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517 企業のWeb活用において「情報を発信する/発信力を強化する」という表現がどうにもしっくりこない。(稲田)2024/3/26

企業のWeb活用において「情報を発信する」「発信力を強化する」という言い方がどうにもしっくりこない。ぼくにとってWebコンテンツは発信するものではなく「見にきてもらうもの」であり、こちらから「届けるもの」なんですよね。発信という感覚がすごくズレたものとして感じます。ぼくだけかしら。

感覚がズレている感じとしては「募金力を強化する」といった雰囲気に近い。募金って相手にしてもらうことですよね。Webサイトもユーザーに「してもらう」メディアなのに、「発信力を強化する」という言葉からはその視座がすっぽり抜けている気がする。

企業のWeb活用において「発信力を強化する」という言葉は便利だし何かやっている感もあるから言いたくなる気持ちは分かるけれど、たぶんWebサイトの本質を見えなくしてしまう。些細なことだけど、こういう違和感は大切にしたいと思っています。顧客のWeb活用を支援する側だから特に。言葉は大事。

企業のWeb活用におけるよくある勘違い(特におじさんの管理職/経営陣に多い)

  • 全世界から見られる → 見られません

  • 炎上する → しません

  • インパクトが大事 → いりません

  • 目立たせたい所は赤字に → ダメです

たぶん「情報発信」っていう言葉が良くないんですよね。勘違いを生む。

Webの機能は情報発信じゃありません。ユーザーが自主的に足を運んでくれる/来てもらう「場」を作ることです。主導権はユーザーにあります。発信なんて言っているけれどベクトルが逆です。

正) ユーザー → Web

誤) Web → ユーザー

だから、ユーザーが訪れてくれたときにコンテンツの内容は見やすく整理されておくべきだし(インパクトなんか邪魔です)、「お客さんにどうやって来てもらうか?」の設計と取り組みが大事になります。

大切なことだから二度言いますが、全世界から見られません。そして「情報発信」ではありません。忘れないように。

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