老人と海(ヘミングウェイ)を読んで
・はじめに
米国文学。
文字通りアメリカの文学という意味であるが、日本でもその影響は多くみられる。邦ロックの歌詞を読み解くとヘミングウェイにぶち当たることもしばしばあり、やはりロックを作ったりしちゃう人間としては読んどかねばなと思ってブックオフで手に取ったのが表題作、老人と海だった。
あらすじとしては、少年に支えられながら生きている年老いた漁師が昔の栄光を取り戻そうと普段は行かない遠方の海へ繰り出し、無事大物を手に入れるのだが...と、その結末はあえてこの記事の読者の方々にゆだねたいと思う。
まず、個人的な感想を述べると、つまらないなぁと思った。
しかし、これではこの記事を書こうと思った動機にすら辿り着かないので、以降の章でより正確に感想と考察を述べようと思う。
・物事には楽しみ方がある
はじめに、で述べたように、読了後どころか読みながら、これのどこが名作やねん。何がヘミングウェイじゃ!と思っていたのが3か月ほど前のこと。久しぶりに本読むし一生懸命読もうという気持ち一つで最後のページまでたどり着き、しばらく米国文学はいいかなぁと思っていたが、最近気づいたことがある。
それが本文を書こうと思った動機である。何に気づいたかというと、
「あれ、これってキャンプ動画と同じ面白さなんじゃね?」
と思ったのである。
読者の方の半数はここで頭にはてな、もしくは失った時間を思うばかりに怒りが生じ、ブラウザバックないしは戻るボタンを押していることだろう。
ちょっと待てい!話はここからじゃい!
皆様はyoutubeというものをご存じだろうか?(何を隠そう私も流行りのyoutuber、チャンネル登録、高評価、コメントよろしくね❤)、中でもキャンプ動画や旅動画などが好きなのだが、その実、そういった類の動画を見た後には何も残らない。ただただ、時間を消費し、人が楽しそうにテント立てて、うまい飯を酒飲みながら食う様を布団に入りながらぼーっと見るだけ。そういった類の動画である。心の中に残るものがあるとすれば、若干の冒険への渇望のみ。
老人と海は、そんな作りになっている。
冒頭であらすじの説明を最後までしなかったが、どんな描写がでてくるかというと、ジジィが魚を釣りに遠洋まで出ていく。照り付ける太陽にバテるジジィ、喉が渇くジジィ、空腹のジジィ、しいら(白身魚で淡白な味、くら寿司かどっかで食える)を釣って食うジジィ。若かったころに思いを馳せるジジィ。後悔するジジィ。つまりジジィの一人旅小説なのである。海、それも陸地から遠く離れた海に漂う小舟にポツリとたたずむジジィ、その世界で物を考え、感じ、言葉にすることができるのはジジィ、その老いぼれた人間ただ一人だけなのである。
まるで禅問答、孤独と戦うのではなく、孤独の中に生きるジジィ。
何がおもろいねん
そう思ってしまうのも無理はない。我々はこの小説の読み方を、正確に言えば感じ方を間違っていた。(クソでか主語)
ジジィの気持ちになってはいけない。キャンプ動画で投稿主の気持ちになるのが虚無なように、この小説に感情移入は必要ない。ジジィの主体を無視し、起きる出来事一つ一つを楽しむ。そう、”ライブ感ッッッ”、ジジィの一挙手一投足、ジジィに降りかかる災難。そのすべてを楽しむのだ。この作品、手元にある新潮文庫版では142pと本気にならなくても一日で読めてしまう短編ではあるが、それこそがこの小説の答えなのだ。さっさと読め。だらだらするな。人生は短い。そう、”ライブ感ッッッ”なのだ
安定を求めるよりも、豚の安心を買うよりも、狼の不安を背負う。
米国文学史に残るムーブメント、ロストジェネレーションの代表ヘミングウェイ、これを、刹那主義と言わずしてなんといえばいいのだろう。この小説を楽しむなら、我々は刹那主義的であることを強いられてしまう。寝る前の30分でちまちま読んではいけない。なぜなら人生は短いから。
構造的な美学すら感じる。ヘミングウェイしゅごい~(こじつけ)
この文章を読んでいるそこのあなた。だらだらこんなの読んでいる暇があるなら夢を追いかけろ!人生は短い!物事には楽しみ方があるのだ。”楽しめる”ものだけを楽しむのか、”楽しみ方があるもの”を楽しむのか。選ぶのは誰だ?ジジィだ!いや、お前だ!
戦え!何を?人生を!
そんなライブ感を楽しむ小説がこの「老人と海」なのかもしれない。
・さいごに
読者の皆様、ご機嫌麗しゅう。吾輩、不眠がひどすぎてとうとう病院(心のやつ)に行くことにしやした。別にジジィに影響されたからじゃないです。ちょっとはあるかもしれないけれど。
自分で分析してみると、大学3年生からちょうどコロナが始まり、そのあたりからなんか違うな~思い通りにならないな~が続いた結果、よくわからなくなってしまったのかなと思います。とりあえず不眠の治療ということでお医者さんには伝えてありますが、なにがしかの名前がついたりすれば問題が具体的になって前にすすめるのかなと思ってのことです。
最近はnoteよりも音楽のほうを進めていて、現在ソロでもバンド(以下リンクからapple music ,spotifyにとべます)でもアルバムを作っております。特にソロは5曲まで雑mixがおわったのであと3曲仕上げて出そうかなと思ってますので、試聴だけでもしていただけると吾輩ハッピーになれます。
あと友人とレーベル(といっても名乗っているだけ)を作りました。
ここから音楽やゲーム、グッズなんかを作っていけたらと思っています。
別にこれで食いたいとかは思ってますし必死にやりますが、友達と好きなことを一緒にして楽しみたいという思いの方が今は強いです。
なにかお仕事あれば気軽に振ってください。ライティングなんかもやります。
次の記事はLespaulから見る音楽史か一人焼肉(小説)のどちらかになると思います。
最後に、みなさまのスキやフォローが僕のモチベになってます。来月バンドで行くキャンプよりは大したことないですが、スキのメールが届くたびに何かいたらおもろいかなあと考えて楽しく生きるきっかけになります。
今後とも何卒よろしくおねがいします。では、バ~イ。
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