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眠れる企業の真価を解き放ち、魅力を伝え、未来を照らし出す―JBAの新たな挑戦

  現在、日本には420万もの企業が存在します。そこに眠る世にでていない魅力。その魅力を“伝え”、企業の価値を向上させる。これが私たちJBAの新たな取り組みです。
  始動したきっかけは、JBAの事業の一つ社内報。組織内の情報共有やコミュニケーション促進、企業文化の醸成を目的として、社員に向けて発行される報告書のことです。この社内報を制作するにあたって、他社では行っていない特殊な取り組み、そしてその会社ならではの強みが見えてきました。多くの部署やプロジェクトを抱える大手企業だからこそ起こる情報の分散。これによって情報の一元管理が適切に行われておらず、“強み”が強みとして十分に把握されずにいるという課題が浮かび上がってきたのです。
  例えば、炊飯器や保温ポット、電気ポット、調理器具などの家庭用品を手がけ、高い評価とともに多くの家庭で親しまれている会社様。社内報を制作する中で明らかになってきたのは、「過去5年間、入社3年以内の離職率がゼロであること」、「製品のリコール数が1桁という圧倒的少なさ」など誇るべき実績です。また、その背景にあるサプライヤーに対する監査の徹底などの素晴らしい取り組みも発信ができていない。ここに“もったいなさ”を感じ、魅力を伝える代行者として名乗りを上げたのです。
  そして今回注目したのは、企業の理念やビジョン、経営、事業活動のすべてを連動して表現し、企業活動の軸となる「統合報告書」。株主や社会への透明性が求められる中、一歩間違えれば企業の未来が揺らぐ現代。だからこそ私たちは誤りのない情報であることはもちろん、社内に眠る魅力の発信を通じて“信頼”を築き上げ、企業価値を向上させる使命に向け、新たな挑戦を始めました――


「正直金額はどこよりも高い。でも社史を読んできたのは御社だけ。どこの会社よりも入り込んで支援してくれそう、だから御社にお願いしました。」

  今回取り上げるのは、梱包や在庫管理といったロジスティクス事業だけでなく、プラントエンジニアリング事業としてプラント建設や据え付け、メンテナンス、改修や解体までを手掛けている国内トップクラスの大企業。統合報告書の初発行に向けて、当社セミナーをご受講され、コンペへの参加依頼をいただきました。JBA以外は、実績のある大手企業5社がそろっている状況。さらにはこの5社はどこも以前からお取引実績があり、劣勢な状況が重なります。それでも私たちは私たちらしく、泥臭くどこまでのお客様のことを第一に考えて挑戦することを心に決めたのです。
  1000ページにも及ぶ社史から60年の変遷をたどり、企業価値を言語化。さらには、企業の取り組み・制度・指標を示すESGや国際社会の課題をまとめたSDGsなど、概念が混沌としてしまっている情報をすべて整理。フレームワークやデザインだけの提示、アウトプットよりも分析重視の提案が多い中、単に問われている課題への対応だけでなく、その会社が描く未来への一歩を踏み出すためにはどのようなステップを踏むべきか、またどのような思考を重ねるべきかまでご提案しました。この一貫性をもった伴走の姿勢こそが勝ち筋となり、見事受注に。
  担当者の方にも、「今まで社史を貸し出してきた会社はいくつもあります。でもここまで読み込んできてくださった会社はたった1社、御社のみでした。きっと私たちのことを一番理解して、一緒に良いもの造りあげてくれると確信しています。」とご期待をいただきました。ここからJBAとS社の二社一体となった取り組みが動き始めるのです。


真摯なアプローチで導き出した強みと魅力、
役員の前でぶつけてみよと試練をいただく

  統合報告書とは、企業がその活動や業績を包括的にまとめ、投資家や株主、取引先、顧客などの外部ステークホルダーに向けて広報するための文書です。制作するにあたって、お客様のことをお客様以上に知る必要があります。
  そこでまずは企業DNAを解き明かすため、経営層をはじめ、会社の全部門・全部署の活動を網羅的にリサーチします。昔ながらのオープンクエスチョンだけでは、お客様の深層に潜む魅力は見えてきません。私たちが目指すのは、お客様よりもお客様を知るといった情報の追求を通じて真の価値を見つけ出すこと。そのため競合他社をリサーチし、KPIを解読、戦略実現に向けた実務の舞台裏で繰り広げられていることまでヒアリングをします。これらを進めながら、お客様が自社の中にある可能性に気づくお手伝いをする。その結果として、ビジネスモデルや提供価値の根幹を見抜き、深堀りしていく。このようにお客様の事業の本質に迫っていくのです。
  情報の追求が進むにつれ、その企業が持つ独自の強みが浮かび上がってきます。人材育成においては、理念を徹底的に浸透させるため、社員だけでなくその家族まで巻き込んだ泊まり込みの研修を実施。また、グローバル人材の育成に注力し、マレーシアに研修施設を建設するなど、企業独自の価値観と姿勢が明らかになっていきました。
  その強みを担当者にぶつけてみると、新たな試練を託されました。それは見つけ出した企業の魅力と強みを、会長を含む20人の役員にプレゼンテーションすること。これは企業の深層に潜む輝きを引き出し、世に伝えるという私たちのプロジェクトが新たな局面に突入したそんな瞬間でした。
  プレゼン後、役員からは各事業に対する伝えたい想いがどんどん挙げられました。役員が積極的に発言する姿、そしてそれを引き出したこのプロジェクトに心が動かされた会長。そんな会長からも、この会社を立ち上げたきっかけとその背景にある願い、そして社員への想いを語っていただくことができました。ディスカッションを重ね、新たに見えてきたS社の強みと課題。それと同時にこの想いを私たちが発信していかなければならないと、これが私たちのミッションだと。日本のものづくりや製造メーカーを支えている存在であるにもかかわらず、知られていない、まさに縁の下の力持ち。これを外部のステークホルダーや社員にも“伝える”ことで、企業価値の向上という使命を果たすことができると強く確信しました。


あくまでもきっかけの「統合報告書」、
でもそこだけにとどまらないのがJBAの在り方

  こうして役員の方々との熱い対話を繰り返し、完成した統合報告書。しかし、私たちのプロジェクトはこの成果だけに留まらず、驚くべき変化と気づきをもたらしました。制作プロセスを通じて、経営陣は会社の理念や目指すべき方向について再び真剣に議論する契機に。それによって、ミッション・ビジョンが再構築され、コーポレートスローガンも再定義されました。社員のモチベーションやブランドイメージ、市場競争など企業の未来を左右する根幹部分の再構築という、「企業変革」への一翼を担ったのです。この結果、コロナ禍によって大きく損なわれた業績はV字回復し、新たな進化と成長に向けての一歩となりました。
  さらに私たちのプロジェクトはより一層進化を続けます。先日、「御社にコーポレートサイトのリニューアルにも是非力を貸してほしい」とご依頼をいただきました。営業活動していない私たち。それでもこのようなお話がいただけるのは、お客様以上にお客様を知り、そしてお客様にとってなくてはならない存在となれているから。そう確信した瞬間でした。
  どんなご依頼であっても、私たちが目指すのは「企業の価値向上」。そのため、説明責任だけでなく、その先にある従業員への浸透までを目指すとともに、新卒採用の苦戦原因となっているイメージ不足にも着目して、コーポレートサイトのリニューアルに取り組む予定です。
  統合報告書が「統合」という本来のスタート地点に立ち始めました。統合報告書の制作を行うただの請負会社ではなく、そこを“きっかけ”として、事業課題の解決にも踏み込んでいくのが私たちJBAのスタイル。一流企業が直面する経営戦略、人事戦略、組織開発、マーケティング、ブランディングなどのビジネス課題を領域無制限で解決するパートナーなのです。
 

“コンサルティング×クリエイティブ”のJBAスタイル
だからこそ描ける企業の未来を

  今回の物語の舞台は、現状に満足せず、挑戦し続ける大企業でした。その志を具現化し、飛躍的な進化と成長、そして新たな価値の創造を成し遂げるために、企業の中に埋もれていた”価値”を、お客さまと話し合いながら磨き上げ、形にしていく。このプロジェクトは、統合報告書を通じて企業の進化を物語として紡ぎ、未来への可能性を引き出す役割を担っているのです。挑戦と変革のエッセンスを組み込んだ統合報告書が、次なるステージへの展望を描く大きな一歩となることでしょう。
  私たちJBAのお客様は、激しい企業競争や環境変化の中、常に各産業の先頭に立って新しい価値を生み出し、世界から必要とされ続けている大手企業。しかし、多くの大手企業は、その価値を世の中に伝えきることに苦戦しています。「見せ方が上手くない」というだけで、すばらしい成果をあげても十分に認められないプロジェクトや、実を結ぶ前に消えてしまう、世界を変え得るアイディアがあります。企業の中に眠る未解決の問題に気づき、解決に向けた戦略を描く「コンサルティング」と、その先に生まれたお客様の新しい価値の見え方を創造し、魅せ方・伝え方をつくる「クリエイティブ」の実装までを一気通貫で支援する。そんな私たちだからこそ、お客様の企業価値を向上させることができるのです。
  統合報告書はまさに企業の全てを映し出す鏡です。その統合報告書を起点に、会社の方向性を定める。そこから採用や人材育成、経営計画、株主、投資家への発信メッセージを一貫させていく。これにより、最適な人材確保につながり、投資につながり、企業活動が大きくなる。一気通貫の伴走支援モデルでどこまでもお客様に寄り添って、「伝える」をご支援していきます。


Writer: Fujita

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