば素晴らしいことだと思います。

マーケティングの難しさ

これからの時代はマーケティングが非常に難しくなっていく、いやもう既に難しくなっていますね。
かつて、日本の半数以上の女性が真似たと言って過言ではない「聖子ちゃんヘア」
*ご存知ない方は下記をご覧ください。

一律の価値観に翻弄され、右向け右の時代から数十年、様々な価値観が現れたことは喜ばしいことだと私は感じています。
青=男、赤=リーダー、ピンク=女性らしい、というような思い込み、決めつけはもう通用しない場合が増えて来ています。
また、性別、年代においても20代の女性、30代の女性、主婦等のような大きな括りでは、消費者の心を掴むことは出来なくなっています。
柔軟に時代を読み取る力が必要とされますね。


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