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『種の保存』『道徳的に認められない』の向こう側

先月『LGBT理解増進法案』をめぐる自民会合であった「(LGBTは)生物学上、種の保存に背く」「(LGBTは)道徳的に認められない」という発言。この発言に多くの方が怒り・心を痛め、撤回と謝罪を求める活動も注目が集まっています。

この発言は、当事者だけでなくすべての人々にジェンダー規範を押し付ける内容でした。

今回はこの発言の問題性について、マジョリティの視点から考えてみました。


議題『LGBT理解増進法案』の概要

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発言を引き出してしまった『LGBT理解増進法案』について、簡単にご紹介します。

【LGBT理解増進法案】
正式名称『性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律』。
LGBTをはじめとするセクシャルマイノリティに対する国民の理解を深め、教育、雇用、社会保証、不動産といった日常における不適切な取り扱いを防止するための法案です。

この法案は「理解増進だけで差別は解消できるのか」という部分が問題視されており、当事者や専門家から反対の声まであがっていました。

しかし、『ないよりはマシである』ということから審査に持ち込まれることになりました。


「生物学上、種の保存に背く」「(道徳的に認められない」

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「(LGBTは)生物学上、種の保存に背く」
「(LGBTは)道徳的に認められない」

この発言は、LGBT理解増進法案の審査する自民会合で行われました。差別を解消することを目的とした法案を審査する場で、議員から法案を反対するために差別的発言が行われたのです。

また、これらの反対意見が多数あったことで、法案は見送りとなりました。


発言の向こう側にあるマイノリティへの押し付け

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LGBT理解増進法案をめぐる自民会合での発言は、セクシャルマイノリティだけの問題ではありません。

発言の裏を返すと、マジョリティに性役割や生き方を押し付けているのです。

●すべて国民は(異性愛で)子供を儲け『種の保存』に貢献しなければならない
●人は『道徳的に(他者から)認められなければならない

この問題は、当事者だけでなくマイノリティも突きつけられた槍の意味を汲み取らなければなりません。


『私たちの社会』は私たちがつくるべき

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そして、話し合われているのは『私たちの暮らし』のことです。

居眠りや失言、汚職ばかりが話題となっていますが、主権は国民にあるということを忘れてはいけません。野放しにして、困るのは私たち。

そして社会を作っているのも私たち自身。自分の行動を変えることも、自分自身が生きやすい世の中を作るステップであると再認識する必要があります。


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