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JTCを飛び出して外資系に転職した初日の話

新卒入社したJTCを辞めて、初めての転職で外資系に移り、それから更に転職も挟みながらずっと外資系企業で働いています。JTCでは地方の工場勤務だったので、転職で東京に引っ越し、仕事だけでなく生活環境も大きく変わりました。

本来「外資系」は大きすぎる主語ですが、自身や周囲の実体験で共通するポイントは多々あるので、外資系に興味がある方々の参考になれば幸いです。

外資系のDay1文化

外資系では入社初日のことをDay1とかオンボーディングと言うことが多いです。オンボーディング(on-boarding)とは、船や飛行機に新しく乗り込んでくる乗客やスタッフをサポートし、慣れてもらうプロセスを言います。

正確には、新人に1日も早く組織に溶け込んでもらい、周囲とのエンゲージメントを深めてもらうための一連のプロセスがオンボーディングで、その1日目が文字通りDay1です。

午前:あふれるウェルカムに包まれる

新卒JTC時代のDay1は、新人研修を終えて職場に配属された4月中旬でした。お決まりの新人挨拶が始まるも多くの人が興味なさそうに下を向いて、あのときの厳格な感じやアウェイ感は今思い出しても冷や汗が出そうになります。
先輩社員はペーペーの新卒になんて興味ないでしょうから当然の態度かもしれませんし、ある意味で新人の通過儀礼みたいな面もありそうですが。

そして忙しそうな先輩社員から簡単な事務仕事を少し渡され、定時になるとまだ忙しそうな周りに気を使いながら退社。皆さんも社会人になったころに似たような経験があると思います。


一方で、外資系のDay1では、いざ職場に着くと外資系のイメージをいい意味で裏切られ、一気に安心感を感じたことを覚えています。

まずオフィスで目があった人に「ようこそ!」と笑顔で声をかけられて本当にびっくりしました。新しい上司がちょうど会議室から出てきて、「お!待ってたよ!」と握手。案内されたデスクには、先輩社員からのプレゼントとして本が積まれていて、付箋に一言メッセージが添えられていました。

JTCの記憶が強烈に残る職場挨拶も全然違いました。まず自己紹介ではなくて、上司による他己紹介から始まるのです。
・名前(もちろんフルネーム)
・組織の目標と現状のギャップ
・そのギャップに対する新人の経歴やスキルの妥当性
・新人に期待すること
・先輩の皆さんへのお願い
これらが上司によって他己紹介されてから自己紹介です。

午後:我々は何者か?を理解する

入社時トレーニングでは、ブランドや事業の歴史、社会に提供する価値、行動指針の理解に多くの時間を充てられました。どのようなブランドと認知されているか、これからどこに進むのか、その中であなたには何が期待されているのか、一気通貫で理解を深めます。

「オンボーディング」の通り、新しく船に乗る仲間には、船の目的地や特徴を最初に知ってもらう必要があります。具体的な仕事の手順は後でいい。
会社という組織はチームで結果を出していくものなので、チーム全員に同じ価値観を持ってもらう必要があるわけです。受け入れる側の視点では、新人にこれらを理解・共感してもらうことがDay1の大きな目標です。

定時後:家に帰るまでがDay1

定時後はウェルカム・ディナーがありました。このようなイベントのコストは会社持ちです。外資系あるあるですが、飲み会に予算がつくことに最初は驚きました。私のときは、店は会社近くの居酒屋…ではなく、おしゃれで美味しい店までわざわざ移動しました。

ちなみに外資系の飲み会アレンジは若手ではなく上長が自らやることが多く、さらにエンゲージメントを高めるためにDay1ではなく入社前にディナーを開くこともあります。

当然アルハラもなく自由な雰囲気で、先輩社員は新人のウェルカムに徹します。ここでも同じ船に乗る仲間として1日も早く溶け込んでもらうことに視点が置かれています。

JTC時代にも歓迎会はあったのですが、むしろ新人が上長や先輩に気を遣う場でした。全員強制参加で割り勘(さすがに新人はタダ)なので、帰りたそうな人もちらほらいましたし、歓迎されている感じはなかったです。当時開催してくださった方々、すみません。

受け入れる側にとってもDay1

私も外資系歴が長くなり、受け入れる側としてたくさんのDay1を経験してきました。オンボーディングはある程度パッケージ化されているので、毎回ゼロからプランしているわけではありませんが、やはり老若男女、経験・未経験などバックグラウンドは様々なので、何かしらの工夫を加えています。

外資系といっても日本法人は日本人がマジョリティなので、同じく日本人が多いJTCと何が違うのかな?と考えると、やはり「目的意識」が根底にあるように思います。
・なぜこのバックグラウンドの人が入社するのか?
・新人にいつまでにどの分野でバリューを発揮してもらいたいか?
・新人に早く溶け込んでもらうにはどうすればよいか?
新人受け入れを1つの事務的タスクとして捉えるか、組織の戦略の大切な1ピースとして捉えるか、の違いです。
こういったことの積み重ねが「文化の違い」と表現されるのだと思います。


今回は私の入社する側・受け入れる側の両視点から、Day1の実体験をお話し
させて頂きました。
終身雇用が崩れる中で外資系に興味をもっている人は増えていると思いますので、今後も役に立てる情報を発信していきます。

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