観るべき？ホラー映画の巨匠・最新サマー恐怖体験『オールド』〜本当に恐ろしいものとは〜

大ヒットスリラーサスペンス映画『シックス・センス』のクリエイターが、幽霊でも木の怪物でもない、新たなる“恐怖”を世に送り出す。

この世で一番怖いもの

真剣に考えれば考えるほど、歳を取るということ以上に恐ろしいことはないのである。

ホラー・スリラー系映画にしばしば登場する、無差別殺人者やストーカー、幽霊、人形といったキャラクターらとは、滅多に実生活で出会す事がない。その一方で、『加齢』という普遍的なテーマではどうだろう？これこそ、誰しもが避けることのできない恐怖ではなかろうか。

ひと息つく度、一言発する度、そして一歩足を前に出す度に我々の生命は終りへと近づいている。大人になると朝起きることが苦痛になり、さらに歳を重ねると立っているだけで腰が痛くなってくる。

もしもあなたが幸福に恵まれた人間なのであれば、この加齢という「退化プロセス」はゆっくり何十年もかけて味わうことが出来る。では、これがたった24時間しか与えられないと知ったらどうだろうか？

これこそが『シックス・センス』のM.ナイト・シャマラン監督が放つ、最新謎解きタイムスリラー映画。バカンスで訪れた美しいビーチで、時間が異常なスピードで加速し身体が老いていく。

原案とされる、ピエール・オスカル・レヴィ とフレデリック・ペータースによるフランスのグラフィック・ノベル『Sandcastle（砂の城）』では、砂浜に集う13人の男女を「時間」「老い」「死」をテーマにした奇妙な出来事が襲う。

何かと期待の大きなこの映画『オールド』を観終えて、サイコスリラー演出家として、色々と思うことがあったのでここに書く。

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